中小企業大学校東京校 【経営幹部の戦略立案セミ ナー 】 ~自らの手で“創り出す”経営革新~ 平成25年7月2日(火)~7月4日 (木) ビジネスブレイン株式会社 株式会社ドモドモコーポレー ション 代表取締役 遠田幹雄 (中小企業診断士 /ITコーディネータ) 代表取締役 宮本芳昭 (中小企業診断士 /ITコーディネータ) 1 内 容 1.なぜ、改革が必要なのか 2.経営戦略計画策定ステップ 3.自社の戦略の立案 4.実行段階:毎月の行動管理へ 2 1.なぜ、改革が必要なの か? 3 第3の波がきた 大きな環境変化 時代 いつ 価値基準 人間観 個人の保障 労働単位 組織 組織の維持 責任 農業社会 産業社会 情報社会 約1万年前 約200年前 今 労働力 モノ 情報 従属関係 機械重視 多様化 身分制度 学歴・就職 豊かな個性 家族・一族 集団 個人 縦型で世襲 ピラミッド型 ネットワーク 個人崇拝・忠誠心 管理・統制 自主性 運命共同体 共同責任 自己責任 ↓ 第1の波 ↓ 第2の波 ↓ 第3の波 • ※出典:IT時代の「課題達成型」目標管理 産能大学出版部 ISBN4-382-05496-6 4 情報量は421倍 5 消 費 者 と の 距 離 消 費 者 に 距 離 的 に 近 づ い て い る 大都市の百貨店 地元のスーパー・生活協同組 合 減 少 町内のコンビニエンスストア 品 揃 え の 傾 向 家のカタログ通販・訪問販売 TVショッピング・宅配 増 加 インターネット 6 老舗企業ほど倒産するようになっ た 第1-1-29図 業歴別倒産件数の構成比の推移 ~倒産件数に占める老舗企業の割合が増加~ 環境変化 に対応が できなく なった? ベン チャーは 環境変化 にうまく対 応! 環境変化に対応できない企業は淘汰される 7 変える! ゆで蛙になってしまわないために「変え る」 成功体験 ぬるま湯経営 ・過去に成功体験を持つ経営者は、「売上 が減ってきたがまだ大丈夫」、「競合が 増えてきたがわが社の商品の方が優秀 だ」と…、 高まるリスクから目をそら 8 今後の経営環境考察 • • • • • • • • • • • バーチャルカンパニーへのシフトが次世代経営を目指す 住宅、車両等モノ所有の豊かさから、レンタル思想普及 行政は税収、雇用、治安視点から倒産防止の財政支出が不可欠 製造業は規格大量生産から少量多品種で町の鍛冶屋化、内製化 中小企業が国内外に直接販売し、時間と距離の短縮化と高付加価値化 少子高齢化⇒核家族が大家族化へ、家庭介護ビジネス「大人用オムツ」 インターネット⇒ASP,SaaS,クラウド整備を積極利活用で優位 さらにインターネットは、グーグル革命からソーシャル革命へ 優秀な人材⇒記憶力、知識から変化対応の創造力、知恵 仕事とバーチャルゲーム感覚が合体し、未知への挑戦業務が日常化 食料 見える安全、自然への回帰から自家栽培化 ・ 国家的戦略でエネルギー、食料の自給化が進行し、輸入減少化 • エネルギーの個電化⇒交流から直流家電にシフト。DC国家を目指す。 • 物流は車両から、リニアパイプ、エアパイプとTAGによる瞬時低コスト 移送。 ・ 事業価値および存在価値がない組織・企業は消える 9 9 変えなければならないものは? 変えてはならないものは? ■変えなければならないもの 環境変化への対応策 ■変えてはならないもの ビジネス上の「志」 10 環境は大きく構造変化 •成長経済から成熟経済へ •自己責任のネットワーク社会 決定権は生活者(個人)にシフト 11 決定権は生活者(個人)が持った ビジネスは、 顧客視点で考えるべき! マネジメント・イノベーション 経営改革 12 マネジメントの考え方が違う? マネジメント・イノベーション • • • • • • • ミッションビジョン経営 原則重視、柔軟な規則運営 顧客満足と知覚品質 自己中心的でない戦略思考 可謬主義と対話主義 気づきによる自己変革 価値前提と事実前提 13 「事実前提」と「価値前提」 マネジメント・イノベーション 事実前提 価値前提 意思決定で 重視すること 現状の置かれた 環境や自らの能 力などの事実 どうあるべきか 何を目的にどのよ うな価値を実現す べきか 時間軸 過去を見ている 未来を見ている 出来事への対 前例主義、 応 (前例がないとき は場当たり的にな る) 売上利益は… 目的である 顧客志向、 社会志向、 建設的な対応 結果である 14 事実前提から価値前提へ マネジメント・イノベーション • 大きな変革のとき、昨日の延長に明日はない! • 事実前提で物事を決めると危ない! – 昨日までの考えで明日の変革に立ち向かえない – とにかく儲かればよいという発想に流れがち – 上司に言われたから…過去からの伝統だから…と 偽装をも正当化する組織風土に陥る危険性あり • 価値前提で考えよう! – ディズニーランド、リッツカールトンホテル、サウスウ エスト航空など • 価値=構想=way=生き方 15 行動科学の視点から ①生存の欲求・・・生理的、本能的 – 雇用の安定、世間並賃金、 ②安全・安定の欲求・・健康、ゆとり – 就業規則、安全衛生、退職金、企業福祉 ③社会的欲求・・・・仲間と親しく、帰属 – 社員旅行、文化、体育、レクレーション ④尊厳欲求・・・・人、能力、業績評価 – 人事考課、目標管理、成果配分、経営参加 ⑤自己実現欲求・・人格向上、自分の価値追求 – 自己啓発援助、生涯教育援助、 出典:マズロー「欲求5段解説」 16 経営戦略のチェックポイント • 経営戦略策定において注意すべき留意点 – 経営環境の変化をリアルタイムに補足する – 経営戦略の構築と成功要因の確認 – 企業の経営資源および経営組織の資質把握 – 挑戦への意欲レベルの把握 – 戦略策定を参加型プロジェクト組織で行う – 改革意識の共有化、情報の共有化を図る – 「キックオフ」にてプロジェクトスタート 17 2.経営戦略の立案ステップ <事例による演習> S:強み W:弱み O:機会 T:脅威の分析 18 経営戦略立案ステップ 経営理念 経営環境 演習課題 1、2、3 ①経営環境分析 演習課題 4、5 事業ドメイン(To-Be) ②経営課題の抽出 マトリクス分析 演習課題6 演習課題7 SWOT分析 事業ドメイン(As-Is) 重要成功要因 ③経営課題の重点化 (CSF)の抽出 ④アクションプラン いつ誰が何をするか ⑤経営戦略企画 戦略を見える化 19 事例で使う演習課題シートは7 枚 現状分析(過去・現在まで) 演習課題1 経営課題の抽出(将来の戦略立案) 演習課題4 演習課題6 演習課題5 演習課題7 演習課題2 演習課題3 ※演習1~3は、過去・現状までの事実分析 ※演習4~7は、将来を描く創造的な戦略立案 20 事例はABC商事 まずは、事例企業の戦略立案を グループディスカッションで 21 演習課題1 社長の想いと経営目標の確認 <グループワーク> <発表> 22 戦略とは…ビジョンとは? マネジメント・イノベーション ビジョン 理想(Goal) 問題意識 問題解決 の手段を ギャップ 戦略 明らかに する構想 目的意識 現実(start) 23 経営戦略とは 社長の思い・経営理念・ビジョン・ミッション 会社の目的・経営目標の明確化 経営戦略 経 営 戦 略 企 画 絞込み 会社の目標を達成するための会社の基本方針 会社の経営理念と目標を受けて会社が進むべき方向性を示す 全社戦略 全社的な視点で、最適な事業領域(ドメイン)の設定と全体 目標を定め全体最適を図る統合的戦略 事業戦略 対象とするべき製品や市場・顧客を選択し、事業活動の 展開方法、手順と経営資源の投入や配分の方法、手順 機能戦略 企業の各機能(例えば生産、販売、財務、人事、開発など) ごとに資源生産性の極大化を図ることを目的とする戦略 経営課題と課題解決指針の明確化 経営計画 主要な改革事項、目標値、実現のための組織体制の明確化 長期経営計画/中期経営計画/年度経営計画/個別計画 24 演習課題1 経営理念および経営目標の確認 ( チーム) 経 営 理 念 社 長 の 思 い 経 営 目 標 25 演習課題2 SWOT分析による現状分析 <グループワーク> カード(ブレーンストーミング結果)を、S/W/O/Tに分類 <発表> 26 SWOT分析 <強み(S:Strength)> 自社の強み、売りは何か? 顧客はなぜ取引してくれるのか? (案外これがはっきりしていない) <弱み(W:Weakness)> 自社の弱み、強化を要する点 (酒の席で人気の話題?) <機会(O:Opportunity)> 経済環境の変化は ビジネスチャンスを生み出す 自社にとってチャンスになりうる 経済環境変化は何か? <脅威(T:Threat)> 自社の強みを殺す危険性があ る経済環境の変化は何か? 27 強み・弱み (内部要因) 機会・脅威 (外部要因) 資源 (財務・知的財産・立地) 政治や法令 顧客サービス 市場トレンド 主要顧客との関係 経済状況 市場における知名度・評判 株主の期待 効率性 科学技術:テクノロジー 競争上の優位 消費者の期待 製品やサービスの品質 競合他社の行為 材料の良し悪し 経営管理のレベル 価格、コスト デリバリー、輸送時間 ブランド 企業倫理 SWOT分析に よく使われる項目 28 SWOT分析のメリット • 問題点が整理され、解決策を見つけやすく なる。 ⇒現状分析と戦略立案ツール • マトリクス表に整理する過程で、関係者が 意見を出し合いながら、問題意識を共有化 できる。 ⇒さまざまな気づきを得られ、コミュニ ケーションがよくなる。 29 SWOT分析の進め方 ■SWOT分析は、我が社の強みと 弱みは何か?市場や業界にはど のような機会と脅威があるかを 分析する手法 ■強みと弱みは、事業ドメインに基づ き、経営資源やノウハウ等の内部 環境の状況と、競合関係から明らか にする 内部環境分析 強み Strengths ■組織の強みと弱み/将来の変化に 対する事業機会・脅威を検討する 機会 10件以上 5件以上 弱み 脅威 Weaknesses 10件以上 ■機会と脅威は、業界特性を考慮し、 社会・市場等の外部環境の分析 に基づいて行う 外部環境分析 Opportunities Threats 5件以上 ①メンバー個人個人がポストイットへ記入(必ず1枚に1件) ②メンバー全員のカードを集め、同じ意味のカードを集める ③グルーピングされたカードの塊にこれらの意味を良く表す キーワードをつける <集めたカードのキーワード> 30 カードを利用したグループ討議の進め方 メリット:声の大きさの影響を防止し、 客観的な議論ができる ■グループの優先順位を決める ■カードの書き方 方法2:評価基準で重み付けする 方法1:人気投票で決める 1枚のカードに1件を書く 主語と述語で書く/体言止にしない ■グループ間の関係を表現する 事実を書く/抽象的な表現をしない 原因→結果(目的→手段)を表現 対立関係も表現する( ) ■カード合わせ(グループ化)する よく似た内容のカードを集める ■グループにタイトルをつける カードの意味を重視して集める 第3者が理解できる表現にする 一匹狼も大切にする 主語と述語でタイトルを表現する 31 SWOT分析はKJ法を活用して意見交換する。 演習課題2 SWOT分析 内部環境分析 強み Strengths SWOTカード SWOTカード ○○○○○ ○○○○○ SWOTカード ○○○○○ 弱み SWOTカード ○○○○○ 機会 Opportunities SWOTカード ○○○○○ 配布したSWOTカードを 4つの象限に分けて 貼り付けてください SWOTカード ○○○○○ チーム) 外部環境分析 SWOTカード SWOTカード ○○○○○ ○○○○○ SWOTカード ○○○○○ Weaknesses SWOTカード SWOTカード ○○○○○ ○○○○○ ( 脅威 Threats SWOTカード SWOTカード ○○○○○ ○○○○○ SWOTカード ○○○○○ 似たSWOTカードは、まとめ タイトルづけをしてください 32 演習課題2 SWOT分析 内部環境分析 強み 弱み Strengths Weaknesses ( チーム) 外部環境分析 機会 Opportunities 脅威 Threats 33 演習課題3 現状(As-Is)の事業ドメイン <グループワーク> ・現状の顧客は誰か?ニーズはなにか?当社の独自能力は? <発表> 34 事業ドメインと事業価値 事業ドメインの定義 1.狙うお客様はどこの誰なのか? 2.そのお客様のニーズ(要求)は何なのか? 3.そのニーズを満足させる商品・サービス・ノウハウはうちにあるのか? ターゲット顧客 事業ドメイン 急いでいるビジネスマン、 OL、主婦、ファミリー (ハンバーガーショップの例) ニーズ コアコンピタンス 素早く手軽に 食事を済ませたい 待たせないで素早く 食事を提供する能力 事業価値 食事時間短縮という問題解決提供業 35 事業ドメインの現状は「As-Is」 ■事業ドメインとは、「企業が事業を行うために 選択し、集中すべき範囲・領域」を示す ■我が社の事業のあり方を明確にし、今後どの ような方向性で戦略を立てるかの足がかり・ スタート地点を示し、プロジェクトスタート時の 現状認識の一致を図る 現状(As-Is)事業ドメイン 現状顧客 ニーズ ■我が社が属する業界の、現在の特徴・業界 での位置づけ(ポジション)を明確にする ■現状での業界特性を考慮しながら、事業 ドメインをまとめる ノウハウ 現在の事業価値 業界特性 顧客 仕入先 ■事業ドメインは、現状顧客・そのニーズ・自社の 競争力の源泉としてのノウハウ(技術・生産性・ 人材等)の3つの要素にまとめて考える ■この3つの要素から、我が社は現在どんな価値 をどんな顧客に提供しているかを考える チャネル 競合 企業 新規参 入 代替品 36 演習課題3 現状(As-Is)事業ドメイン ( チーム) 現状顧客 ニーズ ノウハウ 事業価値 業界特性 顧客 仕入先 需要は漸減・需給面で供給過剰の状況 チャネル 大手食品材料メーカーの一次代理店・メーカーの戦略次第で中抜きの恐れあ り 流通は他段階構成・代理店からユーザへの直取引 競合企業 長年の蓄積のある同業者が多い 新規参入 食品材料の輸入増加 代替品 中抜き(流通の代替)の恐れあり 37 演習課題4 未来(To-Be)の事業ドメイン <グループワーク> ・未来の顧客は誰か?ニーズはなにか?当社の独自能力は? <発表> 38 事業ドメインの未来は「To-Be」 ■新事業ドメインは、戦略的に顧客を絞り込み、 「企業が事業を営むために選択し、集中すべき 範囲・領域」を示す ■SWOT分析の結果から合理的・戦略的に 判断して新たな事業ドメインを決定する ■事業価値の中身を再定義する。例えば 今までの事業価値(As-Is)のままでよいか? 変えるのであればどう変わっていくべきなのか? を明確にする ■新事業ドメインを決めるには、新たな事業機会と 自社のコアコンピタンスを最大限に活かし、脅威 の影響を最小にできる「ターゲット顧客」とその 顧客のニーズに基づいていることを明らかにする ■顧客に価値を提供しながら競争力のある企業と なるためには、根本的に何をすべきか? あらゆる角度からよーく考えること! 新(To-Be)事業ドメイン ターゲット顧客 ニーズ コアコンピタンス 事業価値の再定義 コアコンピタンスとは 「企業の持つ独自の力や中核と なる能力や適性」 ・競合他社よりも数段優れたレベル の製品・サービスを提供できるもの ・組織の力を結集して取り組んでいく もの ・自社のノウハウから抽出するか、 今までないものを新しい力として 創出することにより定義する 39 演習課題4 新(To-Be)事業ドメイン ( チーム) ターゲット顧客 ニーズ コアコンピタンス 事業価値の再定義 As-IsとTo-Beのギャップ 40 演習課題5 対策案を列挙し重要成功要因(CSF)を抽出する 経営課題分析マトリックス(SWOTマトリックス) <グループワーク> <発表> 41 SWOT~マネジメント要件まで 事業ドメイン 業界特性 SWOT分析 ①今後どのような事業戦略を選択し, ②どのような事業価値を発揮するか, ③そのための戦略をどうすべきか を決定 重要成功要因 優先順位決定根拠 ①顧客・市場マネジメント ②製品・サービスプロセス ③チャネルマネジメント ④サプライヤーマネジメント ⑤人材 ⑥支援業務プロセス ①最重要成功要因(CSF) とその優先順位付け ②CSFと説明 ③CSFとマネジメント要件 42 重要経営課題(主要成功要因)の抽出 ■重点経営課題(主要成功要因)とは? • 経営目標を実現するために重点的に取り組むべ きテーマ • それ相応の企業努力をしなければ実現できない テーマ 全員の想いが一致する方向の明確化が狙い 43 経営課題とその解決手段の抽出 ■経営環境マトリックスを利用して経営目標を実現 するための課題をカードに書き出してゆく 外部環境 新たな事業機会 内 強み 部 環 境 弱み 新たな事業脅威 事業機会をうまく自社の強み 自社の強みを環境変化で事業 に取り込むための経営課題と 脅威にしないための経営課題 と手段は?(強みは弱み) 手段は? (強みを生かす) 自社の弱みを環境変化で事 業機会にするための経営課 題と手段は?(弱みは強み) 事業脅威が自社の弱みと重な り致命傷にしないための経営 課題と手段は? 44 演習課題5 CSFの抽出(SWOTを活用したマトリクス分析)( 重要成功要因(CSF) 重要成功要因(CSF) 1._______ 2._______ 3._______ ① ② ③ ④ ⑤ 機会(O) 脅威(T) 機会 脅威 強みを活かして機会をどうとらえるか 強み (S) 強み チーム) 強みを持って脅威にどう立ち向かうか 対策案1 対策案2 機会を活かすために、弱みをどう改善するか/脅威を克服するために、弱みをどう改善するか 弱み (W) 弱み 対策案3 45 演習課題5 CSFの抽出(SWOTを活用したマトリクス分析)( 重要成功要因(CSF) 機会(O) チーム) 脅威(T) ① ② ③ ④ ⑤ 強みを活かして機会をどうとらえるか 強みを持って脅威にどう立ち向かうか 強み (S) 機会を活かすために、弱みをどう改善するか/脅威を克服するために、弱みをどう改善するか 弱み (W) 46 演習課題6 主要マネジメント要件(アクションプランや見積) <グループワーク> CSFを実施するための主要マネジメント要件 (アクションプラン)を検討する <発表> 47 アクションプランの策定 ■重点経営課題(主要成功要因)ごとに、それぞれ具体的な アクションプランへ展開する。 具体的な実行手段をカードに書き出す カードを実現の難易度で3群に分ける(下図参照) 各実行手段が実現したときの効果を予測し、優先順位 を決め、優先度の高いものを実行施策とする 例えば1年目の目標 ・・・・をする (すぐできること) 例えば2年目の目標 ・・・・をする (頑張ること) 例えば3年目の目標 ・・・・をする (企業文化を変えること) 48 主要マネジメント要件(アクションプラン)の抽出と収益性の確認 ■抽出した1位から3位のCSFの主要マネジメント要件の内、特に重要なものを それぞれ3件程度を抽出する ■選択した主要マネジメント要件について、収益性の見積を行う ①必要な概略投資額を見積り、△XXX千円 ②マネジメント要件の実施により結果として、売上UP・コスト低減をXXX千円で見積もる 売上高のUPは粗利益で表示する ■選択した主要マネジメント要件は、3フェーズアプローチのどのフェーズに達成できるか を計画する <3フェーズアプローチ> 第1フェーズ=すぐできることをすぐやる :第1年目 第2フェーズ=短期にできること、早く結果のでること:第2年目 第3フェーズ=じっくりすること、長期的なテーマ :第3年目 優先順位 1位 CSF 主要マネジメント要件 抽出したCSFを 転記する CSFを実施するために必要な 主要マネジメント要件 (アクションプランなど)を 重要度順に3つ抽出する © IT Coordinators Association 59 収益性見積 3フェーズ 2010年~ ・投資額(予算) 2012年まで ・UPする粗利益 の3年間で ・コスト低減額 実行49 演習課題6 ( チーム) 主要マネジメント要件の収益性確認 優先順位 主要マネジメント要件 CSF 収益性見積 投資見積 収益見積 3フェーズ ① 1位 ② ③ ① 2位 ② ③ ① 3位 ② ③ 50 演習課題7 経営戦略企画書の作成(これまでのまとめ) <グループワーク> <発表> 51 演習課題7 ■経営戦略企画書(概要) 当社を取り巻く外部環境 ( チーム) 社長の思い 経営目標 重要経営課題/CSF 重要経営課題アクションプラン (機会) (脅威) 当社の現状 (強み) (弱み) 52 3.自社戦略の立案(2・3日 目) 自社の現状再認識シート(宿題)を使い 経営戦略立案ステップで、 自社戦略を作成する 53 =自社の現状再認識 質問シート(A面)= 自社の基本情報 商品・サービスの特徴 会社名: Q1.貴社はどんな製品・サービスを取り扱っています か? 業 種: 社員数: 名 Q2.その製品・サービスの他にはない特徴・長所は何です か? ※パートアルバイト含む 営業年数: ●この3年ぐらいの業績イメージ □向上傾向 □横ばい □不規則 □悪化傾向 ●商品・サービスの販売単価の動向 □わからない・知らない ●商品・サービス製造原価・仕入れ原価の動向 ●商品・サービス製造数量・販売数量の動向 □向上傾向 □横ばい □不規則 □悪化傾向 □増加傾向 □横ばい □不規則 □減少傾向 □向上傾向 □横ばい □不規則 □悪化傾向 □わからない・知らない □わからない・知らない □わからない・知らない ●業績傾向の特徴・特記事項 お客様の特徴 競争状況の特徴 Q7.ご商売の競争相手はどんな特徴のある会社です か? Q5.最近お客様からどんなことを喜ばれます か? Q8.競争相手に負けないためにどんな工夫をしています か? Q6.最近気になっているクレームや苦情は? ●競争相手または業界全体の業績の動向 ●地域内・業界内のシェア □向上傾向 □横ばい □不規則 □悪化傾向 Q4.主要なお客様の特徴・ニーズ(要望)は何です か? ●お客様件数の動向(既存顧客の減少+新規顧客の増加) □向上傾向 □横ばい □不規則 □悪化傾向 75% □わからない・知らない Q3.どのようなお客様を相手にされるご商売です か? 25% □わからない・知らない 54 □わからない・知らない =自社の現状再認識 質問シート(B面)= 組織と社員の基本情報 人材とノウハウの特徴 ●組織の部門区分と人数構成を教えてください □部門の区別はない 部門名 主な役割 主な役割 Q11.他社にはない独自の技術やノウハウ とか、特殊な設備が何かありますか? 人数 ●職種区分と人員構成を教えてください 職種名 Q9.社員のやる気を引き出すために工夫していること は? 人数 Q10.ご商売上、社員に必要な能力にはどんなものがあります か? 経営革新の目標 Q15.変革に向けて積極的に変えていきたいことは何です か? 今後の変化に対する予想 Q12.今後、お客様のニーズはどのように変化すると思いますか? ●今後の売上の予測 □向上傾向 □横ばい □不規則 □悪化傾向 □わからない・知らない Q13.新たな商品・サービスで検討しているものはありますか? Q16.環境が変化しても変えてはならないことは何です か? ●今後のコスト・経費の予測 □増加傾向 □横ばい □不規則 □減少傾向 □わからない・知らない Q14.何か、新たな設備投資や人材強化を検討していますか。 ●今後の利益の予測 □向上傾向 □横ばい □不規則 □悪化傾向 □わからない・知らない 55 演習課題シート利用して自社戦略立 案 現状分析(過去・現在まで) 演習課題1 経営課題の抽出(将来の戦略立案) 演習課題4 演習課題6 演習課題5 演習課題7 演習課題2 ※SWOTは ポストイットで 演習課題3 ※演習1~3は、過去・現状までの事実分析 ※演習4~7は、将来を描く創造的な戦略立案 ※演習用にはないシートもあります 56 経営戦略立案ステップ 経営理念 経営環境 演習課題 1、2、3 ①経営環境分析 演習課題 4、5 事業ドメイン(To-Be) ②経営課題の抽出 マトリクス分析 演習課題6 演習課題7 SWOT分析 事業ドメイン(As-Is) 重要成功要因 ③経営課題の重点化 (CSF)の抽出 ④アクションプラン いつ誰が何をするか ⑤経営戦略企画 戦略を見える化 57 戦略マーケティング体系図 経営理念 経営環境 ①経営環境分析 ②経営課題の抽出 SWOT分析(強み、弱み、 機会、脅威)、3C分析 成長ベクトル、PPM、 ポジショニングマップ、 事業ドメイン(3次元定義) マーケティングのポイント ③経営課題の重点化 ④アクションプラン ⑤経営戦略企画 競争戦略(※市場細分化、 製品差別化、市場占有率、市場集中) ①ターゲットの選定 ②マーケティングミックス最適化 ヒト、モノ、カネ、IT (5W2H:いつだれがなにを 58 どのようにいかに…) 戦略マーケティングのポイント 経営理念 経営環境 ①経営環境分析 戦略的マーケティング 市場細分化戦略が中心! (ターゲットマーケティング) ・市場分析と細分化 ②経営課題の抽出 (地理的、人口統計、ライフスタイル、 ベネフィットや行動基準) 競争戦略(※市場細分化、 ⇒ターゲット(標的市場)設定 製品差別化、市場占有率、市場集中) ③経営課題の重点化 ①ターゲットの選定 ②マーケティングミックス最適化 ④アクションプラン ⑤経営戦略企画 ・マーケティングミックスの 最適化 ※マーケティングミックスの4P プロダクト(製品) プライス(価格) プレイス(流通チャネル) プロモーション(販売促進) 59 4P(マーケティングミック ス)と4C Product(製品) Customer Value 製品、サービス、品質、 デザイン、ブランド 等 顧客が感じる価値、問題解決 Price(価格) Customer Cost 価格、割引、支払条件、 信用取引 等 顧客の購買価格、値ごろ感 Place(流通) Convenience チャネル、輸送、流通範囲、 立地、品揃え、在庫 等 顧客が感じる利便性 Promotion(広告) Communication 販売促進、広告、インターネッ ト 顧客のコミュニケーション 60 IT経営=ITの徹底活用例 お客様情報の徹底活用とスピード営業 お客様 1.SFA:お客様の真のニーズを探り提案営業の実行 ・購入履歴の分析⇒需要予測による先行提案 2.CRM・かゆいところに手が届く営業戦術・個別対応できるようにする ・ニーズ情報の収集・分析・営業部門による共有と活用 ・エモーショナルマーケティング(お客さまに感動を与える) 3.スピード営業(要望に早く応える) ・EDI/EC化⇒Web受注・EDI受発注 すべての業務をお客様のサービスレベルUPのために行う 内部プロセス 仕入先 協力会社 提携先 1.間接業務の工数を半分にする ・業務プロセスを徹底改善してIT活用により人員を半減させる ・お客様のサービスレベルUPにならない業務を廃止する 2.受発注業務の手作業を「0」にする ・EDI/ECの徹底活用⇒受注情報を直接基幹システムに連携する ・電話FAX受発注をWeb受発注に切り替える 3.出荷・物流業務の手間を省く ・物流アウトソーシングの活用 ・受注時に出荷配送に関する業務処理を行う 4.まず企業内SCMを完成させる 受注予測情報の共有化により外部リソースを徹底活用する 1.SCM:仕入先・協力工場との情報連携による一体的な業務処理 61 2.外部リソースの強い部分を重点活用する 情報化の主要対象業務 ピンから キリまで パッケージ利 用が可能 顧客管理 WEB マーケティング 現在は FAX/伝票 受注管理 顧 パッケージ利 用が可能 自 社 パッケージ利 用が可能 会計管理 基幹業務プロセス 発注管理 在庫管理 EDI EDI 客 今後の 重要テーマ 現在は FAX/伝票 生産計画 製造管理 サ プ ラ イ ヤ 情報化の 難度高い 電子メール 情報化の 必修項目 情報共有系 固有技術系 (グループウェア) (CAD/CAMなど) パッケージ利 用が可能 今後の 重要テーマ パッケージ利 用が可能 62 経営課題解決策 経営課題 1.既存事業の転換 新規事業進出 ・事業領域の転換 ・高付加価値事業の確立 ・グローバル化への対応 ・外部経営資源との連携・活用 2.企業の社会的貢献 ・環境ビジネス・環境問題への取組 3.売上拡大 新規開拓 4.商品力・サービス力 の強化 5.工期短縮 スピード経営 6.コスト削減 7.組織・社員のやる気 と能力向上 8.リスク管理の強化 ・インターネットによる直接販売 ・営業情報共有による営業効率向上 ・顧客サービス向上による顧客維持 ・企業ブランド確立による売上拡大 ・インターネットによる新規開拓 ・魅力的な新商品の開発 ・魅力的な新サービスの開発 ・商品品質・サービス品質の向上 ・納期短縮・開発期間短縮 ・多品種・少量生産 ・SCMへの対応 ・電子調達への対応 ・顧客サービスのスピードアップ ・業績の月次把握から日次把握へ ・実績情報の即時フェードバック ・業務プロセス変革 ・社内業務の効率化 ・製造生産性の向上 ・在庫圧縮 ・物流効率化 ・調達コスト削減 ・経営情報の共有によるやる気向上 ・企業戦略と整合的な人事や評価基準 ・ITリテラシーの向上 ・リスク管理の強化 ・情報セキュリティ管理の強化 IT戦略 新ビジネスモ デル構築への IT活用 営業マーケテ ィングへの IT活用 経営意思決定 の合理化・ スピードアップ 化へ 仕事の仕組み 改革と連携 統合化 コミュニケーシ ョン高度化 人事活用 高度化 IT活用による解決策 ・自社Webによる技術PR ・多言語でのPR ・B2B・B2Cサイト等利用 ・自社Webでの各種 マーケティング策 ・グループウェア ・図面情報・ノウハウ等共有 ・TV電話等の利用 ・巨大ファイル等のやりとり ・電子メールの活用 ・経営情報の共有 ・三次元CAD活用 ・強度解析振動解析 ・デザイン力強化 ・ハード等への組込ソフト ・生産設備での組込ソフト ・財務会計・管理会計 ・販売管理・在庫管理 ・生産管理 ・EDI 電子受発注対応 ・PC導入・更新 ・ネットワーク整備 ・セキュリティ確保 ・災害対応策 ・アクセス権等の整備 ・法的対抗策等の整備 ・一般社員ITリテラシー向上 ・情報化リーダー育成 ・特殊分野社員の教育 ・社内での委員会制 ・情報活用と評価の連動 Web マーケティング 情報共有 固有技術強化 基幹系 社内インフラ 整備 教育・体制 63 商品と市場(顧客) アンゾフの成長ベクトル 商品 市 場 ( 顧 客 ) 既存商品 新商品 既 存 市 場 ① 市場浸透戦略 ② 新商品開発戦略 新 規 市 場 ③ 市場拡大戦略 ④ 多角化戦略 64 DMM(ダイアモンド曼荼羅マトリックス 1-1 1-2 個人取引 1-8 訪問介護 1 通信販売 2-1 直接販売 1-4 企業から 個人 ネット販売 1-7 1-3 1-6 ホームペー ジ 2-8 日食配達 1-5 2-2 EDI 2 介護サービ ロングテー ス ル ASP活用 3-1 メーリングリ スト 2-4 2-6 3-2 市場深耕 3-8 IT&HP 携帯活用 個人開拓 2-7 2-3 2-5 共同開発 3 複合化 3-4 商品・製 地域商品 品 市場細分化 3-7 グループウ 情報共有化 エア 3-3 3-6 下流工程 3-5 新商品 上流工程 (Lebel 0) 8-1 8-2 PJ発足 8-8 やりがい 創造 8-7 環境分析 8 8 8-5 目標管理 7-2 7-3 7 7-4 農商工連携 地域資源 地域資源開 発 7-7 7-5 イベント企画 7-6 地蔵 6-2 産学官連携 6 既存顧客 顧客 5 技術 4-2 4-8 戦略 地域資源 他社連携 6-6 新規顧客 4-7 顧客 4-6 個人 6-3 5-1 遊休特許活 用 産学官連携 6-4 5-8 他産業界 4-4 旅行客 他社と連 権 4-3 4 高齢者 4-5 法人 5-2 海外 5-3 異業種連携 5 5-4 他社と連 権 技術 6-7 観光地 4 6 6-8 4-1 商品・製 品 IT&HP 組織改革 6-1 土産品 3 0 7 トップ提案 秩父めぐり 2 企業から 個人 課題抽出 8-4 8-6 地産地消 7-8 1 組織改革 幹部合宿 成功報酬 7-1 8-3 6-5 共同開発 5-7 5-6 内製化 流通合体 5-5 製販連携 65 Copyright © 2001 ITCA. All rights reserved. オズボーンのチェックリスト 1.ほかに使い道はないか <転用> そのままで新しい用途は ないか 2.他からアイデアが借り られないか <応用> 類似商品・競合商品 過去のヒット商品 3.変えたらどうか <変更> 既存商品の改良、デザイ ン、カラー、音、匂い 4.拡大したらどうか 5.縮小したらどうか 6.代用・代替したらどうか 新機能の追加 高さ、長さ、強度、材料 リードタイム、コストダウン 軽薄短小、軽く、低く 代替材料、動力の代用 ヒトの代用、設備の代用 7.入れ替えたらどうか <再配列> レイアウトの入れ替え 手順の入れ替え 8.反対にしたらどうか <逆転> 前⇒後、表⇒裏、上⇒下 9.くっつけたらどうか <結合> ユニット化、ブレンド化 組織統合、企業提携 66 マインドマップ思考法 ある対象について、関連するキーワードや想起されるイメージを放射状につなげながら描いていくことで分析/表現を行う。 キーワードやイメージをつなげていく表現方法は人間の脳が物事を記憶/分析する方法に近いため直感的に理解しやすい。 67 ユニークな視点をもたらすレン ズ 拡 散 フォーカス ひねり 市場だと思っていないとこ ろも見る 例)クラフトのナチュラル チーズ参入 客になりきりどんな刺激を 受け、購入するか 例)CD購入時の妥協点を つぶす 人と逆のことを行う 例)経済性の悪い地域を 攻めるエドワードジョーズ 企業活動を川上から川下 まで見る 例)バリューチェーンを拡 げるトヨタ自動車 動かすと他も一緒に動くポ 市場の特異点を観察する イントを探す 例)壊血病の予防策発見 例)組織のテコの視点を見 柑橘類と野菜 つけて改革 長い時間軸でマーケットを 見る 例)日本で適者生存できる アスクル どの消費者、ユーザーが ツボになるか知る 例)レストランの5%リピー ターを増やすと25%UP Aで成り立つものがBでも 成り立つか 例)ビッグの使い捨てボー ルペンと髭剃り 68 4.実行段階:毎月の行動管理 へ PDCAをまわす 69 経営戦略計画策定の全体スケジュール *月*日 *月*日 中長期経営戦略立案 (経営理念・方針・戦略) *月*日 *月*日 *月*日 3月19日 XX年度戦略計画立案 3月26日 *月*日 XX年度行動計画立案 *月*日 (部門・個人行動計画) 4月 2日 (方針・戦略・部門計画) どこを 目指すのか どのように 進めるのか 部門・個人は どうする *月*日 XX年度「経営戦略計画発表大会」 70 PDCAを回す 2. Do(実施・実行): 計画に沿って業務を行う。 1. Plan(計画): 経営戦略を立案する。 4. Act(処置・改善): 実施が計画に沿っていない 部分を調べて処置をする。 3. Check(点検・評価): 計画に沿って業務が実施さ れているかどうかを確認する。 71 PDCAのイラスト出典 Karn-b - Karn G. Bulsuk (http://karnbulsuk.blogspot.com).
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