n型ドープGaAs量子細線の 発光および発光励起スペクトル測定 東京大学物性研究所,CREST(JST),Bell Lab 井原章之,早水裕平,吉田正裕,秋山英文, Loren N.Pfeiffer,Ken W.West 1、背景と目的 2、サンプルの構造 3、細線のPL・PLE測定 4、低電子濃度のPL・PLE 5、高電子濃度のPL・PLE 6、2次元系との比較 7、まとめ 背景と目的 バルク金属のX線吸収測定 吸収スペクトルの吸収端がべき的に発散するという効果 (Fermi Edge Singularity)が観測された。 G. D. Mahan, Phys. Rev. 153 (1967) 882. 二次元系 半導体量子井戸における発光・吸収スペクトルの電子濃度依存性の測定で、 多体効果を反映した特長を観測。 一次元系 我々のグループは過去に、ドープ単一T型量子細線における発光スペクトルの 電子濃度依存性を測定。 H. Akiyama et. al. Solid State Commun. 122 (2002) 169 量子細線におけるPL・PLEスペクトルの 電子濃度依存性の測定 サンプルの構造 分子線エピタキシ・ へき開再成長法で作製 stem 電子濃度 1×1011 cm-2 ゲート電圧(Vg) 0.0~0.8V wire電子濃度 0~4×105 cm-1 arm電子濃度 0~1.3×1011 cm-2 温度 液体ヘリウム温度(5K) 細線のPL・PLE測定 PLE測定のS/N比を向上させるために、 実験配置は右図のようにした。 下図は、ゲート電圧をVg=0.15Vにした ときのPL・PLEスペクトル。 LH:light hole HH:heavy hole PL and PLE Intensity (arb.units) wire HH PLE arm HH arm LH stem LH PL stem HH 1.55 1.564 1.568 1.572 Photon Energy (eV) 1.57 1.59 1.61 1.63 Photon Energy (eV) 1.65 低濃度側 PL PLE 0.4V ゲート電圧 PL and PLE Intensity (arb.units) ①neutral exciton (exciton) ②charged exciton (trion) ③FES PL and PLE Intensity (arb.units) Vg=0.0V~0.4V ③ 大 0.3V ② 電 子 ① 0.15V 濃 度 ③ n1D 0.2V 0.1V 小 1.566 1.568 1.570 1.572 0.0V 1.566 1.568 1.570 1.572 Photon EnergyPhoton (eV) Photon Energy (eV) Energy (eV) 理論:M. Takagiwa, T. Ogawa, 2001 高濃度側 ①Fermi Edge ②Band Edge ③??? ① PL PLE ③ PL and PLE Intensity (arb.units) electron plasma PL and PLE Intensity (arb.units) ゲート電圧 Vg=0.4V~0.7V ② 0.7V 0.6V 0.5V 0.4V 0.35V 0.25V 0.15V 1.564 1.568 1.572 1.576 1.564 1.568 1.572 1.576 Photon Energy (eV) Photon Energy (eV) Photon Energy (eV) well ① Eb wireでは、Eb=2.3meV ③ trion 吸収 well:ブルーシフト・ブ ロードニング。 wire:急速な減衰・な だらかな吸収の立ち 上がりへ。 well:ブルーシフト・ブ ロードニング。 wire:大きなブルーシフト ④ plasma well:trionの吸収ピー 吸収 クからなめらかに繋 がる。 PL and PLE Intensity (arb.units) 吸収 wire (meV ) 1.8 ④ wellでは、Eb=1.4meV wire:ブルーシフト・急 ② exciton 速な減衰。 EF PL and PLE Intensity (arb.units) 2次元系(arm well) との比較 EF (meV ) ④ 1.5 1.5 1.1 1.1 ③ 0.8 0.8 ③ ② 0.5 0.5 ② 0.2 0.2 ① 1.580 1.584 1.588 Photon Energy (eV) V. Huard et al. Phys. Rev. Lett. 84 (2000) 187 1.8 ① 1.564 1.568 1.572 1.576 Photon Energy (eV) まとめ 一次元ドープ半導体のPLEを、ゲート電圧で電子 濃度を変えながら測定したのは今回が初めて。 得られた結果のポイントは以下のとおり。 ・exciton吸収ピークのブルーシフト・急速な減衰。 ・trion吸収ピークはシフトせず、急速に減衰する。 ・FESの特徴である、べき的減衰の傾向。 二次元系におけるPLEスペクトルの電子濃度依 存性も測定し、上記の傾向が次元に依って異な ることが分かった。 光学系 計算 理想1次元系 PL and PLE intensity [arb. Uuits] 理想2次元系 M. Takagiwa and T. Ogawa, 2001 Photon Energy (eV) excitonのシフト PL and PLE Intensity (arb.units) excitonのピークのうち、 一番左側にある大きな ピークのシフトの大きさ は、3.5meV / Vだった。 PLの幅から見積もった EFの大きさについても ΔEF ~3.5meV / Vであり、 excitonのピークシフト 0.14V 3.5meV / V 0.12V 0.10V 0.08V 0.06V 0.04V 0.02V 0.0V 1.566 1.568 1.570 Photon Energy (eV) 他の2次元系 G. Yusa et. al., Phys. Rev. B 62 (2000) 15390 V. Huard et al. Phys. Rev. Lett. 84 (2000) 187
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