1/11日 2限

デジタル情報学概論
2007年1月11日 第13回資料
担当 重定 如彦
期末試験について
期末試験は試験期間中の1月25日の2限目に行います
試験範囲は授業で行った範囲(教科書の1~4章)で、
筆記試験の形式で行います
なお、残念ながら毎年、不正行為を行う学生が何人か
出ますが、不正行為は全ての教科の単位を取り消すな
どの重い処分が下されることになりますので決してその
ような行為は行わないようにして下さい
サイバービジネス
IT時代では従来の経済活動を規定していたルールが一変している

急激な技術の進歩により意思決定にスピードが要求される

コンピューターネットワークなどによって、生産者と消費者が直結する
流通経路が短縮し、それにより流通の高速化やコストの低下が見込める

店舗や在庫が最小限に抑えられるので大資本が不要になる

従来重要視されていた系列企業との固定的な関係が重荷になる
系列以外の様々な企業との間で自由な組み合わせが進行する

従来のビジネスモデルの多くが陳腐化する
「情報」と「アイディア」が企業間の競争力を決定つけるようになる
電子商取引 その1

電子商取引(Electric Commerce:EC、eコマース)の形態
ECは本来ネットワークを介した商取引一般を指し、何と何の間で商取引を
行うかによって、ECの形態を分類する
ECの形態の分類は、商取引を行うものを下記の3つに分類し、1文字の
アルファベットを to で繋げて表記する

B(Business)
会社

C(Consumer)
消費者

G(Government)
行政
例:B to B (企業間EC)、G to G(電子政府)
電子商取引 その2

B to B
近年、企業間のECによるビジネスが活発化している

MRO(Maintenance, Repair and Operations)商品群のEC化
MROとは企業が経費で購入するオフイスサプライ用品などのこと
メーカ、卸、小売りの各社が入り乱れる格好で一斉にECの実現に乗り出している

企業の業務効率化と囲い込み
一般の消費者よりもまとまった発注が見込める企業に、特別なサービスをイン
ターネットというオープンな環境で提供→コストを削減できるサービスを導入可

ウェブEDI(Electric Data Interchange)
メーカーが中心となって取引先や関連会社を結ぶ大規模なネットワークを構築
この技術をインターネット技術を使ってオープン化することで、受注・発注業務な
どを行うウェブEDIにどの企業も参加できるようになっている
電子商取引 その3

B to C その1
企業と個人の間でのEC。オンラインショッピングやインターネット通販など
不特定多数の消費者を相手にする場合が多い

電子商店(オンラインショッピング、仮想店舗)
インターネット上で商品やサービスを販売するウェブページのこと
現在では数十万もの電子商店の店舗がウェブ上にあるといわれている
電子商店には以下のような欠点と利点がある

商品選びでは、紙のカタログに比べ一覧性が劣る

モニター上で見たイメージや色彩が実物と異なって見える場合がある

膨大な商品の中から望みの商品を抽出する検索機能が強力

自作パソコンのパーツを選択するだけで、値段を即座に計算して表示するなど、紙の
カタログにはないコンピュータならではのメリットがある
また、電子商店が信頼できるかどうかを判定するサイトなども存在する
電子商取引 その4

B to C その2

電子商店街(オンラインモール、サイバーモール)
電子商店を集約したウェブページで以下のような利点がある

集客力が高まる

ネット上であちこち探し回らなくても1箇所のウェブページで様々な電子商店を訪問可能

同じ電子商店街の中であれば、異なった電子商店で買い物を行っても一括して選んだ
商品を注文し、清算を行う事ができるようなサービスを提供することができる

ホームトレード
証券会社の店頭に出向いたり、電話を使ったりすることなく、自宅からインターネット
を使って株式などの売買を行うことができるようになっている
オンラインブローカーが株式の売買手数料の大幅値下げ合戦を繰り広げたことに
よって、これまで証券会社の店頭やラジオでしか入手できなかった株式情報をイン
ターネットからリアルタイムに入手できるようになり、一般にも普及しはじめている
電子商取引 その5

B to C その3

ネットディーラー
物販のECでは自動車が焦点となっている

インターネットで車種を検索し、該当する自動車販売ディーラーに見積もりを依頼する

ネットディーラーは直接自動車を販売するのではなく、サイト上でユーザ希望の車種を
検索させ、その見積もり依頼のデータを該当するメーカの自動車ディーラへ仲介すると
いった、見込み客の紹介サービスを行う

コンビニEC
365日・24時間営業と、全国に張り巡らされた店舗網をフルにECに活用している

オンラインショッピングの注文の引渡しや代金の決済をコンビニで行うことにより、
クレジットカード番号をインターネットに流すというオンラインECの弱点をカバーできる

昼間は仕事があるユーザーでも深夜に商品を受け取ることが可能
電子商取引 その6

ロングテール
一般的な企業が扱う商品の売り上げは、よく売れる商品が全売り上げのほとんど
占めるという性質を持っており、従来は売れ筋の商品のみが重視されていた
これを図にすると売れない商品の部分が恐竜の尻尾(テール)のように長く延びる。
従来は注目されなかったこのテールの部分が電子商取引の世界で注目されている
例えば、Amazon.comのようなオンラインの書店では、在庫や流通にかかる費用が
従来の書店とくらべはるかに安くすむため、このテールの部分をビジネスに組み込む
という新たなビジネスモデルを生み出した。商品を注文する際に、同じ商品を購入した
他の購買者の情報を提供することで、テールの部分の宣伝を行うという工夫も行っている
売
げり
上
ヘッド
テール
電子マネー その1
インターネット上のECでは、クレジットカードを使わない新しい
決済手段として電子マネーが考案され、実用化されつつある

クレジットカードの盗難や偽造による被害が社会問題になっている

クレジットカードでの取引には手数料が必要

電子マネーは、バリュー(value、貨幣価値)をデジタルデータに置き換え
たもの。これに対し、クレジットカードは、カードの中にはお金のデータは
はいっておらず、実際のお金は銀行に預金されている

電子マネーは、ICカード型とネットワーク型の2種類がある
電子マネー その2

ICカード型電子マネー
ICカードの中にバリューを保存したもの。クレジットカードやデビットカード(銀行の
キャッシュカードで代金を支払うサービス)による決済を補完する役割を果たす
支払い時の運用コストを抑えることが可能。小銭の代わりに使用することも可能
また、ICカードと暗号技術を使うことにより、偽造などの被害を防ぐことが可能
ICカードを使った決済
ICカード
デビットカードを使った決済
デビットカード
銀行の端末と通信を
毎回行う必要がある
バリュー
バリューを移
す
だけで良い
店舗の端末
店舗の端末
銀行の端末
通信コストや手数料
が必要な為小額の
決済には向かない
電子マネー その3

ネットワーク型電子マネー
バリューのやりとりを(ICカードを使わずに)ソフトウェアだけで実現するもの
インターネット上でのショッピングで、クレジットカードを使って数百円程度の決
済を行うと与信処理などの運用コストが高くなってしまうため、小額の決済手
段としてネットワーク型電子マネーが注目されている

電子マネーの今後

ICカードの規格を統一することで、端末を共有可能にする動きが出ている
これにより加盟店とユーザの利便性を図ることができる

多機能型ICカード
電子マネーだけでなく、クレジットカード機能、デビットカード機能などの複数の機能を
一枚のICカードで実現する
電子商取引のセキュリティ その1

セキュリティの必要性
オープンな環境であるインターネットでは、第三者による盗聴や成りすまし、
データの改ざんなどを防ぐためにセキュリティに格別の配慮が必要である
特にECの分野では、クレジットカード番号などの重要な情報がネットワーク上
を行き来するため、一層の安全性が求められる

SSL (Secure Socket Layer)
ブラウザとウェブサーバの間の通信の安全性を暗号を使って保障する技術
インターネット上のセキュリティ確保技術の基本であり、オンラインショッピング
を行うウェブサイドで広く利用されている
SSLの延長線上にある技術としてSET(Secure Electronic Transaction)など、
よりECの分野に踏み込んだ高度な電子決済の技術も登場している
電子商取引のセキュリティ その2

決済情報の切り分け
インターネット上でのデータの安全性を保障できても、カード番号を受け取る電子商店
側で不正が発生する可能性が残っている。そこで、SETやSECE(Secure Electronic
Commerce Environment)ではクレジットカード番号などの決済情報を注文情報から切
り分け、電子商店にすらカード番号をみせないことで守秘性を高めている

サーバウォレット (ウォレット=電子財布)
電子商店や金融機関が管理するサーバの上でウォレットソフトを動かすシステム

容易にSETによる決済を行うことが可能
ウォレットソフトを自分のコンピュータにインストールしなくても利用可能。具体的にはウォレッ
トソフトを呼び出す為の数十KBト程度の小さなプログラムをネットワークからダウンロードする

セキュリティの向上
ウォレットソフトは信頼できる電子商店や金融機関が管理するサーバの上で実行されるため、
セキュリティの向上を見込むことができる
オンラインビジネス(eビジネス) その1

検索サービス
ウェブサイトを使った情報提供型ビジネスの筆頭に挙げられるサービス
多くのユーザを集め、ヒット数を稼ぐことで広告収入を得る、マスコミ型のビジネス
検索サービスでもっとも重要なキーワードはウェブブラウザを起動した時にユーザが
最初にアクセスするサイトであり、これを「ポータル(portal)、門・入り口」と呼ぶ

オンラインバンキング
自宅や外出先から銀行振り込みや残高照会を可能にするサービス
NTTのiモードがその牽引役として都市銀行、地方銀行、信用金庫など100以上の
金融機関を提供するモバイルバンキングのサービスを提供
外貨預金の取引などのサービスも開始されており、いつでもどこでも行えるという
便利さから利用者が増えている
また、インターネット専用の銀行なども出現しており、本店以外の店舗や行員を持たな
いため、金利や振込み手数料の点で通常の銀行より有利なサービスを提供できる
オンラインビジネス(eビジネス) その2

デジタルコンテンツのインターネット配信
インターネットを通じてデジタルコンテンツを配信するノンパッケージ流通が急速に台頭

デジタル化の技術により普及
高音質の音楽データをCDの1/10に圧縮するMP3や、印刷物をオンライン配信可能なデジタルデータに
変換するAcrobatなどの技術の普及がその要因となった

従来のCD販売ビジネスに打撃を与えかねないため懸念の声も大きい
そこで、家庭に直接音楽コンテンツを送る代わりに、ネットで配信した音楽をレコード店などに設置した店頭
端末でいったん蓄積し、消費者がそこから購入できるようにする音楽自動販売機が設置されている

ビジネスとしての魅力
インターネット上の送金代行サービスの登場で売り上げを確実に回収できるようになったため、ビジネスと
しての魅力が高まっている。例えば、通信カラオケの分野ではすでに実績を挙げている

オンライン書店(ネット書店)
米企業のアマゾンドットコムは、ネット書店の仕組みをいち早く確立し、インターネット通販の一番
の成功例の一つに挙げられている