日本文会計09

第9回
日本文会計
日商簿記検定3級を中心に
上海市精華外語専修学院
特別講座(全十回)
講師:謝 少敏
2007年1月12日から
毎週金曜日於吴泾总部
第九章 締め切り
• 決算振替仕訳
• 元帳の締め切り
• 例題
• 財務諸表の作成
• 練習問題
振替仕訳
• 簿記では、ある勘定口座から他の勘定口
座に金額を移すことを「振り替える」といい、
この場合に用いる仕訳を振替仕訳という。
• 決算に際して行う振替仕訳を、特に決算
振替仕訳という。
決算振替仕訳
• 決算に際して、当期純損益を計算するた
めに、元帳に新たに損益勘定を設ける。
• この勘定の貸方に収益諸勘定の残高を、
借方に費用諸勘定の残高を振り替える。
損益振替手続
元帳の締め切り
• 収益の勘定の締め切り
• 費用の勘定の締め切り
• 損益勘定の締め切り
• 資産・負債・資本の勘定の締め切り
収益の勘定の締め切り
• 収益の勘定の残高は損益勘定の貸方に振替える。その
ため次の決算振替仕訳を行い総勘定元帳に転記する。
(借)収益諸勘定 ××× (貸) 損
益 ×××
費用の勘定の締め切り
• 費用勘定の締切
費用の勘定の残高は損益勘定の借方に振替える。そ
のため次の決算振替仕訳を行い総勘定元帳に転記する。
(借) 損
益 ××× (貸)費用諸勘定 ×××
損益勘定の締め切り
• 損益勘定の残高は、当期純利益(または純損失)の額を
表す。損益勘定の残高は資本金勘定に振替える。その
ため次の決算振替仕訳を行い総勘定元帳に転記する。
(借方) 損
益 ×××
(貸方) 資本金 ×××
• 純損失の場合には反対の仕訳になる。
資産の勘定の締め切り
• 資産の勘定は借方に残高生じる。この残高は次
期に繰り越されるので、貸方に「次期繰越」と朱
書きして帳簿を締め切る。これを「繰越記入」と
いう。
負債・資本の勘定の締め切り
• 負債・資本の勘定は貸方に残高が生じるので、
借方に繰越記入をして帳簿を締め切る。
• 繰越記入は、仕訳を行なわず総勘定元帳に記
入するので、仕丁欄には √ (チェックマーク)を
記入する。
開始記入
• 総勘定元帳に締切が終わったら、次期の資産・
負債及び資本の総勘定元帳口座の最初の行に,
次期の最初の日付で次期繰越の反対側に前期
繰越を記入する。
• これを「開始記入」といい、繰越記入同様、仕丁
欄には√(チェックマーク)を記入する。
繰越試算表の作成
• 繰越記入が正しく行なわれているか検証するた
め、資産、負債及び資本勘定の繰越高を集めて、
繰越試算表を作成する。
• 繰越試算表はB/S作成の資料となる。
例題
• 次に示す取引の仕訳をし、総勘定元帳の記帳を
行い、P/L並びにB/Sを作成しなさい。
• (注)日付は省略、仕訳帳の日付欄には、取引順
に付したアルファベットを記入。
期中の取引
(A)現金500,000円を出資し、甲商店(個人企業)を設立する。
(B)当座預金口座開設、現金500,000円を預け入れる。
(C)150,000円の小切手を振り出して車両を購入する。
(D)当座預金から現金25,000円を引き下ろす。
(E)商品200,000円を仕入れ買掛とする。
(F)商品売上300,000円を掛売りとする。
(G)小切手により買掛金100,000円を支払う。
(H)当座預金へ売掛金200,000円が振り込まれた。
(I)消耗品費15,000円を現金で支払う。
(J )当座預金から給料25,000円を支払う。
決算整理事項
(K )期末商品棚卸高35,000円
(L)車両の減価償却費25,000円(直接法)
(M)貸倒引当金見積額5,000円
期中の取引の仕訳
日付
借
方
貸
方
A
現金
500,000 資本金
500,000
B
当座預金
500,000 現金
500,000
C
車両運搬具
150,000 当座預金
150,000
D
現金
25,000 当座預金
25,000
E
仕入
200,000 買掛金
200,000
F
売掛金
300,000 売上
300,000
G
買掛金
100,000 当座預金
100,000
H
当座預金
200,000 売掛金
200,000
I
消耗品費
15,000 現金
15,000
J
給料
25,000 当座預金
25,000
・
借方合計
2,015,000 貸方合計
2,015,000
試算表の作成
決算整理仕訳
日付
借
方
貸
方
K
繰越商品
35,000 仕入
35,000
L
減価償却費
25,000 車両運搬具
25,000
M
貸倒引当金繰入
5,000 貸倒引当金
5,000
・
借方合計
65,000 貸方合計
65,000
決算振替仕訳
日付
借
方
貸
方
N
損益
235,000 仕入
給与
消耗品費
減価償却費
貸倒引当金繰入
165,000
25,000
15,000
25,000
5,000
O
売上
300,000 損益
300,000
P
損益
・
借方合計
65,000 資本金
65,000
600,000 貸方合計
600,000
締め切り
• 総勘定元帳の転記から締切まで
• 精算表の作成
への転記から締切まで
精 算 表
平成×年×月×日
残高試算表
整理記入
損益計算書
貸借対照表
勘定科目
借方
貸方
借方
貸方
借方
貸方
借方
貸方
現金
10,000
.
.
.
.
.
10,000
.
当座預金
400,000
.
.
.
.
.
400,000
.
売掛金
100,000
.
.
.
.
.
100,000
.
車両運搬具
150,000
.
25,000
125,000
.
.
.
.
買掛金
.
100,000
.
.
.
.
.
100,000
資本金
.
500,000
.
.
.
.
.
500,000
売上
.
300,000
.
.
.
.
.
仕入
200,000
..
..
35,000
165,000
...
...
...
給料
25,000
..
..
..
25,000
..
.
.
消耗品費
15,000
.
.
.
15,000
.
.
.
合計
900,000
900,000
.
.
300,000
.
.
.
.
繰越商品
.
.
35,000
.
.
.
35,000
.
減価償却費
.
.
25,000
.
25,000
.
.
.
貸倒引当金繰入
.
.
5,000
.
5,000
.
.
貸倒引当金
.
.
.
5,000
.
.
.
5,000
当期純利益
.
.
65,000
.
.
65,000
670,000
670,000
合計
.
.
.
.
65,000
65,000
300,000
300,000
P/L・B/Sの作成
• P/Lの作成
• B/Sの作成
P/Lの作成の手順
• P/Lは総勘定元帳の損益勘定から作成する。
• 損益勘定の勘定科目名とP/Lに使う勘定科目名と名称
が異なる場合。
「仕入」
「仕入原価」
「損益勘定」の「資本金」への振替高
「当期純利益」または「当期純損失」
B/Sの作成の手順
• B/Sは総勘定元帳の資産・負債及び資本勘定
の次期繰越の金額を集めた繰越試算表または
直接「繰越記入」から作成する。
• 繰越試算表の勘定科目名とB/Sに使う勘定科
目名と名称が異なる場合がある。
名称が異なる場合
繰越勘定科目名
B/Sに使う勘定科目名
繰越商品
商品
手形貸付金
貸付金
手形借入金
借入金
「当座借越」または[当座預
金」の貸方残高
借入金
「資本金」 損益勘定からの
振替額
「当期純利益」または「当期
損失」
練習問題
• 例題の損益勘定からP/Lを作成しなさい。
• 例題の「繰越記入」から繰越試算表とB/Sを作
成しなさい。