defense

東海地震を前提とした
防災ゲームの開発
システム工学科 環境分野 前田研究室
5032-3019 中野 崇司
東海地震
1976年、駿河湾内「駿河トラフ」で
周期的な大規模地震発生の可能性の示唆
 1978年「大規模地震特別措置法」の制定
→静岡県の「地震防災対策強化地域」指定

気象庁(http://www.seisvol.kishou.go.jp/eq/hantekai/q5/q5.html)
静岡空港

島田市の南部
2009年開港予定
→「県民の安全・安心に
貢献するための空港づくり」
課題

安全・安心をベースとした臨空地域の地域振興
地域リスク共同研究機構
目的

災害に強い地域づくり

臨空地域の地域振興
市民・民間企業・自治体・大学等
の協働に基づく活動
島田市における
「国際救急支援情報基地構想」の実現
リスクコミュニケータ育成

災害リスクマネジメントと災害発生の事前・事後でのリスクコ
ミュニケーションを行う人材の育成を目指す
リスクコミュニケータ養成カリキュラム
育成のためのカリキュラムの開発と教
育・研修事業が目的
※地域リスク共同研究機構と前田研究室の共同研究
防災ゲームの開発・提案
参考資料
災害対応ゲーミング:「クロスロード」
阪神・淡路大震災(1995)における防災活動・災
害対応の経験や、災害時に心配されている一般
的な問題を基にしたカードゲーム

災害対応からジレンマ事例を選び出してゲーム化
解決すべき
問題の提示
Yes
No
自他の決定の熟考
意見や価値観の共有
研究手順
災害対応ゲーミング:「クロスロード島田編」
東海地震で想定される島田市特有の被害・問題点の調査
東海地震というリスクの発生に対する、行政・自主防災組
織・市民の考えをインタビュー調査
インタビュー調査から得られた結果をもとにKJ法によって分析
ジレンマの発見
問題把握とインタビュー調査
問題点
地震の予知が可能、起伏に富んだ地形、交通被害
要援護者、避難生活、災害ボランティア
インタビューの実施
対象:島田市役所市民安全課
島田市社会福祉協議会
自主防災組織(3組織7名)
市民(4名)
期間:2006年12月~2007年1月
意識や取り組みに温度差、市民の間で
も地域によって対策に違い
→市全体としての防災意識向上が必
要
KJ法による分析
島田市では、特徴的な予
知情報への理解や孤立対
策など様々な問題がある
行政や社会福祉協議会、
民生委員、自主防災組
織などがそれぞれ関係し
ながらの防災・災害活動
が必要
市民も自主防災組織
ゲーム問題の作成
も関係なく、まずは自
分や家族の安全確保
をする。共助を始める
のはこの後になる
自主防災組織は東海
地震関連情報が出たと
きには、まず市民の安
全を守るために自分た
ちが冷静になって行動
する必要がある
ゲーム問題の作成
市民も自主防災組
織も関係なく、まず
は自分や族の安全
確保をする。共助を
始めるのはこの後
になる
自主防災組織は東
海地震関連情報が
出たときには、まず
市民の安全を守るた
めに自分たちが冷静
になって行動する必
要がある
自主防災役員として
の役割
ジレンマ
家族を守りたい
問題例
あなたは・・・
自主防災委員
をしている
東海地震注意情報発表。自主防災会が招集され、
町内の見回りをしなければならない。しかし、家に
は不安そうな妻と幼い子供。見回りに行く?
お父さん

YES(行く)の問題点
家族が心配

ジレンマ
NO(行かない)の問題点
モラル・責任
地域の問題
考察
あなたは・・・
自主防災委員
をしている
東海地震注意情報発表。自主防災会が招集され、
町内の見回りをしなければならない。しかし、家に
は不安そうな妻と幼い子供。見回りに行く?
お父さん

YES(行く)の問題点
家族が心配
発災時は家族を守る
が、関連情報ではど
うか?

NO(行かない)の問題点
モラル・責任
地域の問題
自分がそのときどこ
にいるか?
結論



今回作成した「島田編」は東海地震を前提として作成さ
れている。
東海地震による島田市の被害や、東海地震に対する
考え方を知ることができ、まだ島田市全体としては防災
に対しての意識の温度差があり、対策も地域によって
取り組みに違いがあることがわかった。
意識の温度差を小さくするためにも、利害関係者間の
相互理解が必要である。
相互理解のためのツールとして「クロスロード:島田編」が用
いられることは、島田市における東海地震についてのリスク
コミュニケーションの有効な手段になると考えられる。
課題

今後は、他の問題の実践


必要に応じて改善
リスクコミュニケータ養成カリキュラムに提案

カリキュラム内で実践されることが望まれる
参考文献



地域リスク共同研究機構 広域救急支援情報基地構
想部会 編(2006)、地域リスク共同研究機構 提言書
(素案)
前田恭伸 編、リスクコミュニケータ養成カリキュラム
検討報告書、2006年
矢守克也、吉川肇子、網代剛 著、防災ゲームで学ぶ
リスクコミュニケーション ナカニシヤ出版、2005年