第12章

エージェントアプローチ人工知能
12章 現実的なプラニング
東京大学大学院情報理工学系研究科
知能機械情報学専攻
井上・稲葉・稲邑研究室
修士1年 神崎 秀
内容

前章で紹介されたプランナを現実の問題に適応
できるようにするためには、何が必要か?
「階層的分解」
階層的分解とは?
階層的分解とは?
例えば、家を建てるということについて考える。
抽象オペレータ・・・許可を得る、家を建てる、売るetc.
原始オペレータ・・・ハンマーで釘を打つetc.
という具合に階層的に分解する。


何が原始オペレータかは、エージェントによって異
なるので注意。
階層的分解の性質


ある問題に階層的分解を適用する時、以下の二
つの性質が成立していることが望ましい
下位レベルの存在可能性に関する性質
抽象解pが存在すれば、少なくとも一つは抽象化すればpと
なるような原始解が存在する。

上位レベルの存在可能性に関する性質
もし抽象解が矛盾していれば、抽象化するとその矛盾する
抽象解となるような原始解は存在しない。
階層的分解の性質


下位レベルの存在可能性に関する性質が
成立すれば、ほかの抽象解を探索木から
枝刈りできる。
上位レベルの存在可能性に関する性質が
成立すれば、矛盾する抽象レベルの解の
子孫に関する枝刈りができる。
ため、探索を楽にすることができる。
階層的分解
階層的分解の性質
上位レベルの存在可能性に関する性質がない例
→マギの贈り物(Gift of Magi;O.Henry)

貧しい夫婦は二つだけ誇れる持ち物があった。夫の金の
時計、妻の美しい長い髪である。夫婦は互いを喜ばせよ
うと、夫は自慢の時計を売って美しい櫛を、妻は髪を売っ
て金時計のための金の鎖を買った。二人の贈り物は無
駄であったが、互いを思いあう気持ちは美しいものであ
る。
→この問題を階層化して考える
二人とも幸せになれる??
分解と共有
(例)「ハネムーンを楽しんで子供を育てる」を、
「結婚してハネムーンに行く」
「結婚して子供を育てる」 に分解する
 この二つの「結婚する」というステップを共有しな
いと、「結婚するには結婚していないという前提
条件が必要」
なわけであるから、どちらかを実行すると、どちらか
が実行できなくなる。
→各副問題間でのステップの共有が重要

分解と近似

一つのオペレータを異なった抽象化階層で利用
すること
Op(ACTION:Buy(x),
EFFECT:Have(x)∧¬Have(Money),
PRECOND:1:Sells(store,x)∧
2:At(store)∧
3:Have(Money))
→重要な前提条件のみを使って、大雑把なプランを立て
ることで、解を容易に見つけることができる
以上

ご静聴ありがとうございました