私たちが考える 長野県e-Learningグランドデザイン

チャータースクールの胎動
第8章 政治的な戦場
総合政策学部2年 名富桜子
総合政策学部3年
西山裕
敵対から受容へ
チャータースクールに対する教育の規制勢力の
四段階
1.完全に阻む。
いかなるチャータースクールも開校させない。
2.数を制限し、弱体化させておく。
多くの制限を規制を課すことによって、数を少なくし、開校した学校もほとんど自律性
のないものとする。
3.競争して勝つ。
従来の公立学校からチャータースクールへ流れる生徒の数を最小限に抑えるために、
チャータースクールと競争する。
4.受け入れる。
チャータースクールの理念を、学校システム自身の目的のために、研究開発の場と
して、あるいは従来のルールのもとでは難しかった革新をもたらすための枠組みとし
て活用する。
チャータースクール開設の阻止
立法化による阻止…ワシントン州の事例
憲法訴訟による阻止…カリフォルニア、マサチュー
セッツ、ミシガン、コロラド、ウィスコンシン諸州
理由:学校の有用性の評価に基づく場合は少なく、多くの
場合は、つまらない政治的理由や、「自分たちの」
生徒や歳入を手放したくないという嫉妬によるもの
である。
コロンビア特別区
「チャータースクールは財政的な無駄である」
学区VSチャータースクール
チャータースクールの反対者たち①
教員組合
連邦、州のレベルと、ほとんどの地域における教員組合の反応は、
否定的なものであった。
ミシガン教育協会(MEA) カリフォルニア教員協会(CTA)全米教育協会(NEA)
アメリカ教員連盟(AFT)
教育委員会と教育長
教員組合⇒強いチャータースクール法に反対する州全体の闘い
教育委員会と行政官⇒個々の学校を攻撃する
コロラド州アダムス第12学区 ニューヨーク市教員連盟(UFT)
チャータースクールの反対者たち②
他の敵対者たち
教員養成大学、学校行政官、障害者運動、競争に慎重
な私立学校、さまざまな批判者たちなど、その脇や背後
に控える教育の既得権益層からも、チャータースクール
に対する牽制がなされている。
ノースカロライナ大学
カリフォルニア大学
メディア
地方紙
分析者
チャータースクールの反対者たち③
いざというときに頼りにならない味方
全国レベルの教員組合
連邦政府
連邦議会
⇒チャータースクールは、大規模な学区の官僚制に適した
規制や形式の枠組みにはなじまない。
インタビュー①
メアリー・ハートリー(アリゾナ州上院議員)
アリゾナ州におけるチャータースクール法
問題点:①新設される学校の数を制限する必要性
②チャータースクールに対する包括的で独立した評価を
行うことが求められている。
③アカウンタビリティを高めるために、チャータースクー
ルを監督する州教育省の責任を増大させること。
④親がチャータースクールの運営に関与する権利をもつ
ことを、親自身に対して充分に情報公開することがもと
められている。
⑤他の公的機関が守らなければならないとされている会
議の公開、公文書公開、斡旋、縁故の禁止に関する
諸法令について、チャータースクールもこれらも守らな
ければならないとする規定を成文化すること。
インタビュー②
リサ・グラハム・キーガン(アリゾナ州教育長)
アリゾナ州におけるチャータースクール法起草
チャータースクールの新設を学区教育委員会による認可から切
り離した規定を作った。
⇒生徒一人あたりに基づいて計算され、配分されることになった。
反対に抗して
チャータースクールが数多くの反対に直面して
いるにも関わらず、チャータースクールの増殖
を可能にしている理由:
それが超党派の支持を受け、少なくとも今日までは、敵よりも力強
い味方の方が多いという点。
まだ大部分では、チャータースクールは観測レーダーの下を飛行
中で、敵が本格的に装備して立ち向かうほどには、数も増えておら
ず、脅威にもなっていないという点。
チャータースクールが驚くほど多様な問題群を解決しているという
点。
自分自身でチャータースクールを立ち上げる人々は、アメリカでも、
最も意志の強い人々であるという点。
15回生まれ変わった学校
トマス・ジェファーソン学校設立準備理事会(シカゴ北西部)
3年以上、近隣学区も含めて15回教育委員会に申請したが却下
教育委員会 学区の申請却下をくつがえす
⇒学区 裁判で申請却下不当を訴えるが、チャーター認可は支持される
⇒すでに上級審に控訴
勝者はまだ確定していない
チャータースクールの結果は、少数の強力な政治指導者の手にかかっ
ている(ミシガン州のあるチャータースクールの理事)