球面/回転乱流の研究 2005/06/22 小西丈予 目次 • • • • 乱流とは 地球流体における乱流 過去の研究 これからのこと 乱流とは • 速度や圧力が時間的空間的に不規則に変化 する流れ – 数学的に厳密な定義はない • 渦を伴う (地球流体基礎実験集)http://www.gfd-dennou.org/library/gfd_exp/exp_j/doc/rc/guide02.htm 三次元乱流の特徴 • 乱れのエネルギーが小スケールへ輸送 – エネルギーカスケード 木田・柳瀬著「乱流力学」(朝倉書店) 地球流体における乱流 • 大気や海洋の大規模な運動 – 回転や成層の影響で2次元的な性質を持つ • 準水平2次元運動 • 2次元流体にモデル化 二次元乱流の特徴 • エネルギーの輸送が3次元乱流とは異なった 性質を示す – 逆カスケード R.Salmon Lectures on Geophysical Fluid Dynamics (Cambridge) 二次元乱流の数値実験 McWilliams (1984) J.Fluid Mech. 146 21 球面流体の実験(回転なし) • 減衰性乱流でランダムな初期場から秩序渦 が自発的に形成 http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/~takepiro/figure/ 球面乱流/回転乱流 • 回転が入ると… – 縞模様が出現 • Rhines スケール (Rhines 1975…元はβ面での話) Ishioka et al. (1999) 石岡他 (1999) http://www.nagare.or.jp/mm/99/ishioka/japanese/result.htm 回転球面乱流の数値実験 • Williams (1978)…縞状構造が現れる – 順圧流体, 強制乱流, 対称性を仮定 • Yoden and Yamada (1993) – 順圧流体, 減衰乱流, 全球で計算した • Nozawa and Yoden (1997) – 全球計算, 強制乱流で縞状構造が現れる 回転球面流体の数値実験 • Cho and Polvani (1996) – 浅水系でも帯状縞構造が出現 • Ishioka et al. (1999) – 縞模様が形成 • Kitamura and Matsuda (2004) – 2層流体でも同様の結果を確認 回転球面流体の数値実験 • Ishioka et al. (1999) によるまとめ – 自転が速いと中低緯度に縞構造が出現 • 縞模様は初期値に依存 • 小スケールにエネルギーを与えることが必要 • 縞の幅は Rhines スケール程度 木星の観測結果 • 東西流が卓越 • 緯度によって風向が変化 – Porco et al. (2003) Porco et al. (2003) Science 299 1541 木星の帯状流形成二説 • 浅いモデル – 今までの話 • 深いモデル – Busse (1970,1983) Busse (1970) J. Fluid Mech. 44 441 最近の研究について • 回転水槽実験 – Read et al. (2004) • Rhines スケール程度の帯状流発生 最近の研究について • 三次元モデル – Aurnou et al. (2004) • 対流の効果が入った計算 …木星対流の上部と下部の境界条件を検証 最近の研究について • Yano et al. (2005) – 二次元深いモデルを提唱 • 木星は深いモデルで良いらしい やってみたいこと • 上に挙げた各種の球面/回転乱流の数値計 算を自分の手で行い, 各モデルの比較検討 を行えるようになりたい – まずは順圧流体から(現在実行中) • 流れの成因について明らかにする – 物理を語れるように まとめ • 球面/回転乱流についてお話しました • 次回は数値計算の結果をお話しできるように 頑張ります
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