200807151107033927

韓国ガラスびん容器使用実態と
制度による市民運動
2005. 4
KIM, Mihwa
(ごみ問題解決のための市民運動協議会 事務局長)
1.韓国のガラスびん使用の歴史
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韓国でガラスびん容器使用の歴史は古く、
約 1600年前の新羅時代(BC4~5世紀頃)に
記録がある
現在慶州博物館や中央博物館などに展示さ
れているガラス容器類は新羅古墳적석목곽
분で出土される
新羅王家で主に使われていた物品が、約30
個現存している
2.韓国最初のガラスびん類
絵1.青色ガラスコップ
絵2.有紋ガラス봉수びん
3.2003以前韓国ガラス瓶制度
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韓国のガラスびんリサイクル制度は 、2002年まで空きびん
保証金、預置金、負担金制度の3種複合運営
ー酒類は酒税法21条による国税庁空きびん保証金
ー清凉飲料食品衛生法20条による福祉部空きびん保証金
ー農薬びん (国費30, 地方費30, 農薬上40% ー空きびん保
証金
ー廃棄物預置金『자원의절약과재활용촉진에관한법률』に
よる環境部の預置金制度も- 薬びんなど
ー廃棄物負担金『 자원의절약과재활용촉진에관한법률 』
による環境部の負担金制度も- 化粧品容器で実施
4.2003年以後のガラスびん制度
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2003年から環境部、保健복자部、 国税庁がそれぞ
れ運営してきた制度を環境部で一元管理する
現在、ガラスびん容器類は、びん容器保証金制度、
EPR制度、廃棄物負担金制度の3段階で管理され
ている
びん容器保証金制度:酒類びん、飲料水びん
廃棄物負担金 : 化粧品容器
EPR : ドリンクびん、薬品びん、牛乳びん、小型飲
料水びん
EPR 容量算定は、その年の生産量によって % 策定
5.廃ガラス発生量と再活用量
廃
ガ
ラ
ス
2000年
2001年
2002年
2003年
発生量
(千トン)
731
738
794
756
再活用量
(千トン)
492
504
587
530
リサイクル
率(%)
67.4
68.3
73.9
70.
6.廃ガラス回収販売量
回収率(回収/販売数量)
99.0%
98.6%
98.0%
97.5%
96.8%
97.0%
96.2%
96.0%
95.0%
95.0%
94.0%
93.0%
2000年
2000년
2001年
2001년
2002年
2002년
2003年
2003년
合합계
計
7.廃ガラス 破損割合
破損割合 (破損/回収数量)
12.0%
10.7%
10.0%
8.0%
7.6%
7.1%
6.2%
6.1%
6.0%
4.0%
2.0%
0.0%
2000년
2000年
2001년
2001年
2002년
2002年
2003년
2003年
合
計
합계
8.廃ガラス 再使用率
再使用率 (再使用/販売数量)
94.0%
92.5%
91.5%
92.0%
90.0%
89.4%
88.2%
88.0%
85.9%
86.0%
84.0%
82.0%
2000년
2000年
2001년
2001年
2002년
2002年
2003년
2003年
합계
合
計
9.びん容器保証金制度の問題点
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

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びん容器保証金の未返還金が増加している
消費者のびん容器保証金制度の利用が少ない
利用の少ない原因は、びん容器保証金制度費用が小型 20
ウォン、中型50ウォン、大型100ウォンと低く、利用インセン
ティブ効果が小さい
消費者の不満点:びん容器保証金の金額が少なく、受け取
りが恥ずかしいなどの理由で、返還インセンティブをあまり
感じられず、小売商の返還時の対応が不親切だという不満
がある
小売商の不満点:他の場所で購買した容器に対する保証金
返還への拒否感、空きびん取り扱いに対するインセンティブ
の不足などによる不満がある
未返還保証金の性格と運用方法に対する利害関係者の利
害衝突:未返還保証金の企業体の違約金処理に対する利
害の衝突
10. 未返還保証金 (単位 : 億ウォン)

区分
未返還保証金
集計額
回収率
未返還/
発生額
2000年
18
98.6%
0.8%
2001年
136
95.0%
5.3%
2002年
91
96.2%
3.5%
2003年
26
97.5%
1.1%
合計
270
96.8%
2.8%
11. 韓国ガラス容器使用の失敗事例
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

1980年代ガラスびんは飲料容器、牛乳びん、酒類など
90%以上に使用されていたものの、1990年代以後は紙
やPET、PE材質に移行
ガラスびんが他の材質に移行した製品の中で、牛乳び
んは、90年代以後 100%が紙・プラスチックに移行
飲料水びんは、70%以上がプラスチックびんに移行
ビールびんも、2003年から家庭用ビールびんがプラス
チック複合材質に移行し、現在は30%以上のマーケッ
トシェア
ガラスびんがプラスチック、紙に移行した原因は、流通
費用と回収費用の節減と、携帯の簡便さ
12. びん容器の材質変更で現れた問題
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

牛乳びんが紙に移行したことで、年間 50億個の紙
パックがごみとなり、1,000億ウォンの펄프수입 지
출이 되고 있음
PETビールびんは、ビールの保管と適正温度維持
のために茶色容器として製作され、リサイクルも不
可能。発売開始から8ヶ月後に、維持費上昇を理
由に価格が引き上げられる
ビール会社は容器変更を秘密裡に推進し、事前情
報がない状態で市民団体は反対運動も出来ず
これらは全て、びん再使用に対する法制度的な規
定がないため(リサイクルに対する制度はあっても
再使用義務率なし)
13. ビールPETびん入れ替えで値上げ
PETビール(1.6L)
びんビール(500ml)
14. 市民団体のガラスびん活用運動
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


1.牛乳びん活用運動のための全国ネットワーク活動(全国
12地域)-約5,000人が施設見学 : 牛乳パックリサイクル業
社、びん生産業社、びん牛乳生産業社見学、牛乳びんと牛
乳パックの環境性と経済性に関する比較分析、牛乳びん活
用運動実践戦略及び課題の発見
2.牛乳びん活用キャンペーンーソウル、京幾、安養、光明、
浦項、釜山、馬山、大田など8地域の学校・団体と連帯、牛
乳びん活用試飲会、展示会、牛乳びんとパック比較遊び, 2
000ヶ所学校, 企業で署名募集運動
3.牛乳びん活用運動広報映像物製作―牛乳びん活用広
報物製作配布(学校、企業)
4.びん牛乳利用事業所2000ヶ所募集―牛乳利用大型給
食所事前調査、びん牛乳に対する説明会약정식 체결(三
星電子水原事業場, 浦項製鉄企業, 小学校, 子供の家等)
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
5.牛乳パック処理実態調査―学校を中心にパック処理実
態を調査、学校で排出されたパックがの処理工程の追跡調
査、環境部を通じた各業社別パックリサイクル実績と比較、
企業、軍部隊の紙パックリサイクル率の調査
6.乳加工業社へのびん生産運動―乳加工業社に牛乳び
ん活用運動の活動方向を広報, びん牛乳を生産するように
業社説得、嶺南牛乳 びん牛乳で生産する成果
7.牛乳業者 びん牛乳生産拡大―地域別で牛乳業者との
懇談会を何回か実施し、びん牛乳生産に対する具体的な接
近と方案を模索
8.サイバー市民行動署名運動、抗議メール送信など市民
を対象に広報空間を活用
15. びん牛乳生産運動結果




びん牛乳生産業社の説得が困難で成功した
のは1社だけ
他業社では、政府が生産ラインの入れ替え
費用を提供すれば参加という返事もあった
制度的に生産ライン入れ替えのための政府
補助金は、今は実現せず
嶺南牛乳が、びん牛乳を生産したがびん回
収が難しくて以後腰砕けになる
17. 最後に
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

ガラスびん再使用経済性分析の結果、分別排出、
収集・運搬及び選別費用、洗浄などの環境汚染費
用のすべてにおいて社会的費用は、リサイクルに
比べて高い
しかしリサイクル生産費用と新規資源使用を勘案
すれば、再使用費用節減効果はきわめて高い
結論として、リユースびんの利用が一番費用の面
でも効果的
韓国ではビールびん、飲料水びんの材質変更を阻
むことができなかったが、日本では再使用容器拡
大運動が成功することを願う