『情報管理』SGML編集システム新名真紀子科学技術振興事業団科学技術情報事業本部「情報管理」編集事務局１９９９．4.14 はじめに  SGMLによる文書作成・文書処理・編集・印刷の一貫システムを実現する，『情報管理』SGML編集システムを，実際の動作を中心に紹介する。  このシステムは，『情報管理』誌1999年4月号（Vol.42 No.1）の編集・印刷作業から運用を開始している。『情報管理』誌SGML編集システム  この『情報管理』誌SGML編集システムは， JICST-SGML文書処理システムと，『情報管理』誌SGML編集・印刷システムの二つから構成される。  システムの全体構成を図に示す。『情報管理』誌SGML編集システムＳＧＭＬ文書による編集・印刷の流れ(シングルソース・マルチユース) (1)ＪＩＣＳＴ-ＳＧＭＬ文書処理システム (2) 『情報管理』誌ＳＧＭＬ編集・印刷システム 0)原稿入稿，編集論文の FD,E-mail 電子文書カタログ文書ＦＤ，E-mail 1) SGMLデータ作成 JICST -DTD 3)自動組版カタログフォーマット処理レイアウト 2) Import Interleaf5 <SGML>文書 SGML文書 5) Export 6)全文ＤＢ 6)SGML-HTMＬ自動変換 5)データ修正レイアウト変更 6)版下出力印刷・製本印刷・製本データベース HTML文書 7)全文ＤＢ 7)電子ジャーナルレイアウト文書 7)冊子体発行 4)著者校正 JICST-SGML文書処理システム JICST-SGML文書処理システムＳＧＭＬ文書による編集・印刷の流れ 0)原稿入稿 FD,E-mail ★原稿執筆者から送られてきた原稿（E-mailおよびＦＤが原則）の査読が終了したら，PC上で原稿整理や参考文献等で不足のデータを整備し，最終的な原稿を作成する 1)編集・SGMLデータ作成 ★JICST-SGML文書処理システムを使用してＳＧＭＬデータを作成する SGML文書ＪＩＣＳＴ-ＳＧＭＬ文書処理システム    ＪＩＣＳＴ-ＤＴＤに基づいたＳＧＭＬ文書作成の支援ツールＳＧＭＬ文書作成の予備知識がなくても，必要なタグの付与や正確な構造のSGML文書が容易に作成できる次の三つから構成される – データ入力支援ツール – ＳＧＭＬデータ生成処理 – ＳＧＭＬ-ＨＴＭＬ変換処理データ入力支援ツール「JICSTタガー」  ワープロ／テキストエディタとＳＧＭＬパージングソフトウエアを組み合わせたもので，タグの直接記述は不要。  Ｗｉｎｄｏｗｓ環境で，ワープロソフト「一太郎（Ｖｅｒ.6）」に対して，システム側で用意したインストーラを使用してデータ入力支援機能をマクロとして追加する。  「一太郎」の「ツール」メニューにＪＩＣＳＴタガーコマンドが割り付けられ，その中に，ひな形読込，入力補助，タガー，Ｔｅｘプレビュー，テキスト変換，入力文書のサンプル，ＳＧＭＬ文書のサンプル，特殊文字の変換表，バージョン情報の九つのコマンドが割り付けられる。ワープロソフト一太郎６ツールメニュー「ＪＩＣＳＴタガー」のコマンドひな形読込，入力補助，タガー，TeXプレビュー，テキスト変換，入力文書のサンプル，ＳＧＭＬ文書のサンプル，特殊文字の変換表，バージョン情報ひな形読込：ひな形の選択，読み込み入力補助：文章の作成・編集  見出し（章・節・項）等, 箇条書き等，図・表・式，参考文献等, その他 JICSTタガーの入力例（資料５参照）ＳＧＭＬデータ生成処理  データ入力支援ツールＪＩＣＳＴタガーのタガーから起動することにより，一太郎から入力された文書データとひな形読込で付与した簡易タグの指示に基づいてＳＧＭＬデータを生成する処理  本文の文書に対して，一太郎文書中の文字修飾情報，段落修飾情報を手掛かりにして，ＪＩＣＳＴ-ＤＴＤに基づくＳＧＭＬタグを付与  ＳＧＭＬタグが付与された文書に対し，パージング（ＳＧＭＬ文書の構文解析）を行い，ＳＧＭＬ文書を生成タガー：ＳＧＭＬのタグ付け SGMLタグ付き文書（資料６参照）『情報管理』誌SGML編集・印刷システムの編集作業『情報管理』誌SGML編集・印刷システムの機能 •Import機能 JICST-DTDに沿ったSGML文書（DTDの規約に基づいて記述されたＳＧＭＬインスタンス）から，Interleaf5<SGML>文書（Interleaf5文書にＳＧMLタグ情報が埋め込まれている）に変換する機能 •カタログによるフォーマット変換機能 ImportしたInterleaf5<SGML>文書を，記事の種類別に書式情報を変換する（レイアウト）機能 •Export機能 Interleaf5<SGML>文書を，JICST－DTDに沿ったSGML文書に変換する機能このシステムを使うことにより，JICST- DTDに沿って作成されたSGML文書を，版下作成用のＩｎｔｅｒｌｅａｆ５文書形式に変換し，Ｉｎｔｅｒｌｅａｆ５での文書編集が可能です。また，校正したＩｎｔｅｒｌｅａｆ５文書を再度，JICST- DTDに沿った SGML文書に保存し，全文ＤＢ，電子ジャーナル用のデータを重複作業なしに，一貫作業として作成できます。