第9章 校門を超えて:学校制度の革新 総合政策学部2年 平井里沙 環境情報学部3年 須藤浩之 チャータースクールに対する、伝統的な教 育システムの対応 典型的な対応は4段階 第一段階「チャータースクールの設置を完全に阻 む」 第二段階「チャータースクールを少数で弱い存在 にとどめる」 → この二つは前章の主題 第三段階「チャータースクールに打ち勝つ」 → コロラド州ダグラス郡の事例 第四段階「チャータースクールを受け入れる」 カリフォルニア州のキングスバーグ学区の事例 コロラド州ダグラス郡 学区内就学者数3万人 毎年、生徒数は増加、5-6校の公立学校が新設 学区の公立学校には特に問題はない 一部の、公立学校に満足できない親たちがチャー タースクールを設立 ダグラス郡とチャータースクールの関係 当初は、チャータースクールに好意的 学区の提供するサービスの購入(義務と任意) 学区サービスの「肩代わり」分は保証金を支払 う 最近は、学区に契約の任意性を弱めようとする 動き 子どもや資源が奪われているわけではない ダグラス郡の対応 当初は、「とるにたりない存在」 6校目認可時、郡は否決、州が設置を命じた 郡教委は不快 「チャータースクール担当係を設置 給与は、チャータースクールが「買い戻し」負担 官僚支配の気配 チャータースクールは公立学校が提供するひとつ の「プログラム」? 学校制度の下部に組み込まれた 学区とチャータースクールのトラブル 施設の確保 郡からは最低限の援助 チャータースクール閉鎖後の施設利用を拒否 債務保証人になることを拒否 「チャータースクールが失敗すれば生徒を公立学校が引き 取るべき」 予算の削減(敵対的で攻撃的な方針) 主体ではなく、教育プログラムのひとつ? 学業成績への口出し 学区が公立学校改革への刺激に カリフォルニア州キングスバーグ 学区内就学者数2006人 学区が提供するのは8年生まで 州の管理下からの脱却のためチャーター学区化 「州の法の多くは、「大きな」学区向けのもの」 地域に根ざした機関にするための手段 既存の学区をチャータースクールに引継ぎ 新しい特殊教育プログラムの作成も不要 チャーターによって、地域住民統制を維持できた キングスバーグのチャーター 親が選べる教育の選択肢を提供するための 許可状 すべての親は6つのプログラムから選択 親・学校・生徒間の契約 → 契約を伴った選択により、責任の分担 学校裁量の設備費も増加 他の地域から傘下化の問い合わせ 他の諸学区への影響 チャータースクールは、楽園?改革の先駆者? 楽園、避難場所 「隙間」市場 受け皿となることで、公立学校自体も利益 改革を遅らせる? どちらでも在り得る チャータースクールの他への影響 わかりやすい競争-生徒や資源をめぐる主導権争い- 学区が、目的達成の道具として認識 p.268~ 競争がもつ利点 競争が独占を壊し、変革のひきがねを引く 「これ以上生徒を失うわけにはいかない」 学区がコストに対して敏感で革新的に、そして注意深 くなるような圧力 競争が学区の学校に好ましい多様性をもたらした 「高コストの改革を学区に促すものは、チャータース クールとの直接的な競争以外にない」 学区の教育に対する姿勢が住む場所の選択にも影 響! 公立学校の取り組みの例 1. 広告・宣伝の強化 2. 組織・人の改革 3. サービスの実際の変更 1. 広告・宣伝の強化 テレビ・映画・電話帳での広告 ビデオテープ 立派な装丁の冊子 2. 組織・人の改革 委員会発足 組織変革 顧客サービスに関するワークショップ 3. サービスの実際の変更 理念やテーマをもつ新しい学校 エジソンスクール 「パイロットスクール」計画 より多様なサービスやカリキュラム、プログラム 終日開園する幼稚園 モンテッソーリ教育 民間業者へのサービスの外部委託 新しいアイデアや要求を学区が「まねる」 p.277~ 学区の財産としてのチャータースクール 学区のチャータースクール利用法 「様々な試みの起爆剤」「子どもに教育を提供しながら革新 的実験を行う方法」 通常の法制度のもとではできないような学校をつくり、諸々 の改善を検証する実験室として利用 →より大きな改革の一部として採用する はじめから研究開発を目的で設置 or 結果としての研究 開発 但し、従来の公立学校制度の基本構造や力関係は 変わらないという限界も…… その他の利用法 学区と大学が、私立として運営されている大学付属 の実験学校をチャータースクールに切り替える 学区を抜けて成功したチャータースクールの呼び戻し 学区の生徒数減少にともなう予算配分減少を防ぐた めにチャータースクール化 p.283~ 勢いづくチャータースクール チャータースクールは学区に影響を与えられるか? 制度的・精神的な障害 財政的・組織的制約 チャータースクールのための歳入減少 地域社会を分裂させるという意識 etc… 全体として「肯定的ないしは中立的」な影響? 「すでに法制化されてしまったので、強い影響によっ て学校制度自体を変化させるのは難しい」? p.284~ 州レベルへの影響 象徴的で政治的な重要性 「州の達成基準にもとづく教育を実現するうえでカギ となる道具」 「公立学校制度のなかに競争と卓越性を生み出す大 胆な実験」 「アカウンタビリティと引き替えの自由」への道の開拓 州制度の改革 チャータースクール生向けの州予算は直接学校へ (アリゾナ州) 学区を経ることなく、学校運営費の大半を直接学校 へ配分する計画(カルフォルニア州) 州の許可できるチャータースクールの数の大幅増加 (テキサス州) チャータースクール法の大幅自由化(カリフォルニア 州) p.287~ 全国レベルへの影響 政治家のチャータースクール支持 チャータースクールのための新しいプログラムと従来 のプログラムの改善計画 メディアの関心 世論調査での肯定的結果 「アメリカの最も強力な教育改革の地殻変動の震源 地」!?
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