part2

プレゼンテーションの内容
家畜ふん堆肥の圃場利用での問題
家畜ふん堆肥の中の窒素の効き方
家畜ふん堆肥中の窒素の効き方を考
慮した化学肥料との協調利用
普及への取り組み
作物が利用できる化学肥料中の窒素の割合
100
硫安
溶出率( %)
80
肥効調節型
肥料
60
リニア型
40
放物線型
20
0
0
シグモイド型
30
60
90
施用後日数( 日)
120
堆肥から の窒素供給量( kg/t・ 乾物)
堆肥中の窒素の土壌中での放出パターン
堆肥と土壌を混合し
インキュベータに入れ
培養する
(土壌のみでも培養する)
30
20
定期的に抜き取り、無機態窒
素量を測定(土壌のみでも測
定して差を取る)
10
0
0
30
60
90
培養期間( 日)
120
堆肥からどのように窒素が
放出されるか分かる
堆肥から の窒素供給量( kg/t・ 乾物)
作物が利用可能な窒素の量を知る方法
パターンを把握するために
は、長期間(栽培期間と同じ
期間)の培養が必要
30
20
10
分析値からこういったパター
ンが把握できればよい
0
0
30
60
90
培養期間( 日)
120
このスライドでの速効性・緩効性窒素量
堆肥から の窒素供給量( kg/t・ 乾物)
※施用当作に、作物が利用可能な窒素
緩効性窒素
30
20
10
速効性窒素
0
0
30
60
90
培養期間( 日)
120
培養時に
最初の1ヶ月に
発現する窒素
=速効性窒素
1〜3ヶ月の間に
発現する窒素
=緩効性窒素
とする
3ヶ月以降に効いてくる窒素:
土壌窒素として評価
様々な堆肥でパターンを描いてみた
堆肥から の窒素供給量( kg/t・ 乾物)
パターン・量は様々
このように様々なパター
ンになるのは、堆肥に分
解のされ易さが異なる有
機物が含まれているため
30
20
10
0
0
30
60
90
培養期間( 日)
120
緑: 牛ふん堆肥
青: 豚ぷん堆肥
紫: 鶏ふん堆肥(副資材なし)
棚橋ら: 酸性デタージェント可溶有機物と無機態窒素を指標とした牛ふん堆肥・豚ぷん堆肥の窒素肥効評価,土肥誌,81,336~
342 (2010) 、鶏ふん堆肥の窒素含量に基づく肥効推定法,土肥誌,75,257~260 (2004) より改変
家畜ふん堆肥の無機・有機成分
堆肥の成分
無機物
有機物
微生物によって分解 微生物によって分解
され易い有機物
されにくい有機物
アンモニア態窒素
硝酸態窒素
リン酸
カリ
石灰 ‥‥‥
窒素、リン酸 ‥‥‥
微生物が有機物を分
解すると、利用可能に
家畜ふん堆肥の無機・有機成分
堆肥の成分
無機物
微生物によって分解 微生物によって分解
有機物
され易い有機物
されにくい有機物
分解されにくい有機物の量は
堆肥ごとに違う
畜種ごとの肥効率では、実際に作物が
利用できる窒素量は計算できない
家畜ふん堆肥の無機・有機成分
堆肥の成分
無機物
微生物によって分解 微生物によって分解
有機物
され易い有機物
されにくい有機物
堆肥施用直後の
作付で利用可能な
窒素
測定方法を
新たに開発
堆肥から の窒素供給量( kg/t・ 乾物)
家畜ふん堆肥の窒素放出パターン
最初の量から
変わらない
30
20
緑: 牛ふん堆肥
10
青: 豚ぷん堆肥
0
0
30
60
90
120
培養期間( 日)
棚橋寿彦・小柳渉: 酸性デタージェント可溶有機物と無機態窒素を指標とした牛ふん堆肥・豚ぷん堆肥の窒素肥効評価,土肥誌,
81,336~342 (2010)より作成
堆肥から の窒素供給量( kg/t・ 乾物)
家畜ふん堆肥の窒素放出パターン
緩効性窒素
30
後から増える
20
緑: 牛ふん堆肥
10
青: 豚ぷん堆肥
0
0
30
60
90
120
培養期間( 日)
棚橋寿彦・小柳渉: 酸性デタージェント可溶有機物と無機態窒素を指標とした牛ふん堆肥・豚ぷん堆肥の窒素肥効評価,土肥誌,
81,336~342 (2010)より作成
堆肥から の窒素供給量( kg/t・ 乾物)
家畜ふん堆肥の窒素放出パターン
初めに増える
30
20
紫: 鶏ふん堆肥
(副資材なし)
10
0
0
30
60
90
培養期間( 日)
120
畜種で分ける
棚橋寿彦・矢野秀治:鶏ふん堆肥の窒素含量に基づく肥効推定法,土肥誌,75,257~260 (2004) より改変
最初の量から変
わらない
30
20
10
0
0
30
60
90
培養期間( 日)
120
堆肥から の窒素供給量( kg/t・ 乾物)
堆肥から の窒素供給量( kg/t・ 乾物)
牛ふん堆肥・豚ぷん堆肥の窒素放出パターン
後から増える
30
堆肥の成分との
関連性を検証
20
10
0
0
30
60
90
120
培養期間( 日)
緑: 牛ふん堆肥 青: 豚ぷん堆肥
棚橋寿彦・小柳渉: 酸性デタージェント可溶有機物と無機態窒素を指標とした牛ふん堆肥・豚ぷん堆肥の窒素肥効評価,土肥誌,
81,336~342 (2010)より作成
牛ふん堆肥・豚ぷん堆肥の窒素放出パターン
堆肥から の窒素供給量( kg/t・ 乾物)
無機物
微生物によって分解 微生物によって分解
され易い有機物
されにくい有機物
この部分が多い
30
20
取り込み量が多い
10
放出量も多い
0
0
30
60
90
120
培養期間( 日)
棚橋寿彦・小柳渉: 酸性デタージェント可溶有機物と無機態窒素を指標とした牛ふん堆肥・豚ぷん堆肥の窒素肥効評価,土肥誌,
81,336~342 (2010)より作成
牛ふん堆肥・豚ぷん堆肥の窒素放出パターン
堆肥から の窒素供給量( kg/t・ 乾物)
無機物
微生物によって分解 微生物によって分解
され易い有機物
されにくい有機物
30
この部分が少ない
ほとんど取り込まれない
20
10
放出もほとんどない
0
0
30
60
90
120
培養期間( 日)
棚橋寿彦・小柳渉: 酸性デタージェント可溶有機物と無機態窒素を指標とした牛ふん堆肥・豚ぷん堆肥の窒素肥効評価,土肥誌,
81,336~342 (2010)より作成
牛ふん堆肥・豚ぷん堆肥の成分
牛ふん堆肥・豚ぷん堆肥の成分
無機物
微生物によって分解 微生物によって分解
され易い有機物
されにくい有機物
デタージェント分析で定量できる
AD可溶有機物
小柳 渉・安藤義昭・棚橋寿彦:有機質資材の分解特性とその指標,土肥誌,78,407~410 (2007)
AD可溶有機物量とコマツナの生育
コマツナポット栽培・21日目
394
401
261
堆肥施用量:
4t/10a相当
窒素施肥量:堆肥
の無機態窒素に
硫安を加えて
16kg/10a
190
AD可溶有機物量 (mg/g・乾物)
佐藤康司 投稿未定
堆肥から の窒素供給量( kg/t・ 乾物)
家畜ふん堆肥の窒素放出パターン
窒素が微生物に取り込
まれる
30
20
コマツナが吸
収できる窒素
が不足
10
生育が悪い
0
0
30
60
90
120
培養期間( 日)
棚橋寿彦・小柳渉: 酸性デタージェント可溶有機物と無機態窒素を指標とした牛ふん堆肥・豚ぷん堆肥の窒素肥効評価,土肥誌,
81,336~342 (2010)より作成
堆肥から の窒素供給量( kg/t・ 乾物)
家畜ふん堆肥の窒素放出パターン
30
緩効性窒素
20
キャベツの場
合
生育期間が長い
10
0
0
30
60
90
120
問題は
少ない
培養期間( 日)
棚橋寿彦・小柳渉: 酸性デタージェント可溶有機物と無機態窒素を指標とした牛ふん堆肥・豚ぷん堆肥の窒素肥効評価,土肥誌,
81,336~342 (2010)より作成
堆肥から の窒素供給量( kg/t・ 乾物)
家畜ふん堆肥の窒素放出パターン
最初の量から
変わらない
30
最初の窒素量を正確に
把握する必要あり
20
緑: 牛ふん堆肥
青: 豚ぷん堆肥
10
0
0
30
60
90
120
コマツナでも
問題は少ない
培養期間( 日)
棚橋寿彦・小柳渉: 酸性デタージェント可溶有機物と無機態窒素を指標とした牛ふん堆肥・豚ぷん堆肥の窒素肥効評価,土肥誌,
81,336~342 (2010)より作成
家畜ふん堆肥の成分の分析方法
石岡ら 「新たな窒素肥効分析法に基づいた家畜ふん堆肥の施用支援ツール」(2008年度関東東海北陸農業研究成果情報)よ
り作成
http://www.naro.affrc.go.jp/top/seika/2008/01narc/narc08-05.html
牛ふん堆肥の窒素肥効
牛ふん堆肥
速効性
窒素
緩効性
窒素
AD可溶有機物
< 250mg/g(乾物)
無機態窒素
なし
AD可溶有機物
≧ 250mg/g(乾
物)
C/N <
AD可溶窒素 x 0.5
無機態窒素
18
-2.5 - 無機態窒素
C/N ≧ 無機態窒素
18
-2
なし
小柳ら 「家畜ふん堆肥の窒素肥効の遅速に基づく評価法 第10報 施用当作に対応する家畜ふん堆肥の窒素肥効評価法
(完成版)」(土壌肥料学会2009年大会)より作成
牛ふん堆肥のAD可溶有機物量
点数: 403
5%
12%
83%
250未満
350以上
250以上
350未満
豚ぷん堆肥の窒素肥効
豚ぷん堆肥
AD可溶有機物
< 250mg/g(乾物)
速効性
緩効性
窒素
窒素
無機態窒素
なし
窒素無機化量*(90
AD可溶有機物 最少窒素量 + 窒素
日)ー 窒素無機化
≧ 250mg/g(乾物) 無機化量*(30日)
量*(30日)
* 地温の影響を考慮する
小柳ら 「家畜ふん堆肥の窒素肥効の遅速に基づく評価法 第10報 施用当作に対応する家畜ふん堆肥の窒素肥効評価法
(完成版)」(土壌肥料学会2009年大会)より作成
豚ぷん堆肥(密閉縦型方式を除く)
のAD可溶有機物量
点数: 141
9%
27%
64%
250未満
350以上
250以上
350未満
豚ぷん堆肥(密閉縦型方式)
のAD可溶有機物量
点数: 39
15%
85%
250以上
350未満
350以上
鶏ふん堆肥(副資材なし)の窒素肥効
鶏ふん堆肥
( 副資材なし)
速効性
緩効性
窒素
窒素
全窒素から推定
全窒素 x 全窒素 - 2
2
アンモニア態窒素から
推定
2種類の抽出液での
アンモニア態窒素
から推定
2
棚橋ら「鶏ふんのアンモニア態窒素の存在形態と窒素肥効評価(仮)」投稿準備中
小柳ら 「家畜ふん堆肥の窒素肥効の遅速に基づく評価法 第10報 施用当作に対応する家畜ふん堆肥の窒素肥効評価法
(完成版)」(土壌肥料学会2009年大会)より作成