温暖化・大気組成変化相互作用モデル グループの現状と課題について 滝川雅之(地球フロンティア) 須藤健悟(東大CCSR) 永島達也(国立環境研) 高橋正明(東大CCSR、地球フロンティア) 2003/03/24 共生運営委員会 本グループの目標 • 光化学結合大気大循環モデル(CCSR/NIES AGCM + 成層圏・対流圏光 化学モデル)の開発 • 高分解能モデルを用いた成層圏・対流圏物質循環の定量的評価 – – – – 成層圏・対流圏物質交換 赤道域下部成層圏・上部対流圏での水蒸気トレンド 成層圏準2年振動とピナツボ火山噴火の相互作用 成層圏・対流圏オゾントレンド • 光化学結合大気大循環モデルを用いた将来予測 – オゾンホール将来予測 – 成層圏・対流圏オゾンによる大気上端・大気下端での放射強制力 – 対流圏OHトレンド →オゾン破壊、硫酸エアロゾル生成に影響大 2003/03/24 共生運営委員会 開発スケジュール (モデルコア) 成層圏力学場の検証 適切な鉛直解像度、 モデルトップ高度の決定 成層圏化学 成層圏化学スキーム の改良 高解像度成層圏化学モデル でのオゾンホール実験 物質輸送 Rn, SF6 などを用いた 移流スキームの検証 CHASERへの成層圏化学 過程の取り込み 222 対流圏化学 CHASER(対流圏光化学モデル) の改良 平成15年度 2003/03/24 平成16年度 共生運営委員会 SPRINTERSとの 結合 平成17年度 大気大循環モデルにおける物質輸送検証実験 CCSR/NIES AGCM 5.7b (Rev.2003/03/13) を使用。 • 水平解像度: t42 (およそ2.8度) • 鉛直解像度: 67層 (大気上端: 高度80km) • 移流スキーム: Flux Form Semi-Langrangean + monotonic van Leer, もし くは FFSL + monotonic PPM with steepening スキーム • zonal mean semi-implicit あり • 大気上端でのレイリー摩擦の時定数: 1日 • passive tracer – Rn222: TransCom [Jacob et al. , 1997] – SF6: TransCom3 (エミッションを地域別に11種類に分類) – Age-of-Air: [Lin and Williamson, 2000] • SX5および地球シミュレータを用いて2年積分。 2003/03/24 共生運営委員会 鉛直層の設定 高解像成層圏モデルの設定 を使用。 上部対流圏から下部成層圏 にかけて550m程度の層間隔 で配置。 QBO実験[Takahashi 1996; Nagashima et al., 1998; 蜷川 2003] での設定を踏襲。 2003/03/24 共生運営委員会 地表ラドン濃度 ラドンは(凍っていない)地面 から放出され、およそ5.5日の 半減期で崩壊。 →対流圏での物質輸送を見る ひとつの指標。 移流スキームを数値拡散の少 ないものに変えることにより、 高緯度域や海洋上でのラドン 濃度が減少。 2003/03/24 共生運営委員会 ラドン濃度緯度-高度断面図 同様に、移流スキームを数値 拡散の少ないものに変えるこ とにより、上部対流圏でのラド ン濃度が減少。 2003/03/24 共生運営委員会 地上観測との比較 観測基地は極端な高緯度域 にはそれほど存在しないので、 観測との比較では改善のイン パクトはそれほど現れていな い。 Cape Grim で一致しないのは 観測に偏りがあるため(特定 の風向きのときにのみ観測す るなど)。 Mauna Loa は解像度が低い ためハワイでの陸域が十分表 現されていないことが影響して いると思われる。 2003/03/24 共生運営委員会 現在の CHASER の計算効率 t42l32, 8PE on NIES SX6 0.00E+00 1.00E+04 2.00E+04 3.00E+04 4.00E+04 5.00E+04 力学 積雲対流 大規模凝結 放射 地表面 鉛直拡散 重力波抵抗 乾燥対流調節 雷NOx生成 液相反応 気相反応 湿性沈着 秒/モデル年 対流圏化学過程のみで t42l32, 8PE で 13.7時間/モデル年程度。 須藤, private com. →シミュレータで t106l57 80PE に換算して 40モデル年/月程度? 重いのは輸送過程、気相反応過程。 2003/03/24 共生運営委員会 その他の技術的改善 • 入出力ファイルの取り扱いを改良 – 100以上のファイルを同時にオープンし、読み書きすること ができるようにした(外部境界条件の入力、および実行時の ヒストリ出力など)。 • 入出力ファイル形式に2バイト整数圧縮を使用可能にした。こ れまでのファイル形式と比較して、ファイルサイズをほぼ半分 程度に小さくできる。高解像度統合モデルでの長期積分時でも 効率的な計算機資源の運用が可能に (t106l56で100年積分し、 月ごとに出力させた場合、3TBのハードディスクに50成分を出 力可能)。 – 現状のディスク資源でも4例程度のアンサンブル実験も可能。 2003/03/24 共生運営委員会 来年度以降の予定 – 成層圏-対流圏物質循環に対するモデル解像度の影響を 評価する。 • t106/t63/t42/t21 l67層での物質移流実験。 – 化学-エアロゾル-気候モデル(簡略版 CHASER+SPRINTARS)の開発 – 次期放射スキームにおける成層圏放射場の改善(CCSR,フ ロンティア放射グループとの連携) • 高度80km程度までの次期放射スキーム用高高度用放射パラメータ を放射グループ側で作成。 • 200nm以下の波長域の取り扱い(太陽放射の11年周期など?) • 球面効果? • 局所熱平衡の成り立たない高度(高度80km超)への延長? – 観測結果との比較(秋元共生などとの連携) – エミッションデータ(秋元共生との連携) 2003/03/24 共生運営委員会
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