情報デザインシステム特論 輪講発表資料 情報デザイン原論 第3章 混沌、秩序、センスメーキング – 情報デザイン論の試み Brenda Dervin g2105004 大宮健太 第3章 混沌、秩序、センスメーキング - 情報デザインの試み Brenda Dervin 新しくて古い情報デザイン(1/2) 疑問 情報デザインは本当に新しい概念なのか? 新しい活動領域 「情報 = 現実」が成り立つ 情報はこの世界がどういうもの か教えてくれる 人間の観察能力は完全 情報は人為的でない 情報は簡単に伝達される 古い活動領域 本質的には今までと変わらない テクノロジーの新旧に関係しな い 情報は人為的である Brenda 情報デザインを新しい領域であると捕らえる事が 「情報」についての考えを歪めている 2 第3章 混沌、秩序、センスメーキング - 情報デザインの試み Brenda Dervin 新しくて古い情報デザイン(2/2) 主張に対する論旨の流れ 「情報」の概念が歴史的に どの様に捉えられてきたか 「情報デザイン」論を展開する上で 重要なポイントとなる原理原則 「センスメイキング」の 理論、方法論、活動と応用例 3 第3章 混沌、秩序、センスメーキング - 情報デザインの試み Brenda Dervin 歴史に見る情報の概念(1/5) 情報に対する7つの説 old 1. 2. 3. 4. 5. 6. new 7. 情報は秩序ある現実を描写する 情報は秩序ある現実を描写するが、現実を発見できるのは、適切な観察 能力と技術を持ったものだけである 情報は秩序ある現実を描写するが、現実は時と場所で変化する 情報は秩序ある現実を描写するが、現実は文化によって異なる 情報は秩序ある現実を描写するが、現実は人によって異なる 情報は、力ある者が無力な者に対して使う言葉の道具である 情報は混沌とした現実に秩序を与えるものである 共通する要素 現実の描写 人間の観察能力 権力 どの様に変化しているのか 4 第3章 混沌、秩序、センスメーキング - 情報デザインの試み Brenda Dervin 歴史に見る情報の概念(2/5) 現実の描写 次第に条件付けられ、最後には異議を唱えられている 現実の描写に関する考え 観察能力の限界 時間と空間の影響 基本前提への疑問 秩序ある普遍的なもの 二極分化 混沌として近付き難い 5 第3章 混沌、秩序、センスメーキング - 情報デザインの試み Brenda Dervin 歴史に見る情報の概念(3/5) 人間の観察能力 現実と全く同じものを 「情報」として再現できる 制限を受ける 偏見や誤謬に影響を 受けない方法が必要 人間の観察能力に関する考え 秩序ある現実を観察可能 二極分化 状況によって観察する 内容は変化する 文化や個人の違いなどの 相対的な変化 権力者の表現 6 第3章 混沌、秩序、センスメーキング - 情報デザインの試み Brenda Dervin 歴史に見る情報の概念(4/5) 情報と権力の関わり 第6説でいきなり登場 情報は普遍的なもの 個人や文化の違いの影響 情報を形にしようという 試みは全て力の表現 7 第3章 混沌、秩序、センスメーキング - 情報デザインの試み Brenda Dervin 歴史に見る情報の概念(5/5) 第1説 第7説 第6説 第5説 第4説 第3説 第2説 第2~第7説は、 第1説を維持しようとする努力の中から生まれた 両極端の考えが混在 情報システムデザインや応用の 混乱の原因 そこで、 第1~第7説までの全てを含む大原則を考える 8 第3章 混沌、秩序、センスメーキング - 情報デザインの試み Brenda Dervin 第8の説とその意味(1/2) 第8説 情報は、無秩序でもあり、秩序もある現実を明快に理解する (センスメーキング)ために人間が考案(デザイン)した道具である 第1説~第7説までの包括的内容 人間の観察能力は相対的である 現実は、時に秩序正しく、時に混沌とした状態を見せる 第1説~第7説との違い 世界に対する見方の違いは、頭の中で構成する世界が違う、即ち世界 とその働きの把握の仕方が違うからである 情報は、時間や空間を越えて移動すると、一部しか伝わらない 9 第3章 混沌、秩序、センスメーキング - 情報デザインの試み Brenda Dervin 第8の説とその意味(2/2) 第8説に従えば 従来の「情報」はもはや関心事ではない 現実をどう理解し、その認識を変えるかというデザイン・プロセスの 方が重要 権力は付随する存在ではなく、中心的存在 10 第3章 混沌、秩序、センスメーキング - 情報デザインの試み Brenda Dervin 情報デザイン理論の原則 第8説 = コミュニケーションとしての情報 第8説に基づく情報理論による「情報」の扱い コミュニケーションの中で創造と破壊が繰り返される 人間(やその集合)がデザインしたもの 秩序も無秩序も作るし、壊しもする 理論的に不完全で、常に修正されて良いもの 人間の心、身体、精神、知能と結びつく 情報システム 人々が情報をデザインする事を 互いに助けるようなシステム 方法、経験 秩序 創 造 無秩序 ・ 破 壊 11 第3章 混沌、秩序、センスメーキング - 情報デザインの試み Brenda Dervin センスメーキングの理論 患者 聴衆 ユーザ クライアント etc… 接点 諸機関 メディア メッセージ 状況 どの様に認識するか その結果を応用して、どの様にしてコミュニ ケーションシステムをデザインするかを 評価する為に考えられたアプローチ 「行為者とその人の観察とは生来、切っても切れない関係にあり その観察は本人の視点、視界から理解されねばならない」 現実を秩序があると同時に混沌としているものとして受け入れる 12 第3章 混沌、秩序、センスメーキング - 情報デザインの試み Brenda Dervin センスメーキングの方法論、実践 人 センスメーキングの三角形 「人間(又はその集合体)が状況を出て、 その結果生じるギャップに橋をかけて乗り越え、 橋の向こうに着く」という構想を図にしたもの 状況 状況 マイクロモーメント・タイムライン・インタビュー 重大な状況を説明してもらう方法 起こった事を時間的経過を追って羅列してもらう 羅列したものの一つについて 状況(障害、制約、歴史、思い出、経験) ギャップ(混乱、心配、疑問、躊躇) 結果(援助、便宜、傷、ためらい、成果、効果、影響) を語ってもらう 自身の現実認識をどのようにデザインしたかを理解 13 第3章 混沌、秩序、センスメーキング - 情報デザインの試み Brenda Dervin 応用例 以下の応用例では、 センスメーキング手法を適用した仮説と実例を示す 第8説から生じる理論的道順がどのようにして情報デザイン論に なり、最後にはデザインをデザインする為の「超デザイン論」にな るかを示す 14 第3章 混沌、秩序、センスメーキング - 情報デザインの試み Brenda Dervin 応用例 図書館の参考図書デスク センスメーキングの考え方が最も取り入れられている例 参考図書への問い合わせに手法を適用 何故その質問をする事になったのか どの様に助けて貰いたいのか どの様に答えてもらうのが一番よいか 何をしようとしているのか 15 第3章 混沌、秩序、センスメーキング - 情報デザインの試み Brenda Dervin 応用例 雑誌記事の要約 試験的にセンスメーキングを応用した例 雑誌記事10件 従来の要約 キーワード 従来の要約 キーワード センスメーキングに 基づく質問に対する 執筆者の考え 学生には、 記事の有用性を予測して順位を付け 記事を使ってレポートを書いて貰う 三ヵ月後、実際にどれだけ有用だったかを質問 予想と実際との差が大きい 予想と実際との差が殆ど無かった 読者に伝わりやすい 16 第3章 混沌、秩序、センスメーキング - 情報デザインの試み Brenda Dervin 応用例 利用者の声を聞く プロフェッショナルの思い込みを崩す ある公立図書館でビデオ利用者のアンケート 職員 利用者 ビデオは娯楽 人生や生活の質の 向上に役立つ 本はどの様に役立つか 返却した本はどの様に役立ったか なぜそう思うのか という質問の答えをボードに貼り付けて貰った 他の利用者の答えを読む人が増えた 利用者の少ない本の貸し出しが増えた 17 第3章 混沌、秩序、センスメーキング - 情報デザインの試み Brenda Dervin 応用例 学生へのセンスメーキング クライアントへの情報提示 血液センターでの情報提示 患者の疑問点の解消 コミュニケーションの円滑化 その他 組織の人事管理 研究グループへの応用 自己啓発 自己センスメーキング 18 第3章 混沌、秩序、センスメーキング - 情報デザインの試み Brenda Dervin 応用例 研究グループへの応用 研究発表会にて 発表の後、参加者に次の質問に答えてもらう この発表であなたの役に立った部分は? どの様に役立ったか? あなたの研究とどの様な結びつきがあるか? 何故そう思うか? よくわからなかった点は? どうすれば不明点が解決すると思うか? 発表に含めて貰いたかった事は? その後の一般討論で、全員が建設的な話し合いに容易く入れた 互いにどの様な結び付きが出来、どの様に助け合えるか解った 19 第3章 混沌、秩序、センスメーキング - 情報デザインの試み Brenda Dervin 結論 人間の状態に最大限役に立つ情報デザインしたい 現在の理論を変更する必要がある(第8説の提唱) センスメーキング手法 デザインをデザインする「超デザイン」 情報の移動だけでなく人間の情報デザインを助ける 20
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