公共建築における 「建物保全の格付け」の検討 保全文化の形成に向けて 平成20年11月 財団法人 建築保全センター 様々な格付け ●金融機関、企業 ●ワイン ●マンション ●大学 ●生命保険 ●ホテル ●国 ●木材(JAS規格) ●レストラン ●工事入札参加資格 ●芸能人 ‥ 今、何故「格付け」なのか 公共建築が抱える問題 既存不適格 建築 建築ストック の増大 予算不足 保全の重要性 の認識拡大 建物の 長寿命化 保全の 認識不足 保全の大切さを わかってもらうために 建築保全の格付け 保全実施程度の 明確化 国家機関の建築物等の現況 -国家機関の建築物の経年別シェア- 経年別面積 30年超が約33% 41年以上 13.8% 31年~40年 19.2% 10年以下 25.3% 面積 約5,100万㎡ 21年~30年 15.8% 11年~20年 25.9% 経年別施設数 30年超が約40% 41年以上 12.1% 31年~40年 26.7% 10年以下 17.3% 施設数 約17,400施設 21年~30年 23.5% 11年~20年 20.5% 長期修繕計画作成の状況 ※半数の自治体で未作成 都道府県 政令市 一部作成 一部作成 全施設作成 全施設作成 東京23区 市 25% 未検討 検討中 一部作成 一部作成 0% 検討中 検討中 検討中 50% 未検討 未検討 未検討 75% 市では、全施設作成が5%以下 100% 「建物保全の格付け」とは、 単なる建築物の評価ではなく、 建設時における建物性能(初期価値) を踏まえ、建物の運用・管理の的確性 及び確実性を評価し、建物の健全性の 程度を表示するものです。 格付けの目的は、 公共建築が、 行政サービスの提供や拠点施設としての 役割を十分に担えるよう、施設管理者に 対し、よりよい建築保全を促すことです。 保全文化の形成に貢献すること 評価項目イメージ 大項目 環境性 安全性 経済性 中項目 小項目 1.文化・周辺環境性 ①歴史文化的価値 ②周辺環境配慮 ③立地環境 2.環境負荷低減性 ①CO2排出削減 ②自然エネルギー利用 ③水資源保護 3.利用者の快適性 ①音環境 ②温熱環境 ③光環境 ④空気質環境 1.耐震性 ①構造体 ②建築非構造部材 ③建築設備 2.防災性 ①火災被害の防止 ②浸水被害の防止 ③セキュリティーの確保 3.設備機能の維持性 ①インフラ途絶時の容量確保 ②信頼性確保対策 ③劣化度 4.利用者の安全性 ①アスベスト・VOC対策 ②バリアフリー ③不安全な装置・部位 1.保全実施 ①長期修繕計画 ②保全実施状況 2.保全・更新性 ①空間のゆとり ②床荷重のゆとり ③設備の更新性 3.施設利用性 ①施設面積効率 ②施設利用効率 4.コスト管理性 ①保全コスト ②修繕・改善コスト ③運用コスト 評価項目の具体例 経済性 1.保全実施 保全実施状況 施設台帳等の整備 →台帳有無 定期点検の実施 →点検実施状況 施設管理体制 →責任分担・非常時参集 要求レベル →高・標準レベル 格付けの表記イメージ 得点獲得率 「ABB」 A B C 環境性 A 安全性 B 経済性 B 80<P 50<P≦80 P≦50 利用者の安全性 耐震性 100 75 50 25 0 設備機能の維持性 防災性 格付けのメリットと効果 保全内容の把握 格付け 健全性の認識 ●管理手法の 改善方針の検討 ●施設運用の目安 に活用 効果 ●トップレベルの「建築保全」への 理解が進む →組織対応、管理内容の充実 ●職員、市民への伝達の機会 今後の課題 ●格付け評価項目の妥当性 ●判断基準の明確化 ●異なる建物用途の同列化 有識者による 精緻化 ●公平性の確保(制度設計) →判定委員会の設置 公共建築における 「建築保全の格付け」の検討 The End
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