第5回(10/23) 立憲制度はどう使われたか 国民国家形成と外交において、立 憲制度はどのように使われたのか いくつかの例を通じて考察する。 はじめに 八木秀次『日本国憲法とは何か』 4~7章から論点を取り出す 「立憲主義」=「権力を制限するた めに生まれたもの」=「制限政治」 神の意思による制限 古き良き法(コモンロー)による制限 ゲルマン古代からヨーロッパ中世 「古き良き法の回復」による制限政治 「中世的立憲主義」 「イギリスは中世的立憲主義を 継承している」 「混合政体」としての「イギリス立憲主義」 君主制(行政) 貴族制(司法) 民主制(立法) モンテスキューの「混合政体」論 =「三権分立」論 →アメリカにも影響 イギリスにおける 「コモンロー」と「主権」の対立 (p.80) ジョンロックの社会契約論 コモンローからの断絶という側面 (以上、第4章) 伝統からの断絶としての 「アメリカ独立宣言」 ロック社会契約説の全面開花 「歴史を持たない国」 「アメリカ合衆国」の誕生 ザ・フェデラリストにおける 「権力分立」と「混合政体」の思想 (以上、第5章) フランス人権宣言(⇔天賦人権説) • 「歴史からも共同体からも切り離された抽象 的『人間』」 • ペイン(人間の権利)vs.バーク(高貴な自由) • モンテスキューvs.ルソー • ルソーの社会契約論~「一般意思」と「立法 者」の思想 • 人民主権論と国民主権論 (以上、第6章) 明治憲法をどう評価するか • 受動的君主(立憲君主制)か能動的君主か • 内閣制の弱体と元老による補完 • 内閣制不全の立憲君主制としての明治憲法 体制 (以上、第7章) 論点 • イギリスにおける内閣制の発展/立憲君主 制との関係 • フランス革命後/混合政体化への長い道の り • 断絶としてのロック/モンテスキュー的混合 政体化 • アメリカ独立宣言におけるロック/合衆国憲 法制定におけるモンテスキュー 論点 • アメリカにおける混合政体/フェデラリストと モンテスキューと合衆国憲法 • 明治憲法における内閣不全 • 主権構築と統治機構と人権保障 憲法はどう使われたか? • • • • 軍事・政治的要因 (外交)軍事と(内政)治安 経済的要因 国際市場(通商・貿易)と国内市場(流通・契 約) • 統治と民主化(戦争への動員、経済成長への 動員) 主権の構築 • 「近代国家の主権は、教会・大学・ 同業者組合など、国家と個人の間に 位置する社会内部の中間団体の保 持してきた特権を絶対君主が吸い 上げ、国内で最高にして国外に対し て独立の政治権力を確立することで 成立している」(『平和』p.90) 国民の形成 • 「身分制秩序は破壊され、中央の強 大な政治権力の反対側には、それ まで所属していた中間団体から放り 出されて、裸の個人となった国民が 成立する。」「国民は、平等な権利を 享有する個人の集合にすぎない」 (『平和』p.90) 人権の保障 • 「この政治権力の統一と平等な個人 の創出を完成させたのが、近代市 民革命の典型といわれるフランス革 命である。」(『平和』p.90) 政治学B(レポートその1/2007秋) • レポート課題(その1)は次の通りとする。 ■テーマ 「立憲主義について」 ☆図書館等を利用し憲法学その他の 文献から、「立憲主義」についての 異なる「定義」を3つ以上調べあげ、 それらを正確に引用した上で、自ら のコメントを付す形で立憲主義につ いて論じること。 • ■注意 引用にあたっては、引用部 分をかぎかっこで囲むと同時に、引 用文献(著者名、著書名、出版社、 出版年、ページ)を必ず明示するこ と。 ■提出日 10/30の授業時 (遅れて提出の場合には、11/6の授 業時まで受け付ける。その際の評点 は80%とする。それ以降の提出は 受け付けない。) レポートの採点基準と提出様式についてはここをクリック レポートの採点基準は以下のとおりとします。 (2007年秋学期から適用) 10点満点とする。加点分から減点分を差し 引いて得点とする。なお、最低点は0点とする。 ☆加点対象 1)レポートのテーマに沿った的確な内容であ るか 5点 2)レポートの構成と論旨が明確で説得力が あるか 5点 ★減点対象 1)A4用紙1枚という様式が守られていない 場合。マイナス2点。 2)学科・学年、学籍番号、氏名がきちんと書 かれていない場合。それぞれマイナス1点。 3)「引用」に引用符(鍵括弧「 」)が付いてい ない場合、ひとつの引用につき、マイナス2点。 4)「引用」の出典(出所)が明示されていない 場合、ひとつの引用につき、マイナス1点。 5)「引用」だけで構成されているもの。引用が 10割の場合、マイナス6点。引用が8割以上 の場合、マイナス4点。引用が6割以上の場 合、マイナス2点。 6)明らかに同一文章のレポートが発見された 場合(他の者のレポートをほぼ丸写しした場 合、もしくは他の者に丸写しさせた場合)。同 一部分の分量と程度に応じて、マイナス8点 からマイナス4点。 7)インターネットのサイト等からの「引用」に ついても、上記と同様の扱いとする。特定の サイトからの文章をコピーペーストすることは 構わない。ただし、きちんと「引用」として扱う こと。「引用」を明示せず、かつ、単なる丸写し の場合には、「引用」にかかわる減点と「丸写 し」にかかわる減点の二重の減点対象となる。
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