トランジット法を用いた 太陽系外惑星探査 和歌山大学 教育学部 自然環境教育課程 地球環境プログラム 天文学ゼミ 藤田和也 2009年2月28日 卒業論文発表会 トランジット法を用いた太陽系外惑星探査 太陽系外惑星とは • 太陽系以外の恒星の周りを回る惑星 • 1995年に初めて発見 • 現在、342個の系外惑星を確認 トランジット法を用いた太陽系外惑星探査 目的 300個以上の系外惑星が発見されているが、 まだ、サンプルを増やしていく必要がある そこで… トランジット法を用いて、 新たな系外惑星を発見する トランジット法 惑 ト星 )の に よ恒 る星 光前 度面 変通 化過 を( ト 捉ラ えン るジ ッ トランジット法を用いた太陽系外惑星探査 トランジット開始 トランジット終了 トランジット法を用いた太陽系外惑星探査 ←屋上天文台60cm反射望遠鏡 中小の望遠鏡、天体撮影用だが市販CCDカメラ、 普通のPC上で動く解析ソフト 冷却CCDカメラ(SBIG社製)→ これだけで、トランジット観測が可能 ←解析中… (Redhat9、IRAFというソフトを使用) トランジット法を用いた太陽系外惑星探査 トランジット観測ネットワーク ★トランジット観測ネットワークとは… 世界中に存在する、トランジット観測集団の日本 チーム(東京工業大学井田茂教授主催) • すばる望遠鏡などの観測で得られたトランジット候補天体の 情報を共有 • 専門家だけでなく、多くのアマチュア天文家も参加 →トランジットを起こす可能性の高い天体を、多くの観測者が 観測することによって トランジットをとらえる最大努力をしている (とはいえ、全国でも1年に1例程度しかつかまえられない) トランジット法を用いた太陽系外惑星探査 当天文学ゼミでの系外惑星探査の歴史 • 2005年度:柴原由果 和歌山大学屋上天文台で、トランジット観測が可能である ことを実際に示す 既知の天体を観測し、減光を捉える • 2006年度:木村奈都 トランジットが確認されていない惑星の発見に挑んだが、 新惑星は発見できず 1つの天体に対しての長期的な観測、測光精度向上の必 要性について示す • 2007年度:玉置順大 測光精度の向上 2005年柴原:±0.025等級 → 2007年玉置:±0.01等級 同じく、新惑星発見できず トランジット法を用いた太陽系外惑星探査 2008年度のトランジット観測 トランジット終了 TrES-3 HD80606 WASP-2 HD80606 • Ref.star2 • Ref.star3 • TrES-3 • Ref.star1 V等級:12.4 • Ref.star1 • Ref.star2 • WASP-2 • Ref.star3 V等級:11.98 • HD80606 • Ref.star1 (HD80607) V等級:8.93 • 12月~2009年2月にかけて17回の観測 観測したが、天候に恵まれず、有効 なデータを得ることができなかっ • 2009年2月14日にトランジット終了予報 あり! た トランジット法を用いた太陽系外惑星探査 HD80606を17回観測した理由… 16回:トランジット予報日でない →予報は、確実でない トランジットを起こす可能性もある そこで、トランジットを起こしていないか確認しておく必 要がある 今回、一番の観測イベントであった 2009年2月14日(トランジット予報日)の観測結果 トランジット法を用いた太陽系外惑星探査 2009年2月14日に取得したデータ HD80606-HD80607(2009/02/14) 19時00分 HD80606-HD80607 23時30分 横軸(時間の軸) 単位:ユリウス日という勘定方法による、 日(10の位以下を表示) 0.1日は2時間24分に相当する 28時30分 ⊿ magnitude -0.15 -0.14 -0.13 縦軸(明るさの軸) 単位:等級 0.01等級は、明るさが1%違うこと に相当する -0.12 -0.11 -0.1 76.8 76.9 77 77.1 JD-2454800 77.2 77.3 ±0.005等級程度 77.4 • 全体を見ると、観測夜全体を通して一定の明るさ →トランジットを起こしていない時を見ていた • フランスのトランジット観測集団が半日前にトランジット終了を確認 • 測光精度について、トランジット観測ネットワークから高評価 新惑星発見に貢献できず トランジット法を用いた太陽系外惑星探査 まとめ • この卒業研究において、天体画像21112枚撮像 その他の必要な画像を含めると22762枚撮像 • ±0.005等級の測光精度 →測光を精度よく行っていると、 トランジット観測ネットワークからも高評価 • 新たな惑星発見ならず しかし… 2009年度、蒔田に期待
© Copyright 2024 ExpyDoc