Dream4C - Microsoft

4社共同プロジェクト
Dream4C
Disaster Recovery EvAluation Method by 4 Companies
SAP R/3 with SQL Server 2000 Disaster Recovery Evaluation Project
Dream4C
目次

1.プロジェクトの背景と目的

2. 協力会社とその役割

3.検証対象

4.検証範囲

5.検証日程

6.検証項目

7.検証構成図(イメージ)

8.検証環境(ハードウェア環境)

9.検証環境(ソフトウェア環境)

10.検証環境(機器設置場所)

11.検証結果(Fail Overまでの所要時間)

12. 考察1

13.考察2
Dream4C
1.プロジェクトの背景と目的




企業のシステムに障害が発生したり、災害の影響を被った場合、業務を継続
できなくなる可能性があるため、コンテンジェンシープランニングの重要性が
高まっている。
特に基幹システムが停止してしまうことは企業にとって致命的であるため
Disaster Recoveryを取り入れたシステム構築が望まれている。
しかしながら、国内で多くのシェアを持つ基幹系システムであるSAP R/3です
ら公表されている実績があまり無い。
そこで、R/3のDisaster Recovery Solutionを共同で構築・機能検証し、公
表する事により、企業が抱える事業継続性の問題を解決するSolution Setと
しての提供を可能にし、かつ企業に対しDisaster Recoveryの重要性を認識
させることを目的とする。
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2.協力会社とその役割
下記4社の共同プロジェクトとして実施

KPMGコンサルティング株式会社


コンパックコンピュータ株式会社


H/W提供、技術支援、技術資料作成支援
株式会社CRCソリューションズ


Project Management全般、シナリオ作成、テスト実施、評価シート・運用定義書作成など検
証に関わる成果物の作成
データセンター提供、テスト作業支援、運用定義書作成支援
マイクロソフト株式会社

事務局、S/W提供、技術支援、技術資料作成支援
Dream4C
3.検証対象

本検証において想定される災害とは次のものとする。



Primaryサイトにおいてアプリケーションサーバー・データベースサーバ
ーが壊滅的打撃を受けるほどの大規模な自然もしくは人為的災害。
上記の災害によりR/3システムが使用できなくなる状況において、別拠点
にあるサーバーをオペレーション時間で1時間程度以内にほぼ同じ条件で
稼動させる検証を行う。
想定される企業規模は、R/3の同時トランザクション数を100程度とし、R/3
モジュールはSD、FI、MMについて動作検証を行う。
データセンター
バックアップサイト
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4.検証範囲


SQL Log Shipping機能の評価

稼動自体の問題点の有無・・・データをReplicateができるか。Fail Over、Fail Backができる
か。横浜ー神戸間という遠隔地でも稼動するか

R/3上での問題点の有無・・・R/3が稼動するか、 R/3の稼動に影響を与えないか

実用性の検証・・・1時間以内にFail Overできるか。ネットワーク、Standby Serverの障害が
あってもデータをReplicateができるか。
DRM(SANworksデータ リプリケーション マネージャ)機能の評価

稼動自体の問題点の有無・・・データをReplicateができるか。Fail Over、Fail Backができる
か。横浜 - 神戸間という遠隔地でも稼動するか

R/3上での問題点の有無・・・R/3が稼動するか、 R/3の稼動に影響を与えないか

実用性の検証・・・1時間以内にFail Overできるか。ネットワーク、Standby Serverの障害が
あってもデータをReplicateができるか。
上記2機能について、ネットワークに与える負荷測定、リモートメンテナンス可能な範囲の
確認、データ喪失時点の解析、復旧までの時間測定、それらにかかわる運用手順と実
用的な運用体系の条件の作成を行う。
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5.検証日程

プロジェクト発足・・・ 2001年10月23日


プロジェクトメンバー 4社合計24名(KPMG7, Compaq5, CRC6, MS6)
検証テスト期間・・・2001年12月~2002年1月

同一拠点でのテスト(2001年12月)
—
—


Log Shipping(Workgroup環境)・・・2001年12月7日~14日
DRM・・・2001年12月18日~21日
遠隔地でのテスト(2002年1月)
—
DRM ・・・2002年1月11日
—
Log Shipping(Workgroup環境)・・・2002年1月15日~17日
—
Log Shipping(Domain環境)・・・2002年1月21日~24日
プロジェクト終了・・・2002年2月22日
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6.検証項目

セットアップ

正常稼動確認

Primaryサーバー障害・・・Fail over、Fail back

Standbyサーバー障害

ネットワーク障害・・・アイドル中、データ転送中

その他確認項目検証

Windows NLB(Network Load Balancing)とLog Shippingを組み合わせたクラスタリン
グ構成
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7.検証構成図(イメージ)
ユーティリティ・サーバー
ProLiant DL580
CPU:Pentium Ⅲ Xeon 700MHz x4

NIC
RAM:2560MB
Public LAN
NIC
プライマリ・サーバー
ProLiant 8000
スタンバイ・サーバー
ProLiant 8500
CPU:Pentium Ⅲ Xeon 700MHz x8 CPU:Pentium Ⅲ Xeon 700MHz x8
RAM:4096MB
HBA HBA
HSG80
HSG80
RAM:4096MB
HBA HBA
FC
Switch
FC
Switch
FC
Switch
FC
Switch
プライマリ・ストレージ
StorageWorks MA8000
NIC
スタンバイ・ストレージ
StorageWorks MA8000
HSG80
HSG80
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8.検証環境(ハードウェア環境)




Primary Server : コンパック ProLiant 8000(Pentium Ⅲ Xeon 700MHz
×8,4096MB memory)
Standby Server : コンパック ProLiant 8500(Pentium Ⅲ Xeon 700MHz
×8,4096MB memory)
Utility Server : コンパック DL580(Pentium Ⅲ Xeon 700MHz ×4,
2,560MB memory)
Storage : コンパック StorageWorks MA8000
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9.検証環境(ソフトウェア環境)

OS : Microsoft® Windows® 2000 Advanced Server

DB : SQL Server™2000 Enterprise Edition

Application : SAP R/3 IDES 4.6C
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10.検証環境(機器設置場所)
1.同一拠点
CRC Solutions横浜コンピュータセンター
2.遠隔地(約600km)
Primary side : CRC Solutions横浜コンピュータセンター
Standby side : CRC Solutions神戸コンピュータセンター
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11.検証結果
(Fail Overまでの所要時間)

Fail Overまでの所要時間は下表のとおりである。
製品名
Log Shipping(Workgroup 環境)
同一拠点
遠隔地
所要時間
所要時間
約30分
約30分
Log Shipping(Domain 環境)
DRM
約30分
約10分
約20分
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12.考察-1


Disaster Recoveryを取り入れたシステムの導入は、事業継続性という
観点から、今や必須の項目であるといえる。しかしながら、コスト・運用方
法の両面において、遠隔地における現実的なソリューションがなかったた
め、一部の限定された企業以外では導入の検討すらされてこなかったこと
も事実である。
Log Shipping 、DRM ともにSAP R/3 のDisaster and Recovery環境
を構築するうえで、有効なソリューションであるといえよう。両ソリューション
共にPrimary Serverに障害が発生した場合、30分程度でStandby Server
へFail Overできたことから、各々が実用に十分耐えられるレベルには達し
ていることを本検証にて実証することができた。なお、両ソリューションとも
に、遠隔地からのリモートコントロールによって、Fail Over等各種作業を行
うことも可能である。
Dream4C
13.考察-2




Log ShippingはSQL Serverの一機能であるため、追加投資をほとんどす
ることなくDisaster and Recovery環境を構築することができる。
DRMは同期モードで運用した場合、ほぼデータロスの無い環境が実現可能
である(データベース全体をReplicationする場合は、比較的大きな帯域が
必要)。
コスト面で大きなアドバンテージがあるコンパック ProLiantとSQL Server
の組み合わせで、SAP R/3の実運用に耐えうる十分な信頼性を備えたシス
テム構築が可能であることを確認した。
本検証では、同一拠点における検証、横浜―神戸の遠隔地における検証と
もに連続して5,000件以上のトランザクションをも処理できたため、 Log
Shipping 、DRMの両ソリューションともかなりの大規模なR/3システムにお
いても導入できるものと考えられる。