学生相談室便り 2015 年度秋号

学生相談室便り
2015 年度秋号
最近、ホッと一息、ついてますか?
めっきり秋めいて、朝晩は肌寒さすら感じられる今日このごろですが、みなさんいかがお過ごしです
か?
いよいよ後期もはじまり、また日常が戻ってきたなあ、という感じでしょうか。学園祭や語劇祭の準
備、クラブやサークル活動をしている人は大会や試合もあって、授業以外にもいろいろと忙しく活動さ
れている人も多いと思います。途中で投げ出したくなることもあると思いますが、やり遂げた後の達成
感はひとしおのはず。大学生活をめいっぱい楽しんでくださいね。
~言い訳したくなる心理~
大事な試験当日、教室で会ったクラスメイトに「昨日マンガ読み始めたら止まらなくてさ~。結局ほ
とんど勉強できなかったよ。
」なんて言い訳したこと、みなさん経験ありませんか?
やるべきことがあると分かっているのに、それに取り組もうとしなかったり、全然他のことをやり始
めてしまったりすること、これを心理学では“セルフ・ハンディキャッピング”と言います。つまり、
自分で自分にハンディキャップを負わせてしまうということです。こうすることで、もし失敗した場合
でも、
「○○のせいだから」という言い訳が(自分にも他人にも)成り立ちますし、成功した場合は、
「○
○だったのに成功した自分はすごい!」となります。失敗しても成功しても、自尊心を傷つけることが
ないので、自分を守るにはとってもオトクな方法だといえますね。
ただし、オトクだからといって、セルフ・ハンディキャッピングをし続けると、それが習慣化されて
しまい、常に「言い訳」を準備してしまうようになります。そうやって過ごしていると、失敗する怖さ
や自分の本当の能力などに、素直に向き合うことができなくなってしまいます。頑張らなければいけな
いときに力を十分に発揮できず、結果として自分自身の可能性をつぶしてしまうことにもなりかねませ
ん。
誰でも自分はかわいいですから、ついつい傷つかないように守ってしまいたくなりますよね。失敗し
たくないし、自分の実力に向き合うのも勇気がいるもの。でも、なりふり構わず努力したり、全力で何
かに取り組んだことで得られる達成感や充足感は、何ものにも変えがたい経験になるはずです。たとえ
失敗したとしても。
ここからは余談。テニスのスタン・ワウリンカ選手の右腕には、ある言葉が刻まれています。彼は、
その言葉を自分に言い聞かせながら、あきらめずに懸命に努力し、今や世界のトッププレーヤーとして
活躍しています。
“Ever tried. Ever failed. No matter. Try again. Fail again. Fail better.”
(フランスの劇作家
サミュエル・ベケットの言葉)
学生相談室
℡(078)794-8135