透視図法と数学 ‐透視図法と線束‐ 筑波大学大学院教育研究科1年 福田匡弘 どんなこが分かる? §1.Albrecht Durer §2.Leonardo da Vinci 「プロスペティーヴァ(透視図)とは、 平らで十分に透明なガラスの後ろ側か ら見て、そのガラスの表面に、ガラス の向こう側にある一切の事物を写し取 ることに他ならなくて、これらの事物 は、目を頂点とするピラミッドで捉え られ、そのピラミッドは、上述のガラ スの位置において切断されるのであ る」 視錐ピラミッドと切断 §3.平行線は交わる? どうなる? 図のように、視点と画面を取り、視点Aから 画面を通して平面Bを見るとき、画面には どのように写っているだろう。 レオナルドの絵画論 レオナルドは、下の図のような方法を考え ていた。この図からわかることとして・・・ レオナルドの絵画論 縦線の平行線は一点で交わっている。 横線の平行線は平行である。 対角線は一点で交わっている。 線束・・・ある一点を通るような直線の集ま りか、ある線に対して平行であるような線 の集まり。 マギの礼拝背景図 まとめ1 目からでた光線(視錘ピラミッド)を画面に おいて切断している。 線束・・・ ある一点を通るような直線の集まりか、あ る線に対して平行であるような線の集まり。 透視図法とはどんなものだった? デザルグの定理 二つの三角形ABC、A’B’C’が あり、対応する頂点を結ぶ3直線A A’、BB’、CC’が一点で交わる ならば、対応する辺(AB、A’ B’)(BC、B’C’)(CA、 C’A’)の交点N,L,Mは一直線 上にある。 二つの三角形の頂点を通る直線が一点で交わる と、対応する辺の交点が一直線上にある。 Gerard Desargues これまでの透視図法 をさらに発展させて、 今日の射影幾何学の 糸口をつくった。 [First] Geometrical Proposition 1,もし空間内または平面上 の二つの三角形abl、 DEKが、その対応する 頂点どうしを結んだ3 つの直線aD、bE、lKが 点Hで交わるようなも のであるとき、その二 つの三角形の辺は一直 線上の3点c、f、gで交 わる。 cが△bfE、agDの頂点を通る角錐の頂点 とみなせることから3つの直線ag、bf、 HKが点lを通る。 fを二つの△bcE、lgKの頂点を通る角 錐の頂点と考えると、対応する辺は同 一直線上の点a、D、Hを与える。 さらに、gを二つの三角形acD、lfKの対応す る辺は同一直線上の3点b、E、Hで交わる。 3.もし、三角形DEKの3つの頂点D、E、 Kと頂点Hから垂線Dd、Ee、Kk、Hhが 引かれるなら、これらの直線は紙面の平 面とd、e、k、hで交わる。そしてそれら は、直線hdは直線HD上の点aを通り、同 様にhkはlを通り、deはcを通り、heはb を通り、dkはgを通るようなものである。 デザルグの考え したがって紙面上の平面には、他の平面 上の図形と点と点、直線と直線そして 比と比が対応するような決定された図 形があり、それゆえその図形の性質が ひとつのもの、または他方のものから 論じられる。このことは、ただひとつ の平面上の図形によって代替されると いう意味によっている。 まとめ2 立体の交線(平面と平面が交わる線) を平面上に移しても、平面上における 交線の関係は、保たれている。 Blaise Pascal ブレーズ・パスカル は、1623年フランス のクレモンに生まれ た。 円錐曲線に内接する 6角形に関するパス カルの定理 デザルグとパスカル 「・・・これを最初に発見したのは,リヨン に生まれた当代の碩学デザルグ氏である。氏 は数学,わけても円錐曲線論には最も造詣深 い人のひとりであって,この部門に関する氏 の著述は,数こそ少ないが,そこから学ぼう とした人々に対し,このことの豊かな証拠を 与えたのである・進んで告白するが,私がこ の部門に関して発見した僅かのことも氏の著 述に啓発されたものであって・・・」 デザルグ パスカル §6.円錐曲線 定義Ⅱ 円錐曲線section de Coneなる語によって, われわれは,円周, 楕円,双曲線,放物 線,角を作る2直線を 意味する。 §6.パスカルの定理 補題Ⅰ 円の内接六角形AB CDEFの3組の対辺A BとDE、BCとEF、C DとFAの交点N,M,L は一直線上にある。 補題Ⅱ いま、2平面がほかの1平面によって きられるならば、これらの平面の切断 線は、さきの2平面がとおる直線と同 じ束にある。 補題Ⅲ 円錐曲線の内接六 角形ABCDEFの3 組の対辺ABとDE、 BCとEF、CDとFA の交点N,M,Lは一 直線上にある。 どのようにして導いたのか。 定義Ⅱ(円錐の切断) 補題Ⅲ(円におけるパ スカルの定理) 補題Ⅰ 最後に パスカルが用いたデザルグの考えとは・・・ ほかの平面上のことが、ただひとつの 平面上の図形によって代替される。
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