「靖国問題」について • • • • • • • • はじめに 靖国神社に行ってみる 英霊 戦死者を追悼する 名誉の戦死 敗戦と靖国神社 靖国問題を解くために おわりに 「靖国問題」とは何か(1) A級戦犯合祀をめぐる論争 • 第二次世界大戦後の平和構築は「裁き」によってな された。 • 「A級戦犯が合祀された靖国神社に首相は参拝す べきでない。」 • 「なぜ日本だけが戦死者を追悼して文句を言われる のか?」(2006年8月・「日曜討論」後の大原康男氏 のコメント) 「靖国問題」とは何か(2) 高橋哲哉氏『靖国問題』(ちくま新書・2005年) • 政教分離を徹底することによって「国家機関」として の靖国神社を名実ともに廃止すること。 • 靖国神社の信教の自由を保障するのは当然である が、合祀取り下げを求める内外の遺族の要求には 靖国神社が応じること。 (靖国神社は、そこに祀ら れたいと遺族が望む戦死者だけを祀る一宗教法人 として存続されることになる。) • 近代日本のすべての対外戦争を正戦であったと考 える特異な歴史観は、自由な言論によって克服され るべきである。 • 「第二の靖国」の出現を防ぐには、憲法の「不戦の 誓い」を担保する脱軍事化に向けた不断の努力が 必要である。 「靖国問題」とは何か(3)論点の整理 • 「靖国問題」はYasukuni Questionsである。 • 「靖国問題」には2つの側面がある: 靖国神社をめ ぐる問題と戦死者の追悼をめぐる問題。 ①靖国神社をめぐる問題(分祀・合祀・廃祀、政教 分離、首相参拝・・・・・・)。 ②戦死者の追悼という文化(集団の生活様式)を めぐる問題(「国家祭祀」としての戦死者追 悼・・・・・・)。 靖国問題の核心にあるもの • 靖国問題の核心にあるものは「名誉」ではないか? • 靖国問題とは、「平和愛好国の時代」における戦死 者の追悼という文化をめぐる問題ではないか? 1.靖国神社に行ってみる 246万余柱の「英霊」を祀る • 「英霊」とは? • 遊就館の展示から見え てくるもの • 「肉弾三勇士」の話 • 「人間魚雷」回天の話 • 「名誉の戦死」 2.英霊 • 天皇の為に戦死した人 びとを祀る神社 • 1879(明治12)年、靖 国神社創建 • 靖国神社の前身は「東 京招魂社」 • 東京招魂社の創建は 1869年。 • 戊辰戦争の戦死者を祀 る神社として発足 祀られなかった戦死者 • 靖国神社は「別格官幣社」であった。 • 天皇をいただく明治新政府のために命を捧げた 人々を英霊(神)として祀った。 • したがって、天皇に敵対したいわゆる「逆賊」や 「暴徒」は日本人であっても合祀されることはない。 アメリカ南北戦争との比較 リー将軍と西郷隆盛 女性の英霊 • およそ57000余柱の女性の英霊が合祀 • 例: 日本赤十字社の従軍看護婦 さまざまな英霊 • 靖国神社の合祀の規準に はちぐはぐなところもある。 • 主として合祀されているの は、日本軍の将兵ならびに それに準ずる者たちの戦死 者 • 生まれて間もない赤ちゃん、 子供、児童、学生、カメラマ ンなども合祀されている。 戦争犯罪人の合祀 • • • • 「昭和殉難者」として合祀 A級戦犯17柱 BC級戦犯役1000柱 戦犯合祀は最も政治的な 論争点のひとつ。 • 靖国神社は、連合国の行 なったこれら一連の裁判 について批判的。 • パール判事の顕彰碑 英霊にされてしまった人々 • 生前クリスチャンや仏教徒であった英霊につ いて、遺族が廃祀を訴えているケースがある。 • 台湾や韓国(朝鮮半島)など、日本の旧植民 地出身の英霊についても、遺族や関係者が 廃祀を求めているケースもある。 3.戦死者を追悼する • • • • 「戦死(戦没)」とは何か? 「戦死者(戦没者)」とは何か? 大量の戦死者――ヨーロッパの体験 「母の嘆き」 戦死は「むだ死」か? 第一次世界大戦をきっかけに エニスキリン事件 4.名誉の戦死 • 「軍国の母」 • 大量の戦死者――日本 の場合 • 「感情の錬金術」 英霊と幽霊のあいだ • 「空閑少佐の自決」をめ ぐって • 軍国美談のゆらぎ • 『戦陣訓』「生きて虜囚 の辱を受けず」 5.敗戦と靖国神社 • 占領軍による焼却計画 • 石橋湛山による靖国神 社廃止論 • 「屈辱と怨恨との記念」 • 別格官幣社から一宗教 法人へ • 憲法20条「信教の自 由」をめぐって • 戦争観の変化と平和の 文化
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