4体CDCCにおける分解反応断面積 の計算 江上 智晃 松本琢磨A、緒方一介、井芹康統B、上村正康、八尋正信 九大理、理研A、千葉経済短大B KEK研究会「現代の原子核物理ー多様化し進化する原子核の描像」 2006/8/2 introduction • 不安定核の反応 不安定核は反応の途中で容易に分解するため、分解の 効果を取り入れた解析が必要 分解反応の解析には、九大グループによって開発された、 離散化チャネル結合法 (CDCC) が非常に有効 M.Kamimura et al. Prog.Theor.Phys.Suppl. 89, 1. • 3体系不安定核の反応(6He)に適用 核力・クーロン分解反応に対し、弾性散乱断面積、反応 断面積ともに良い結果を与える T.Matsumoto et al. Phys.Rev.C70,061601(R). T.Matsumoto et al. Phys.Rev.C73,051602(R). 2 4体分解反応 4 body Projectile (3 body) target 二中性子ハロー核などのような3体系の原子核を入射す る場合、離散化チャネル結合法によって弾性散乱の記述 はできているが、分解反応はまだできていない。 •S行列の連続化(平滑化) •5重微分断面積の計算 3 Breakup cross section [email protected] bu[mb] CDCCによって求まる 分解反応断面積 CDCCによって求まるS行列 が離散的であるため Excitation energy [MeV] S行列をエネルギーの関数にする必要がある 4 離散化チャネル結合法 M.Kamimura et al. Prog.Theor.Phys.Suppl,89,1. p r n d Schrödinger 方程式 R Rp ハミルトニアン Rn A 内部波動関数 全波動関数 pseudostate Coupled channel 方程式 5 境界条件とS行列 Coupled channel 方程式 境界条件(漸近形) このようにして求められるS行列は離散的 ⇒分解反応断面積を求めるためには、 S行列の連続化(平滑化)の手続きが必要 6 S行列の平滑化 T.Matsumoto et al. Phys.Rev.C68,064607,2003. CDCC計算によって得られるS行列←離散的 ExactなS行列←連続的 を求めることができればS行列は平滑化可能 Smoothing factor 7 問題点 この方法によって平滑化を行う場合・・・ • 入射核が2体系の原子核の場合、その散乱状態の波動関数 は求めることができる • 一方、3体系を成す原子核の場合、その散乱状態を容易に 求めることは難しい 何か別の方法によって、波動関数を求め S行列を平滑化する 8 複素スケーリング Schrödinger 方程式 を施す 完全系 を挟んで 9 テスト計算 • d-58Ni @ 80 MeV Matsumoto et al. Phys.Rev.C68,064607,2003. • S行列を、従来の方法のものと複素スケーリング法によるものとを比較 L= J J-2 J J+2 J=l+L p (a) (b) (c) (d) l L n g.s. s-state d A d-state 10 S行列の絶対値 (a) (b) (c) (d) 11 S行列の実部・虚部 (a) (b) (c) (d) 12 summary • 離散化チャネル結合法によって得られる離散的なS 行列の平滑化(連続化)を行った。 • 複素スケーリング法を用いて、散乱状態の波動関 数を求め、S行列の平滑化を行った。 • S行列の絶対値とその位相は、従来の方法と一致し た。また、それらは正解を良く再現している。 Future work • 3体系に対し、同様に複素スケーリング法を適用し 波動関数(smoothing factor)を求め、4体分解反応 を記述する。 13
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