異常状態の自動定義による 状況監視アプリケーションの支援

異常状態の自動定義による
状況監視アプリケーションの支援
出内 将夫
[email protected]
環境情報学部4年
アウトライン
背景
用語定義
目的
要件
アプローチ
設計・実装
評価
今後の課題
まとめ
コンピューティング環境の変化
Ubiquitous Computing環境
多様なセンサや機器



ネットワーク接続性
様々なアプリケーションから利用可能
例えば・・・
 温度,位置情報,音量
 AV機器,空調機器
状況監視アプリケーション
状況監視アプリケーションとは


センサや機器から環境をモニタリング
異常状態を検知・通知
活用例


遠隔介護システム
警備システム
異常状態
普段と異なる状況

人の行動に繋がる環境の状態
 身の危険
 経済的損失

環境ごとに異なる
 センサが設置されている場所/周囲の状況
 機器を使用している環境や使用頻度
アプリケーション例
老人の異常検知

一人暮らしの老人を監視
 通知先:家族,介護センターなど

例:倒れていることを検知
 ある場所からしばらく動かない


寝ている?テレビを見ている?
居間?トイレ?台所?
目的
状況監視アプリケーションを支援
異常状態を自動定義

開発者の負担を軽減
 様々な環境を想定する必要

ユーザにかかる手間を軽減
 アプリケーションに対する設定
要件
自動生成機能

環境適応性
 環境に応じた異常状態の判定基準

定義記述の柔軟性
 開発者/ユーザによる確認/編集が可能
アプローチ
学習アルゴリズムの利用

履歴情報から定常状態を抽出
 定常状態⇔異常状態
 環境適応性を実現

理解が容易なアルゴリズムの選定
学習アルゴリズムの比較
比較したアルゴリズム



ベイジアンネットワーク
ニューラルネットワーク
決定木学習
評価項目


定義の理解は容易か
自動生成は履歴情報のみで実現できるか
比較結果
決定木学習を採用
決定木学習
分類問題を学習


分類結果を木構造で表現
予測問題,制御問題,パターン認識に応用可能
自動生成機能の実現


全てのデータを離散化
分類に用いる属性を一意に決定可能
可読性の実現

フローチャートに類似
 理解が容易
決定木学習
木構造による定常状態の表現
節-環境属性
枝-環境属性の値
葉-クラスとした環境属性の値
環境属性

環境の状態を表す情報
 ex.温度,湿度,照度・・・
異常の判定
定義された定常状態から外れたら異常

現在の状態と比較
 葉と異なる
 枝が無い
木の作成方法
数値データの離散化

平均と偏差を使って離散化
枝の構築


全てのデータを効率良く分類
ID3,C4.5(決定木構築アルゴリズム)
設計
学習フェーズ



情報取得部
履歴管理部
木作成部
検知フェーズ


判定部
通知部
検知フェーズ
学習フェーズ
実装概要
学習フェーズ全体



情報取得部
履歴管理部
木作成部
検知フェーズ一部 今回実装した部分

判定部
実験環境
場所

SSLab(Smart Space Laboratory)
使用デバイス
DA100(温度情報)
RF-Reader(位置情報)
WebCamera(明るさの変化)
照明の状態


Ambient Light
Spot Light
木の作成条件
木の作成前に約300分の履歴収集作業
約20秒に1回のデータ更新

人のin,outはイベントドリブン
全体の収束時間は約600分

変化の少ないセンサや機器
木の作成
収束が確認できた
実際に作成された木


部屋の明るさの変化と照明の関係
人と関連づけられなかった
 閾値の問題
判断できる異常
ライトがonになった場合に
部屋の明るさが変化しない
木の作成にかかった時間


縦軸:定常状態の木に含まれる枝の本数
横軸:システムの稼働時間の図
収束時間に対する考察
全体の収束時間は約600分

利用したセンサや機器
 種類は4種
 変化の少ないセンサや機器
木作成にかかる計算時間
毎回全ての履歴を計算させた

2
計算量:O(N )(2次近似)
計算時間に対する考察
一定時間に一度の計算が好ましい

定常状態の安定度
履歴の圧縮が必要

遠い履歴と近い履歴
毎回の離散化は厳しい
今後の課題
連続値の離散化を工夫

より適切な閾値の設定
様々な生活環境での測定

定常状態が変わった場合の収束
 新しい履歴に重み

周期性の考慮
 時間ウィンドウ
APIの整備

アプリケーションに渡す情報
まとめ
状況監視アプリケーションを支援する
ミドルウェアのプロトタイプを実装


SSLabで4種類のセンサを用いての実験
環境情報を用いた定常状態の木の生成