Web2.0とは何か

Web2.0とは何か
データセクション株式会社
橋本大也
Web2.0の定義
• 百家争鳴の状況
– “Web2.0”は2000万件以上の検索結果
– 国内だけで50冊以上の“Web2.0”書籍
• 有力な提唱者 Tim O’reilly氏論文
– 「What is Web2.0」
– 近年の成功事例から帰納的に要素をリスト化
定義された要素は多種多様
•
Web 2.0:次世代ソフトウェアのデザイ
ンパターンとビジネスモデル(前編) CNET Japan
–
http://japan.cnet.com/column/web2
0/story/0,2000055933,20090039,00
.htm より図を引用
Web2.0とは
• 「新しい発想と新しい技術によって実現される
新しいWebのあり方」
Web2.0というトレンド
• ドットコムブーム:2000
– 投資市場が主導した。
• Web2.0ブーム:2006
– 技術者やコミュニティが主導
している印象が強い
• 標準技術の組み合わせに
よる技術の活性化
• クチコミ、集合知、コミュニ
ケーションによるコミュニ
ティ情報基盤の出現
何千というWeb2.0サービスが立ち
上がっている米国のインターネット
Web2.0サービスの役割
• コミュニティ情報基盤というエコシステムを作
り出す
• ユーザの声を映し出し、相互作用するための
世論、世評の空間
• 例:Mixiの友達日記、YouTubeの投稿映像、
Hatenaブックマークのコメント、Flickrの写真
タグ、DeliciousやDiggのランキング、検索エ
ンジンの検索結果
2.0変革の担い手 3層マップ
変革はどこから起きているのか?
ネット革命の担い手には
3つの種族がいる
切り口となるテーマは?
ビジネスマン、起業家
営業企画、経営管理
ビジネス層
ネットワーカー、
オピニオンリーダー
実現
コミュニティ層
テクノロジー層
ビジネス
コミュニティ
テクノロジー
SE、プログラマ
ITマネージャ
資源
3要素の階層
共通の関心とバリア
全要素をまとめる切り口
テクノロジー基盤としてのWeb2.0
• コミュニティが標準化した技術
– RSS、パーマリンク、トラックバック…
• 内部仕様も機能もオープンな技術
– オープンソース、XML…
• 仕様はクローズドだが機能は共有できる技術
– 公開API、Webサービス、公開DB、ウィジェット、
ブログパーツなど
– 接続インタフェースの抽象化
• 技術の組み合わせ(Mashup)爆発へ
コミュニティ基盤としてのWeb2.0
• コンテンツの主役はCGM
– ユーザ同士の対話がコンテンツを増やす
• 手軽に発信と対話が可能なブログ
• 仲間内の率直で濃い対話が可能なSNS
– ユーザの行動ログが付加価値を与える
• ソーシャルブックマークのランキング
• 整理分類のためのタグ
– 検索・メタデータ技術、インタフェース技術によるマッチン
グ率の向上
• S/N比の高い人と人、人と情報の出会い
• 技術によってCGMの拡大再生産サイクルが可能になった
ビジネス基盤としてのWeb2.0
• 多様なユーザの行動と対話の内容
• ロングテール市場の出現
– 文脈型広告やアフィリエイトの成長
– ユーザの行動と対話が広告、販売というビジネス
の出口につながるモデルの成立
• ユーザの発言、対話、行動ログ=クチコミ
– 企業のマーケティング対象として注目と評価
– コンタクトポイントとしてのオピニオンリーダー
コミュニティ情報基盤を中心に
テクノロジーとビジネスが機能
• CGM(ユーザの発言、対話、行動ログ)の量
と質を高めるためのテクノロジー
• CGMを集約した結果としてのビジネス
• ユーザーから情報を引き出すことが本質
情報を「引き出す」を支援する仕組み
がWeb2.0サービス成功の鍵
•
– Blog、ブックマーク、デスクトップ検索
•
ユーザが他者から引き出す
– ソーシャルネットワーク、ブックマーク、
ニュース
•
ユーザが記録から引き出す
– 検索、Ajaxインタフェース、セマンティッ
クWeb
•
技術的支援
ユーザが自己から引き出す
記録からメタ記録を引き出す
– 各種ランキング、各種スコア
•
メタデータ技術
– RSS、Atom、XMLなど
•
検索・言語処理技術
– Google、Yahooなど
•
インタフェース
– Ajax、ウィジェット、Flash、
WinFXなど
•
統計処理技術
– PageRank、人気ランキン
グ、
•
マルチメディア技術
– YouTube、PodCast
•
・広告
・与信
・販売代理
ビジネス的支援
– Webサービス、公開API、
PermaLink、
TrackBack…
・マッチング
・プラットフォーム ・投資 ・人材 ・提携
標準プロトコル
•
センサーリング技術
– GPS、行動履歴保持…
人間の意味作用と
機械の情報処理能力の融合
• 人間と機械のキメラとしてWeb2.0のサービス
を考える。
– 人間から情報を引き出すには?
– 人間にしかできないことをさせるには?
– それらを機械が支援するには?
• Web2.0の技術のテーマ
人間から情報を引き出すには?
• 対人コミュニケーションの活性化
– 脳の意味作用を刺激する最も効果的な方法
•
•
•
•
•
心から笑わせる
恥ずかしがらせる
自慢したい
話すことで安心したい
人間関係を育みたい(愛情や友情)
• 機械相手では不可能
対話の中の見事な要約技術
息子 「俺は、別に彼女をしばる気はないんだ。彼女
は自由だし、やりたいことをやればいい。だから、彼女
が留学するのは、ちっとも反対じゃない。
ただここで問題なのは、彼女の動機だよ。安易な留学
ブームにのっかってるだけじゃねえか。だいたい、そん
な、あいまいな気持ちで留学したって、逃げてるだけ
じゃ.......」
母 「淋しいんだね、おまえ」
機械の要約技術
人間にしかできないことをさせる
• 高度な認知・判断能力
– “これはすごい”タグ (はてなブックマーク)
– 写真から美人を瞬時に判定する
(hotornot.com)
– 人生の目標を持つ(43things.com)
– 映像の面白いシーンで拍手する
(videochop.jp)
それらを機械が支援するには?
• ユーザの情報を
– 大規模に集約し紐づけるアグリゲーション技術
– 検索とメタデータによるナビゲーション技術
– 多元的な情報を可視化するインタフェース技術
– 隠れた情報を引き出す認識技術(音声、文字、顔、
位置…)
– Web2.0を3.0へ進めるための高度な情報技術
への期待
文化としてのWeb2.0
• Web2.0的な組織
– 創発的デベロップメント
– 芸術的プロダクション
– 互恵的オープンネス
創発的デベロップメント
• 個々人の能力の総和というより、コミュニケーション
によって知恵や才能を相互に引き出し、全体として
高いピークパフォーマンスを実現する組織。
• 個人の創造性は放射能に似ている。能力のある個
人が集まって相互作用し、臨界点を超えると爆発す
る。才能、密度、温度が必要。
• ラボ、開発合宿、ペアプログラミング、草の根イベン
ト、ブロガー採用、社内Wiki...。
芸術的プロダクション
• 行動することで情報が集まり、「欲しいと思っ
てもいなかったけれど、使ってみたら便利だ
ね」なモノをつくる需要創造モデル。
• ユーザとの持続的インタラクションで完成度を
高めていく「永久のベータ」モデル。
• 技術プッシュでも、市場プルでもない、アブダ
クション。芸術的製造業がWeb2.0企業群。
互恵的オープンネス
• 標準プロトコルを通じて、個人間、サイト間で、機能
や情報を互恵的に共有する。オープンソースやWeb
サービス、API公開、データ配信、マッシュアップ。
• 「分かち合い」が「囲い込み」の速度を上回る。
• 互恵的な関係の上をトラフィックが流れる
– SNS→YouTube、Flickrなど投稿コンテンツサイト
– ブログ→アフィリエイト→楽天、アマゾンなどECサイト
– 検索→ソーシャルブックマーク、ソーシャルニュースサイト
最近の取り組み事例
マルチメディアのタグ検索エンジン
Taggy(タギー社)
• YouTubeの動画,Flickrの
写真、はてなブックマーク
のWebページ、ポッドキャ
ストなどに付与されたタグ
を横断検索。
• 対応サービスは国内、海外
の主要20サービス
• クリッピングして「マイコレク
ション」作成可能
• 類似タグ、連想タグで探索
することができる。
TV動画をメタデータで整理活用
TVBlogとTagiri(メタキャスト社)
• ブログからトラックバックで
きるクチコミTV番組表「テレ
ビブログ」
• 動画をメタデータで管理す
る「Tagiri」
• 週2000番組の内容詳細テ
キストでテレビ番組を自在
に視聴、ユーザがタグ付け
管理。
• HDDレコーダーとの連動。
• 家電のマルチメディア検索
サービスを目指す。
RSSに関連広告を配信する
TrendMatch(RSS広告社)
• ブログのRSSに関連広告
を表示する。
• 独自開発の自然言語処理
エンジンが瞬時にコンテン
ツにレリバントな広告を送
出する。
• 2007年発売の
WindowsVistaで標準搭載
のRSSリーダーに広告を配
信できる。
• 他に広告代理店領域では
モバイル広告のKlass事業
部がある(ネットエイジ運
営)
マルチメディアの共有空間
Tila(タイルファイル社)
• 動画や画像の共有を軸に
した次世代型SNS
• “タイル”にコンテンツを入れ
て自由に配置できるページ
編集機能
• タイルを表“グリッド”に並べ
たり、ひっくり返したり、コメ
ントをつけたりして自分の
発信空間“レルム“を公開
• オールFlashによるインタラ
クティブなインタフェース
• アルファ版を実験公開中
ビジュアルなソーシャルブックマーク
Saaf(ネットエイジ社)
• お気に入りサイトにコメント
をつけてユーザが共有する
• 他のユーザのブックマーク
に評価をつける「これ○」機
能
• テーマ別に整理できる「まと
め」機能
• ブラウザからワンクリックで
登録するブックマークレット
• サイトのサムネイルや画像
をURLと一緒に登録できる
ビジュアル性の高さ
株式予測ロボット開発コンテスト
カブロボ(早稲田情報技術研究所)
• 株式市場の予測ロボを
ユーザーが開発
• 初年度優勝者は年利
300%を達成
• ユーザーの集合知で取
引エージェントを開発
• 07年度より実際に5億
円の資金を運用する
インフラを支える独自の検索技術
といえばサーバ(データセクション社)
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検索技術の開発会社
1億を超える大規模なテキスト文書
群を高速に検索するスケーラビリティ
ベイジアンネットによる類似文書の
検索及び自動分類
キーワード自動抽出、バースト語抽
出、タグ検索、可視化インタフェース
検索エンジンASP、検索システムの
インテグレーション、辞書編集支援な
どで少人数ながら多数の実績
先端領域と海外市場の調査をベー
スにした企画提案能力
早稲田情報技術研究所、慶応大学、
東工大、NEC、博報堂など外部研究
機関との共同研究事業を展開
海外の注目分野の海外企業
セマンティックな知識発掘を軸に
• 画像や動画のディープタギング
– http://www.riya.com/ 写真の部分のタグ
– http://www.motionbox.com/ 動画の部分のタグ
• 人間関係のディープタギング
– http://www.amiglia.com/intro/ 家族というタグ
– http://www.43things.com/ 共通の目標や夢というタグ
• Web情報のディープなタギング
– http://www.adaptiveblue.com/gallery.html 商品
– http://www.clipmarks.com/ 意味のある断片