環境汚染に対する国の政策は成功したのか。

小田嶋 純
柏崎 佑介
金子 晃
今、世界で注目される「エネルギー問題、省エネ、環境問
題」という事項に焦点を当て、その中で「環境問題」のひとつ
の水準といえる排気ガス「CO₂=二酸化炭素」の排出量につ
いて考えていこうと思う。二酸化炭素は、色々な分野の産業で
排出されており、産業が発達するとエネルギー消費が増加し、
結果CO₂排出量は増加する。
わが国は1990年10月に「地球温暖化防止行動計画」を地球
環境保全に関する関係閣僚会議において策定し、二酸化炭
素の排出量を2000年以降1990レベルで安定化することなどを
目標として各種の対策を講じてきた。
ここで1998年に成立した温暖化防止法について、どのような
影響があったか検証してみる。
「エネルギー」「環境問題」等のキーワード
が最近良く聞かれるが、その中で「温暖化」
に対する対策としての国の政策の効果は
出ているのか?統計的に調査を行う。
地球環境研究センター
http://www-gio.nies.go.jp/gio/db-j.html
年度
二酸化炭素総排出量
熱供給事業者
エネ転部門自家消費
送配電ロス
農林業
水産業
鉱業
建設業
食料品
繊維
紙・パルプ
化学工業
窯業土石
鉄鋼
非鉄金属
金属機械
その他製造業
民生(家庭)部門
民生(業務)部門
自動車
内航船舶
国内航空
鉄道
その他部門
漏出
アンモニア製造
セメント製造
生石灰製造
ソーダ石灰ガラス製造
鉄鋼製造
エチレン
一般廃棄物
産業廃棄物
1990
1991
1992
1993
1994
1995
1996
1997
1998
1999
2000
1,119,319
713
56,692
19,749
21,422
13,215
2,078
16,037
16,876
11,677
29,031
55,632
44,335
168,462
14,069
36,561
60,665
138,184
124,459
184,539
13,346
6,766
7,662
5,117
0
3,377
36,635
5,053
911
10,496
167
8,494
6,902
1,138,544
741
57,176
20,485
21,724
12,935
2,263
15,610
16,810
10,905
28,216
58,132
45,605
163,053
14,695
36,573
60,814
139,978
131,946
193,058
13,907
7,218
7,686
4,755
1
3,327
38,215
5,018
883
10,596
172
9,081
6,969
1,148,939
845
57,793
20,826
22,124
12,379
2,349
14,937
17,256
11,023
28,076
55,912
45,640
157,298
14,032
36,409
58,972
147,506
136,976
197,993
13,710
7,734
7,772
5,039
1
3,356
39,596
4,949
880
9,880
168
9,465
8,044
1,136,427
880
57,996
19,861
23,378
11,062
2,363
16,683
16,496
10,773
28,435
55,118
45,383
154,296
13,671
34,139
58,565
148,028
129,343
199,808
13,559
8,215
7,364
5,066
1
3,183
39,498
4,533
869
9,913
159
9,965
7,823
1,194,757
986
60,496
21,173
23,006
10,784
2,549
16,813
17,413
10,907
30,141
59,732
46,938
159,634
14,235
36,494
59,937
155,174
143,595
209,908
13,863
8,574
7,816
4,819
1
3,391
40,552
4,341
980
9,725
181
10,353
10,246
1,207,994
1,124
60,463
21,142
24,817
10,367
2,714
16,991
17,708
10,795
31,781
58,485
46,238
159,898
13,212
35,622
61,133
160,035
143,306
215,762
14,358
9,296
7,546
4,538
1
3,328
40,430
4,124
939
10,095
194
10,907
10,645
1,219,442
1,096
60,771
19,720
23,598
10,914
2,855
16,327
17,895
10,140
31,299
57,945
46,400
164,797
12,779
36,255
65,609
158,982
142,885
221,631
15,226
9,222
7,420
4,401
1
3,453
40,858
4,064
829
9,615
200
11,345
10,912
1,219,422
1,124
61,685
20,485
22,967
10,703
2,376
13,544
17,594
9,560
31,727
59,186
45,187
169,903
12,527
36,233
62,569
155,569
142,777
224,674
16,210
9,902
7,124
4,711
1
3,366
38,355
4,570
847
10,231
208
11,874
11,635
1,191,671
1,109
62,026
20,481
21,272
10,912
2,144
12,571
17,578
9,317
29,280
57,322
43,309
160,692
11,801
34,509
63,652
150,950
144,738
225,623
14,421
10,324
6,883
4,487
1
2,989
33,994
4,340
767
9,982
198
12,274
11,728
1,232,770
1,265
63,338
21,651
19,780
10,573
2,371
12,314
17,858
9,762
30,512
63,234
42,582
167,289
12,380
36,099
70,621
159,802
149,548
229,895
14,347
10,321
6,883
4,523
1
3,288
33,677
4,163
779
9,762
215
12,472
11,466
1,237,107
1,312
63,123
21,529
20,964
10,228
2,662
11,500
18,095
9,178
31,022
64,015
40,693
164,861
12,107
37,353
71,953
166,424
152,034
223,700
14,778
10,451
7,151
4,549
1
3,182
34,354
4,481
779
10,169
213
12,805
11,440
各排出量の90年代を基準として各数値を1とおき増加率を示す。
1桁小数点第2位までのデータにした。
年度
建設業
水産業
繊維
ソーダ石灰ガラス製造
非鉄金属
生石灰製造
その他部門
窯業土石
鉄道
セメント製造
アンモニア製造
鉄鋼製造
農林業
鉄鋼
金属機械
紙・パルプ
食料品
送配電ロス
二酸化炭素総排出量
内航船舶
エネ転部門自家消費
化学工業
漏出
その他製造業
民生(家庭)部門
自動車
民生(業務)部門
エチレン
鉱業
一般廃棄物
国内航空
1990
1991
1992
1993
1994
1995
1996
1997
1998
1999
1.00
1.00
1.00
1.00
1.00
1.00
1.00
1.00
1.00
1.00
1.00
1.00
1.00
1.00
1.00
1.00
1.00
1.00
1.00
1.00
1.00
1.00
1.00
1.00
1.00
1.00
1.00
1.00
1.00
1.00
1.00
0.97
0.98
0.93
0.97
1.04
0.99
0.93
1.03
1.00
1.04
0.99
1.01
1.01
0.97
1.00
0.97
1.00
1.04
1.02
1.04
1.01
1.04
1.22
1.00
1.01
1.05
1.06
1.03
1.09
1.07
1.07
0.93
0.94
0.94
0.97
1.00
0.98
0.98
1.03
1.01
1.08
0.99
0.94
1.03
0.93
1.00
0.97
1.02
1.05
1.03
1.03
1.02
1.01
1.24
0.97
1.07
1.07
1.10
1.01
1.13
1.11
1.14
1.04
0.84
0.92
0.95
0.97
0.90
0.99
1.02
0.96
1.08
0.94
0.94
1.09
0.92
0.93
0.98
0.98
1.01
1.02
1.02
1.02
0.99
1.23
0.97
1.07
1.08
1.04
0.95
1.14
1.17
1.21
1.05
0.82
0.93
1.08
1.01
0.86
0.94
1.06
1.02
1.11
1.00
0.93
1.07
0.95
1.00
1.04
1.03
1.07
1.07
1.04
1.07
1.07
1.19
0.99
1.12
1.14
1.15
1.08
1.23
1.22
1.27
1.06
0.78
0.92
1.03
0.94
0.82
0.89
1.04
0.98
1.10
0.99
0.96
1.16
0.95
0.97
1.09
1.05
1.07
1.08
1.08
1.07
1.05
1.18
1.01
1.16
1.17
1.15
1.16
1.31
1.28
1.37
1.02
0.83
0.87
0.91
0.91
0.80
0.86
1.05
0.97
1.12
1.02
0.92
1.10
0.98
0.99
1.08
1.06
1.00
1.09
1.14
1.07
1.04
1.15
1.08
1.15
1.20
1.15
1.20
1.37
1.34
1.36
0.84
0.81
0.82
0.93
0.89
0.90
0.92
1.02
0.93
1.05
1.00
0.97
1.07
1.01
0.99
1.09
1.04
1.04
1.09
1.21
1.09
1.06
1.21
1.03
1.13
1.22
1.15
1.24
1.14
1.40
1.46
0.78
0.83
0.80
0.84
0.84
0.86
0.88
0.98
0.90
0.93
0.89
0.95
0.99
0.95
0.94
1.01
1.04
1.04
1.06
1.08
1.09
1.03
1.13
1.05
1.09
1.22
1.16
1.19
1.03
1.45
1.53
0.77
0.80
0.84
0.86
0.88
0.82
0.88
0.96
0.90
0.92
0.97
0.93
0.92
0.99
0.99
1.05
1.06
1.10
1.10
1.08
1.12
1.14
1.11
1.16
1.16
1.25
1.20
1.29
1.14
1.47
1.53
建設業
部門別増減の変化
2.00
水産業
1.80
繊維
1.60
ソーダ石灰ガラス製
造
非鉄金属
増減の割合
1.40
1.20
1.00
生石灰製造
0.80
0.60
その他部門
0.40
0.20
窯業土石
0.00
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11
年数
鉄道
セメント製造
温暖化防止法成立(1998年10月)の前と後では
変化が見られたのか。
母集団:年代別の90年基準産業別二酸化炭素排出量増加率の97.98,99,00年データ
μ₁:温暖化防止法成立前の産業別増加率97,98の母平均。
μ₂:温暖化防止法成立後の産業別増加率99,00年の母平均。
H₀:μ₁=μ₂ (帰無仮説)
年代別の産業別二酸化炭素排出量増加率は、温暖化防止法の成立前
(97,98年)と成立後(99,00年)では、変化(値の減少)はない。
(温暖化防止法の効果はない)
H₁:μ₁≠μ₂ (対立仮説)
産業別の二酸化炭素排出量増加率が、防止法成立後、変化(減少)した。
(温暖化防止法の効果があった)
危険率5%(棄却域5%の両側検定)で検定する。
CV=±1.96
サンプル1: 97,98年データよりランダムに取り出した、標本49
サンプル2: 99,00年データよりランダムに取り出した、標本49
97.98年度
平均
標準誤差
中央値
最頻値
標準偏差
分散
尖度
歪度
範囲
最小
最大
合計
標本数
1.059024
0.030166
1.03139
0.9748
0.211161
0.044589
2.44611
1.525037
0.915466
0.78386
1.699326
51.89217
49
99.00年度
平均
標準誤差
中央値
最頻値
標準偏差
分散
尖度
歪度
範囲
最小
最大
合計
標本数
1.084257
0.033792
1.058187
1.021671
0.236541
0.055952
1.93775
1.316512
1.073602
0.767833
1.841435
53.1286
49
Z
x1  x2
2
2
S1 S 2

n2
n1

1.06  1.08
(0.21) 2 (0.24) 2

49
49
 0.46
従って、危険率5%の両側検定で、Critical Valveは、1.96なので
Z=0.46<1.96(5%のCV)
ゆえにZは、採択域に入るのでH₀が採択され、H₁は棄却される。
仮説検定1と同様の方法で検定統計量Zを求め5%の危険率の両側検定をする。
途中を省略して結果を示す。
母集団
検定統計
量
サンプル
1
サンプル
2
検定2
-1
95、96
年度
97,98
年度
Z₂=1.00
検定2
-2
93、94
年度
95、96
年度
Z₃=1.64
検定2
-3
91,92
年度
93、94
年度
Z₄=1.50
Z₂~Z₄まですべて採択域に入っている。
これより、結果的に「サンプリングエラー」となり、検定として成り立たない。
1990年10月の「地球温暖化行動防止計画」により変化(値の
減少)は表れたのか?(増加グループと減少グループ)
仮説検定1の増加率データを、90年基準からの00年での最終
的に増加した産業と減少した産業に分けた。
※ データを表として掲示。
年度
1990
金属機械
1.00
紙・パルプ
1.00
食料品
1.00
送配電ロス
1.00
二酸化炭素総排出量
1.00
内航船舶
1.00
エネ転部門自家消費1.00
化学工業
1.00
漏出
1.00
その他製造業
1.00
民生(家庭)部門
1.00
自動車
1.00
民生(業務)部門
1.00
エチレン
1.00
鉱業
1.00
一般廃棄物
1.00
国内航空
1.00
産業廃棄物
1.00
熱供給事業者
1.00
年度
1990
建設業
1.00
水産業
1.00
繊維
1.00
ソーダ石灰ガラス製造
1.00
非鉄金属
1.00
生石灰製造
1.00
その他部門
1.00
窯業土石
1.00
鉄道
1.00
セメント製造
1.00
アンモニア製造
1.00
鉄鋼製造
1.00
農林業
1.00
鉄鋼
1.00
1991
1992
1993
1994
1995
1996
1997
1998
1999
2000
1.00
0.97
1.00
1.04
1.02
1.04
1.01
1.04
1.22
1.00
1.01
1.05
1.06
1.03
1.09
1.07
1.07
1.01
1.04
1.00
0.97
1.02
1.05
1.03
1.03
1.02
1.01
1.24
0.97
1.07
1.07
1.10
1.01
1.13
1.11
1.14
1.17
1.19
0.93
0.98
0.98
1.01
1.02
1.02
1.02
0.99
1.23
0.97
1.07
1.08
1.04
0.95
1.14
1.17
1.21
1.13
1.23
1.00
1.04
1.03
1.07
1.07
1.04
1.07
1.07
1.19
0.99
1.12
1.14
1.15
1.08
1.23
1.22
1.27
1.48
1.38
0.97
1.09
1.05
1.07
1.08
1.08
1.07
1.05
1.18
1.01
1.16
1.17
1.15
1.16
1.31
1.28
1.37
1.54
1.58
0.99
1.08
1.06
1.00
1.09
1.14
1.07
1.04
1.15
1.08
1.15
1.20
1.15
1.20
1.37
1.34
1.36
1.58
1.54
0.99
1.09
1.04
1.04
1.09
1.21
1.09
1.06
1.21
1.03
1.13
1.22
1.15
1.24
1.14
1.40
1.46
1.69
1.58
0.94
1.01
1.04
1.04
1.06
1.08
1.09
1.03
1.13
1.05
1.09
1.22
1.16
1.19
1.03
1.45
1.53
1.70
1.56
0.99
1.05
1.06
1.10
1.10
1.08
1.12
1.14
1.11
1.16
1.16
1.25
1.20
1.29
1.14
1.47
1.53
1.66
1.77
1.02
1.07
1.07
1.09
1.11
1.11
1.11
1.15
1.18
1.19
1.20
1.21
1.22
1.28
1.28
1.51
1.54
1.66
1.84
1991
1992
1993
1994
1995
1996
1997
1998
1999
2000
0.97
0.98
0.93
0.97
1.04
0.99
0.93
1.03
1.00
1.04
0.99
1.01
1.01
0.97
0.93
0.94
0.94
0.97
1.00
0.98
0.98
1.03
1.01
1.08
0.99
0.94
1.03
0.93
1.04
0.84
0.92
0.95
0.97
0.90
0.99
1.02
0.96
1.08
0.94
0.94
1.09
0.92
1.05
0.82
0.93
1.08
1.01
0.86
0.94
1.06
1.02
1.11
1.00
0.93
1.07
0.95
1.06
0.78
0.92
1.03
0.94
0.82
0.89
1.04
0.98
1.10
0.99
0.96
1.16
0.95
1.02
0.83
0.87
0.91
0.91
0.80
0.86
1.05
0.97
1.12
1.02
0.92
1.10
0.98
0.84
0.81
0.82
0.93
0.89
0.90
0.92
1.02
0.93
1.05
1.00
0.97
1.07
1.01
0.78
0.83
0.80
0.84
0.84
0.86
0.88
0.98
0.90
0.93
0.89
0.95
0.99
0.95
0.77
0.80
0.84
0.86
0.88
0.82
0.88
0.96
0.90
0.92
0.97
0.93
0.92
0.99
0.72
0.77
0.79
0.86
0.86
0.89
0.89
0.92
0.93
0.94
0.94
0.97
0.98
0.98
2.00
1.20
1.80
1.00
1.60
1.40
1.20
変化の度合い
変化の度合い
0.80
1.00
0.80
0.60
0.40
0.60
0.40
鉱業
一般廃棄物
国内航空
産業廃棄物
水産業
ソーダ石灰ガラス製造
建設業
繊維
非鉄金属
0.20
熱供給事業者
0.20
0.00
0.00
1
2
3
4
5
6
年度
7
8
9
10
11
1
2
3
4
5
6
年度
7
8
9
10
11
母集団:増加傾向にあった産業の90,91,92と98,99,00の二酸化炭素排出量90年基
準も増加率のデータ
μ₁:温暖化防止法初期の増加傾向にある産業の増加率90,91,92の母平均。
μ₂:99年前後の年に増加傾向にある産業別増加率の母平均。
H₀:μ₁=μ₂(帰無仮説)
90,91,00の増加率は、温暖化に対する、いくつかの対策が出た後の98,99,00
とでは変化(増加)が見られない。
(増加していないので見方によれば温暖化対策の効果はあったといえる)
H₁:μ₁≠μ₂ (対立仮説)
90,91,92の増加率に比べ、温暖化対策の経過状態の98,99,00年の増加率は、
変化(増加)した。
(増加しているので、全く効果が見られない)
サンプル1:90,91,92年より30の標本
サンプル2:98,99,00年より30の標本
計画初期
平均
標準誤差
中央値
最頻値
標準偏差
分散
尖度
歪度
範囲
最小
最大
合計
標本数
1.030856
0.010989
1.005501
1
0.060188
0.003623
5.704296
2.393878
0.275977
0.967115
1.243093
30.92568
30
2000年頃
平均
標準誤差
中央値
最頻値
標準偏差
分散
尖度
歪度
範囲
最小
最大
合計
標本数
1.208075
0.037154
1.161294
1.212207
0.2035
0.041412
1.407446
1.473866
0.766364
1.00857
1.774933
36.24226
30
危険率1%の両側検定 で行う。
Z=4.50
従って危険率1%の両側検定ではCritical Valveは、2.54なので
Z=4.05>2.54(1%のCV)
ゆえにZは、棄却域に入るのでH₀は棄却され、H₁(対立仮説)が採択される。
母集団:減少傾向にあった産業90,91,92と98,99,00の二酸化炭素排出量90
年度基準の増加率のデータ
μ₁:温暖化防止法初期の減少傾向にある産業の減少率90,91,92の母平均。
μ₂:99年前後の年に減少傾向にある産業別減少率の母平均。
H₀:μ₁=μ₂(帰無仮説)
90,91,00の減少率は、温暖化に対する、いくつかの対策が出た後の
98,99,00とでは変化が見られない。
(減少していないので温暖化対策の効果がない)
H₁:μ₁≠μ₂ (対立仮説)
90,91,92の増加率に比べ、温暖化対策の経過状態の98,99,00年の減少
率は、変化した。
(完全に減少しているので効果があった)
サンプル1:90,91,92年より30の標本
サンプル2:98,99,00年より30の標本
計画初期
2000年頃
危険率1%の両側検定 で行う。
平均
標準誤差
中央値
最頻値
標準偏差
分散
尖度
歪度
範囲
最小
最大
合計
標本数
0.991867
0.005066
1
1
0.027749
0.00077
3.69412
0.174027
0.149447
0.93137
1.080817
29.75601
30
平均
標準誤差
中央値
最頻値
標準偏差
分散
尖度
歪度
範囲
最小
最大
合計
標本数
0.894273
0.009902
0.898331
0.879962
0.054237
0.002942
-0.46254
-0.52183
0.194714
0.78386
0.978574
26.8282
30
Z=9.09
従って危険率1%の両側検定ではCritical Valveは、2.54なので
Z=9.09>2.54(1%のCV)
ゆえにZは、棄却域に入るのでH₀は棄却され、H₁(対立仮説)が採択される。
以上のことより増加傾向を示しているものは、まったく「地球温暖化行動
防止計画」の効果がないと言え、いまだに半分以上の部門を占めている。
中でも二酸化炭素排出量の13.5%を占める自動車部門が増加の部類に
入っているので、なかなか総排出量が減らないと言える。
電気や自動車に強く依存している現状もあるが、時代の流れに対し発達
する産業の対策が追いついていない現状が見て取れた。
この班は二酸化炭素排出量の11年分のデーターを用いて、国の
政策の効果について統計的に分析したわけだが、国全体に影響
を与えることだけあって急にはその効果を見ることができず仮説
検定1,2は失敗し、仮説検定3に至った。
やはり国でも二酸化炭素排出量削減というのは規模が大きいだ
けあって、効果が見られるまでに長い期間が必要となることが分
かった。