7月10日 ニュートリノ質量発見…

銀河・宇宙の大構造の形成
と
ダークマター
• ビッグバンから膨張を始めた宇宙の中でどの
ように構造・天体が形成されていくか?
おとめ座銀河団
かみのけ座銀河団
ダークマターとは?
• 宇宙には光を出している物質よりもはるかに
大量の物質が存在している。それをダークマ
ター(暗黒物質)と呼ぶ。
• ダークマターはどこに?
– 銀河の外縁部
– 銀河団の中
ダークマターの正体
• 候補
– バリオン(普通の物質)
•
•
•
•
ブラックホール
中性子星
白色矮星
褐色矮星
– 非バリオン
• ニュートリノ
• アクシオン
• 超対称性粒子
ニュートリノの質量
• ニュートリノとは
– 物質との相互作用が極めて弱い中性の粒子
– 3種類:電子ν、ミューν、タウν
• 質量は上限値しかわかっていない
– 質量があるかどうかもわからない
• ニュートリノ振動
– ニュートリノに質量があり、種類の間に質量差が
あると、ニュートリノの種が変化する
ニュートリノ振動の発見
• ニュートリノ振動の証拠を発見
– 1998年6月 ニュートリノに関する国際会議で発
表(高山)
– スーパーカミオカンデ
• 岐阜県神岡町の鉱山(地下1000m)
• 大きさ:高さ 41.1m、直径39.3mの円筒形
• 純水 50,000トン
カミオカンデ
超新星1987A
スーパーカミオカンデ
ニュートリノ振動の発見(2)
• 大気ニュートリノの観測
– ミューνとタウνの振動を発見
– “ニュートリノに質量がある”
• ニュートリノ振動ではニュートリノ間の質量差
しかわからない
• その後の観測では、ニュートリノの質量は
ダークマターを説明するには小さすぎるらしい
宇宙の加速膨張
• 遠方の超新星の観測
⇒宇宙の膨張が加速
• 宇宙背景放射の観測と合わせて考えると、宇
宙のエネルギーの多くはダークエネルギーで
占められている。
ダークエネルギー
ダークエネルギーとは何か?
?
過去の宇宙像
• 宇宙では
「遠くを見ること」=「過去を見ること」
• 大型の望遠鏡によって100億光年以上昔の
銀河が観測されるようになって来た
– すばる、ハッブル宇宙望遠鏡、KECK、GEMINI
宇宙背景放射
• 宇宙全体を満たしている温度が2.7Kの黒体
放射に相当する背景放射
• 宇宙がもっと高温の火の玉状態だったときに、
放たれた放射(ビッグバンから20万年後)
• 空間的ゆらぎ
– 1992年にCOBE衛星が発見
COBE
重力不安定性
• ガス雲
重力>ガス圧のとき、
ガス雲は重力によって収縮
“重力不安定性”
大まかなシナリオ
• 宇宙初期に密度の空間的ゆらぎが発生
• 高密度領域が重力によって成長し、天体を形
成
• はじめ質量の小さな天体が形成され、それが
合体して、より大きな天体になる
• 小銀河→銀河→銀河団→超銀河団
困難
- 宇宙背景放射の等方性 • 宇宙背景放射は宇宙が中性化した頃の宇宙の情
報を伝えてくれる
• 中性化の直前まで物質(電子)と光は強く結びつい
ていた
• 物質に密度のゆらぎがあれば、放射の方もゆらい
でいたはず
• 宇宙背景放射のゆらぎ:10-4未満
• 中性化の時からゆらぎの大きさは104倍にしか成長
しない
• 現在でも密度ゆらぎの大きさは1より小さいはず
困難(2)
• 天体を形成するには、密度揺らぎの大きさが
1より大きくなければならない
• 銀河などの天体はできないはず
ダークマターの役割
• ダークマター
– 光や普通の物質とも重力以外の相互作用をしな
い粒子(?)
• 中性化前、光や普通の物質の空間的ゆらぎ
が小さいうちに、「こっそりと」ダークマターの
ゆらぎだけが成長する
• 中性化後、普通の物質はダークマターの重
力に引き寄せられ天体を形成
WMAP
計算機シミュレーション
大構造形成のシミュレーション(1)
大構造形成のシミュレーション(2)
銀河の形成
大規模構造の形成
大規模構造の形成