銀河・宇宙の大構造の形成 と ダークマター • ビッグバンから膨張を始めた宇宙の中でどの ように構造・天体が形成されていくか? おとめ座銀河団 かみのけ座銀河団 ダークマターとは? • 宇宙には光を出している物質よりもはるかに 大量の物質が存在している。それをダークマ ター(暗黒物質)と呼ぶ。 • ダークマターはどこに? – 銀河の外縁部 – 銀河団の中 ダークマターの正体 • 候補 – バリオン(普通の物質) • • • • ブラックホール 中性子星 白色矮星 褐色矮星 – 非バリオン • ニュートリノ • アクシオン • 超対称性粒子 ニュートリノの質量 • ニュートリノとは – 物質との相互作用が極めて弱い中性の粒子 – 3種類:電子ν、ミューν、タウν • 質量は上限値しかわかっていない – 質量があるかどうかもわからない • ニュートリノ振動 – ニュートリノに質量があり、種類の間に質量差が あると、ニュートリノの種が変化する ニュートリノ振動の発見 • ニュートリノ振動の証拠を発見 – 1998年6月 ニュートリノに関する国際会議で発 表(高山) – スーパーカミオカンデ • 岐阜県神岡町の鉱山(地下1000m) • 大きさ:高さ 41.1m、直径39.3mの円筒形 • 純水 50,000トン カミオカンデ 超新星1987A スーパーカミオカンデ ニュートリノ振動の発見(2) • 大気ニュートリノの観測 – ミューνとタウνの振動を発見 – “ニュートリノに質量がある” • ニュートリノ振動ではニュートリノ間の質量差 しかわからない • その後の観測では、ニュートリノの質量は ダークマターを説明するには小さすぎるらしい 宇宙の加速膨張 • 遠方の超新星の観測 ⇒宇宙の膨張が加速 • 宇宙背景放射の観測と合わせて考えると、宇 宙のエネルギーの多くはダークエネルギーで 占められている。 ダークエネルギー ダークエネルギーとは何か? ? 過去の宇宙像 • 宇宙では 「遠くを見ること」=「過去を見ること」 • 大型の望遠鏡によって100億光年以上昔の 銀河が観測されるようになって来た – すばる、ハッブル宇宙望遠鏡、KECK、GEMINI 宇宙背景放射 • 宇宙全体を満たしている温度が2.7Kの黒体 放射に相当する背景放射 • 宇宙がもっと高温の火の玉状態だったときに、 放たれた放射(ビッグバンから20万年後) • 空間的ゆらぎ – 1992年にCOBE衛星が発見 COBE 重力不安定性 • ガス雲 重力>ガス圧のとき、 ガス雲は重力によって収縮 “重力不安定性” 大まかなシナリオ • 宇宙初期に密度の空間的ゆらぎが発生 • 高密度領域が重力によって成長し、天体を形 成 • はじめ質量の小さな天体が形成され、それが 合体して、より大きな天体になる • 小銀河→銀河→銀河団→超銀河団 困難 - 宇宙背景放射の等方性 • 宇宙背景放射は宇宙が中性化した頃の宇宙の情 報を伝えてくれる • 中性化の直前まで物質(電子)と光は強く結びつい ていた • 物質に密度のゆらぎがあれば、放射の方もゆらい でいたはず • 宇宙背景放射のゆらぎ:10-4未満 • 中性化の時からゆらぎの大きさは104倍にしか成長 しない • 現在でも密度ゆらぎの大きさは1より小さいはず 困難(2) • 天体を形成するには、密度揺らぎの大きさが 1より大きくなければならない • 銀河などの天体はできないはず ダークマターの役割 • ダークマター – 光や普通の物質とも重力以外の相互作用をしな い粒子(?) • 中性化前、光や普通の物質の空間的ゆらぎ が小さいうちに、「こっそりと」ダークマターの ゆらぎだけが成長する • 中性化後、普通の物質はダークマターの重 力に引き寄せられ天体を形成 WMAP 計算機シミュレーション 大構造形成のシミュレーション(1) 大構造形成のシミュレーション(2) 銀河の形成 大規模構造の形成 大規模構造の形成
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