当院におけるフットケアへの取り組み 医療法人社団スマイル クレア焼山クリニック ○吉田純子、原田美香、好川明美、永谷美子、藤井恵子、桐林慶 はじめに 近年、血液透析患者の高齢化、糖尿病性腎症 の増加に伴い、足病変をきたす患者が増加傾向 にある。当院では3年前よりフットケアを開始した が、必ずしも必要充分なケアとは言えなかった。 そこで、院外勉強会への参加やスタッフカンファ レンスでの情報交換、スタッフと患者自身の知識 やセルフケア意識の向上を目的にチェック内容や ケア方法を見直し、患者情報の共有化のためフッ トカルテを導入し意識改革を図ったので報告する。 目的と方法 患者の足病変に合わせ たフットケアを看護師が 行っていくため、現状を把 握し、今後の課題を明確化 する。 ●対象: 血液透析患者77名 (男性48名・女性29名) ○平均年齢67.7±6.0歳 ○平均透析年数 11.3±5.2年 ●方法: 記名式アンケート 当クリニック看護師6名 ●目的: 足病変の実態比較① 足病変の実態比較② フットチェック開始時 H25年9月現在 n=77 ◆症状有り ◆症状無し フットチェック開始時 H25年9月現在 アンケート内容 患者様へ スタッフ用アンケート 足の観察を行うようになり 3 年が経ちました。 今後もより良いフットチェック・フットケアが行えるようスタッフ一同努力して いきたいと思っております。 そこで、現状を把握したいので、以下のアンケートにご協力下さい。 ① 自宅で自分の足をどの位の頻度で観察していますか? 足の観察を行う前 ・毎日 足の観察を始めてから ・毎日 ・週 3 回以上 ・週 1~2 回 ・見ていなかった ② ① ② ・いいえ ③ ロ)思う ホ)思わない ロ)いいえ 足病変の早期発見が出来ていますか?(意識変化) ロ)発見する ハ)あまり発見しない ニ)全く発見しない ハ)どちらでもない ④ ④ フットチェックを始めてから、患者様から足の異常を報告された事がある。 イ)よく発見する スタッフによる足の観察は必要だと思いますか? ニ)あまり思わない ロ)いいえ イ)はい 自分で足の異常に気づきスタッフへ報告した事がある。 イ)非常に思う フットチェックを始める前、患者様から足の異常を報告された事がある。 イ)はい ・週 3 回以上 ・週 1~2 回 ・見ていない ・はい ③ フットケアに関するアンケートを行いますのでご協力お願いします。 フットケア開始前後で知識の変化はありますか? イ)向上した ③で「非常に思う」 ・ 「思う」と答えた方、以下から当てはまる理由に○して下さい。 ロ)少し向上した ハ)あまり変化ない ニ)全く変化ない イ)異常が見つかった。 ロ)安心できる。 ⑤ ハ)見られることで清潔を心掛けられるようになった。 ニ)その他( 現在の問題点・改善点はありますか? イ・はい ) ロ・いいえ 理由( ⑤ ) ③で「あまり思わない」 ・ 「思わない」と答えた方、以下から 当てはまる理由に○して下さい。 イ)異常がない ⑥ フットケアは必要だと思いますか? イ)必要 ロ)自分でチェックできる。 ハ)見られる事に抵抗ある。 ニ)その他( ロ)少し必要 ハ)必要ない ニ)全く必要ない ) 足の観察・フットケアに関して何かありましたらご自由にお書き下さい。 ご協力ありがとうございました ご協力ありがとうございました 患者アンケート結果 患者アンケート① 足観察頻度 看護師アンケート結果 看護師アンケート①② 患者からの足病変報告 結 果 • 患者の実態調査から、男女の各足病変比較に明ら かな差はなかった。 • 患者の自宅での足観察頻度が全体で59%から79% と20%上昇し、『フットチェックは必要だと思います か?』の質問に「非常に思う」 「思う」と答えた患者 が83%に対し、7%が「あまり思わない」「思わない」と 答えた。 • 患者から足病変報告を受けた事がある看護師が 33%からフットチェック開始後は全看護師が受けるよ うになった。 • 全看護師がフットチェック開始後、足病変発見頻度 や知識が向上できたと答えた。 考 察 • フットケア導入によって、患者、スタッフ双方 において足病変への意識向上に繋がった ことから、フットケアの有用性、継続の重要 性を再認識できた。 • しかし、フットケア導入後もすべての患者が 足観察を行っている訳ではなく、今後も根 気強く指導していく必要があると思われる。 結 語 今後も看護師のレベルアップを図り、 足病変に関する患者自身のセルフ ケア能力を高めることで、救肢に努 めたい。
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