「神仏習合」である

神仏習合の三類型
一、神祇実類観
二、護法善神思想
三、神仏同体思想
神祇実類観
神
=天神(天の神)
祇 =地祇(地の神)
神祇=天神地祇(日本の神々)
日本の神々の二種類
①実類神:迷える衆生の一員としての
神
ごん げ しん
②権化神:尊貴なる本源を有する。尊
貴なる本源的な存在が仮りの姿をとっ
て現れ(権化、権現、垂迹)て、神と
なった。
本地仏
垂迹神、権化神
例えば、大日如来=天照大御神
けん
支配する力、 法、定めによっ
物事を処置
て付与された力、
する威力
資格
例:
権力、権利
権
ごん
ごんじつ
例:
ごん げ
ごんげん
権実、権化=権現
(仮の姿を取って現れる)
実(真実)
権(実に対して)仮
権教と実教=方便(手段)と真実
一、「神祇実類観」
煩悩に満ちた衆生の一員として位
置付けられた日本の神々が仏、菩
薩への帰依によって救済されるに
至ったとする考え方。
迷える衆生の一員として
の神は仏法による解脱を
求める
仏
神
仏と神とは別々の存在であり、しかも両者間に
は、仏、菩薩が上位を占め、神々がその遥かな
る下位に置かれたという地位の落差が甚だ大き
い。「仏尊神卑」、「仏主神従」
類例
先生
両者間の地位的な格差が極めて大きい。
学生
二、「護法善神思想」
神仏関係における諸神の役割が仏
法を擁護、守護することに定めら
れた。
神
仏
神
ここからも、神と仏とは別個の存在であ
ると共に、「仏尊神卑」、「仏主神従」と
いう両者間の地位的な上下関係が見える。
但し、前出の「神祇実類観」と比較すれ
ば、こうした「護法善神思想」が示した神
祇の位置付けからは、日本の神々が煩悩三
千の衆生扱いから脱却し、脇侍に相当する
存在として仏法擁護ないし守護の役割を担
うになったという格上げが見られる。
類例①
大
統
領
ボディガード
ボディガード
類例②
媽
祖
千里眼
順風耳
三、「神仏同体観」(本地垂迹説)
日本の神々=仏・菩薩とする「神仏
同体観」を基とし、さらに諸仏・
諸菩薩を日本の神祇の本源・根源
とし、神祇を諸仏・諸菩薩の垂
迹・権現とする仏教優位の価値基
準に立脚して説かれた「仏本神
迹」の「本地垂迹説」である。
仏
(本源、根源)
神
(権現、垂迹)
ここにおいて、神祇と仏・菩薩とが同体
と見なされておりながら、両者間にはなお
本源としての仏とその垂迹としての神とい
う地位的上下関係が見える。「仏尊神
卑」・「仏主神従」という次元に止まって
いるにもかかわらず、両者間の地位的格差
が大幅に縮小した。
類例①
「楓橋夜泊」(拓本)唐・張継
詩、宋・兪樾書
夜
半
鐘
聲
到
ニ
客
船
一
姑
蘇
城
外
寒
山
寺
江
楓
漁
火
對
ニ
愁
眠
一
月
落
烏
啼
霜
滿
レ
天
寒山拾得(拓本)
類例
文
殊
菩
薩
本
源
(
本
地
)
拾
得
僧
化
身
(
垂
迹
)
普
賢
菩
薩
寒
山
僧
類例
文
曲
星
(
本
地
)
韓
昌
黎
(
垂
迹
)
「
文
昌
祠
」
(
合
格
祈
願
)