2011年7月13日 北高生ゼミ 神奈川工大応用化学科小島研究室 固体粒子の落下速度を用いた粘性率の測定 固体粒子が液中で落下する速度は、固体粒子を分離する装置や輸送す る装置などをつくるときに必要である。 固体粒子が液中で落下する速度を求めるためには、粘性率が必要であ る。 粘性率は工業的に有用な物性値である。 ・ メスシリンダーに入れた液中に球形粒子を落下させ、 落下に必要な時間を測定して落下速度を求める。 計算のプログラムはエクセルのマクロになっている。 球形固体粒子の落下速度の計算値の求め方 流体中を落下する固体粒子に加わる力 浮力(B) 抵抗力(R) 重力(G) ρP : 固体粒子の密度 [ kg m-3 ] ρ : 流体の密度 [ kg m-3 ] DP : 固体粒子の直径 [ m ] μ : 流体の粘性率 [ Pa s ] u : 固体粒子の落下速度 C : 抵抗係数 [ - ] Re : レイノルズ数 [ - ] 重力(G): G=固体粒子の質量×重力加速度 浮力(B): アルキメデスの原理 浮力(B)=排除した流体の質量に相当する重力を 上向きに受ける。 抵抗力(R): 1 抵抗力=抵抗係数×粒子の投影断面積× 2 ×落下速度の二乗 右の図に見られるように レイノルズ数の大きさによって 抵抗係数は変化する。 レイノルズ数の範囲に応じて 以下の式に よって表される。 24 ストークス領域: Re 2 C 3 Re 10 アレン領域: 2 Re 500 C 4 0. 5 Re ニュートン領域: 500 Re 105 C 0.44 5 抵抗力(R): 1 抵抗力=抵抗係数×粒子の投影断面積× ×落下速度の二乗 2 重力=浮力+抵抗力 重力=浮力+抵抗力 D P 2 u 2 R C 4 2 1 D P 3 D P 3 D P 2 u 2 P g g C 6 6 4 2 2 沈降速度とレイノルズ数の関係 g P D P 2 ストークス領域: Re 2 u アレン領域: 2 Re 500 4g u ニュートン領域: 500 Re 105 6 18 P 1/ 3 D p 7 225 3.03g P D P u 2 2 3 8 (6), (7)式から粘性率は以下のように求められる。 ス ト ーク ス 領域: Re 2 ア レ ン 領域: 2 Re 500 g P D P 2 18u 4g 2 P 225u 3 2 Dp3 6' 7' (6’)式のuに落下速度の測定値を代入し粘性率μを求め、 レイノルズ数が2以下になるかを確認する。 そのとき、レイノルズ数が2以下にならなかったときは (7’)式で粘性率を求める。 疑問なことがありましたら、遠慮なく以下に お問い合わせ下さい。 <連絡・問合せ先:神奈川工科大学応用化学科 小島 博光 TEL:046-291-3099 E-mail:[email protected]>
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