イオンクロマトグラフ用4 µm粒子径カラムのご紹介

Application Note IC16005
イオンクロマトグラフ用4 µm粒子径カラムのご紹介
サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社
キーワード
Dionex IonPac AS28 -4 µm 150 mm
カラム
小粒子径カラム、
高分離能、
高速分析
Thermo Scientific Dionex IonPac™ AS15の後継カラムです。
従来の保持の弱い成分(フッ化物、グリコール酸、酢酸、ギ酸)の
はじめに
分離に加えて、分離が難しい有機酸(リンゴ酸、コハク酸)の分離
イオンクロマトグラフィーは、液体クロマトグラフィーとは違い、試料および分析種
もできるように改善されています。イオン交換容量も高く、大容量
に最適なカラムを選択することが必要です。Thermo Scientific™ Dionex™ブラン
注入や高マトリックス試料にも対応した用途の広いカラムです。
ドのイオンクロマトグラフ用カラムは多様な試料、分析種に対応するため、イオン交
換容量や疎水性など、数多くのバリエーションをご用意しています。
アプリケーションノート IC16004でご紹介した新製品 Thermo Scientific Dionex
Integrion™ HPICシステムは、すべてのモデルが高圧対応システム(HPIC )であるこ
とから、
4 µm粒子径カラムの性能を十分発揮できます。4 µmイオン交換体カラム
は、イオン交換体をカラムに密に充填できるため、イオン交換サイトへの吸着と分配
が短い移動距離で次々と可能になり、高分離能、高速分析が実現します。このアプリ
ケーションノートでは最近提供を開始した4 µmイオン交換体カラムをご紹介しま
す。これらのカラムを知っていただくことで、カラムの選択の幅が広がり、日々の分析
にお役立ていただけます。
ピーク
-
23 ̶クエン酸
3-
22 PO4
18 ̶ アジピン酸
16 ̶ コハク酸
17 ̶リンゴ酸
2-
15 CO3
21 ̶ フマル酸
19 SO4
2-
10 ̶ 臭素酸
20 ̶ シュウ酸
11 Cl
-
9 ClO2
-
14 NO3
13 Br
-
10
8
4
3
12
1
2
7
NO2
-
9
µS/cm
6
8 ̶ ピルビン酸
2 ̶ 酢酸
3 ̶ グリコール酸
4 ̶ イソ酪酸
6 ̶ ギ酸
5 ̶ 酪酸
7 ̶ アクリル酸
1F
-
11
4.5
0
10
0
20
30
Time(min)
カラム
Dionex IonPac AG28-4 µm / AS28-4 µm
カラム温度
40℃
溶離液
5 ∼ 72 mmol/L KOH
流量
0.5 mL/min
サプレッサー
Thermo Scientific Dionex AERS 500 4 mm(リサイクルモード)
試料注入量
2.5 µL
図1:Dionex IonPac AS28 -4 µmを用いた保持の弱い成分と有機酸の分析
40
50
55
1.
2.
3.
4.
5.
6.
7.
8.
9.
10.
11.
12.
13.
14.
15.
16.
17.
18.
19.
20.
21.
22.
23.
F-
酢酸
グリコール酸
イソ酪酸
酪酸
ギ酸
アクリル酸
ピルビン酸
ClO2-
臭素酸
Cl-
NO2BrNO3CO32-
コハク酸
リンゴ酸
アジピン酸
SO42-
シュウ酸
フマル酸
PO43-
クエン酸
mg/L
1.0
5.0
5.0
5.0
5.0
5.0
5.0
5.0
5.0
5.0
5.0
5.0
5.0
5.0
n.a.
5.0
5.0
5.0
5.0
5.0
5.0
15.0
20.0
Dionex IonPac CS16 -4 µm
Dionex IonPac CS16 -FAST-4 µm
高分離能カラムThermo Scientific Dionex IonPac CS16に採
Dionex IonPac CS16 -4 µm のカラム長さを150 mmにしたカ
用されているイオン交換体を4 µmにすることで、さらに分離能が
ラムです。ある程度の分離能を維持しながら分析時間の短縮を図
向上しました。ナトリウムとアンモニウムの濃度差10,000:1での
ることができ、各イオン種成分の濃度差が大きくない試料に最適
分離を実現します。アンモニウムイオンとエタノールアミンの分離
です。
も可能で、多様な分析に対応します。
Li
0.300
Na
0.250
Mg
K
Ca
NH4
µS/cm
0.200
0.150
0.0
10.0
5.0
0.000
-0.050
5.00
6.00
7.00
8.00
Time(min)
9.00
10.00
Dionex IonPac CG16-4 µm / CS16-4 µm
カラム温度
40℃
溶離液
30 mmol/L MSA
流量
0.64 mL/min
サプレッサー
Thermo Scientific Dionex CERS 500 4 mm(リサイク
試料注入量
Dionex IonPac CS16-Fast-4 µm(4 × 150 mm)
カラム温度
40℃
溶離液
30.0 mmol/L メタンスルホン酸
流量
0.64 mL/min、2040 psi
サプレッサー
Dionex CERS 500
単糖、二糖用の4 µmカラムです。高交換容量でありながら短時
ルモード)
間で分析できるように設計されています。標準条件の場合、マル
15 µL
トースまで10分程度で分析できます。
Li
Na
NH4
エタノールアミン
K
Ma
Ca
60
ピーク
1. スクロース
2. グルコース
3. フルクトース
4. ラクトース
5. セロビオース
6. マルトース
mg/L
0.10
0.40
0.50
1.00
1.00
0.50
1.00
各 5 mg/L
nC
ピーク
1.50
Dionex Integrion HPIC システム
Dionex CarboPac SA10 -4 µm
図2:CS16 -4 µmを用いたイソクラティック条件の Na: NH4
=10 ,000:1での分離
1.
2.
3.
4.
5.
6.
7.
装置
カラム
図4:Dionex IonPac CS16 -Fast-4 µmを用いた分析
カラム
1.80
15.0
Time(min)
0.100
0.050
µS/cm
2
1.00
0.05
0
0.00
-0.20
0.00
5.0
10.0
15.0
20.0
Time(min)
25.0
30.0
35.0
0
2
4
6
Time(min)
8
10
カラム
Dionex IonPac CG16-4 µm / CS16-4 µm
カラム
Dionex CarboPac SA10-4 µm(2 × 250 mm)
カラム温度
50℃
カラム温度
40℃
溶離液
10.5 ∼ 56 mmol/L メタンスルホン酸
溶離液
12 mmol/L KOH
流量
0.64 mL/min
流量
0.38 mL/min
サプレッサー
Thermo Scientific CERS 500 4 mm(リサイクルモード)
検出器
電気化学(Au、Ag/AgCl)
、Int-PAD
試料注入量
15 µL
試料注入量
2.5 µL
図3: CS16 -4 µm 250 mmを用いたグラジエント条件の NH4
とエタノールアミン
図5:SA10 -4 µmを用いた単糖・二糖分析
12
Dionex CarboPac SA10 -FAST-4 µm
Dionex CarboPac PA210 -Fast-4 µm
CarboPac SA10 -4 µmカラムの分離能を最低限維持しつつ分析
オリゴ糖分析用の4 µmカラムです。グルコース、ガラクトース、フ
時間の大幅な短縮化を図るため、カラム長さを250 mmから150
ルクトース、
スクロース、
ラムノース、
スタキロース、
ラフィノース、
ベ
mmにしました。
ルバスコースなどを目的成分とした食品、飲料サンプル分析が20
分以内で行えます。
ピーク
1. キシリトール
2. ソルビトール
3. ペルセイトール
4. フコース
5. マルチトール
6. ラムノース
7. アラビノース
8. ガラクトース
9. グルコース
10. スクロース
11. フルクトース
12. キシロース
13. リボース
14. グルコヘプトース
15. ラクトース
16. ラフィノース
17. スタキロース
18. ゲンチオビオース
19. ベルバスコース
20. セロビオース
各 5 mg/L
60
ピーク
90
10
0
1
2
3
4
5
6
nC
nC
1. フコース
2. スクロース
3. アラビノース
4. ガラクトース
5. グルコース
6. キシロース
7. マンノース
8. フルクロース
各 10 mg/L
Time(min)
カラム
Dionex CarboPac SA10-FAST-4 µm(2 × 150 mm)
カラム温度
45℃
溶離液
1 mmol/L KOH
流量
0.38 mL/min
検出器
電気化学(Au、Ag/AgCl)、Int-PAD
試料注入量
2.5 µL
図 6:SA10 -FAST-4 µmを用いた時間短縮分析
0
0
5
10
Time(min)
15
20
カラム
Dionex CarboPac PA210-FAST-4 µm(2 × 150 mm)
カラム温度
30℃
溶離液
12 mmol/L KOH
流量
0.2 mL/min
検出器
電気化学(Au、Ag/AgCl)
、Int-PAD
試料注入量
2.5 µL
図7:溶離液ジェネレーターを用いたオリゴ糖分析
まとめ
今回ご紹介したカラムは、Dionex Integrion RFICシステムにお
いて、溶離液ジェネレーターを用い、高分離能を実現するように設
計されています。特に糖分析では三糖類以上の糖質で塩グラジ
エントが必要ですが、食品・飲料水の分野では単 糖類や糖アル
コール、希少糖と呼ばれる二糖類が主な分析対象になっています。
Dionex Integrion RFICシステムと、溶離液ジェネレーター、電気
化学検出器の組み合わせに、今回ご紹介したカラムをご使用いた
だくことで、このような糖分析にも対応が可能です。
3
Application Note IC16005
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