−1− 文化複合施設整備基本計画策定支援業務委託仕様書 第1章 総則

文化複合施設整備基本計画策定支援業務委託仕様書
第1章 総則
第1条 適用
本仕様書は、東大阪市(以下、「本市」という。)が発注する「文化複合施設整備基本計
画策定支援業務」について必要な事項を定め、受託者がその業務を円滑に進め、統一的な
解釈及び運用を図り、もって契約の適正な履行の確保を図るためのものです。本業務の実
施にあたっては、本仕様書のほか、関係法令及び条例を遵守しなければなりません。
第2条 業務の目的
本市では、平成 27 年度に改修整備した東部地域仮設庁舎を四条図書館、郷土博物館、埋
蔵文化財センター及び市史史料室が入る文化複合施設として大規模リニューアルすること
を計画しています。
本市教育委員会が平成 26 年度に策定した「東大阪市立図書館基本構想」及び「文化財施
設再整備基本構想」を基にして、本市が施設機能、規模、建設計画に関する考え方、配置
計画について文化複合施設整備基本計画の策定を行います。本業務は、平成 27 年度に実施
した東部地域仮設庁舎の改修整備を基礎として大規模に再整備する文化複合施設整備基本
計画の策定業務を受託者が支援し、これに基づく成果品を作成することを目的とします。
第3条 委託期間
契約締結日から平成 29 年 3 月 31 日までとします。
第4条 施設の概要
1
東部地域仮設庁舎の概要
施設名称:東部地域仮設庁舎
住
所:東大阪市南四条町
敷地面積:約 3,890 ㎡
用途地域:第一種住居地域、近隣商業地域(西側一部)
構
造:鉄筋コンクリート造
階
数:地上5階
延床面積:5,572.61 ㎡
建築年次:昭和 46 年(平成 27 年度耐震補強済み)
2
一
文化複合施設に入る施設の概要
施設名称:四条図書館
住
所:東大阪市南四条町(東部地域仮設庁舎内)
−1−
延床面積:689.3 ㎡(事務室・会議室等を除く図書館専用部分)
二
施設名称:郷土博物館・収蔵庫
住
所:東大阪市上四条町
敷地面積:約 2,820 ㎡
構
造:鉄筋コンクリート造
階
数:地上2階(郷土博物館)
、地上1階(収蔵庫)
延床面積:883.14 ㎡(郷土博物館)
、90 ㎡(収蔵庫)
三 施設名称:埋蔵文化財センター
住
所:東大阪市南四条町
敷地面積:約 2,840 ㎡
構
造:鉄筋コンクリート造(北館、南館)
、鉄骨造(中館)
階
数:地上3階(北館)
、地上2階(中館、南館)
延床面積:908.30 ㎡(北館)
、882.34 ㎡(南館)
、531.96 ㎡(中館)
四
施設名称:市史史料室
建物名称:東大阪市旭町庁舎
住
所:東大阪市旭町
敷地面積:約 4,820 ㎡
構
造:鉄筋コンクリート造
階
数:地上3階 地下1階
延床面積:323 ㎡(市史史料室専用部分)
第5条 業務計画書の提出
受託者は、契約締結後 14 日以内に業務計画書を作成のうえ本市に提出し、承認を受けて
ください。
2
業務計画書には、次の事項を記載することとします。
一
業務工程表
二
業務実施体制および組織図
三
統括責任者、主任担当技術者届出書及び経歴書
四
その他、本市が必要とする事項
第6条 実施体制
本業務において、受託者は十分な業務遂行能力を有し、適正な執行体制を有することと
します。受託者は、統括責任者及び主任担当技術者を選任し、本市に届出してください。
統括責任者は、基本計画の作成、工程管理、品質管理その他の技術上の管理及びこの業務
に従事する受託者の指導監督です。そのため、一級建築士の免許を取得しているものとし
ます。また、過去に図書館又は博物館を設計又は工事監理した実績があり、図書館又は博
−2−
物館の建設及び機能について、十分な知識と経験を有しているものとします。また、統括
責任者を補佐するものとして主任担当技術者を置いてください。主任担当技術者は、図書
館又は博物館の建設及び機能について熟知し、事業活動・構造・電気設備・機械設備・積
算等の分野ごとの担当者とします。
統括責任者は、本市の指示に柔軟に対応できるようにするため主任担当技術者を兼任し
ないでください。
ここに記した図書館とは、図書館法(昭和 25 年法律第 118 号)に基づく公立図書館をい
います。また、博物館とは博物館法(昭和 26 年法律第 285 号)に基づく登録博物館をいい、
博物館に相当する施設のうち国又は独立行政法人が設置する施設を含めます。
第7条 業務の進め方
本業務は、業務内容に記した各事項において、長所・短所がわかるような草案を数案提
示し、本市との会議において図面等を用いて説明するとともに、本市の意見収集を行い、
そこで得られた意見を参考に進めてください。
2
本業務を適正かつ円滑に実施するため、総括責任者及び主任担当技術者は、本市と常
に密接な連絡をとり、業務方針の確認、条件等の疑義を正すものとし、その内容につい
ては受託者がその都度記録します。記録は、打合せ記録簿として速やかに作成し、相互
に確認した上で、議事録として本市へ提出してください。
第8条 秘密の保持
本業務の処理上知り得た個人情報を含む全ての情報について、委託期間中、委託期間終
了後を問わず、外部に漏らさないでください。また、委託業務にかかる機密情報(東大阪
市情報公開条例(平成 11 年東大阪市条例第1号)第6条に規定する不開示情報)を複写又
は複製してはいけません。
第9条 検査
成果品提出後は、本市の検査を受けなければならないものとします。なお、訂正等の指
示を受けた場合は速やかにその指示に従うものとします。また、その経費は受託者が負担
するものとします。
第 10 条 成果品の帰属
本業務において実施した内容(著作権法第 27 条及び第 28 条に規定する権利を含む全て
の著作権を含む。
)は、本市に帰属するものとし、受託者は、それらを本市の承諾を得ずに
貸与、公表等を行ってはいけません。
−3−
第 11 条 再委託の禁止
本業務について受託者は、本業務の全部を一括して第三者に委託してはいけません。
2
受託者は、本業務の一部を第三者に再委託してはいけません。ただし、あらかじめ再
委託の相手方の住所、氏名、再委託等を行う業務の範囲、再委託等の必要性及び契約金
額について記載した書面を本市に提出し、本市の書面による承認を得た場合は、受託者
は、本市が承認した範囲の業務を第三者(以下、「承認を得た第三者」という。)に再委
託させることができます。
3
前号ただし書きにより本市が承認した場合には、承認を得た第三者も、本仕様書の義
務を負うものとし、受託者は、承認を得た第三者に本仕様書の義務を遵守させるために
必要な措置をとらなければなりません。
第 12 条 疑義
この仕様書に定めのない事項について疑義のある場合は、双方協議のうえ処理するもの
とします。
第2章 業務内容
第 13 条 整備の条件整理及び現状把握
1
上位関連計画等を整理するとともにその整合性を図ってください。
2
東部地域仮設庁舎に関するインフラ(水道、電気、ガス、下水、電話等)
、周辺道路等
の状況を把握し、建築基準法を含む法的規制等条件を整理してください。また、周辺環
境(公共施設、道路、鉄道など)の状況も整理してください。
3
四条図書館、郷土博物館、埋蔵文化財センター及び市史史料室の現地確認を行い、什
器・備品の数量、建物の使用状況等を把握してください。
4
他市町村における近年の文化複合施設(図書館と博物館に限る)の現状を調査し、文
化複合施設としての整備事例・事業活動について整理してください。
5
前1∼4号を踏まえて本市の文化複合施設の整備に関する課題について整理してくだ
さい。また、課題の整理にあたっては文化複合施設としての相乗効果を十分に検討して
ください。
第 14 条 整備方針の検討
「東大阪市立図書館基本構想」
、「文化財施設再整備基本構想」及び前条第5号から整備
の基本方針を検討してください。
第 15 条 各施設の事業計画案の検討
本市が「東大阪市立図書館基本構想」、
「図書館の設置及び運営上の望ましい基準(平成
24 年文部科学省告示第 172 号)
」
、
「文化財施設再整備基本構想」
、
「博物館の設置及び運営
−4−
上の望ましい基準(平成 23 年文部科学省告示第 165 号)
」及び「文化財公開施設の計画に
関する指針(平成 7 年文化庁文化財保護部)
」に基づき、四条図書館、郷土博物館、埋蔵文
化財センター及び市史史料室の事業計画案について下記の項目のとおり検討します。受託
者は、草案を作成するとともに本市の事業計画案を整理してください。
1
図書館
一
事業活動計画案策定
事業活動の全体構成(レファレンス業務、講座事業・ボランティアとの連携を含む)、資
料収集・収蔵事業、調査・研究事業、連携交流事業、広報・情報発信事業について検討
します。
二
個別支援サービス計画案策定
サービスの基本方針、サービスの概要について検討します。
三
収蔵計画案策定
蔵書資料の基本計画(配架・閉架図書の配置など)について検討します。
四
子育て支援事業計画案策定
子育て支援サービスの基本方針、子育て支援サービスの概要について検討します。
2
博物館・埋蔵文化財センター
一
事業活動計画案策定
事業活動の全体構成、収集・保存事業、調査・研究事業、展示事業、交流事業、教育・
普及事業、広報・情報発信事業について検討します。
二 展示計画案策定
展示の基本方針、展示の種類と構成、展示の概要について検討します。
三 収蔵計画案策定
収蔵の基本方針、収蔵の種類と構成について検討します。
3
市史史料室
一
事業活動計画策定
収集・整理・保存事業、調査・研究事業について検討します。
二
普及・啓発事業計画策定
刊行物発刊事業、展示事業、各種講座事業について検討します。
三
情報提供事業計画策定
閲覧等サービス事業について検討します。
四
交流・連携事業計画策定
関係団体との連携について検討します。
−5−
4
図書館、博物館・埋蔵文化財センター及び市史史料室の連携及び運用
市民の利便性を確保し、文化複合施設として相乗効果を上げるための事業計画について
検討します。
第 16 条 建設計画案の検討
第 14 条及び第 15 条に基づき受託者は建設の基本計画となる下記の項目について検討し
整理してください。但し、耐震補強を施した箇所については引き続き活用できる大規模リ
ニューアルの建設計画案としてください。
1
基本方針(基本性能の整理)の検討
改修が必要なもの、継続使用が可能なものを振り分け、基本方針を検討してください。
2
ゾーニング計画の検討
エントランスから各機能への動線を考慮し、各機能のゾーニングを検討してください。
3
管理区分(セキュリティ)計画の検討
図書、資料及び史料は保管環境がそれぞれ異なるため、管理を区分する必要があります。
また、各施設は開館日・開庁時間が異なります。以上のことを踏まえて、管理計画につい
て検討してください。
4
その他計画(環境配慮など)の検討
ノーマライゼーション及びユニバーサルデザインを考慮して検討してください。
5
配置計画の検討
来館者の動線、駐車場の拡充を含めて配置計画を検討してください。
6
設備計画の検討
施設の整備に必要な機械室や設備の方式の簡易検討を行い、設備計画を検討してくださ
い。
7
平面計画の検討
整備方針を基に、各機能の必要面積を検討し、各検討内容を踏まえて、諸室の平面計画
を検討してください。
8
仮設計画の検討
工事に伴う車両の動線など仮設計画を検討してください。
9
改修計画の検討
工事範囲や改修内容などをとりまとめ、設計条件の基となる改修計画を検討してくださ
い。
第 17 条 管理運営計画案の検討
本市が、文化複合施設の管理運営に関して、基本方針、管理形態及び運営組織について
検討を行います。受託者は、本市が検討する管理運営案を整理してください。
−6−
第 18 条 業務手法の検討(民間活力の活用)
現状把握と文化複合施設としての基本条件等から、最近の施設整備における事業手法の
候補を整理し施設の内容、想定事業スキームなどから民間事業者(設計事業者、建設事業
者、維持管理業者等)の参画意向等の調査を行ってください。本調査結果は、来年度以降
に民間活力導入可能性調査を実施する検討材料とします。
上記を踏まえ、本事業における市場調査報告書を作成してください。
第 19 条 事業スケジュールの検討
基本計画案に基づく開館までの事業スケジュールについて検討してください。
第 20 条 整備事業費の検討
第 16 条及び第 17 条に基づき整備事業費について検討してください。
1
イニシャルコスト〔建築工事費(建築設備を含む。)
、什器・備品の購入、仮設費、外
構費等〕を略算法等により算出し検討してください。また、全国の同種事例における整
備事業費の比較・検討をしてください。
2
ランニングコスト(運用費、修繕費、保全費、一般管理費等)を略算法等により算出
し検討してください。
第 21 条 事業推進に向けての課題整理
文化複合施設の基本設計・実施設計を行うにあたり課題を整理し、その解決方法を検討
してください。
第 22 条 成果品及びその提出期限
成果品については、下記のとおりとします。提出期限までに提出し、本市の検査を受け
てください。また、電子データ(PDF)でも提出し、その基となるデータ(word、excel、
CAD等)も提出してください。
一「文化複合施設整備基本計画」
部
数:70 部(A4 左綴じ)
提出期限:第3条委託期間内
二「文化複合施設整備基本計画【概要版】
」
部
数:100 部(A4 左綴じ)
提出期限:第3条委託期間内
三「市場調査報告書」
部
数:10 部(A4
左綴じ)
提出期限:第3条委託期間内
−7−
第3章 その他
第 23 条 資料の貸与及び返却
業務を進めるに当たっては、本市から次のものを貸与します。
一
東部地域仮設庁舎竣工図書
二 その他、本業務に必要な資料
2
貸与された資料は、紛失、汚損しないよう取り扱ってください。また、これを他者に
公表、貸与しないでください。
3
貸与された資料は、業務が終了した時は、速やかに本市に返却してください。
第 24 条 各種会議での資料作成及び運営支援
文化複合施設整備に関して、本市担当者、東大阪市図書館協議会及び東大阪市文化財保
護審議会の会議の開催を予定しています。この際の資料を作成し、会議の設営を支援する
とともに会議に参加し議事録を作成してください。
第 25 条 留意事項
1
本市庁舎及び本市施設における受託者専用の執務スペースや休憩場所はありません。
2
受託者は、本市庁舎及び本市施設に入る際、会社名と氏名が明記された名札もしくは
腕章などを付けてください。
3
受託者は業務時間中、市民に不快感を与えないよう服装や行動等に十分注意を払って
ください。
4
業務の履行に必要な什器備品等は、原則として全て受託者の負担とします。
−8−