天理大学学報 2 0 0:1 7 2 3 ,2 0 0 1 運動正確性 に関する研究 (2) 長 野 淳 次 郎 1) Res earehonmovementa( ! euraey( 2) Ju nj i r oNaganoI Abs t ra( ! t l ts t ar t swi t hc ho o s i ngo nemo ve me ntf r o m mo ve me nt spe r f o r me dt woo r mo r et i me s .I ti sg e ne r alasmo ve me nta na l ys i st oc r e a t ec o ns i de r at i o ndat aby t hes e l e c t e dmo ve me nt ,andt oc a汀yO utC O mpar i s o nc o ns i de r at i o n.Ho we ve r ,i ti s aque s t i o nwhe t he rmo ve me ntt he nc ho s e ni st hemo s ta ppr o pr i at easmo ve me nt r e pr e s e nt i ngas ub j e c t .Mo r e o ve r ,whatV̀e if r ic a t i o ni spo s s i bl e ,andc o mpa is r o n o fmo ve me ntpr o g r e s sdo e sno tc o mea ndha vei tf ♭ ra tpr e s e nt ' 'abo utmo ve me nt a c c ur a c ye ve ni fi tc a r r i e so utc o mpar i s o nc o ns i de r a t i o no ft hemo ve me ntpe r f o r me dt woo rmo r et i me s ,r e s pe c t i ve l yi sal r e a dyasar e po r t , Thi st i me,i ta i msa tma ki ng r e pr e s e nt a t i o n mo v e me ntf r o m mo ve me nt whi c ht hes ub j e c tc a r ie r do utt woo rmo r et i me s .( Thi si smo ve me nto ft hes ubj e c t )I fr e pr e s e nt a t i o nmo ve me ntc anbepe r f o me r d,de t a i l e dc o mpa r i s o nc o ns i dw as pe c to fa fai r swi l l e r a t i o no fmo ve me ntpr o g r e s swi l la l s obea t t a i ne d.A ne bei nduc e di nt hef ie l do fmo ve me ntc o ns i de r a t i o n.Es pe c i ll a y,It hi nkt ha tt he f a c t o rc a nbee x pl o r e di nde t a i lf o rc o ns i de r a t i o no fmo ve me ntac c ur a c y. 過や腕の動 きに正確 な投球 を行 うための 1つ Ⅰ 研 究 目的 の要 因を兄い出す ことが出来たが,同一選手 スポーツ運動 において,熟練の度合 いを知 ) の特 の投球運動 であ って も 「 運動 一 回性」 3 る手がか りをスポーツ運動学では 8つのカテ 徴 か ら,運動経過の考察 において具体 的現象 ゴ リーをその度合い を判断する物差 しと して で比較 が現時 点 で は経 過 自体 の検 証 が で き Di e 定 め て い る。そ の 1つ の 運 動 正 確 性 ( ず,正確 な運動 といって も,複数 l 司行 われた Be we g ung s g e na ui g ke i t ) 1 ) を本研究で取 り上 運動 は全 く同一の ものはな く,運動 局面時間 げ, さらなる客観的判断基準 を得 ようとす る や運動経 過が微 妙 に異 な って くる。そ の た ものである。 め,被験者の運動経過のおお よその特徴 を掴 , 既に 「 正確 な運動」 の手がか りを得 るた むことは出来 きて も,詳細 に考察す ることが め,野球の ピッチ ングを例 に した考察 を報告 出来ず,比較考察の資料 として的確 な もの と 。 しか し,考察 の結果,新 た なる問題 した2) な らない とい うものである。複数回実施 され も浮かび上が って きた。す なわち,時間的経 た運動 を比較 した結 果 ( 前 回は 5試技),そ 1)天理大学体育学部 1.De p a r t me n to fHe a l ha t n dS p o r tS c i e n c e s , Te n iUn r i - v e r s i t y 1 9 間は3 3であるのに対 し,試技 4の局面時間は 3 5と 2フレーム時間 (2/6 0 秒 )長 くなって いる ( 表 1 ) 。この場合,局面 時 間 を平均 局 3に短縮す る と共 に既 に計測 してあ 面時間の3 5フレーム分の身体2 0ポイン トの位置デー る3 3フレーム分 に短縮補 間する とい う処理 タを3 未 終 図 2 経過時間 2 1 0 0 1 5 5 0 2 4 軸 準 主主 3 縦 1 年 2 軸 田 1 縦 ロ E]日 田 約 0 1 50 ( 数字 は時間 1- 1/6 0 秒) てい る。 計 算処 理 にお い て は,記 述 の容 易 な BAI SI C 言語 で作 成 し,BASI CC コ ンパ イ ラ に XE ファイルに変換 し,実行す る。 てE 次 に,計算処理の流れを示す。 1.標準化す る複数データを全 て呼 び出す。 が必要 になる。逆 に,局面時間が平均局面時 ( 1 0ファイル まで読み込み可 とす る) 間 よ り短 い ときには局面時間を引 き延 ば し, 2.運動局面 ご との平均 フ レーム数 ( 平均 時 元来無 いはずの位置デー タ ( 身体計測ポイ ン ト) を補 間 してい くこととなる。 間) を算出す る。 3.各計測 データをそれぞれ運動局面 ご とに デー タ補 間については,3次 スプライン補 平均 フレーム数のデー タになるように補間 連続 す る 間を採用 した。ス プ ライ ンとは,「 計算 (3次 スプライ ン) し,それ をつ な ぎ い くつかの制御点 を取 り出 して,それ らの制 合わせ,補 間デー タとして ファイルに保存 計算 手 御 点 を通 る曲線 の多項式 を求め る。」6) す る。 法であ り,市 田 らは,数種類ある補 間の中で 4,必 要 な各 補 間 デー タフ ァイル を読 み込 「 補 間の問題 によ く使 われているのは 3次 ス み,平均計算 をし,平均化 デー タとしてフ プライ ン関数である。次数 を 3次 にす ること ァイルに保存す る。 は,関数の柔軟 さと取 り扱いの簡単 さか ら考 以下 に,デー タの変換,補 間計算,平均計 と,四方 は, えて多 くの場合 に好 ま しい。」7) 「ス プ ラ イ ン とば '自在 定規"の こ とで あ り,点列 を与 えた ときに, 自在定規 を使 った 算の主要部分の計算手順 を示す。 変換計算 の手 順 #### かの ようになめ らかな曲線 でその点列 を結ぶ #### ことが出来ることか らこの名前がついてい ま #### LOCATEI O, 22, COLOR4・ PRI NT" 第' ; K; "77イルの計算 中です' ' 」 指 ) と,笹 野 は,「 実 際 は隣 同士 の点 列 間 す。 #### FS=" B: " +Fl S( K) +' YACTUAL. DAY #### OPENFSFORI NPUTAS#1 をつな ぐ部分曲線 の集合 となるのですが,隣 #### 同士 の部分 曲線 をつな ぐ時 にその接続点で傾 #### きと曲率 を等 しくす るため,つ なぎ目は滑 ら FORK=l TODN #### ###N とそれぞれ述べ,比較的容 か にな ります。」9- #### 易 に滑 らか なデー タ補 間が実現す る もの とし #### FORJ=l TONF( K) FORI =l TONPPl l I NPUT#1 ス, Y X1 ( LJ) =X: Yl ( I , A) =Y NEXTI NEXT∫ 21 長野 考察開始点 ③ :左足 を接地 した瞬 間 ① :膝が最 もあが った瞬間 ④ :リリースの瞬間 ( 参 :ボールを最後方 に構 えた瞬 間 考察終了点 投球 - 図 3 補間計弄結果 23 長野 2 0 01)運動正確性 に関す る 5)長野淳次郎 ( Ⅳ 要 約 運動 を考察 してい く中で,実験 で複数回実 施 ・映像記録 された運動の中か ら 1つの運動 を選択 して考察資料 を作成 し,比較考察 を進 めるのが一般である。 しか し,果た して選択 した運動 は被験者の運動 を代表す る運動 とし て本 当に妥 当な ものであるのか とい う思いは 消 えることな く,作業 を進めているのが実情 である。 また,運動正確性 について,複数回 行 われ た運動 をそれ ぞ れ比 較考 察 して も, 「 具体 的現象での比較 は現時点では経過 自体 の検証が出来 きない」 ことは既 に報告 した通 りである。 実施 された複数の運動 を 1つの運動 として まとめることはで きない ものか, との思いか ら今 回の研 究 を進 め るこ とにな る。そ の結 莱 ,一応 のデー タとして まとめることがで き た。 しか し,これは実際 に行 われた運動 デー タではない ことも事実である。今後 の運動研 究の方 向 として 1つの検討課題 を呈示す る。 謝 辞 最後 に,プログラム作成 にあた り新大阪商 会 ( 樵)吉 内輝久氏の協力 ・ご尽力 に感謝の 意 を表 します。 引用文献 1)Kur tMe i ne l( 1 971 )Be we g ungs l e hr e ( 4.Aunag e) .Vo l kundWi s s e n:Be r l i n, S.220 2 0 01)運動正確性 に関する 2)長野淳次郎 ( 9 7 輯 :奈 良,pp, 研究.天理大学学報第 1 1_ 3)金子明友 ( 1 9 81)マ イわ レ・スポーツ運 動学 ( 初版).大修館書店 :東京 ,p. 45 3 ( 訳者注) 4)G.Ho c hmut h( 1 981 )Bi o me c l mi ks port1 i c he r Be we g ung e n ( 4. Auhl ag e) , Spo r t ve r l ag:Be r l i n,S.1 30f 9 7 輯 :奈 良,p. 研 究.天 理 大 学 学 報 第1 2-3 6) アスキーデジタル用語辞典 ( 2 0 01)スプ ht t p: / / www. as c i i . c o. j p / he g l p ライン曲線. / 27 / 0 02755. ht m1 7)市 田浩三,吉本富士市 ( 1 9 7 9)ス プライ ン関数 とその応用.教育出版株式会社 : 4 3 東京 ,p. 8)四方秀則 ( 1 9 9 8)ス プライ ン関数 につい t p: 〟myl a b. i ke. t o t t o r i u. ac . j p/ 、 s i て.ht kat 〟s pl i ne. ht m1 9)笹 野 晃 3次 ス プ ラ イ ン曲線 を Exc e l で計算 す る方法.ht t p: 〟www1 2. upage. S O ne t . nej p ノ ya2 / a as a no / s pl i ne. ht m 1 0)Fr ame DI AS仕 様 書 ( 2 0 0 0)規 格 化 ・ 平均化 プログラム.株式会社 デ イケイエ 1-2 0 イチ :東京 ,p.
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