リチウムイオン電池電極のSSRM観察における イオンミリング断面加工の

リチウムイオン電池電極のSSRM観察における
イオンミリング断面加工の効果
SHEET No. 009
製品: 環境制御型SPM装置 AFM5300E
ハイブリッドイオンミリング装置 IM4000 Plus
背景および目的
SPMによる電流や電気抵抗の測定は、探針で表面をなぞりながら行いますが、凹凸が大きい場合、走査の向きなどにより接触抵抗が変動し正確
な電気計測が行えない場合があります。このような課題に対処するにはSIS(Sampling Intelligent Scan)という走査方法(SIS物性=オプショ
ン機能)が有効です。ここではイオンミリング断面加工の有無による電気抵抗分布の差異を、SIS-SSRM(走査型拡がり抵抗顕微鏡)測定により検
証します。
(a)
(b)
Current
IM4000 Plus
イオンミリング断面加工
AFM5300E
図1 イオンミリング断面加工とSIS-SSRM観察の概要図
SIS (Sampling Intelligent Scan)-SSRM
実験結果
図2にイオンミリング断面加工の有無によるSIS-SSRM観察結果の違いを示します。断面加工無しの面では最大4 μm の凹凸がありますが、断面加
工領域は平坦であることがわかります。断面加工無しの面は全体的に高抵抗です。断面加工領域では、円形状の活物質や導電助剤により抵抗が低
い領域など、材質による電気抵抗の差異が、断面加工無しの面より明瞭です。
(a) AFM(断面加工無し)
(b) SSRM(断面加工無し)
(c) AFM(断面加工領域)
(d) SSRM(断面加工領域)
Al
(e) AFM断面プロファイル(断面加工無し)
(f) AFM断面プロファイル(断面加工領域)
2.5
2.5
z(μm)
z(μm)
0.0
ー2.5
4 μm
0
25
x(μm)
50
0.0
ー2.5
200 nm
0
25
x(μm)
50
図2 イオンミリング断面加工をしていない領域と加工領域における形状(AFM像)と電気抵抗分布(SSRM像)の比較
執筆者: 日立ハイテクサイエンス 応用技術部
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山岡武博