情報連絡員からの報告(要旨) 《製造業》 食料品製造業 1.<秋田県 精穀・製粉> 例年、大型連休明けは売上げが落ち込むが、今年は特に減少幅が大きかった。消費者の節約 志向が一段と強まっている。 2.<福島県 食品団地> 円高等で原価価格が上がりつつあり、大型連休においても消費動向が低迷。雇用においても 正社員・パートの求人が充足しない状況である。 3.<茨城県 納豆> 消費量が減少傾向。スーパーは安価でないと売れない。生産面でも県産大豆が不足し、価格 が上昇している。 4.<新潟県 菓子> 「母の日」がGW直後だったため、イベント用ケーキは売上げが低迷。消費税増税が先延ば しになったが、消費者の節約志向は今後も続くと思われ、業界の景況は良くない。 5.<山梨県 パン・菓子> 円高で輸入原材料のコストを抑えられたが、原材料は円安になるとすぐに値上がりするが、 円高はすぐに値下がりしないため、円の変動がコスト減には結びつかない。 6.<岡山県 米菓> GW前は受注が順調で設備の稼働率は高かったが、5月に入り受注数が急に減少。特に熊 本・大分の震災によりスーパーの特売がキャンセルになる等の影響もあった。 7.<徳島県 菓子> 収益状況悪化。製造経費の高騰や人件費上昇が経営を圧迫。アベノミクスも3年以上が経過 したが、地方には恩恵がない。 8.<香川県 冷凍食品> 円高の動向から製品価格の見直しを求められるケースが出てきているが、価格見直しは困難 な状況であり、金融市場と業界の現状との間に大きな齟齬が発生している。 9.<長崎県 冷凍水産食品加工> 前年同月比で売上高は減少し、収益状況は悪化。原料冷凍すり身の価格は若干値下げ傾向。 練り製品販売は熊本地震の影響による観光客の減少で売上げが落ち込んだ。円高傾向が続けば、 輸入冷凍すり身の価格は緩やかに値下がりしていくと予想。 10.<熊本県 野菜漬物> 震災で取引先・販売店舗が壊滅的ダメージを受けており、売上げが大幅にダウンしている。 11.<鹿児島県 蒲鉾> 熊本地震の影響でGWの観光客の減少で土産用の売れ行きが非常に悪く、ここ十数年のうち で最低。新幹線・高速道路の不通が一番の原因。また企業閉鎖で組合員1社の脱退があった。 繊維・同製品製造業 12.<秋田県 ニット製品> 前月に引き続き夏物衣料の受注が好調だったが、下旬には追加発注がほぼ皆無となり、工場 の稼働率も低下した。 13.<新潟県 外衣> GWの衣料品の売上げは前年比で大幅に減少。生活必需品等の値上げによりファッション衣 料が買い控えとなり、5月の景況は悪化。 14.<東京都 ニット製品> 消費マインドが低調な状況に加え、原材料価格の高止まりや労働需給の逼迫による人件費ア ップ等の影響で経営環境は厳しい。 15.<愛知県 繊維ロープ> 円高・中国元安等の為替動向が強まると、国内市場における輸入品の増加が懸念される。 16.<岐阜県 縫製・既製服> 昨年の暖冬の影響があり、今期も秋冬の受注が減少する見通しで厳しい状態。 17.<石川県 織物業> 円高や原油価格の下落で織物製造の原材料価格は下がっているが、中国経済の不安や中東の 財政悪化、国内では少子高齢化の影響等から消費は低価格志向が強く、受注が減少しており、 厳しい採算で推移している。 18.<大阪府 ニット製品> 外衣、インナーともに内需不振が景況悪化の原因である。 19.<奈良県 繊維> 天候不順等もあり在庫増。為替の動きも急激で中長期的な想定が出来ず、安易に動けない。 20.<和歌山県 その他の繊維製品> 消費税増税が延期になったが、駆け込み需要の反動も大きくなり、製造業にとっては今回の 先延ばしはマイナスではないか。 木材・木製品製造業 21.<茨城県 製材> 荷動きは依然として低調。過去最低の住宅ローン金利にも関わらず新築需要は低迷。工務店 においても受注確保が難しい状況が続き、一般の大工工務店は増改築など細かな作業が中心に なっている。 22.<静岡県 木材・木製品> 地場工務店の民事再生法申請等もあり、業況は悪化。また消費税増税延期による購買意欲の 先送り懸念も生じ始めている。 23.<和歌山県 製材> 消費税増税延期による影響が今後どのように現れるか注視したい。業界内では消費税率引き 上げ前の駆け込み需要をあてにしていた企業も多いようだ。 24.<鳥取県 製材品> 予想以上に需要が伸び悩んでいる。先行きの見通しも見えて来ない。 25.<徳島県 製材> 収益状況が悪化。消費税増税の先送りが正式に表明されたことにより、却って景気の先行き 不透明感が以前より増している。 26.<福岡県 木材・木製品> 熊本地震の影響から熊本県内で出来なくなった仕事の発注があるが、短期的と思われる。 27.<宮崎県 製材> 受注はやや低迷。消費税率引上げ延期が決まるようなので、予想していた駆け込みは起こら ない模様。 紙・紙加工品製造業 28.<愛知県 紙器段ボール箱> 依然として消費不振が継続。高級品も低調。また伊勢志摩サミットの影響から地域の人・物 の動きが鈍り、特にサミットの規制等を警戒した団体旅行客の減少で土産物関連は大幅減。 29.<三重県 紙器段ボール> サミット開催に伴う交通規制や厳戒警備体制等によるマイナス作用が大きく、モノの動きも 悪かった。全国的には青果物や飲料関係を中心に段ボールケースが堅調に出荷された。 30.<福井県 和紙> 売上高は数量・金額とも僅かに前年を下回り、産地売上げは低位足踏み状況が続いている。 為替の円高傾向はプラス要因ではあるが、原油価格の反転・上昇による石油製品の価格上昇と 最低賃金引き上げによる人件費上昇への対応策が見当たらない。 31.<京都府 紙製容器> 過当競争によって市場価格の低下が見込まれる。大手メーカーのみが収益は改善している。 32.<大阪府 段ボール> 収益・業況は労働力不足(運転職等の人材が慢性的不足)のため、人件費や物流費が高騰し ている。業界として、総労働時間の短縮を図ることが喫緊の課題である。 印刷 33.<福島県 印刷> 円高の進行もあり、前年比では材料費がやや低下傾向にあるが業況は良いとは言えず、各社 ともに収益回復に至っていない。 34.<長野県 印刷> GW連休等があり実働日数も少なく、連休明けは仕事量も減少。 35.<滋賀県 印刷> 連休その他で納期の重なる仕事があり、多忙感はあったが、単価の低い仕事ばかりでとりあ えずこなしている状態。忙しくとも売上増加にはならない。 36.<京都府 印刷> デジタル化によるコスト削減を達成した一方、受注価格の低下と競争が激しくなり、長らく 続く景気低迷や印刷需要の減退も相俟って、依然として厳しい経営環境下におかれている。 37.<大阪府 印刷> 価格競争が激しくなり、特に印刷通販の価格を引き合いに出されることが多くなった。また 熊本地震の影響も少なからず出ている。(メーカー各社は新製品を自粛) 38.<兵庫県 印刷> 今期は年度末需要の終息が早かった。また景気停滞に伴う得意先企業の販促費用削減に熊本 地震発生による自粛ムードが追う打ちをかけたように思われる。 39.<高知県 印刷> 参議院選挙の影響でプラスだったが、官公需は昨年度の商品券等特需の影響からマイナス。 全体では前年なみの数字と思われる。 化学・ゴム 40.<東京都 家庭薬> 虫除け・殺虫剤等の夏季商品は例年より早めの動きが出ている。 41.<岐阜県 プラスチック> 昨年からの原油安による原料価格の引下げ効果はあったものの、売上高が前年同月並みで若 干の収益改善に留まる見込み。 42.<大阪府 セルロイドプラスチック製品> 売上高は稼働日数減少による影響で前月比10%ダウンした。 43.<和歌山県 化学> 円高の進行、株安に加え、日本経済の停滞・悪化が懸念される。また原油価格の上昇に伴い、 ガソリン価格等も上昇傾向にあるが個人消費は低迷したままである。 44.<岡山県 ゴム> 三菱自動車工業の燃費データ偽装問題による軽自動車生産停止で、売上高が減っている。早 期の生産再開が望まれる。 窯業・土石製品製造業 45.<山形県 コンクリート製品> 仕事量が少ないことに加えて、建設業及びそれに関連する産業の労働者の県外流出が顕著と なっている。先行き不安の現われだろうか。 46.<宮城県 生コンクリート> 生コンクリート出荷量は県全体で減少した。その要因は大型連休による稼働日数の減少に加 えて、既契約物件の年度切り替え時期と新規契約物件の工事着手の遅れによるものである。 47.<長野県 砕石> 燃料の仕入れ価格が上昇して収益は悪化。公共工事も少なく、今後も非常に厳しい。 48.<岐阜県 砂利生産> 出荷量が大幅ダウンして収益は悪化。また円高・燃料費等の高騰から経営圧迫の懸念がある。 49.<愛媛県 窯業> 先月同様に熊本地震の風評被害が影響している。新聞広告等によって、問題の払拭と被害地 救援に努力をしているのだが、厳しい経営状況に変わりはない。 50.<福岡県 コンクリート製品> 景気回復が遅れており、今後の先行きが不透明で中小企業への対応が遅れていると感じる。 政府の施策も効果が薄く、またもやデフレに戻るのではないかと懸念している。 51.<佐賀県 陶土> 前月比で売上げは低調。5月は元々稼働日数が少なく減少傾向だが、それでも不十分な実績。 幾分かは熊本大震災の影響もあるとは思うが、今後の動きには注視していきたい。 52.<熊本県 コンクリート製品> 4月の地震の影響が大きい。工場の破損は免れたものの、個々の設備調整が必要で復旧には 数カ月掛かる。資金繰り悪化への懸念も大きい。 53.<大分県 コンクリート製品> 県の年度当初予算における公共事業関係経費の増額や地震の災害復旧事業による需要増に 期待しているが、未だ発注には至っていない。 鉄鋼・金属製造業 54.<北海道 金属製品> 円安の影響を受けて収益増だった造船所も昨今は円高が進行して業績が悪化し、今後も中小 では厳しい状況が予想される 55.<茨城県 鍍金> 得意先の多くが連休でも売上げ・収益が約3割の減少。石油製品の値下がりも一服した模様。 56.<群馬県 金属被覆・彫刻業、熱処理> 鍍金は熊本地震等の被害による減産や燃費不正問題に絡む操業停止による生産調整が大き な悪影響。回復基調の腰を折られ、余波がどこまで拡大するか不安。 57.<東京都 建築金物> 消費増税延期によって、駆け込み需要が望めない。選挙向けの「景気回復」PRは不要。中 小企業の現実に沿った政策が必要である。 58.<岐阜県 鍍金> 輸出は106円程度の円高で3年程前の為替環境になっており、今後の受注も厳しくなるこ とを懸念。また国内景気においてもデフレ脱却が難しく、消費増税も再延期という方針が出さ れる等、大変に厳しい状況。 59.<石川県 一般産業用機械・装置> 熊本地震復旧のため、耐震部材の生産を開始。自動車はVWや三菱・スズキなどの不正問題 やトヨタのライン停止などの影響がある。産業機械は建機低迷と工作機械の落ち込みが拍車を かけている。輸出は円高・中国をはじめとする新興国経済の減速から低迷。 60.<京都府 金属プレス製品> 前月より全体的に悪化。5月は稼働日数が少ないため売上金額としては減少するが、前年同 月比でも受注が減少。多くの企業が今後の見通しは立たず不安定と感じている。 61.<兵庫県 鉄鋼・金属> 5月の連休以降、稼働日数も少なく需要が減少し落ち込みが激しい。公共事業・住宅建築の 減少も影響が大きい。 62.<香川県 鍍金> 円高に振れていることから、輸出に悪影響を及ぼすと考えられるので、受注量減少を懸念。 原材料の値下げを期待する。 63.<熊本県 異業種> 地震で各社が大被害を受けた。建屋及び設備機械が破損し、いまだに完全操業までに至って いない。主要取引先も大きな被害を受けており、納品停止の状態も重なり、売上げが約半月以 上減少。資金繰りも厳しく、金融機関に支援を申し出る企業もある。 また震災による自動車メーカーの生産停止で操業率が低下し、関連資材である鉄鋼材料の需 要も低調になっている。 64.<沖縄県 鉄鋼> 県内需要は前年同様。未だに技術者の人手不足は深刻で景況も停滞。製品出荷量は前年並み だが、価格が下落して売上高は減少している。 一般機器製造業 65.<山形県 その他の電気機械器具> 輸出企業は売上げ・在庫数量が増加しているが、為替の変動が大きく不安定。また内需も低 迷しており、販売価格も価格競争で低下している。 66.<埼玉県 一般機械機器> 販売価格は取引先からの要請で低下しているが、現状は収益に影響するほどではない。しか し、業界全体では景況感は悪化傾向にある。 67.<愛知県 一般機器> 三菱自動車の燃費データ問題を受けて、発注キャンセルがあった。具体的な影響は初めてだ が、今後も大きな不安を感じている。 68.<富山県 非金属用金型> 世界経済の動向も不安定で株価の下落、急激な円高基調の下、大手自動車メーカーの度重な る不正や熊本地震による自動車メーカー工場の操業停止等、事業経営の取り巻く環境の変化は 想定を超えるものとなっている。 69.<徳島県 機械金属> 中国経済の減速や原油価格・株価下落に伴う国内経済への影響等、景気の先行き不透明感が 依然として強い。 70.<福岡県 一般機械器具> 業界内で停滞ムードが出てきており、設備投資の見直し等の動きが大変鈍くなってきている。 電気機器製造業 71.<長野県 電子機械器具> 円高で製造業全般の収益に影響が出てくる。また原油価格も値上がりを始めており、今後の 消費者物価上昇に繋がることを懸念。 72.<静岡県 電気機械器具> 今夏は猛暑が予想されており、エアコンの生産・販売は昨年度より増加している。 73.<三重県 電気機器> 新年度に入っても業況は非常に悪化。前年同期に比べても20%ダウンの推移。最近では、 デフレ現象を起こすコストダウン競争も激化。 74.<富山県 電子機器用部分品> 日系電子部品メーカーの売上げは円高の影響を受けてマイナスに転じている。スマートフォ ン向けでは1台当たりの部品搭載数が増加傾向だが、普及率が世界的に高まる中で出荷台数は 頭打ちとなっていることに加えて、円高の影響も大きく、市場規模は前年比でマイナス。 75.<京都府 電気機械器具> 予算照会は多いが受注には結び付かない。また受注競争に多くのグローバル、国内の新規企 業が加わり価格競争が激化。人手不足も継続しており、有効求人倍率の上昇は中小においては 賃金アップ等のマイナスとして作用している面もある。 76.<広島県 電気機械器具> 売上げは生産が停滞していることに加えて、GWがあったために減少。また最低賃金の上昇 も経営を圧迫している。取引先に価格交渉はしているが難しいのが現状。 輸送用機器製造業 77.<静岡県 輸送用機械器具> 家電メーカー再編に続いて自動車メーカーの燃費不正問題等により、下請け製造業の不安定 要素が増大。大手車メーカーの部品加工下請企業は受注がゼロになり、いつ回復するのか目途 も立っていない。 78.<三重県 輸送機器> (熊本地震の影響で)熊本県内にある大手自動車メーカーの二輪車工場向け部品の出荷が止 まっていたが、部分的に再開してはいるが、一方でまだ再開の目途が立っていない部署もあり、 本格的な再開には至っていない。伊勢志摩サミットの影響も大してなく、低調なままである。 79.<広島県 造船> 原材料が高騰して収益性が悪化。しかし、輸入関連企業は円高で収益性は改善している。 80.<愛媛県 造船> 世界経済の減速で海上荷動き停滞・海運市況の低迷が長期化しており、海運各社は保有船舶 数の削減を進め、中古船市況も悪化している。新規取引も凍結の状態にあり、厳しい状況。 81.<大分県 造船> 業況の変化はないが、造船業界としては受注が減少しており、厳しい状況が今後予想される。 その他の製造業 82.<埼玉県 ガス業> 販売量は家庭用が前年並みだったものの、業務用は増加して全体では微増。しかし、販売量 は微増だが原料仕入価格の低下による販売価格の下落で売上げは減少した。 83.<東京都 貴金属製品> 昨年は中国人観光客の爆買いの影響を受けて業績を幾分伸ばしたが、今年は爆買いが収まり、 売上げが落ちている。 《非製造業》 卸売業 84.<北海道 菓子> 販売価格は再び安値に戻りつつあり、収益も若干悪化している。インバウンド需要も前年同 月比までには達しておらず、厳しい状況。 85.<岩手県 野菜果実> 5月も低調な実績。単価も安く取扱数量も伸び悩んでおり、売上高も上昇しない。今夏は猛 暑・酷暑が予想されているが、さらに野菜の売れ行きが悪くなる懸念がある。今後の気象状況 にも十分注目していきたい。 86.<秋田県 各種商品> 需要の停滞が長期化し、販売単価も低下して反転する契機もないため、今後も厳しい経営環 境が続くものと予想している。 87.<群馬県 各種商品> 酒類の低価格傾向があり、薄利多売の状況。また農産物は例年に比べて気温が高く、出荷蔬 菜類のサイズも大きくなり、出荷量は増加したが価格は安値相場となった。 88.<埼玉県 花卉> 近年は市場価格が安く、野菜に転向する農家が増加。生産者の高齢化も目立っている。また 輸送面についてはコスト高となり、流通面の問題も深刻である。 89.<千葉県 建築材料> 景況は極めて悪い。官需、民需、土木など全てが減少。需要減で再び値下げ・デフレに向か っている。今年年明けから減少幅が大きくなりつつあったが、今年度に入って需要激減し、回 復の目途が立たない。 90.<神奈川県 料理材料> GWの連休明けから前年比を日々割り込む日数が増加。連休後は支出を控え、外食も控えて いるようだ。外食も低価格メニューへ需要が移行していることを懸念。 91.<山梨県 ジュエリー製品> 5月は稼働日数が少なく例年低調だが、今年は一層悪い。国内流通は低調で変化がなく、中 国経済の低迷により中国人バイヤーの購入も減少した。 92.<奈良県 資源回収> 鉄スクラップ入荷が減少し、価格は急落。古紙・非鉄金属等の価格も下がってきている。 93.<広島県 各種卸売> 資材関連は来年の消費税率引上げを見込んだ駆け込み需要を期待していたが、延期で今年度 の見通しはやや厳しい。また食品においても熊本地震の影響かどうかは不明だが、連休明けか ら消費が低迷している。 94.<熊本県 各種商品> 震災に伴う組合員の復旧遅れや量販店の被害も大きく、納入業者への影響も大で売上げが大 幅減となっている。6月の売上も前年比3割前後の落ち込みが予想され、厳しい状況である。 小売業 95.<青森県 燃料> 円安・ドル高の影響で原油価格が緩やかに上昇し、卸価格も僅かに値上げが続いており、小 売価格に転嫁できず、収益の確保がままならないために厳しい状況にある。 96.<岩手県 酒・調味料> 量販店・スーパー等との価格競争のためにどうしても安値傾向となり、ますます一般酒販店 の売上数量確保が難しく、休業・廃業に追い込まれる状況が続いている。 97.<千葉県 各種商品> ファッション関連品は夏物の動きがあるが、単価下落。飲食・食品関係は相変わらず客数減 で苦戦。組合員の資金繰りも厳しい。 98.<神奈川県 青果> 売上高は前年比で減少。商品過剰による価格低迷や消費者の消費意欲減退で売上増に繋がら ず。株価低迷やマイナス金利等、政府の政策が景気上昇に寄与していない。 99.<富山県 自動車> 新車登録台数を見ると前年並みだが、これは前年実績が低かったもので好転とは言えない。 また熊本地震の影響で納車が遅れ等の影響が懸念される。 100.<島根県 その他小売> 売上げが低迷。熊本地震の影響が全くなかったとは言い難く、徐々に波及しているように感 じる。また雇用難も時間や休日の問題を柔軟に対応していくことで解消したが、30歳までの 若い人員は確保できていない。 101.<愛媛県 中古車> 新車は登録車、軽四とも先月より動きがあったが、中古車は低調。今後も消費増税の見送り で駆け込み需要や車体課税見直しも期待薄で当分この状況が続くと予想。 102.<長崎県 食肉> 熊本地震の影響が残り、販売・物流に支障を受けた組合員も多い。特に観光関連も大きな痛 手があり、一部組合員も同様に影響を受けた。また比較的落ち着いていた原料相場が上昇に転 じ、再び厳しい状況。 103.<大分県 食料品> 4月の地震で観光客が激減し、(観光客の来店もほぼ無く)旅館・ホテル・レストランへの 納品もかなり減った。今後も厳しい状況が続くと考えられる。 104.<鹿児島県 石油販売> 原油価格は上昇基調だが、市況の反応が鈍い。元売り・小売りともにコスト転嫁が遅れて収 益悪化。すべては需要の減少に起因している。 商店街 105.<宮城県 各種商品> 消費税10%増税が先送りされたが増税中止ではなく、あくまで延期であり、むしろ末端商 売には混乱や無力感を惹起する基となっている。 106.<新潟県 新発田市> 例年GW中は農家の繁忙期と重なるため、商店街は人通りも減少する。また消費税増税を先 送りしなければならない程に景気は悪く、金融緩和策も継続しなければならないことに加えて 熊本地震による自粛もあり、エンドユーザーの倹約・節約傾向は根強い。 107.<石川県 片町> 新幹線が開通以来、来街者数こそ概ね維持しているが、購入単価の下落傾向も感じられる。 消費動向や景気は後退しており、盛り上がりにかけるのが現状である。 108.<京都府 京都市> 来街者も多くなってきたが景気は相変わらず悪く、特に物販の買い回り品は非常に厳しい。 最近開店した250円弁当の店では寿司や惣菜類も安く、またもデフレに戻ったような販売価 格状況である。 109.<兵庫県 豊岡市> アベノミクス効果で一部には給与・ボーナスの増額支給があったが、一般の中小は販売競争 で利益もなく、ボーナスどころか給与支給に四苦八苦の状態。大型店も不況の様相。 110.<香川県 高松市> GWは多くの人で賑わったが、売上げには結びつかずに苦戦。特に宝飾品や高級時計等の売 上げが失速している。インバウンド客も増えているが、実需に繋がらない。また消費増税延期 も景気が上向く材料になっていない。所得や資産価値の向上に繋がる政策が必要。 111.<熊本県 八代市> 震災の影響で来街者が減少。加えて、市役所が耐震性から他所に分室したため、市職員の来 店も激減。飲食店をはじめ、市役所近辺の店舗のダメージが大きい。 112.<大分県 湯布院> 4月の震災で旅館等の宿泊客減少による施設への納品が激減。飲食関係も震災と農作業時期 のダブルパンチで客泊が減少。建設関連は震災の家具修復工事等の動きが見られる。 サービス 113.<宮城県 ソフトウェア業> 消費増税が延期となり、業界的に対応の見直しを迫られている。補助金支援は予定通り実施 しており、うまく活用することで将来対策の前倒しを考えている。 114.<福島県 一般廃棄物収集・運搬業> 震災関連事業が昨年からスタートしたが発注量の変動が大きいために収益・資金繰りが短期 的に悪化。また雇用も不安定で除染業務に人員を取られている。破格の給与額が提示されてい るらしく、短期間の業務であっても離職していく状況。 115.<栃木県 ビルメンテナンス業> 売上高は増加したが、収益性の低い仕事が増えただけで収益状況には変化なし。 116.<愛知県 旅館> 増加していた宿泊客数が減少に転じ、今後の見通しも悪い。またインバウンドツアー客の減 少がはっきりしてきた。 117.<三重県 旅館> 伊勢・志摩サミット開催によって、一般の宿泊客は激減。警備関係者等を受け入れていない 施設は開店休業状態だった。サミット成功に向けて組合では関係者の受け入れに全面的に協力 したが、客室の押さえ過ぎや予約解除の遅延、利用施設の平準化等、多くの問題が残った。 118.<兵庫県 屋外広告> 参議院選挙関係の需要があるが、厳しい状況は続いている。 119.<熊本県 デザイン業> 4月の地震の影響により、各種イベントの中止が相次ぎ、業界はさらに厳しくなった。今後 も先が見えない状況が続くと予想している。 120.<宮崎県 観光業> 例年だと最も忙しい月だが、熊本・大分地震の影響で、9割の仕事がキャンセルとなった。 121.<鹿児島県 旅行業> 熊本地震の影響が大きく、JR・高速道路等も再開したが、業界全体としては先行きが不安。 5月の集客状況は前年同月比で約7割だった。 122.<沖縄県 ホテル業> 売上げは前年同月比で不変。旅館業法の許可を得ない民泊営業も既存施設に影響を与えそう だ。また円高傾向にあるため、外国人観光客の減少を懸念。 建設業 123.<秋田県 建築リフォーム工事> 消費税増税延期が発表されたが、それ以前に増税前の駆け込み需要の動きがあり、例年より も受注が若干増加した。 124.<山形県 板金工事> 消費税アップを見込した案件はあるが、足踏み・契約保留している顧客が多いのも事実であ り、この先が不安である。 125.<愛知県 建設> 公共・民間工事はともに低調で操業度は低下。人員も余り、臨時雇用も減少。他方で原油は 上昇傾向で収益は悪化している。 126.<富山県 一般土木建築> 北陸新幹線開業以降、県下全域で大型物件の建設が減少し、特に富山市においては公共、民 間ともに低調な状況で需要不振が続いている。 127.<滋賀県 土木工事> ほとんどの組合員の景況感が悪化。公共工事も中小零細の受注量は少ない。生コンの出荷も 前年同月比20%以上ダウンしており、厳しい状態が続いている。 128.<福岡県 建築工事> 専門工事業者は熊本での復興工事の受注が増加。また一式業者は外壁・屋根等外部工事の下 請けが不足傾向となる等の影響が出始めた。 129.<長崎県 建設> 前年同月比において売上高は減少、収益状況は悪化。公共工事も減少し、受注競争が激しく 利幅がない。また民間工事も引き合いはあるが、予算と積算価格との乖離が相変わらずである。 130.<熊本県 総合工事> 現在、熊本地震に伴う復旧、応急工事が行われている。本格的な復興事業は来年度以降とな る。建築は5年以上需要が継続するとみられるが、(現在の復旧段階であれば問題ないが)本 格復興段階になったときの人手や資材不足の懸念も高まっている。 131.<沖縄県 管工事> 公共工事・民間工事共に堅調だが、依然として雇用人員の確保が難しい。このような状況下 でも受注競争が一段と厳しさを増すと思われ、適正価格割れの防止に取り組む必要がある。 運輸業 132.<山形県 一般貨物自動車> 組合員に岩手の震災復旧工事のための土砂運搬を手掛けている者がいるが、一時は多忙だっ たが、先月あたりから仕事が激減。理由は予算がなくなり工事が打ち切られたとのこと。公共 工事も景気浮揚のためには必要ではないか。 133.<栃木県 一般貨物自動車> 燃料価格の下落効果で営業利益は改善傾向だったが、ここにきて燃料価格が上昇しており、厳 しい経営環境を懸念。また相変わらず若年ドライバー不足も深刻である。 134.<神奈川県 道路貨物> 消費の減少で荷動きが全体的(業種問わず)悪化。特に法人向けの精密機(PC等)の動きが 悪い。高速道路の料金体系が変わり、燃料も上昇傾向になっていることから収益が悪化している。 135.<山梨県 道路旅客運送> 今後は熊本地震や円高の影響などにより中国人観光客等のインバウンドが減少する見込み。 136.<三重県 トラック> 景気が後退しないように政府は内需拡大施策を実行してほしい。 137.<島根県 道路貨物> 荷動き、稼働率はかなり悪い。全体的に貨物需要が落ち込んでいる。熊本地震による自動車関 連荷物の停滞や燃費データ偽装問題が荷動きにも影響を及ぼしている。こうした運送需要の減少 傾向に伴う同業者間競争の激化による運賃の値崩れ現象も懸念される。 138.<山口県 一般旅客自動車> タクシーチケットの取扱額は前年比でダウン。景気の後退感から個人消費が減少傾向にあるの は間違いなく、政府発表等のように「緩やかな回復基調が続いている」とは思えない。 139.<愛媛県 観光バス> 貸切バスの営業状況は熊本地震の影響もあり、県内全体で稼働状況・営業収入とも前年同月比 を大きく下回った。また運転手不足による稼働率低下、また最近は燃料価格も上昇傾向を示して おり、稼動率が復調した時への悪影響が不安材料。 140.<宮崎県 軽貨物> 熊本地震の影響で道路状況が復旧していない箇所があり、到着時間等のずれが未だに続いてい る。また燃料関係は徐々に値上がり傾向で厳しい経営を強いられている上に人手不足と後継者不 足も深刻で、繁忙期に向けて増員が必要な時期に打つ手がない。
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