情報連絡員からの報告 - 全国中小企業団体中央会

情報連絡員からの報告(要旨)
《製造業》
食料品製造業
1.<福島県 食品団地>
原油価格が値上がり傾向。消費も季節商品の売上げが伸びず、生産・在庫調整が難しい。ま
た雇用においても改善が見られない状況である。
2.<茨城県 納豆>
大豆不足で県産の価格は、全国一高くなっている。(全国平均の1.5倍。)そのため、県
産大豆を使用した商品は収益が悪化している。
3.<東京都 中華麺>
景気が非常に悪く、午前中で業務終了の組合員も出ている。雇用拡大どころの話ではない。
4.<山梨県 パン・菓子>
円高感があるが、いまだ輸入原材料の価格には反映されていない。
5.<静岡県 水産食料品>
一般の消費動向が鈍化しているようで、先行き不安から設備投資にも踏み切れない。
6.<富山県 豆腐>
夏は冷奴の季節だが、スーパーやドラッグストアにまで県外からの安価商品が陳列されてお
り、組合員の経営は厳しいままである。
7.<兵庫県 素麺>
7月に入り商戦シーズン本番だが、関東甲信越の梅雨明けが昨年より11日遅く、最大消費
地である関東圏の消費が遅れ、何とか前年を少し上回った状況。
8.<香川県 冷凍食品>
外食産業はファミレスの高額商品や居酒屋等が苦戦。今後は安価品に切替わる可能性もある。
9.<高知県 水産食料品>
例年夏季はみりん干等の焼物は売上げが減少する一方、お中元や帰省客の土産等は大きく売
上げを伸ばすものだが、ここ数年来それが激減している。
10.<佐賀県 菓子>
梅雨期の長雨とその後の猛暑で売上げは苦戦。他方、冷菓関係は好調だった。
11.<熊本県 清酒>
熊本地震の影響で県内出荷は低迷しているが、他県からの支援の輪が広がり、県外出荷が増
加して合計では前年比120~130%で推移。
12.<沖縄県 酒類>
泡盛の出荷量は前年並みを維持しており、今後も夏季需要に期待。また県内の有効求人倍率
は好転しているが、賃金上昇から人員確保が困難化。離島の製造所は求人に対して応募も低調。
繊維・同製品製造業
13.<山形県 織物製成人女子・少女服>
服地は大手アパレルの苦戦がそのまま受注減に繋がり、また小ロットで納期も厳しいため、
コストも増加。輸出物も円高の状況や欧州テロの影響もあり、厳しさを増している。
14.<福島県 ニット>
秋冬物受注の第1回目の納品で7月は忙しかったが、猛暑の影響で秋冬物の受注が伸びない
ことから、今後が心配である。
15.<群馬県 外衣・シャツ>
受注が極端に減少。各店舗においては景気低迷等の影響でバーゲンセールが前年に比べて早
く開始されている状態。
16.<東京都 ニット製品>
猛暑は業界にとって追い風と言われていたが、今期は総じて苦戦。消費者の買い控えが顕著。
7月は参議院選挙、都知事選挙と立て続けに選挙があり消費者の購買意欲を削いだと思われる。
17.<大阪府 被服>
工夫を凝らした新製品を開発する等、それに伴い直近4~5年で値上げ動向も浸透しつつあ
ったにも関わらず、昨今の円高傾向を受けて値下げを表明するアパレルも散見されるようにな
り、低価格競争の懸念がまたもや出始めた。
18.<和歌山県 毛皮製衣服・身回品>
為替変動から原料費が不安定で販売価格の値下げ要望が出ているが、人件費(最低賃金等)の
さらなる上昇も予測される等、安易な値下げには慎重に為らざるを得ない。
19.<鳥取県 ニット製品>
猛暑の影響で秋物商品への移行が遅れている。また消費の低迷も続いており回復の兆しはな
い。流通在庫が多く、今後は発注量が減少される恐れがある。
20.<愛媛県 縫製>
景況は不変だが、円高が長期化すると企業の海外生産率が高くなる可能性がある。現在の操
業を維持するには人材確保が最大の課題であるが、現状は大変厳しい状況。
21.<山口県 外衣・シャツ>
店頭商品の動きが悪く、様子見の発注ロットになっており、生産効率が非常に悪化している。
木材・木製品製造業
22.<秋田県 一般製材>
荷動きが回復せず、受注量は前年同月を下回った。販売価格も据置または引き下げ要請が強
く、景気の回復感はない。また住宅着工は依然として低迷しており、消費税増税が延期された
がさらに着工数が低迷。増改築はある程度の需要が見られるが、木材の使用率は少ない。
23.<栃木県 建具製造>
まさに夏枯れ状態。お盆前の駆け込み需要も低迷している。
24.<岐阜県 建材>
建築の仕事は出始めているが、請負金額が厳しく、材料代が抑えられる等デフレ脱却は程遠
い。また仕事があっても、職人不足になりかけている。
25.<京都府 製材・木製品>
新築・リフォーム全体の仕事量が減少し、中小・零細は受注が取りにくい状況が強い。また
大手による価格支配も強まっており、差別化(小口配達)等で受注に繋げようとしても、さら
なるコスト増・収益悪化の要因となっている。
26.<兵庫県 木材・木製品>
英国のEU脱退決定から急激な円高となり、輸入材の割安感が出た。春先の受注は堅調だっ
たが、消費増税延期による駆込み需要もなく、夏以降の受注環境に不透明感が非常に強い。
27.<岡山県 製材>
梅雨明けから出材料は徐々に回復しているが、メーカーの在庫が少ないことから、原木は
杉・ヒノキとも安定した引き合い。住宅着工は堅調に推移しているが、消費税増税の延期、円
高進行で外材との競合材に先安感が強まる等、先行き不透明感が強い。
28.<宮崎県 製材>
原木市況は若干の持ち直し。市場へ出材量は月前半の雨の影響で減少し、在庫減となって価
格に反映したと思われる。木製品の需要は低調で値上げも出来ず、厳しい状況は続いている。
29.<鹿児島県 木材・木製品>
円高の影響から、志布志港の輸出量も前年比約6~7割減で推移。原木価格も下落傾向にあ
り、発電用の未利用材相場と競合が生じてくると予想。原木取引は例年並みの取引数量である。
紙・紙加工品製造業
30.<北海道 加工紙>
7月は天候不順で果物関係の段ボール箱の出荷が悪く、一般家庭の消費も低迷。前年同月よ
りも厳しい景況である。
31.<三重県 古紙>
夏物需要から飲料や冷凍食品等の段ボールが好調で、昨年並みの箱数量が流通している。し
かし、重量が薄物化・軽量化となり、集荷量や業務効率も大きく変化している。
32.<福井県 和紙工業>
業界的に夏場は需要が停滞する時期だが、特に今年は動きが悪い。世界株安・原油下落で
円高圧力が高まっている。今後も予断を許さない状況。
33.<大阪府 段ボール>
7月に入り、荷動きは輸出関連を中心に停滞。夏の季節商品は平年並みと予想。
34.<愛媛県 機械すき和紙>
トイレットペーパーの荷動きは6月までは順調に推移したが、7月に入って低調となった。
熊本地震の仮需・インバウンド需要の失速が原因と推測される。
35.<高知県 機械すき和紙>
夏場は例年同様、出荷・生産ともペースダウン。円高で原料パルプは安価で推移。
印刷
36.<福島県 印刷>
復興需要も落ち着き、各社とも売上げは芳しくない。今後も低迷が継続する見込み。
37.<静岡県 印刷>
チラシ需要の低下に歯止めがかからない。今後も低下し続けることを見越した戦略が求めら
れる。また下請けへのしわ寄せも大きくなっている。
38.<愛知県 印刷>
夏は閑散期で仕事量は少ないのだが、国内経済が不安定で例年以上に仕事量が減少した。
39.<滋賀県 印刷>
仕事に動きがない。官需はどんな小案件でも入札制となり、公平でも落札価格は下がる一方。
また民需も大手かネットでの取引が多く、価格比較をされるので受注は厳しくなるばかりだ。
40.<香川県 印刷>
前年度並みに推移しているが、受注量・売上高ともに低水準で楽観視できない。8月の稼働
日数が前年度より祭日が1日増えたために減少し、生産稼働の効率化を図っているようだ。
41.<熊本県 印刷>
前年同月比で売上高は減少。業況低迷が長期化する中、ここに来て一段と良くない状況。
化学・ゴム
42.<東京都 家庭薬>
夏季商品(防虫剤等)は出荷のピークを越えて、平準化しつつある。またインバウンドによ
る売上げもほぼ昨年並みで推移。
43.<岐阜県 プラスチック>
原油価格下落による原料費の引下げ効果はあったが、収益は前年同月並み。電力料金や物流
費の値上げを含め負担増は依然継続。また英国のEU離脱による国内経済や為替動向、取引先
への影響等を引き続き注視している。
44.<京都府 プラスチック製品>
数量ベースでは持ち直し傾向にあるが、人手不足が続く。先行きは円高の波及による下振れ
を懸念している。
45.<岡山県 ゴム>
三菱自動車の生産が再開されてオーダーが入るようになったが、円高基調や消費増税先送り
もあり、業界全体が足踏み状態。今年の計画も下方修正をせざるを得なかった。
46.<広島県 工業用ゴム>
未だ国内の景況感の改善は見られず、自動車業界は大変厳しい状況。このまま円高傾向が続
けば輸出台数にも影響が出始め、生産台数の減少に直結する可能性があり、先行き不安が強い。
窯業・土石製品製造業
47.<岩手県 生コンクリート>
出荷量は前年同月比で25%減。地区別でも全地区が減少したが、特に気仙は公共工事の遅
れもあって、45%と大幅に減少。他地区も工期の遅れや公共工事の減少等、全体的に官需、
民需ともに減少している。
48.<長野県 砕石>
生コン出荷が落ち込み、同様に関連資材・砕石等も低迷。公共・民間ともに需要減で業者は
一時的に草刈り仕事等でしのいでいる状況。
49.<石川県 陶磁器・同関連>
売上高は前年同月比約15%悪化。収益状況も同様。円高が多くの外国人観光客の財布の紐
を締め付けている。全般的に消費は急ブレーキがかかったように低迷している。
50.<愛知県 陶磁器>
消費増税延期等で需要が減少。今後もあらゆる分野で規制緩和・自由化が進められ、さらな
る安売り競争等から中小は厳しい状況に置かれると思われる。海外市場も英国のEU離脱・欧
州諸国でのテロ等、先行き不安が大手企業の動向にも悪影響を与えそうだ。
51.<岐阜県 タイル>
主力の外装モザイクタイルは、秋口以降の受注に向けて善戦しているが、受注単価の下落も
一部見受けられる。また輸出関連は急激な円高から米国向けを中心に需要後退が散見される。
52.<長崎県 生コンクリート>
出荷量は前年並みだが、これは新幹線・高速道路等の特需が大きく、特需終了時のことを考
えると出荷が激減する状況が予想される。
53.<熊本県 砕石>
売上高は全体では増加。今後、熊本地震の復旧・復興事業が本格化するが、砕石の供給不足
が生じないように対策を取る必要がある。またガレキ処理(195万t)の運搬等との競合で
ダンプカー不足や運搬経費の高騰も憂慮されており、対策が必要となるだろう。
54.<鹿児島県 生コンクリート>
官公需、民需ともに前月に引き続き、対前年同月比で微増。県全体も2カ月連続の増加とな
った。今後は官公需次第で増減が決まる様相である。
鉄鋼・金属製造業
55.<北海道 金属製品>
造船業界は中国経済の減速による船荷動きの減少に加えて、円高動向から受注が非常に厳し
い状況に直面している。さらに造船鋼材が2年ぶりに値上げされて経営環境も悪化。
56.<岩手県 銑鉄・鋳物>
中国及び台湾への鉄瓶、急須、鉄鍋の輸出売上げは前年同様だが、欧米へのティーポット輸
出は円高や仏テロ等の情勢不安から減少している。
57.<宮城県 再生資源>
中国経済と為替の影響から鉄スクラップ価格が変動。輸出は若干上向きになったが、原因は
中国製安値鋼材の流入にセーフガードを発動したベトナムからの引合いが強まったため。
58.<栃木県 金属製品>
白物家電は季節需要で増産したが梅雨明けが遅くなり、今後エアコンは生産調整が予想される。
59.<群馬県 金属被覆・彫刻業、熱処理>
建築金物は上昇傾向だが、自動車部品や電機品は世界的に停滞感が強く、増産の気配はない。
60.<東京都 鍍金加工>
円高による輸出関連への影響が懸念され、内需拡大も見込めない。発注元の生産調整も出て
おり、景気の先行きは下降すると予測している。
61.<石川県 一般産業用機械・装置>
円高傾向が収益に影響する懸念が出ている。業況も円高によってさらに落込む可能性がある。
62.<愛知県 工業団地>
為替相場が落ち着きつつあるようだが、大企業の減収・減益予想が発表されており、厳しい
状況は継続すると予想。
63.<和歌山県 金属製品>
業種・企業規模により景況感ならびに収益状況にバラツキがあるが、ものづくりがグローバ
ル化して中小零細も海外との競争が激化し、販売価格等を上げづらい状況となっている。また
技術伝承も難しくなってきている。
64.<熊本県 異業種>
震災復旧に伴う需要で売上げが増加しているが、建設関連企業は減少しており、業種によっ
て温度差が生じている。
65.<沖縄県 鉄鋼>
単発的な需要増かもしれないが製鐵品の出荷量は上昇傾向。ただし販売価格は下落しており、
結果として売上高も減少している。
一般機器製造業
66.<埼玉県 一般機械器具>
受注が減少傾向。販売価格も取引先からの要請もあり、若干であるが低下。収益確保のため、
経費等の見直しをしている。
67.<山梨県 一般機器>
景気の足踏み状態が長期化。半導体等電子部品輸出の減少や原材料費高騰の影響から利益が
減少し、厳しい状況は続いている。また国内消費も伸び悩み、低迷している。
68.<新潟県 鉄工業>
金曜日休業や残業なし等の措置を講じなければならないほど、受注量の減少が深刻化。
69.<静岡県 生産用機械器具>
英国のEU離脱で世界経済が止まってしまう懸念がある。実際に英国進出している大企業の
業績低迷が下請け企業にも影響し、受注が極端に減少している。
70.<愛知県 一般機器>
円高による不安定な状況から顧客の国内設備投資の計画は進まない。また台湾や韓国メーカ
ーにも価格負けしており、注残確保に苦労している。
71.<富山県 非金属用金型>
市場に停滞感が出ている。当初から低迷は予想されていたが、先の英国EU離脱決定による
円高等から、その傾向が助長されている。暫くは動きの鈍いまま推移する見込み。
72.<福井県 機械工業>
前年同月比で減少。円高や受注価格の下落傾向等、各方面からのマイナス要因が山積。
73.<奈良県 機械>
アジアを中心とする世界経済の減速により、海外向けは受注量が減少。
74.<山口県 一般機械器具>
夏期渇水から工業用水の取水制限が始まり、有機EL関連の企業は生産調整を行わざるを得
ず、一時的な売上減少の企業も出ている。
75.<徳島県 機械金属>
売上高や収益状況は改善せず。中国経済の衰退や円相場・株価の乱降下に伴う国内経済への
影響等、景気への先行き不透明感が依然として強い。また人手不足も懸念される。
76.<愛媛県 鉄工>
為替の乱高下で想定レートとの乖離が大きくなり、採算の見通しが不透明になりつつある。
電気機器製造業
77.<茨城県 電化機器>
全体での生産高は前年同月比で増加したが、家電関連は-12.9%と期首より続くマイナ
ス状況を脱しておらず、依然として厳しい。
78.<群馬県 電気機械器具>
自動車・電機・食品等は例年通り増産。ただし、電機に関しては時節的な夏場に限ったもの
であり、秋から冬にかけては生産量が文字通り冬の時代となる見通し。
79.<長野県 その他の電子部品>
円高による収益減少に加えて、各メーカーからの単価引下げ要請も強く、需要の停滞感が大
きい。早急な為替の安定が必要。
80.<三重県 電気機器>
受発注が前年比で30%~40%落ちたままで回復しない。またコスト競争も激化し、原価
率を割る状況も出ている。
81.<兵庫県 電気機器>
燃費データ不正が発覚したメーカーの製品販売が再開されたが、軽自動車は19か月連続で
減少。また米国も低金利や原油安を追い風に市場拡大が続いていたが、需要に一服感がある。
82.<広島県 電気機械器具>
輸出物件が停滞し、国内はスマートメーター以外が横ばい傾向。また最低賃金の上昇が経営
を圧迫しており、取引先に価格交渉はしているが解決は難しい。
83.<福岡県 電気機械器具>
お盆工事等で一時的に忙しく、短納期を残業等で対応。納期優先で価格は後回しの状態。
輸送用機器製造業
84.<群馬県 自動車・同附属品>
英国のEU離脱問題が経済に影響している。円高で家計や企業マインドが悪化し、消費低迷
や企業の設備投資・採用活動縮小等が特に懸念される。
85.<静岡県 輸送用機械器具>
大手自動車メーカーが熊本地震での生産停止分の挽回生産に追われており、その影響で部品
メーカーの生産も増加傾向にある。
86.<愛知県 輸送用機器>
国内外ともに不透明感が続いており、7月の業況は緩漫な動きだった。設備投資についても
様子見状態が継続。
87.<愛媛県 造船>
日本の海運大手は中国経済の減速や円高から市況が悪化。中期の業績予想を各社ともに下方
修正しており、各造船所でも新規案件が減少し、受注環境がさらに悪化しかねない。先行きは
急速に不透明感が増しており、今後の動向に注視して行かなければならない。
88.<大分県 造船>
人員不足はある程度落ち着いて来たが、技能工不足は依然継続しており、技術職の養成が大
きな課題となっている。
その他の製造業
89.<神奈川県 工業中心の複合業>
景況回復の兆しは全く感じられない。各所から1~3割の単価引き下げ要請があり、さらに
厳しい状況に追い込まれている。
90.<香川県 漆器>
株安・円高による景気悪化の影響が出ている。当業界のように生活必需品でない商品の売行
きは都会・地方を問わず6月以降急速に悪化している。
《非製造業》
卸売業
91.<秋田県 青果>
売上げは前年同月比92.0%で推移。県内では、好天により野菜も順調に収穫されている
が、関東地方では水不足により野菜の生産量が低迷。そのため、関東圏へ出荷増で県内野菜が
不足し、秋田の野菜を関東から仕入しなければならない状況が出ている。
92.<宮城県 ゴム製品>
全体の物流は相変わらず低調。今後の景気上昇の気配も無く、市場の価格競争のみが激化。
93.<神奈川県 料理材料>
生活者の節約志向が高まり、ファミレス、居酒屋、個人飲食店等の売上減少が継続。食材は
輸入原料が多少下がっている物もあるが、それは一部であり、輸出元の賃金高騰や原料不作に
よる影響で円高以上に価格が上っている商品も多い。
94.<東京都 木材>
販売価格が値下がり傾向。比較的好調なプレカットも競争が激しく採算面が厳しい。
95.<山梨県 ジュエリー製品>
国内流通の停滞を海外市場で補ってきたが、中国経済の低迷で高額品の売行きが減退。
96.<長野県 各種商品>
天候が好天続きで出荷が早まっており、盆前の供給が心配。現在も品薄感が出ている。
97.<新潟県 花卉>
菊の一般小売は低調で、葬儀需要のみ堅調。暑さで日持ちしないので販売店は在庫を減らし、
購入量も低調。全体の入荷数は昨年比87%と減少し、単価も上がらず売上高も不調だった。
98.<大阪府 電気機器>
建設価格が下落傾向。受注競争も激しく、受注価格ベースも前年比で減少。年明け以降の円
高の進行や株価下落等、昨年とは潮目が変わってきており、当面は企業の設備投資の伸び悩み
と景気の不透明感から、厳しい環境が予想される。
99.<兵庫県 電気機械器具>
今年の夏は猛暑が続きエアコンの売行きが順調。売上拡大に貢献しているが、利益増大には
繋がらず。昨年の在庫が売上げに貢献している。
100.<岡山県 雑貨>
消費増税延期の発表以来、大型商品の注文が一気に先延ばしされた。
101.<広島県 総合卸>
円高基調が継続し、景況感は悪化。外食向け食品は対前年比でマイナス。他方、繊維は婦人
下着の夏物肌着は順調に推移したが、従来の慎重な生産計画が裏目となり、売れるのに在庫が
無い状態となり、販売機会の逸失が出た。中国の爆買いも落ち着いている。
102.<沖縄県 青果>
景況感は前年同月比で不変。国産野菜は果菜類を中心に価格が下降傾向だが、果実は8月の
旧盆に向けて価格上昇が予想される。
小売業
103.<北海道 燃料>
7月は夏日が多く、エアコン利用等によってガソリンの販売量は大幅に増えたが、全体的に
消費者の節約基調が継続しており、前年同月比で減。また原油価格や為替の影響等もあり、仕
入れ価格が大幅に変動する状況も続いたが、値上げに踏み切れない販売事業者が多い。
104.<千葉県 各種商品>
セールやイベントで来店客が増加しても、消費は低価格帯が主流で売上げは伸びていない。
105.<三重県 家電>
7月に入り、猛暑日の連続でエアコン需要が大幅に増え、連日据え付けに追われている。商
品別でもエアコン・冷蔵庫等が好調に推移。リオ・オリンピックもあることから、お盆までの
活気が期待できそうである。
106.<富山県 ガソリンステーション>
GSの収益率が大幅に低下。営業利益率は小売業平均の半分以下で、大変厳しい経営環境。
また原油価格・元売りの仕切り価格が上昇し、小売価格も上昇。業転価格の上昇率が低い中で、
大手販売店等が大幅な安値販売を続けており、激しい価格競争が続いている。
107.<和歌山県 各種商品>
消費低迷が深刻で、特に婦人服等はセール時期だが、50%オフでようやく購入される状況。
108.<島根県 各種商品>
景況は引き続き良くない。顕著に販売価格が下落しているわけではないが、需要が低迷し、
相場の下落傾向も出ているようだ。
109.<徳島県 繊維>
売上高が減少。販売不振によるバーゲン時期の早まりや大手流通業ではデフレを意識した低
価格戦術が強まっている。しかし、消費喚起を促しても効果は限定的である。
110.<愛媛県 米穀>
例年にない猛暑続きで家庭用米の販売が昨年より減少。販売価格を値下げした地区も出た。
月末には南九州産の新米の出荷が始まったが、新米を急いで買い求める人も少ない。
111.<佐賀県 鮮魚>
梅雨明け以降、猛暑が続き売上げが低迷。猛暑続きの土用丑の日に期待したが、うなぎ価格
の高騰で昨年に比べ買い控えが目立ち、売上げが伸びなかった。
112.<大分県 各種食料品>
熊本地震の影響が続いて観光客が非常に減少しており、それに伴って売上高も大きく減少。
113.<宮崎県 各種小売>
集客面がさらに悪化し、前年比でも10%弱の落ち込み。情勢不安や景気の低迷、選挙の影
響等が消費者の購買意欲の低下に拍車をかけている状況が続く。
商店街
114.<秋田県 秋田市>
消費者に購買意欲がない。消費増税の駆け込み需要や家電等の生活用品も新規性がなく、将
来に備えて財布の紐が固くなっていること等も要因のようだ。
115.<千葉県 柏市>
景況感として、ここ数年ますますボーナス月による買物需要が悪化している。動向が平月と
全く変わりがなく、お中元等の売出しも盛り上がりに欠けている。
116.<新潟県 新発田市>
梅雨明けから猛烈な暑さとなり、エンドユーザーは不要・不急の外出を控えているようで人
通りもまばらだった。また降水量が極端に少ないことから河川の水量が激減して、取水制限の
心配や野菜の不作による価格高騰等で、倹約・節約傾向がますます酷くなっている。
117.<石川県 近江町>
前年比で内外観光客の減少から売上げが下落。7月は外国からの大型客船入港も1隻のみ。
また北陸新幹線効果も薄れて観光客が減少している。金沢は7月盆だが、地元客も少ない。
118.<奈良県 橿原市>
月下旬には夏休みで人の動きは多くなったが、炎暑が続く日中は影響を受けている。
119.<香川県 丸亀市>
7月は「夏のバーゲン月」だが、その雰囲気は全くない。例年チラシを打っていた店も今年
は打たなくなった。来客数の減少だけでなく、消費も成熟化して必需品以外は買わない。人気
のスマホゲームの配信が始まり、歩きスマホの若者を少し目にしたが、消費には結びつかない。
120.<徳島県 徳島市>
例年はバーゲンセールで活気づく時期だが、今年の7月は猛暑が続き、客足は鈍かった。
サービス
121.<北海道 旅館>
北海道新幹線の好影響は函館地区のみで道東への観光客の導引は依然少ない。また外国人客、
特に台湾からの観光客は減少が著しく、韓国への流れが出ているとのこと。こうした状況から、
道東地区の観光は前年比で大きく減少すると思われる。
122.<山形県 情報処理サービス>
景気は相変わらず底を打っているようだ。10兆円規模の景気対策の話も出ているが、大企
業だけが恩恵に預かるような従来型の政策なら、やる必要がない。
123.<福島県 理容業>
7月は繁忙期だが、期待通りの収益増には至らず。安値店が影響しているとの声が多い。消
費者に信頼されるように組合を上げて事業に取り組んでいるが、景気が回復していないことか
ら、厳しい状況は続くと予想される。
124.<山梨県 旅館>
中国人旅行者による「爆買い」が鈍化し、中国からの旅行者は減少傾向にある。
125.<岐阜県 旅行>
海外各地でテロが発生して海外旅行が減少。また団体顧客の減少も重なり景況感が悪化。
126.<岡山県 リサイクル>
鉄・非鉄の国内スクラップ価格が値下げ。世界最大のスクラップ輸入国であるトルコもクー
デター未遂事件によって動きは低調。夏枯れで発生量も少なく、海外からの需要次第では価格
上昇の可能性もある。
127.<山口県 自動車整備>
軽自動車の県内新車販売台数が燃費データ不正問題で激減。この販売減が3年後、5年後に
は車検台数の減少となって影響してくることから、整備事業者にとっては大きな問題。
128.<高知県 飲食店>
例年暑くなると、高齢者の顧客が多い業界のために客足が減ってくる。特に日中・ランチタ
イムはかなり悪いようだ。
129.<福岡県 警備>
人員不足から大型イベント警備の対応が困難になっている。
130.<宮崎県 観光>
前年比で売上げが2割程度上がったが、春の繁忙期に熊本地震で延期となったものが、この
時期に移行してきただけで、景気回復ではない。
131.<沖縄県 ホテル>
前年比で売上げ・販売価格ともに上昇した事業者が多かった。台風1号が旅客に影響を及ぼ
すほどの悪天候にならず、陸海空路の安定運行が維持されたことも大きい。
建設業
132.<岩手県 塗装工事>
沿岸部は震災から5年を過ぎてもまだ順調であるが、内陸部は減少傾向が顕著に表れてきて
おり、受注に企業間格差が出ている。
133.<秋田県 電気工事>
公共工事・一般住宅関連の設備工事ともに受注が低迷。電気副資材の売上げも低迷しており、
今後の見通しが掴めない状況にある。
134.<埼玉県 鉄骨工事>
都心での再開発が始動して首都圏に関わる組合員は多忙だが、県内施工での物件は振るわず、
県内施工中心の組合員は仕事量の差が大きい。
135.<神奈川県 電気工事>
民間も地震災害のリスクを考慮して耐震補強工事の発注が出ている。また熊本復旧、オリン
ピック開催に伴う人手不足を懸念して人材確保に動く事業者も見られる。
136.<山口県 左官工事>
岩国地区を除いて民間・公共工事が減少し、1物件に多数の総合工事業者が参加している。
137.<大分県 建設工事>
公共工事の受注は前年比で減少。建設投資の急激な減少や競争激化により経営環境が悪化し、
技能労働者の高齢化や若年入職者の減少といった構造的な問題が生じている。また公共事業の
適正な予定価格と工期設定等の入札契約制度の課題も出ている。
138.<熊本県 塗装工事>
震災以降、復旧に係る塗装・防水関係の仕事が増加。引き合いは今後も多くなりそうだが、
施工が人手不足で思うようには進まない。また工事増に伴い、資金繰りも難しくなりつつある。
139.<鹿児島県 建設>
組合員の殆どが公共事業に依存しており、県・市の発注工事が減少していることから、経営
維持に苦慮。また低価格入札で利益を出すのが難しい状態にある。
運輸業
140.<青森県 一般貨物自動車>
7月は夏野菜のピークだが、天候の影響から出荷が遅れており、例年より荷動きが鈍い。ピ
ークはお盆前と予想され、車両不足とドライバーのやりくりに不安がある。また監督官庁の労
務管理も益々厳しくなりつつある。
141.<茨城県 一般貨物自動車>
主要顧客の物流動向が鈍く、組合員の売上げは減少。また燃料価格は値下げ傾向だが、依然
収益は厳しい状況である。
142.<栃木県 貨物軽自動車>
物流の動向が天候に左右されており、7月は特に飲料水や冷凍食品関連貨物は堅調に増加。
しかし、一般貨物は低調でドライバーの高齢化と人手不足が深刻化している。
143.<神奈川県 道路貨物>
例年はお中元や水物の配送等で繁忙傾向だが、英国のEU離脱による不安定化で輸入貨物が
減少。また企業の生産調整や梅雨明けの遅れから消費も低迷し、全体的に物量が減少した。
144.<長野県 道路旅客運送>
節約志向・景気悪化等から夜間客の動きが悪く、タクシー利用低迷が続いていることに加え
て乗務員の減少もあり、売上げと収益が悪化。また大河ドラマ「真田丸」関係の観光客は舞台
が県外に移ったためか減少してきている。
145.<奈良県 貨物運送>
参議院選挙前に経済対策が示されず、また英国のEU離脱等から今後の国内景気への不透明
感が強く、貨物運送の需要は減少して経営環境は引き続き厳しい。
146.<兵庫県 道路貨物運送>
7月も活気のない低迷状態。上半期集計で悪化した昨年度よりさらに20%強の貨物取扱量が
減少。お盆前だけは貨物量が動くとの情報もあるが、短期集中になるとトラックの絶対数が不足
して対応できなくなる。
147.<島根県 道路貨物運送>
荷動きが悪く、長距離輸送だけでなく地場輸送も低調。自動車関連や建材等住宅関係の需要が
落ち込み、合板の出荷量等は前年同月比で3割減。全体的に往路・復路ともに荷物が不足してい
る中、運賃価格の値崩れも懸念される。
148.<香川県 タクシー>
地方の景気後退から長期的に運賃収入や輸送人員が減少し、非常に厳しい。最低賃金の引上げ
も大幅負担増となり、経営が一層圧迫される。