情報連絡員からの報告(要旨) 《製造業》 食料品製造業 1.<北海道 水産食料品> お盆商戦の盛り上がりも鈍化傾向で販売不振が続いている。これから年末商戦の商談も増え てくるので、取りこぼしのない生産営業に取り組みたい。 2.<茨城県 菓子> 中旬まで猛暑が続き、和菓子・洋菓子ともに売上が減少。お盆期間を含め、月全体を通して みても売上は減少し収益は悪化した。 3.<群馬県 その他の食料品> 製麺は依然厳しい業況で、お中元商戦も趣向変化(商品の多様化)から素麺を中心とした乾 麺も苦戦。生麺も多くが苦戦しており、大手業者による市場の寡占化が一層強まっている。 4.<新潟県 米菓> 8月は猛暑が続いたことから、売上は若干低調。円安による原材料価格の上昇と消費意欲の 減退も危惧される。 5.<富山県 豆腐> 好天続きで売上増が見受けられたが、原材料、電気料金、物流費などの諸コストが上昇して いるために景況感はあまり回復していない。 6.<三重県 醤油味噌> 中国経済の悪化等もあり、円高傾向となり、また戻りつつあるが改善までは望めない。相変 わらず景況は低調である。 7.<佐賀県 練り製品> 円安による原材料・副資材の高騰や消費税の支払いなどで業界は厳しい状況となっている。 8.<長崎県 冷凍水産食品加工> 練り製品の主原料である冷凍すり身の価格が、前年同月比で10%上昇し、製造原価を大き く圧迫している。 9.<鹿児島県 蒲鉾> 台風の接近や上陸が続き観光客が減少して、土産用の売上が減少。お盆の帰省客も猛暑のた めか、さつま揚げの売上があまり良くなく、前年同月比でもマイナスだった。 10.<沖縄県 麺類> 季節物の催事が続いて売上は若干伸びたが、大手量販店が販売する安価なプライベートブラ ンド商品との価格競争も続いており、売上に影響が出ている。 繊維・同製品製造業 11.<東京都 ニット製品> 円安に伴う原材料費等の高止まりにより、経営環境は厳しさを増している。また中国の景気 減速が国内景気にも影響を及ぼしており、今後の見通しも不透明である。 12.<岐阜県 紳士服> 消費が停滞し、売上は減少。消費者は物を買うことよりもスマートフォンにお金をかけてい るようだ。春夏商品は店頭小売が非常に悪い。また為替相場の変動により製造単価は上昇。 13.<愛知県 繊維工業> 売上は昨年対比で増加したが中国の景気減速や人民元の切り下げ、米金利上げ観測など複 数の不安定要素を抱えているのが実情。 14.<京都府 織物> 和装品は都市部の百貨店では好調だが、地方の小売店は苦戦。ピラミッドの頂点の商品が売 れても、その利益分は産地メーカーまで還元せず。百貨店の呉服売り場と産地の機屋の利益が 連動しないので今後も厳しい状況が続くと思われる。 15.<大阪府 綿・スフ織物> 国内素材の見直しもあり発注量は堅調だが、価格上昇は期待できず。また小ロット、多品種 の増加で手間やロスも増加。円安に伴うコスト上昇もあり、事業環境は厳しい。 16.<和歌山県 その他の繊維製品製造> 景気回復を期待していたが、それとは裏腹に景気失速感が出てきている。本格的な景気回復 に繋がる経済政策を望みたい。 17.<島根県 アパレル等製造> 仕事は順調だが中国の工賃が上昇し、国内で造る製品とコスト面の価格差が殆ど無くなった。 特にロットの少ない製品は国内で造る傾向にある。 18.<沖縄県 繊維・同製品> 組合が運営する「久米島紬の里ユイマール館」の集客が8月前半は好調だったが、後半は台 風15号の影響で入観客数・土産品売上ともに大幅減。また9月に東京で開催される「沖縄工 芸ふれあい広場」(沖縄県とNPOが共催して沖縄工芸品の販売促進・販路開拓イベント)に 向けての商品製作にも取り組んでいる。 木材・木製品製造業 19.<宮城県 木材> 県内の住宅着工数は全国ベースで前年同月比5カ月連続増となり好調だが、着工数の割には 業況全体の活性化には至らず。また地域や業態による好不況の差も大きくなっており、今後の 住宅着工の伸びがどのくらい実需や価格に結びつくかを注視している。 20.<栃木県 集製材> 例年8月は売上が少ないが、今年も同様。さらに販売価格も下落した。需要よりも供給が勝 って安売り合戦になっている。木材業はコストダウンよりも新たな付加価値の創造が重要だ。 21.<新潟県 建具製造> 学校関係を中心とした耐震工事も行き渡って来た感があり、景況の悪さは継続。仕事量確保 のために同業者間でダンピング競争も始まっているようである。 22.<岐阜県 東濃ひのき> 停滞していた建築物件が動き始めたが、新築に関しては利益率が下落。資材価格も値上げし たいが難しいのが実情。 23.<滋賀県 宗教用品> 依然として経営が厳しい状況にある中での消費税増税やマイナンバー制度実施など、企業負 担がますます増える現状を非常に懸念している。 24.<高知県 一般製材> 全般に低調で、原木の不足による価格高の状態だが製品の価格上昇までには至らず。その一 方で設備老朽化等の問題も抱えている。 25.<福岡県 木材・木製品> 中国の経済不況で木材事情も多少悪化。元の切り下げで円高方向に若干振れたが、買い控え 状態のままであった。また依然として人手不足で製材業者は後継者問題を抱えており、組合員 の減少が危惧される。 紙・紙加工品製造業 26.<北海道 加工紙> 昨年と対比して、今月も引き続きインバウンド需要の影響により、紙器・段ボール箱も若干 だが売上増になっている。 27.<茨城県 段ボール製造> 大手メーカーは業績が良かったが、原材料の値上げによって中小メーカーは前年並か若干マ イナス。売上額は前年並でも収益が悪い。 28.<群馬県 紙製容器> 猛暑により飲料関連は好調だが、後半になって冷夏長雨で青果物関連に影響が出始めている。 また大手や近県からの売込みも多く見られ、販売価格は下落傾向にある。 29.<大阪府 古紙収集加工> 業況は古紙発生が一向に増えない状態。そのため、需給関係は内外需を含め逼迫状態で推移 している。輸出動向はドルベースの下落から中国向けの輸出価格が下落している。 30.<島根県 紙製容器> 先月同様、引き続き商品の動きは低調に推移している。 印刷 31.<福島県 印刷> 運送費や原材料費の高騰から、外注費や製造コストが増大。ネット通販印刷の影響も大きく、 価格を転嫁や上昇させにくい。 32.<千葉県 印刷> 営業日数が前月より少ないこともあり、県内各地で受注が減少。例年、夏休みは個人消費が 活発化するが猛暑や天候不順で結果は良くない。「プレミアム付商品券」も景況感悪化で売れ 残ったり、日用品に回ったりと本来の効果は出ていない。 33.<石川県 印刷> 業界全体の売上がこれまでの前倒し受注や猛暑も伴い予想以上に減少。秋の行楽イベントに 期待したい。収益については上半期の売上金回収に全力投球する。 34.<滋賀県 印刷> 官公庁からの見積依頼は多いが、前年よりも値段を下げないと落札出来ないケースが多々あ る。材料費が上昇しても、製品転化も出来ずにとても厳しい。 35.<岡山県 印刷> 大手教育関連企業の受注減の影響もあり、全体的には売上高は厳しい。また、印刷用紙値上 げは価格転嫁できず収益面でも厳しい状況が継続。 36.<宮崎県 印刷> 一部に「プレミアム付商品券」に伴う特需があったようだが、全体的には依然として業況の 厳しさは増している。 化学・ゴム 37.<長野県 プラスチック製品> 操業は夏季休業の影響で操業日数も少なく、受注も低調。また金型は新規受注もあり製品の 落ち込みをカバーした。スマートメーター増産にも期待するが人員不足で採用が厳しい。 38.<東京都 ゴム製品> 8月から自動車関連部品の受注が激減。今後の受注量も前年同月比で減少する見込みである。 39.<愛知県 高圧ガス> 荷動きは悪く出荷量は低調。中国の急激な景気悪化に対する懸念が増大している。 40.<富山県 医薬品製造業> 配置薬主体の企業では、設備の老朽化に加えて従業員の確保が問題になってきている。 41.<和歌山県 化学工業> 原油価格の下落やインバウンド需要等もあり、景気は緩やかな回復基調と言われているが、 中国経済の失速もあり、個人消費の拡大がなければ先行きは楽観できない。 42.<岡山県 ゴム製品> 売上高は前年より減少する見込み。原油安に急激に動いたが、それまでの価格水準でのカー ボン値上げや合成ゴムなど、値戻しの動きも出ている。 43.<広島県 工業用ゴム製品> アメリカの金利の引き上げ予測、さらに最近の中国における株安から始まる中国経済の大幅 な景気減速の影響もあって、景況の先行き感は不透明である。 窯業・土石製品製造業 44.<岩手県 生コンクリート製造> 出荷量は前年同月比で増加。主因は復興工事の本格化である。一方、県央地区等は公共工事 の減少や民需低迷で減少傾向である。 45.<石川県 粘土かわら製造> 消費増税後、ローコストのハウスメーカーが増加して住宅着工戸数は回復傾向であるが、出 荷量は依然として厳しい。燃料価格・電力料金は徐々に低下しているが、原材料価格は高止ま り状況にも関わらず価格転嫁も容易に出来ず、厳しい状態。 46.<奈良県 鋳物> 売上は不変だが、材料費・電気料金の値上げにより景況は悪化している。 47.<和歌山県 セメント・同製品製造> 4年前の台風災害の復旧工事や高速延長工事等が重なり、ここ数年は出荷に関しての前年比 は右肩上がりで好調だったが、最近工事も終了し、かなりの落ち込みを見せ始めている。 48.<香川県 石材加工> 今期に入ってからの業界の落ち込みは過去に類を見ない。例年なら繁忙期にも関わらず売上 は全く伸びていない。 49.<大分県 コンクリート製品> 月間工事の件数が例年と比べて減少し、公共事業の発注遅延もあって売上げ低下が著しい。 またコンクリート2次製品の需要度が総体的に低下しているようにも感じられる。 50.<鹿児島県 生コンクリート製造> 民需はほぼ前年度の水準を維持しているが、官公需にあっては前年同月比60%余りの大幅 な減少となっている。原因は予算の減少か発注の遅れが考えられる。 鉄鋼・金属製造業 51.<栃木県 金属製品> 自動車関連は大手の下請企業がフル稼働の状況だが、建設機械関連は中国経済停滞の影響で 悪化している。 52.<東京都 ダイカスト製品> 全般的に需要が低迷。特に中国向けの製品において、その傾向が顕著である。 53.<神奈川県 工業団地> 業況は依然厳しく、8月の月例経済報告は国内景気判断を「緩やかな回復基調が続く」とし ているが、一体どこの国のことを指しているのか理解に苦しむ。当組合はこれまで通りに各種 工夫を凝らして頑張るのみである。 54.<山梨県 金属製品> 中国経済失速の影響でアジアの生産が下降。北米はまずまずだが、米国のゼロ金利解除とな ればどうなるか分からない。今後の見通しが立たないのが実情。 55.<三重県 鍍金> 半導体関連は顕著に推移してきたが、8月半ばから徐々に減少しており見通しは不明。特に 同業界は波が大きく、海外の動向にも左右されている。 56.<大阪府 金属処理> 今後の見通しを横這い又は微増とする声もあったが、中国の景気悪化を受けて下降修正が出 てきていることに加えて、天津爆破事故による悪影響を憂慮。ガス価格が下がり始めたのは好 材料だが、顧客からの価格改定要求の懸念もある。 57.<兵庫県 鉄鋼・金属> 業況に力強さがないことに加えて、中国経済減速の影響が大手企業に波及する事態を非常に 懸念している。 一般機器製造業 58.<山形県 その他の電気機械器具製造> 受注が減少。売上に対する在庫量は適正。今後も輸出関連は中国経済失速による影響が不安。 59.<埼玉県 一般機械機器> 設備投資状況が低下傾向にあり、それに伴って受注が減少。販売価格についても値下げ要請 が多く、収益確保のため、経費・取引条件等見直しを図っている。 60.<長野県 一般機械器具> 中国が受注シェア50%を占めており、中国経済の減速を懸念。国内外の新規開拓に力を入 れるように組合員各社に促した。 61.<石川県 機械工作鈑金加工> 直近3ヶ月の外需は前年同月比で右肩下がり。これは中国経済失速の影響と思われる。今後 は国内にも不況が波及して消費低迷を引き起こす事態を懸念。株価乱高下、円の為替変動、原 油の価格変動等も注視していきたい。 62.<福井県 機械工業> 輸出関連企業は上向きで推移していたが、ここにきて停滞感が出てきた。業種の牽引役が失 速し、厳しい状況が続いている。 63.<三重県 一般機械器具製造> 中国経済の停滞や輸出不振、世界同時株安等によって個人消費も伸び悩み、景気の踊り場感 が強い。仕事量が減少したとの声も出ている。 64.<徳島県 機械金属> 受注に上昇の兆しが見られるが売上高や収益状況は不変。景気の先行き不透明感が依然とし て強く、今後も中国の景気失速に伴う国内経済への影響を懸念。 65.<愛媛県 鉄工> 国内での新規設備投資が低調なことに加えて、中国の景気減速により新興国での需要が望め ず低迷する状況。一部業種においては操業度が上向いてはいるが受注単価の上昇には至らず、 円安による電力料金や資材価格の高騰により厳しい経営状況が続いている。 電気機器製造業 66.<長野県 電子機械器具> 資材関係や労務費の上昇により利益確保が難しい。景気は良くない。 67.<静岡県 電気機械器具> エアコン等の白物家電品の売上が増加したが、売上増は猛暑による一時的なものであり、本 格的な景気回復と言える状況ではない。 68.<富山県 電子機器用部品> スマホ関連は引き続き堅調に増加。電装化が進む自動車関連は販売台数の減少もあり横ばい。 69.<京都府 電気機械器具> 太陽光等再生エネルギー、半導体関連機器の受注が減少傾向。大型設備投資は依然低調な状 況が継続しているが、下期に期待したい。また機械・電機分野の技能・技術者確保が困難な状 況にあり、後継者問題が大きな課題。 70.<兵庫県 電気機器> 軽自動車増税に伴う駆け込み需要の反動影響が続いていることに加えて、中国の景気減速・ 株価急落の影響で販売が低迷しており、アセアンも同じく厳しい状況。 71.<福岡県 電気機器> お盆前までは忙しかったが、その後は落ち着いた。今後の株価、為替の動きを懸念しており、 動向を注視している。 輸送用機器製造業 72.<静岡県 輸送用機械器具> 軽自動車の販売・生産量の減少に伴って、各社で収益確保が厳しい状況。 73.<愛知県 輸送用機器> 自動車関連企業は順調に推移しているが年末にかけて人手不足が強まる傾向。世界同時株安、 中国経済の減速が長引くと今後の日本経済や製造業への悪影響が心配される。 74.<岐阜県 輸送用機器> 売上は前年同月並みに推移。民間航空機関連は受注増でこの流れは継続する傾向。ただし、 グローバルな価格競争が熾烈になってきている。今後は国内外の転注の動きにも注視していく。 また各社とも設備投資計画が旺盛であり、ものづくり補助金を活用している。 75.<山口県 鉄道車両・同部品製造> 鉄道車両部門は緩やかな上昇の兆しで作業量も確保できそうだが、コスト低減要請は厳しく、 収益増までは至らず。精密加工部門の作業量は足踏みの状態で先行きが不安。 76.<香川県 造船> 新造船の海外需要が日本に集中している。かつては中国、韓国にも需要があったが付加価値 の水準に技術が達していないために日本の船質が買われ、建造投資が拡大基調にある。 77.<愛媛県 造船> 円安傾向により受注環境が改善され、安定操業を維持しているが、世界的な船腹過剰で海運 市況は冴えず、中でも中国経済の減速を背景に鉄鉱石や石炭などを運ぶバラ積船の運賃市況の 低迷も発生している。 その他の製造業 78.<山梨県 貴金属・宝石製品> 8月に開催されたジャパンジュエリーフェアが世界同時株安の影響で海外バイヤーのキャ ンセルが目立った。特に、中国からのビックバイヤーのキャンセルが相次ぎ取引が低迷した。 79.<兵庫県 毛皮革> 中国の旺盛な買い付けと世界的な牛飼育数減少があり、原皮価格の上昇が続いていたが減速。 ただし、原皮及びなめし薬剤・染料系の高値は継続中で販売価格に転嫁するにも自助努力も限 界に近く、非常に厳しい状況。 《非製造業》 卸売業 80.<青森県 りんご卸売> 今後、来年産りんご(早生等)の販売が本格化するが本年の価格では推移しないものと思 われ、仕入れ・販売についても注意が必要。また異常気象により野菜が高騰するなど販売環 境も悪く、いつまた災害や水害等が起きるかわからない。 81.<福島県 再生資源> 中国経済の失速や円高傾向によって金属スクラップ、鉄・非鉄とも価格は大幅下落し収益 が悪化。古紙についても中国向け輸出が減少し国内需要も縮小傾向で、今後の動向は楽観視 できない。 82.<長野県 各種商品> 猛暑の影響で出荷が早まっているがピーク時には供給不足となり、価格も高値となる。しか し高値の時は利益も減り売上も激減している。 83.<神奈川県 卸センター> 今後、円高傾向に振れて安価な商品が国内市場に入ってくると状況がどう変化するか。そこ が今後のポイントとなる。 84.<山梨県 紙・紙製品> 中国経済の悪化の影響により9月分の入札が10~20%ダウン。今後も引き続き需要減少 が継続すると思われる。 85.<愛知県 陶磁器> 天津爆発事故により出荷港を変更したため、輸入品の遅れが生じている。今後も中国経済の 情勢に翻弄されるのではと危惧している。 86.<京都府 機械器具> 機械受注が大きく減少し、外需は31%ダウンして過去のピーク時より4割減の状況。中国 の株安の影響で景気は低迷しているようだ。 87.<奈良県 青果> 例年になく野菜・果実とも気候不順(6月日照不足・7月異常高温)による不作のため、商 品価格が高騰。また不良品も多く返品率等も上昇したために利益額は昨年同月を下回った。 88.<広島県 総合卸売> 中国客船の広島寄港によるインバウンド効果は期待外れとなり、消費動向も概ね横ばいで推 移。原油安からガソリン価格は値下げ傾向だが、トラック不足から運送コストは上昇傾向にあ る。 89.<島根県 各種商品> 中国の景気減速と元切り下げで鉄鋼の輸出圧力が高まり、東南アジア各国の相場は、30~ 40%切り下がった。今後は国内へも影響が拡がる見込みである。 小売業 90.<青森県 燃料> 原油価格が下落し、それに伴って卸価格も値下げが続いて収益確保が困難な状況となり、資 金繰りも厳しい。 91.<茨城県 中古自動車> 中国経済の減速により、輸出が少々悪化。それに伴いオークションの活況も沈静化。国内の 新車販売不振も業況に影響している。 92.<千葉県 各種小売> ファッション関連品は夏物処分しかないので厳しい月である。また組合員の資金繰りも厳し く、転貸事業の継続が不可欠になってきている。 93.<静岡県 鮮魚> 猛暑の影響で海水温が上昇し、漁獲量が減少。魚価も高値で安定し、販売も不振だった。 94.<奈良県 石油> ガソリン価格は昨年比30円前後の下落。月前半は、猛暑と好転によりガソリン消費は上 昇したとみられるが、店舗間の価格競争も一段と激しく、組合員のフルSSは依然厳しい。 95.<佐賀県 食料品> お盆を家庭料理で迎える文化が退潮しており、盆商材の鱈、蟹、海老類が売れずに惣菜の 鉢盛、握り寿司が主流。今年は北海道産「さんま」の入荷量が順調なので売上を期待したい。 96.<香川県 電気> 8月中旬までは猛暑でエアコンが品切れになっていたが、お盆明けからは一転。8月前半は 売上増であったが、後半は動きがなくなった。 97.<長崎県 食肉販売> 天候不順でレジャー需要にキャンセルが相次ぎ、各地の恒例イベント等も中止となり売上 減少。また昨年末より異常な高値で推移している畜産物の原料相場も更なる上昇傾向にあり、 全く利益の出ない厳しい状況。 98.<熊本県 各種商品> 「プレミアム付商品券」等の効果もあったが、競合店対策が充分でなかったため、売上及び 客数が目標にまでは達していない。 99.<宮崎県 LPガス> イランの核協議が合意に至ったことで制裁解除となり、今後の原油輸出再開の見込みが立った こと等に起因して原油価格が下落し、LPガス価格もそれに追随する形で3ヶ月連続の下落とな った。 商店街 100.<秋田県 秋田市> 家電小売では冷房機器の買換やLED助成金を活用した照明器具の需要があったため、売上 は前年同月比で増加となった。 101.<宮城県 大崎地区> 毎年恒例のイベントが開催されたが、商店街の集客は減少。連日の猛暑に加えて「災害復興 公営住宅」の建設などで商店街が「住宅街」化するなど、中心部の求心力低下していることも 原因ではないかと分析している。 102.<群馬県 藤岡市> 連日記録的な猛暑が続いていたが、下旬は一転して長雨で肌寒さを感じる日が続いた。後半 は季節商品の動きが完全に鈍ってしまい、前年よりもやや悪い状況である。 103.<千葉県 柏市> 前半の猛暑、後半の雨続きと路面店では最も悪いパターンに終始した。「プレミアム付商品 券」の効果も限定的で大型店やショッピングモールでの使用が多い。業況は一部の飲食店で改 善が見られたが、物販は低迷している。 104.<京都府 京都市> 猛暑が集客に影響している。インバウンド需要も落ち着いており、特にお盆以降は極端に減 少した。また高級品よりも低廉品の需要が高くなって来た背景には中国経済の失速が影響して いるかもしれず、今後の消費動向が不安な時期に来ている。 105.<山口県 山口市> 夏物バーゲン商戦、中元商戦は前年売上を上回れず、例年並み。「プレミアム付商品券」も 売上増に貢献しているとは言えない。「世界スカウトジャンボリー」のイベント参加者が来街 したが、商店街としての対応も不十分であった。 106.<香川県 高松市> 8月前半は猛暑、後半は雨天・日照不足で野菜類の値段も高騰して飲食店にとっては厳しい 状況。大きなイベントもあったが、人出は減少傾向。「プレミアム付商品券」の利用も始まっ たが、券の現金化がすぐに行えずに不便との声も聞かれた。 107.<大分県 由布市湯布院> この2年の間に鮮魚店、玩具店、その他が立て続けに廃業閉店して、通りにとって深刻な痛 手。特に駅前通りに近い店舗のため、入り口付近でUターンする顧客も出るなど影響は大きい。 108.<沖縄県 沖縄市> 旧盆の売り出しにも関わらず、昨年比で30%売上が減少。大型店で大半の買物が出来てし まう利便性、また大型店同士による価格競争の激化等が原因ではないかと考えられる。 サービス 109.<北海道 ソフトウェア> 10月から始まるマイナンバー制度に関する発注で1社当たり100万円強、1,000人 規模では500~600万円とも言われるシステム開発費用が必要となることから、特需の発 生を予測している。 110.<福島県 温泉旅館> 8月前半は猛暑の影響で客足が遠のいた感があったが、後半は一転して長雨続きで夏休みの 集客に水を差す結果となっている。 111.<埼玉県 廃棄物処理> 中国経済減速と原油価格の下落等によって、廃プラスチック輸出にも影響が出始めている。 日本の廃プラ輸出先の大半は中国であり、輸入実績確保のために現在も輸出は継続されている が今後の情況は不安定である。 112.<岡山県 リサイクル業> 中国の粗鋼生産過剰・世界同時株安、また鉄鉱石や鋼材価格の下落等による影響で国内鉄ス クラップ価格が月間2,000円(7~8月では△4,500円)も値下がり。今後も価格は 弱含みで推移するとの見方が強い。 113.<愛媛県 ビルメンテナンス> 一部に新規採用予定の企業もあるが募集しても応募が少なく、人手不足。また10月から県 の最低賃金も上がることになっており、引き続き厳しい状況が続いている。 114.<高知県 飲食店> 先月に続き、売上げ減少で非常に厳しい。物価上昇(特に野菜)による原価率の高騰が収益を 圧迫。また喫茶業界の顧客は高齢層が多く、天候不順もあって客足が悪い。 115.<鹿児島県 旅行業> 口永良部島・桜島噴火の影響で観光客は減少傾向。一方、東京・大阪のテーマパークツアー は家族層を中心に好調だった。 建設業 116.<岩手県 塗装工事> 受注は順調だが天候不順と人手不足、また下請業者の確保難のために工期の遅れが心配。 117.<宮城県 シーリング工事> 震災復興関連の工事を中心に需要が旺盛で、業界をあげて多忙な状況。加えて例年、秋口は 繁忙期に入るので、人出不足を懸念。また盆休み以降の連日の降雨により、各物件とも遅れが 生じていることを危惧している。 118.<埼玉県 塗装工事> 8月前半は猛暑、後半は悪天候のために仕事が捗らず困惑している。 119.<神奈川県 電気工事> 元請企業からの発注金額が低迷。人材不足も見受けられる。 120.<新潟県 左官工事> 夏休み工事により売上高が増加しているが、高齢者の退職等で人員が減少しており、他社から の応援でしのいでいるのが実態で、経費増加によって収益状況も悪化している。 121.<富山県 管工事> 原材料、資材単価や運送費の上昇や為替変動などの影響により、値上げが相次い でいる。共 同購入している材料にも値上げ打診がきており、組合員はますます薄利の状況が続く。 122.<鳥取県 建設> 公共工事は件数、金額ともに減少。今後の見通しも不透明。 123.<熊本県 鉄骨工事> 業界は好況に見えるが、実際には工事図面等がなかなか決まらず、工事の遅れが生じて鋼材を ストックしておく場所に苦慮している組合員も多い。 運輸業 124.<青森県 一般旅客自動車運送> 10月よりタクシードライバーの登録制度ならびにマイナンバー制度が実施され、管理業務が 増加せざるを得ない。 125.<秋田県 トラック運送> 秋田発の主力品目である紙類や合板の荷動きが悪く、東北の中でも一番荷動きが悪いのではな いかと感じる。 126.<栃木県 貨物軽自動車運送> 前半は猛暑で飲料水や保冷食品の輸送が増大したが、中旬以後は輸送量が減少。また中国経済 の減速による輸出関連貨物が減少傾向にあり、今後の動向を懸念。相変わらずドライバー不足も 深刻な状況である。 127.<東京都 貨物自動車運送> 中国経済の失速や円高等の進行により、今後の貿易貨物量の縮小を危惧。本年1~4月の東京 港における外貿コンテナ個数も前年同期より約8%減少しており、不安感が増している。 128.<福井県 運輸> 軽油価格が値下がりし、経費コストが低下によって収益状況は好転。ただし、運転手の人材確 保は困難であり、受注対応の面で苦慮している。 129.<広島県 貨物運送> 軽油価格は中国経済の低迷により、原油価格が大幅値下げ。リーマンショック以降最大の値下 げ幅となっている。想定外の値下げで反発の恐れはあるが、国内メーカーの荷動きに期待したい。 その他の非製造業 130.<兵庫県 物品賃貸業> 中国経済への不安感から円高傾向に振れれば輸入資材関係の価格が落ち着くか。いずれにし ても急激に収益性が改善するとは思えない。
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