Ⅴ施工(17.ガラス工事) ①重要事項の解説 「17.ガラス工事」で2回以上繰り返し出題のある重要項目(H8~H27)は、下記の通りである。 ガラスの種類は以下の通り。 種 類 特 徴 フロート板ガラス 一般的なガラス 熱線反射ガラス 熱線反射(金属酸化物)を焼き付けたガラス、傷つけないようスポンジ清掃 強化ガラス フロート板ガラスの3~5倍の強度、穴あけなど一切できない、粒子状破損 倍強度ガラス フロート板ガラスの2倍の強度、製品の切断ができない 合わせガラス 2枚のガラスを接着力あるポリビニルチラーの中間膜を設けて密着させたもの (1)グレイジングチャンネル ※過去に選択肢問題として6回出題有 ・外部に面する複層ガラスの取付けは、グレイジングチャンネルを用いない。 ・ガラスの四周に巻き付けたグレイジングチャンネルは、ガラス上辺中央部で突き合わせる。 ・ジッパーガスケットは、クロロプレンゴム等の押出し成形によりつくられたもので、ガラスの保持と水密機能を有し、 P形、Y形ガスケットがある(グレイジングチャンネル構法とは異なる)。 (2)熱割れ ※過去に選択肢問題として6回出題有 ・熱割れとは、太陽熱を受ける部分と受けない部分との膨張差による内部応力でのガラス破損現象である。 ・冷房負荷の軽減効果がある熱線吸収板ガラスは、フロート板ガラスに比べて、熱応力による熱割れが 生じやすいので、厚さ8mm以上の場合、熱割れ計算の検討が必要である。 ・板ガラスの熱割れをは、フロート板ガラスに比べて日射吸収率の高い熱線吸収板ガラスの方が起こりやすい。 ・ガラスの熱割れ防止対策の検討のため、建築物の立地、開口部の方位、ガラスの光特性・熱特性等により 熱応力を算出し、ガラスエッジの許容応力と比較した。 (3)DPG構法 ※過去に選択肢問題として6回出題有 ・DPG(ドットポイントグレイジング)構法のガラスは、ガラスの点支持金物の固定を考慮して、強化ガラスとした。 ・DPG構法の強化ガラスで、支持構造と連結するための点支持用孔は、強化加工前に工場で加工した。 ・DPG構法のガラスの穴あけ加工は、穴の外周からガラスエッジまでの距離を、30mm以上で穴の直径以上とした。 (4)SSG構法 ※過去に選択肢問題として4回出題有 ・SSG構法は、ガラスの周辺において構造シーラントを用いてガラスの支持部材に接着する辺を有し、ガラスの 強度計算において構造シーラントの接着辺を強度上の支持辺とみなす構法をいう。 ・SSG(ストラクチュラルシーラントグレイジング)構法で、構造シーラントの接着力によりガラスを固定しているので、 構造シーラントの劣化を抑えるために、紫外線透過率が低い熱線反射ガラスを採用した。 (5)熱線反射ガラス ※過去に選択肢問題として4回出題有 ・熱線反射ガラスの清掃は、ガラス表面の反射膜に傷を付けないように、軟らかいゴム、スポンジ等で水洗いする。 (6)強化ガラス ※過去に選択肢問題として4回出題有 ・強化ガラスは、現場において、所定の大きさに切断することができない。 ・強化ガラスは、フロート板ガラスを熱処理してガラス表面に強い圧縮応力層をつくり、破壊強さを 増加させたものであり、破損時の破片は、細粒状となる。 (7)セッティングブロック ※過去に選択肢問題として3回出題有 ・セッティングブロックは、サッシ下辺のガラスはめ込み溝内に置き、ガラスの自重を支持する材料である。 ・引違い窓のセッティングブロックは、フロート板ガラスの両端部からガラス幅の1/4の位置に設置した。 (8)エッジクリアランス ※過去に選択肢問題として3回出題有 ・エッジクリアランスとは、板ガラスがサッシにはめ込まれるときのかかり代のことである。 ・ガラスのエッジとはめ込み溝の底との間のクリアランス(エッジクリアランス)が十分でないと地震時に割れる。 (9)倍強度ガラス ※過去に選択肢問題として3回出題有 ・倍強度ガラスは、フロート板ガラスを熱処理した加工ガラスで、同厚のフロート板ガラスに比べて、 約2倍の耐風圧強度を有しているが、加工後の切断はできない。 ・倍強度ガラスは、破損時にサッシ枠内にガラスが止まり、落下防止となるガラスである(粒状破損は強化ガラス)。 (10)かかり代 ※過去に選択肢問題として3回出題有 ・かかり代は、風圧力による板ガラスの窓枠からの外れ防止やガラス切断面の反射を見えなくするために必要である。
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