防災 安全・安心をガラスから ガラスは変形や衝突により割れる性質があり、一旦割れると人体や財産に重大な危害を及ぼすことがあります。安全と安心のためには、ガラスの特徴を理解し、設計・施 工および維持保全において適切に対応することが必要です。 ガラスの破損に繋がる可能性があるものとしては、日常の人体衝突等や自然災害(地震や台風・竜巻等の強風) があります。人体衝突に対するガラスは「安全ガラス」 、自然 災害に対しては、 「防災に有効なガラス」 (地震時に有効なガラスおよび強風時に有効なガラス) と呼ばれ、いずれも「合わせガラス」が最も有効であるとされています。 下図に災害によってガラスに生じる外力と、それに対応できるガラス種類を示します。 災害の種類 外力の生じる原因と、 外力の例 自然災害 強 風 人災 (事故、事件etc.) 家具、 什器の激突など 層間変位 (適正なクリアランスを設けて 破損させないのが基本) 飛来物の衝突など 風圧 (風圧強度を検討して板厚を決めて 破損させないのが基本) 防災に有効なガラス (地震時に有効なガラス) 万が一破損した 場合の備えとして 防災に有効なガラス (強風時に有効なガラス) 万が一破損した 場合の備えとして 日常の事故 人体衝突 安全ガラス 泥棒など こじ破り、 打ち破り、 焼き破り 防犯ガラス 火 事 温度衝撃 安全・安心ガラス 地 震 機能から見たガラスの呼び名 防耐火ガラス (参照文献: 「安全・安心ガラス設計施工指針」 の手引き) ・他に防弾用、防爆用のガラスなどもある。 ・防犯ガラスと防火ガラスについては、 ここでは主な対象としない。 安全・安心に配慮した板ガラス製品 安全性を期待できるガラスには、合わせガラス、強化ガラス、合わせ強化ガラス等があります。 各板ガラスの特性と、使用部位に求められる安全性から商品選択を行って ください。 048 合わせガラス 強化ガラス フロート板ガラス 破片が飛散しにくく、耐貫通性に優れる。 同厚フロート板ガラスの約3倍の高強度。 破片が小粒になり、鋭利な破断面にならない。 鋭利な破片となる。 2枚のガラスで特殊なフィルムをはさんでいるため、 ガラス片の飛散や貫通もほとんどありません。中間 の特殊フィルムを厚くすることで、耐貫通性もより大 きくなります。 代表的な商品名 ラミセーフセキュリティー スクールセーフィー 等 フロート板ガラスの約3倍の強度があります。破損し た場合、ガラス片が小粒状になり、大きなケガから人 体を守ります。衝撃物は、ガラスを飛散させて貫通し ています。 代表的な商品名 テンパライト スクールテンパ 等 一般的に多く使われているガラスで、破損すると鋭 利なガラス片が残り、非常に危険です。衝撃物はガラ スを飛散させ貫通してしまいます。
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