中国地区化学工学懇話会 会長挨拶

中国地区化学工学懇話会 会長挨拶
平成 27・28 年度会長
三井化学株式会社 岩国大竹工場 永松茂樹
昨年度に引き続きまして、平成 28 年度の本懇話会会長を務めるに当たり、ご挨拶を申し上げます。
さて、経済環境は報道等にありますように大きくゆれ動いていて、先を見通すことは大変に難し
い状況にあります。内閣府の月例経済報告(平成28年5月)から見てみますと、世界及び日本の
景気は、弱さがみられるものの全体としては緩やかに回復していて、今後も回復の続くことが期待
されていますが、一方、世界経済は、アメリカの金融政策正常化の影響、中国を始めアジア新興国
等の経済の先行き、原油価格等の下落の影響、金融資本市場の変動の影響等について留意が必要と
され、日本経済においても海外の景気下振れによるリスクが懸念されています。
このような環境の下、日本企業がグローバル競争に勝ち残るためには、化学産業の果たす役割は
従来にも増して重要になっています。日本の部材産業は競争力が高いと評価されていますが、これ
からも化学産業界には更に差別化された素材・製品を創出するイノベーションを求められています。
したがって、これを担う優秀な技術者の育成が重要であり、その中において化学工学系技術者は、
化学産業をはじめとする製造業で幅広く活躍しており、人材育成のため本懇話会の果たす役割は大
きいものがあります。
本懇話会は「化学工学に関する学術および技術の発展と会員相互の親交を図ること」を目的とし
て、研究会・講習会・講演会・化学工学教育支援など様々な活動を行い、人材育成と人材交流の機
会を提供しています。今年度も、
・セミナーでは第一人者の講師による最先端技術の紹介と先生方との交流を積極的に進めます。
・新技術交流会では会員企業の技術や製品の紹介を通して異業種間交流を深めます。
・基礎化学工学講習会を開催して企業の化学工学系実務面での人材育成の場を提供します。
本懇話会では、上記の活動に加え化学産業にとって最優先課題である安全確保の更なる向上にも
取り組んでいます。熟練技術者の減少、設備の老朽化などの現在直面している課題に対して、化学
プラントの設備管理、保全技術の向上は今後ますます重要となっており、その勉強会であるプラン
ト保全研究会を開催しています。
最後になりますが、今年度も本懇話会の目的である「産官学連携・異業種間交流・人材育成」を
一層進め化学工学に関わる学術及び技術の進歩へ貢献することを目指して、役員・会員の皆様とと
もに取り組んでまいります。引き続き、会員の皆様のご協力をよろしくお願い申し上げます。