かなであん No.278

ざい
浄土真宗本願寺派 慈雲山龍溪寺 奏庵
2016.6.20 発行
kanadean
No. 278
249-0002 逗子市山の根1-7-24
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なか出てくれませんでしたが、
本願に応えて生きる 逆にそれが、お経も法話も会
「はい自分でしなさいと言わ
れてもできないけど、先生がし
昨夏、70年の人生で初め
話も思うようにできない僧侶
てくれるのだから大丈夫です」
の生き方を考える時間を作って
と応えたことなどを思い返し、
て悪性リンパ腫という大病を
くれ、何度も繰り返し思い直
多くのお念仏の仲間に恵まれ
得てより、治療の生活が1年
す時間に恵まれたことを、癌
ている喜びもありました。 近くになります。 で得た「ありがたい」経験だっ
* * * 今思えば、去年の梅雨の頃
たと思っています。 他力は一方通行ではないの
には既に体調を崩しかけてい
* * * です。それに応えてお任せする
たように思いますが、お盆過
大病になって「いのち」を
私がいなければなりません。
ぎに声が出なくなって耳鼻咽
思わない人はいないでしょう。
それは健康な日々でも同じです。
喉科で診てもらうと「すぐ総
「死」に恐怖を感じることは
そこに求められているのは、
合病院に…」とのこと、その診
一度もなかった私も、縁ある
百点満点の「答え」ではない、
断にただならぬものを感じな
人との別れを思うと解決しき
時にとぼとぼとおぼつかない
がらも「方針(行き先)の定
れない感情におそわれ、お釈
「応え」であっても、その一
まらない」時間はことさらに
様の教え「生老病死」の四
瞬一瞬に応えられる柔らかな
長く感じられ、ときには焦り
苦、「愛別離苦、怨憎会苦」
心です。その心が念仏のみ教え
と不安を味わいました。最終
などの八苦が説かれていること
だったのです。 的に信頼する掛かりつけのお
に「ほんとうになあ」と素直
そのいのちも、「力なく終
医者様が病院を決めて下さり、
に頷かされたのでした。そして、
わるとき、浄土へはまいるべ
呼吸不全に陥っていたことか
「ただお任せ」と説かれてあ
きなり」の親鸞聖人のお言葉
ら即入院となり、病室のベッ
る浄土真宗の信は、教義を学
通り、自分の生きる力がなく
トに横になっただけなのに楽
び理解できたら完成ではない。
なって、大慈悲にお任せするば
になったような気がしたとき
それにただただ応えるしかで
かりのときが必ず来ます。 を忘れることができません。 きない自分という衆生がいる
阿弥陀仏のご本願は「応當
その日からは抗がん剤など
からこそだったのだと今更な
発願」、衆生病むがゆえに、
何本もの点滴につながれ、次々
がら味わっていました。生き
苦悩を抱える私たち衆生を目
部屋に持ち込まれる医療器具
るということは、やはり「お
当てに建てられた誓いである
による検査や処置が目まぐる
任せ」であり、刻々の「応」
ことを今更ながらに領解させ
しく続きましたが、迷いや疑
の積み重ねだったのです。 てくれた一年でした。
いもなく、その時その時にた
「今しばらく生きて、お浄
これからもいのちのある限
だ「応える」お任せでした。
土には一緒に往こう」とくれ
りいろんな苦難はあるでしょ
正式な病名とどの程度である
た、人工透析でいのちを繋い
う。その時その時に「応え」
かを知らされたときにはある
でいるカナダの親友とのメー
ながら、皆さまと共に「お念
程度の覚悟をしましたが、病
ルのやりとりや、若くして癌に
仏」をお味わいしていけたら
状が改善されていくのを実感
なった甥が、過酷な説明のの
と思っています。 できる日々でした。声はなか
ち手術の承諾を求められ、 合掌
編 集 後 記
お盆のお参り
またまた日本の首都の知事が「政
奏庵法座 今年も夏の訪れとともに
治と金」で辞職した。それも世論
「お盆」が巡ってまいりま
が口を揃えて評する「セコイ」金
日 時
す。お盆は教えに則ってと
の使い方でだ。■公務にファース
6月26日(日)
トクラスや豪華スイートルームを利
いうより地方色が強く、地
用したと責められていた頃には、
午前11時より 方によっては新暦、旧暦と
大東京なのだからそれくらいいい
異なっていますが、それに
じゃないかという思いもしていた
「真宗宗歌」
向かって故郷に帰省すると
が、弁明する彼が醸し出す何とも
正信偈
いう慣習となって日本人に
言えない賤しさに、多くの日本人
住職法話 に「過ちて改めざる、是を過ちと
しっかりと培われてきたこ
謂う」「過ちを観て仁を知る」の
ご文章拝読
とは、仏縁が楽しい記憶と
ごとく、彼の人格のなさを知らし
「恩徳讃」
なるご縁となった結果なの
めてしまった。■ベストセラーに
∼*∼
でしょう。 なっていた彼の著書が報道され、
おとき 浄土真宗では、霊が行っ
その「天に唾す」ぶりが可笑しく
も哀れだ。そこにある主張が自分
たり来たりする教えはあり
の信念ではなく、人をやっつけよ
梅雨に入りましたが、水不
ませんが、先人から脈々と
うとした攻撃の言論であったとい
足も言われています。雪国の
伝えられた仏さまとのご縁
うことは、自分にも大いに同じ部
人間にはありがたい少ない雪
を大切に、家族揃って本来
分があるからだという心理分析が
も原因の一つと言われ、この
のお盆の意義、仏さまのお
頷ける。自分の頭の良さを絶対と
不足を補うには被害をもたら
してきた彼も、それがやりたい自
はたらきにふれていただく
分を抑えることができなかった本
すほどの豪雨が必要だと聞き
ご縁としてお勤めしていま
性は、頭の良し悪しに関係のない
ます。時に脅威な自然ですが、
す。特にお盆の飾りは必要
人間性なのだ。■「考えが甘かっ
その自然なしに生命は育まれ
ありません。清々しく仏前
た」と過ちを認めて謝れば、めめ
ません。私たちは不遜にもそ
を整えてお勤め下さい。 しい奴の小さな不祥事で終わった
のメカニズムに抗うようなこ
かもしれないのに、潔さのなさと
龍溪寺では7月、8月、
言い訳は醜く、あの号泣議員と同
とをしているのではないでしょ
お参りいたします。初盆な
レベルだが、周りはバカで自分は
うか。今月は日曜に当たり、
どで日時指定をご希望の方
賢いという傲慢さで買った顰蹙度
違った方のお顔も見れるので
は早めにご依頼下さい。ま
はダントツに高い。みみっちい策
はないかと楽しみにお待ちし
た庵へのお参りは、お盆期
士がみみっちい策に溺れる姿は見
ています。お参り下さい。 苦しい。■そしてうやむやのまま
間中はいつでもできるよう
話題は次期都知事に移っている。
になっております。 同じ間違いを繰り返せば、それは
どうぞお参り下さい。 間違いではなく、それが日本人の
本性だと思われかねないのに、相
も変わらずの知名度重視候補に同
ご懇志ありがとうござい
じ臭さがある、せめて見てくれだ
ます。龍溪寺への送金は けでも気分の悪くならない顔はい
ないのか…。「末は博士か大臣か」
○ ゆうちょ銀行 と言われたのは過去のこと、昨今
の政治家を見ていると、ちゃんと
○ 19060­2 した人は政治家にはなりたくない
ー3338701
と思ってしまっているのだろう。
*必ず「リュウケイジ」
職分を貶めるのは、他でもないそ
を確認の上ご送金下さい。
の仕事に就いている当事者の資質、
坊主もしかり……か。 Norimaru