マーケットの見方(No.101)を掲載しました。

2016年6月20日
あおぞら投信株式会社
『国破れず 山河もあれば 人もあり
ウィンブルドン 他所から集うや』
イギリスでの国民投票が6月23日に行われます。これは1973年イギリスがEC(欧州共同体)加盟直後の1975年に
行われたEC残留に関する国民投票以来2度目のこととなります。その時は残留という結果でしたが、今回の投票で
イギリスがEU(欧州連合)離脱を決めれば、EU拡大60年の歴史にとって初の脱退を意味することとなります。EUの
加盟国数はイギリスが加盟した1973年は9カ国でしたが、現在は28カ国まで増えています。ユーロ圏(通貨)の拡大
ペースもほぼ同じで、1999年の11カ国から現在は19カ国となっていますが、この間EUを離脱した国は1カ国もあり
ませんでした。ではなぜ今イギリスでは離脱の国民投票が行なわれるのでしょうか。
イギリスにとってEUに加盟している経済面でのプラス効果は大変大きく、輸入先で第一位、輸出先で第二位のド
イツをはじめとして交易相手の最大地域であり、またロンドンの金融街であるシティはヨーロッパ金融のハブとして
機能しており、離脱となった場合の経済的な打撃は世界経済にも影響を及ぼすと見られています。それでも世論調
査では、離脱と残留が拮抗している理由は、現在のイギリスが抱える課題である「国民のプライドとヨーロッパ各国
との関係」についての意見が分かれているからだろうと想像します。そもそもEUに加盟しながら統一通貨である
ユーロを受け入れず、未だに自国通貨ポンドを保っている国であり、様々なヨーロッパ問題から距離を置き独立性
を保ちつつ他国との経済的メリットを取りたい、という思いがあるのでしょう。また、現在のロンドン市内が世界で最
も多国籍文化を感じさせるようになった移民問題も、心理的には大きなマイナス要素となっています。そのような中
での国民投票は、今後の国家通商を考える意味で日本にとっても他人事ではないと考えます。
EU(欧州連合)加盟国の変遷(1967年~2016年)
EC(欧州共同体)1967年~1993年
EU(欧州連合)1993年~
27ヵ国
15ヵ国
12ヵ国
9ヵ国
6ヵ国
オランダ
ルクセンブルク
イタリア
フランス
*1
ドイツ
ベルギー
イギリス
アイルランド
デンマーク
オランダ
ルクセンブルク
イタリア
フランス
ドイツ
ベルギー
10ヵ国
ギリシャ
イギリス
アイルランド
デンマーク
オランダ
ルクセンブルク
イタリア
フランス
ドイツ
ベルギー
スペイン
ポルトガル
ギリシャ
イギリス
アイルランド
デンマーク
オランダ
ルクセンブルク
イタリア
フランス
ドイツ
ベルギー
スウェーデン
フィンランド
オーストリア
スペイン
ポルトガル
ギリシャ
イギリス
アイルランド
デンマーク
オランダ
ルクセンブルク
イタリア
フランス
ドイツ
ベルギー
ルーマニア
ブルガリア
スロベニア
スロバキア
ポーランド
マルタ
リトアニア
ラトビア
ハンガリー
エストニア
チェコ
キプロス
スウェーデン
フィンランド
オーストリア
スペイン
ポルトガル
ギリシャ
イギリス
アイルランド
デンマーク
オランダ
ルクセンブルク
イタリア
フランス
ドイツ
ベルギー
28ヵ国
クロアチア
ルーマニア
ブルガリア
スロベニア
スロバキア
ポーランド
マルタ
リトアニア
ラトビア
ハンガリー
エストニア
チェコ
キプロス
スウェーデン
フィンランド
オーストリア
スペイン
ポルトガル
ギリシャ
イギリス
アイルランド
デンマーク
オランダ
ルクセンブルク
イタリア
フランス
ドイツ
ベルギー
1967 年
1973 年
1981 年
1986 年
1995 年
2004 年 /2007 年
2013 年
発足
第1次拡大
第2次拡大
第3次拡大
第4次拡大
第5次拡大
第6次拡大
*加盟時は西ドイツ
出所:外務省HPよりあおぞら投信作成
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