会員向けSDGsへの取り組み状況実態調査 結果概要 調査期間:2015年7⽉24⽇-8⽉25⽇ 2015年12⽉4⽇ Global Compact Network Japan Copyright © 2015 GCNJ All Rights Reserved. 1 Contents 1. 調査実施概要 2. エグゼクティブ・サマリー 3. 調査結果概要 a. ⽬標別取り組み状況/展開地域 b. 認知度 c. 課題 d. 取り組みの担い⼿とパートナーシップ e. 影響度と事業機会 f. 今後の取り組み g. 経営層の認知度追加調査 4. Key Findings Appendix Copyright © 2015 GCNJ All Rights Reserved. 2 1. 調査実施概要 調査の⽬的 • GCNJ会員企業・団体のSDGsの取り組み状況の実態把握 • SDGsの啓発・広報活動の基礎資料とするため アンケート調査の内容及び⽅法 • 調査対象:2015年7⽉24⽇時点のGCNJ会員・アソシエイト全209団体 • 調査⽅法:WEBアンケート • 調査期間:2015年7⽉24⽇-8⽉25⽇ • 調査内容:SDGs⽬標別の取り組み状況と、SDGs取り組み上の課題ならびに今後の⽅向 性について • 回収状況:134団体 経営層の認知度が⾼い団体に対する追加調査 • 調査対象:経営層がSDGsを認知していると回答した団体25社 • 調査期間:2015年11⽉9⽇-20⽇ • 回収状況:16社 Copyright © 2015 GCNJ All Rights Reserved. 3 2. エグゼクティブ・サマリー <認知度> SDGsの組織内認知度は、 約85%(114社)の企業・団体でなんらかの認知が あったものの、そのうち約72%が「CSR担当者だけが知っている」状況で認知度 は低いといえる。 ⼀⽅、約24%(27社)の団体では「経営陣も知っている」と認知度の⾼い状況に ある。 <取り組み上の課題> ①社会的な認知度が⾼まっていない、②社内の理解度が低い、③定量的な指標な ど評価⽅法がわからない、④啓発活動の底上げが必要、という4点が取り組み上 の課題であげられる。 <経営層の認知度との関係> 今後の取り組みを認知度で⽐較すると、 SDGsを経営陣が知っている企業とそう でない企業では取り組みに対する姿勢が異なる。SDGs活動加速に向けてはトッ プのコミットメントがキーとなる。 経営層の認知度が⾼い企業では、経営層とCSR担当部⾨のフォーマルなコミュニ ケーションを通じて相乗効果を⽣み出すシステムが組織に確⽴している。 Copyright © 2015 GCNJ All Rights Reserved. 4 3-a. ⽬標別取り組み状況 ⽬標別取り組み状況 • • SDGsに関し既に何らかの取り組みを⾏っている企業が⽬標14以外の全ての⽬標で半数を超えた。 特に「事業部⾨が関連した活動を実施中」「⾃社の戦略・経営計画に反映している」という回答が⽬ ⽴った。 17⽬標の内、「何もしていない」という回答が⼀番少なかったのは⽬標5で、 「⾃社の戦略・経営 計画に反映している」が49社と、ジェンダー課題に全社的に取り組んでいる姿勢がうかがえる。 グラフ1:目標別取り組み状況 0 50 目標1 61 目標2 59 18 目標4 38 12 19 21 目標6 43 目標7 44 目標8 目標9 目標13 19 41 17 32 17 26 16 目標16 64 16 14 目標17 65 6 Copyright © 2015 GCNJ All Rights Reserved. 22 11 32 9 動を実施中 事業部門の計画に関連 目標を策定している 事業部門が関連した活 32 9 34 58 12 7 28 22 51 18 10 6 32 58 29 CSR部門が関連した活 15 7 32 52 目標を策定している 18 8 43 3 14 7 CSR部門の計画に関連 18 11 29 32 13 17 25 25 20 21 19 11 65 85 31 43 54 24 30 34 25 66 5 11 15 20 52 54 6 12 13 41 何もしていない 49 16 10 18 68 目標14 目標15 27 73 目標11 目標12 7 4 13 40 目標10 54 14 34 18 36 250 12 5 42 7 200 9 8 24 6 34 5 36 150 41 8 目標3 目標5 100 17 42 28 25 8 5 8 動を実施中 11 自社の戦略・経営計画 に反映している その他 5 3-a-2. ⽬標別展開地域 ⽬標別展開地域 • 取り組みをしている地域は「国内・海外」両⽅と答えた企業が多く、グローバルな取り 組み姿勢がうかがえる グラフ2:目標別展開地域 0 目標1 20 14 29 23 目標2 目標3 18 目標4 17 28 4 25 12 目標9 25 12 13 目標17 2 2 2 10 8 国内・海外 64 75 33 36 12 海外 45 2 目標15 目標16 56 2 21 国内 63 40 26 目標13 46 57 7 20 目標12 9 62 目標8 目標14 58 12 15 120 61 22 16 100 33 58 目標11 80 17 目標7 目標10 60 31 21 目標5 目標6 40 Copyright © 2015 GCNJ All Rights Reserved. 5 60 57 53 6 3-b. SDGsの認知度 認知度 • 「貴社・団体のSDGsの認知度について最もあてはまる状況」への回答では、85.1% (114社)の企業・団体でなんらかのレベルの認知度があった。前述114社のうち、 71.9%(82社)では「CSR担当者だけが知っている」状況である⼀⽅、23.7%(27社) の団体では「経営陣も知っている」と認知度の⾼い状況にある。 グラフ3:SDGsの認知度 5 8 12 SDGsが何か知らない CSR担当だけが知ってい る 経営陣も知っている 27 経営陣だけでなく,一般社 員も知っている わからない 82 Copyright © 2015 GCNJ All Rights Reserved. n=134 7 3-c-2. 課題 認知度と取り組み上の課題(複数選択) • SDGsを「CSR担当者だけが知っている」企業と「経営陣も知っている企業」では課題認 識に差が⾒られた。前者では「社会的な認知度が⾼まっていない」が63社と最も多かっ たが、後者では「定量的な指標など評価⽅法がわからない」と答えた企業が⼀番多く (16社)、認知度が⾼まると、取り組みの具体的な評価の模索が課題となるという図式 が⾒られる。 グラフ5:「CSR担当者が知っている」企業の課題 その他 その他 5 適切なパートナーが見つからない 定量的な指標など評価方法がわか… トップのコミットメントが弱い トップのコミットメントが弱い 26 社内での展開方法が未確定 社内の理解度が低い 社会的な認知度が高まっていない 63 40 50 60 70 n=82 Copyright © 2015 GCNJ All Rights Reserved. 4 8 社内の理解度が低い 57 30 16 社内での展開方法が未確定 45 20 3 定量的な指標など評価方法がわか… 44 10 2 適切なパートナーが見つからない 9 0 グラフ6:「経営陣も知っている」企業の課題 13 社会的な認知度が高まっていない 14 0 5 10 15 20 n=27 8 3-d. 取り組みの担い⼿とパートナーシップ 取り組みの担い⼿ • 「SDGs推進に⼀番影響⼒のあるセクターはどこだと考えますか?」に対し、「政府・ ⾃治体・政府系外郭団体」という回答が59%(79社)と群を抜いて多い。 • 「⾃社でSDGsを推進するために重要なパートナーはどこだと考えますか?」(複数選 択可)も「政府・⾃治体・政府系外郭団体」が⼀番多く、次は「NPO/NGO」という回 答で、純粋なビジネス関係以外のパートナーを求めているように⾒える。あるいはODA を想定してのパートナーともみられる。 グラフ7: グラフ8: SDGsを推進に影響度のあるセクター わからない 取り組み上のパートナー 7 全セクターが等しく影響力を持っている 22 アカデミア 1 NGO/NPO 7 企業 14 消費者 6 政府・自治体・政府系外郭団体 79 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 Copyright © 2015 GCNJ All Rights Reserved. その他 わからない アカデミア NGO/NPO 国際機関 政府・自治体・政府系外郭団体 異業種他社 同業他社 取引先 お客様 自社グループ内 3 9 16 68 46 88 19 30 49 46 46 0 20 40 60 80 100 9 3-e. 影響度と事業機会 ⽬標別影響度と重要度の⽐較 • バリューチェーンへの影響度の⼤きさと事業機会の⼤きさを⽐較すると、回答で⼤きく 違いがあったのが⽬標8(雇⽤)、⽬標13(気候変動)、⽬標5(ジェンダー)、⽬標1 5(⽣物多様性)である。 0 グラフ9:影響度と事業機会 10 目標1 20 12 30 40 50 18 20 50 54 目標3 28 29 目標4 目標5 42 20 23 27 目標6 42 目標7 目標8 51 44 24 51 目標9 61 バリューチェーンへ の影響度 8 11 22 目標11 事業機会の大きい 目標 36 50 53 目標12 目標13 目標14 70 17 目標2 目標10 60 44 8 12 目標15 目標16 21 Copyright © 2015 GCNJ All Rights Reserved. 34 12 15 22 25 目標17 わからない 61 11 13 10 3-f. 今後の取り組み 今後の取り組みについて • 設問「 今後SDGsの採択を契機としてSDGsの取り込みをどう考えますか?」(複数選択 可)に対しては、「⾃社のCSRの重点課題に反映する」「社内啓発を強化する」が多い グラフ10: 今後の取り組み その他 13 評価の仕組み・指標を検討する 19 社内啓発を強化する 58 外部との連携・パートナーシップ強化 31 自社の戦略・経営計画に反映する 30 自社のCSRの重点課題に反映する 61 SDGs関連のフィランソロピー活動実施 10 新しいプロジェクトの立ち上げ 11 専任組織を設立する 1 特に現状と変える予定はない 36 0 Copyright © 2015 GCNJ All Rights Reserved. 10 20 30 40 50 60 70 11 3-f-2. 今後の取り組み 認知度と今後の取り組みについて • 今後の取り組みを「CSR担当者だけが知っている」企業と「経営陣も知っている」企業 で⽐較すると、いづれも「⾃社のCSRの重点課題に反映する」という回答が多かった半 ⾯、前者では「特に現状と変える予定はない」という回答が27社と⼆番⽬に多く、後者 の認識と⼤きくかい離がみられる。取り組みを促進するにはトップのコミットメントが 重要といえる。 グラフ11:「CSR担当者が知っている」企業の今後の取り組み グラフ12:「経営陣も知っている」企業の今後の取り組み その他 その他 3 評価の仕組み・指標を検討する 評価の仕組み・指標を検討する 11 社内啓発を強化する 自社の戦略・経営計画に反映する 自社のCSRの重点課題に反映する 13 自社のCSRの重点課題に反映する 39 16 SDGs関連のフィランソロピー活動(寄… 6 専任組織を設立する 特に現状と変える予定はない 20 30 40 50 n=82 Copyright © 2015 GCNJ All Rights Reserved. 5 0 特に現状と変える予定はない 27 10 4 SDGsに貢献できる新しいプロジェクト… 5 0 0 11 自社の戦略・経営計画に反映する 13 専任組織を設立する 13 外部との連携・パートナーシップを強… 外部との連携・パートナーシップを強… 0 SDGsに貢献できる新しいプロジェクト… 7 社内啓発を強化する 0 SDGs関連のフィランソロピー活動(寄… 3 3 0 5 10 15 20 n=27 12 3-g. 経営層の認知度追加調査 経営層の認知度について • 設問 「 御社の経営層がSDGsを認識するに⾄った経緯を教えてください」(複数回答) に対しては、「元々国連イニシアティブに関⼼が⾼い」(10社;62.5%)「CSR部⾨か らの情報提供」(9社;56.3%)という回答が多かった。 • 設問「認知されている経営陣の役職を教えてください」に対しては14社(87.5%)の会 社が「社⻑・代表理事」と回答。 • 設問「御社では経営層による定例の勉強会等でSDGsに関して継続的に情報収集する機会 がありますか?」に対しては、9社はCSR関連の役員会議を定常的に開催している。 グラフ13:経営層が認知している理由 0 2 4 6 8 グラフ14:経営層の情報収集の機会 10 元々国連イニシアティブに関心が高い 12 10 CSR関連の役員 会議 その他機会 6 CSR部門からの情報提供 9 ない 9 業界での情報交換 2 1 UNGCからの情報提供 2 Copyright © 2015 GCNJ All Rights Reserved. n=16 13 4. Key Findings SDGsを経営層が知っている団体とそうでない団体では課題の認識や今 後の取り組みに対する姿勢が明確に異なる。経営層が認知している団体 では、経営戦略への反映やパートナーシップの模索などより具体的な実 施事項に落とし込まれている。 経営層の認知度が⾼い企業では、経営層とCSR担当部⾨のフォーマルな コミュニケーションを通じて相乗効果を⽣み出すシステムが組織に確⽴ している。 SDGs活動加速に向けてはトップのコミットメントがキー 組織内に活動を定着させるためにはトップダウンーミドルアップの 相互の働きかけが必要 Copyright © 2015 GCNJ All Rights Reserved. 14 Appendix SDGs17の⽬標(IGES仮訳) ⽬標1「あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる」 ⽬標2「飢餓を終わらせ、⾷糧安全保障および栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する」 ⽬標3「あらゆる年齢のすべての⼈々の健康的な⽣活を確保し、福祉を促進する」 ⽬標4「すべての⼈々への包摂的かつ公平な質の⾼い教育を提供し、⽣涯学習の機会を促進する」 ⽬標5「ジェンダー平等を達成し、すべての⼥性および⼥⼦のエンパワーメントを⾏う」 ⽬標6「すべての⼈々の⽔と衛⽣の利⽤可能性と持続可能な管理を確保する」 ⽬標7「すべての⼈々の、安価かつ信頼できる持続可能な現代的エネルギーへのアクセスを確保する」 ⽬標8「包摂的かつ持続可能な経済成⻑、およびすべての⼈々の完全かつ⽣産的な雇⽤とディーセント・ワーク(適切な 雇⽤)を促進する」 ⽬標9「レジリエントなインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進、およびイノベーションの拡⼤を図る」 ⽬標10「各国内および各国間の不平等を是正する」 ⽬標11「包摂的で安全かつレジリエントで持続可能な都市および⼈間居住を実現する」 ⽬標12「持続可能な⽣産消費形態を確保する」 ⽬標13「気候変動およびその影響を軽減するための緊急対策を講じる」 ⽬標14「持続可能な開発のために海洋資源を保全し、持続的に利⽤する」 ⽬標15「陸域⽣態系の保護・回復・持続可能な利⽤の推進、森林の持続可能な管理、砂漠化への対処、ならびに⼟地の劣 化の阻⽌・防⽌および⽣物多様性の損失の阻⽌を促進する」 ⽬標16「持続可能な開発のための平和で包摂的な社会の促進、すべての⼈々への司法へのアクセス提供、およびあらゆる レベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度の構築を図る」 ⽬標17「持続可能な開発のための実施⼿段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する」 Copyright © 2015 GCNJ All Rights Reserved. 15
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