セルロース系バイオマスの利活用技術 国立研究開発法人 産業技術総合研究所 生物プロセス研究部門バイオデザイン研究グループ 研究グループ長 矢追 克郎 1 (1)セルロース系バイオマスの糖化〜発酵 ・新規な糖化酵素の探索 ・糖化酵素の改良(安定性向上) ・エタノール発酵酵母の育種 (2)酵素変換によるオリゴ糖生産 ・キシログルカンオリゴ糖 ・糖転移反応や縮合反応を利用したオリゴ糖生産 2 (1)セルロース系バイオマスの糖化〜発酵 ・新規な糖化酵素の探索 ・糖化酵素の改良(安定性向上) ・エタノール発酵酵母の育種 (2)酵素変換によるオリゴ糖生産 ・キシログルカンオリゴ糖 ・糖転移反応や縮合反応を利用したオリゴ糖生産 3 セルロースバイオマス糖化酵素の課題 β-グルコシダーゼ (BGL) エンドグルカナーゼ (EG) セロビオヒドロラーゼ(CBH) セルラーゼ 課題 糖化時の生成物阻害 安定性 (e.g. セロビオース、グルコース) (e.g. CBH IIの振盪による消失、 糖化時の吸着・失活) ヘミセルラーゼ キシラナーゼ(XYN) α-グルクロニダーゼ (GLR) 酵素活性阻害物質 (e.g. バイオマスの前処理 工程で発生) キシログルカナーゼ (XEG) β-キシロシダーゼ (BXL) 課題 安定性 (e.g. 糖化時のXYNの失活) α-L-アラビノフラノシダーゼ(ABF) 必要なヘミセルラーゼの改良 (e.g. 活性阻害、基質特異性など) 有用酵素遺伝子を糖化酵素生産菌(糸状菌・トリコデルマ)へ導入 4 メタゲノム手法を用いた新規酵素の探索 微生物集積培養 スクリーニング 遺伝子 クローニング 培養可能 微生物 Gene / Enzyme >99% メタゲノムアプローチ 難培養微生物 メタゲノム(環境ゲノム) 5 メタゲノムを用いたバイオマス糖化関連酵素の探索 メタゲノムライブラリー Metagenomic DNA (5-50 kb) プラスミド or フォスミド メタゲノム l木質分解環境 l発酵食品 l温泉 大腸菌を宿主とした メタゲノムライブラリ 活性スクリーニング スクリーニング事例:全8種のメタゲノムライブラリーから活性を指標にスクリーニング X-β-glc X-β-cellob. 環境試料1 環境試料2 環境試料3 環境試料4 53 2 178 953 28,320 9,940 17,825 9,667 0 91 0 20 29,235 52,032 41,660 環境試料5 環境試料6 環境試料7 環境試料8 65 59 359 50,368 52,352 17,856 50,368 185 26 33 4 40 19,734 52,032 上段:陽性クローン数 1709 個 359 個 33,280 43,904 27,056 下段:スクリーニングした総クローン 数 96 wellフォーマットの溶液系で各ポジティブクローンを定量評価 コロニー植え付け 培 養 コロニーピッカー プレートシェーカー 集菌 遠心分離器 反 応 自動分注装置 活性検出 サーマルサイクラー プレートリーダ (分光) 6 グルコース(Glc)耐性BGLの獲得 10%グルコース存在下でも活性を維持するクローン 稲わら酵素糖化(トリコデルマセルラーゼ製剤)での添加効果 Bf-1H1 Bf-1D1 Bf-1A7 Bf-1A1 Eg-1E8 Eg-1E6 Eg-1D4 Mf-1H1 Mf-1D2 Mf-1B5 Mc-1B1 Td-4E7 Td-4E5 Td-3H12 Td-3G4 Td-3E11 Td-3A5 Td-2H7 Td-2F11 Td-2F2 Td-2E3 Td-2C7 Td-2B11 Td-2B7 Td-1B8 Ks-10H11 Ks-9B4 Ks-7F9 Ks-6C8 Ks-5F2 Ks-5B6 Ks-5A7 100 Saccharification rate (%) 90 80 WT:Glc BGL(-) Td2E3:Glc Td2E3 Td4E5:Glc Td4E5 Td2F2:Glc Td2F2 Ks5A7:Glc Ks5A7 Td2H7:Glc Td2H7 70 60 50 40 30 20 10 0 0 24 48 72 Reaction time (h) Glc耐性BGLはセルロース系バイオマス酵素糖化に有用 Uchiyama et. al., Frontiers in Microbiol. 2015, 6:548 特許5392681:高濃度のグルコース耐性を有するβ-グルコシダーゼ 特願2016-076125:生成物阻害耐性および基質阻害耐性を有する β-グルコシダーゼ、それをコードする遺伝子 0 50 100 150 Glc非存在下での活性を100とした10%Glc存在下での相対活性 (%) 7 トリコデルマ製剤に添加効果のある酵素の探索 添加効果に着目したスクリーニング 稲わら酵素糖化(トリコデルマセルラーゼ製剤)での添加効果 pNP糖基質で初期スクリーニング (96wellフォーマット、20クローン/well) ↓ ポジwellをシングルクローン化 ↓ イナわら糖化の添加効果試験(96wellフォーマット) ↓ インサート(平均5〜10kbp)をシーケンス ↓ 糖質加水分解酵素遺伝子をpET発現系へ ↓ 大腸菌発現、His-Tag精製 ↓ 性状解析 ↓ 添加効果試験 ↓ 新規酵素(CoXyl43)獲得 Matsuzawa et al. App. Microbiol. Biotech. (2015) 99: 8943-8954 8 (1)セルロース系バイオマスの糖化〜発酵 ・新規な糖化酵素の探索 ・糖化酵素の改良(安定性向上) ・エタノール発酵酵母の育種 (2)酵素変換によるオリゴ糖生産 ・キシログルカンオリゴ糖 ・糖転移反応や縮合反応を利用したオリゴ糖生産 9 12/22 メタゲノム由来BGL(MeBGL D2)の高機能化 MeBgl D2の特徴 立体構造に着目した変異導入 ・生成物阻害を受けない 立体構造を比較 ・Glcによって活性化される MeBgl D2の弱点 ・熱安定性が低い (55℃で30分間加熱すると大部分が失活) ・有機溶媒に弱い MeBglD2 熱安定性 △ Glc耐性 ◎ 耐熱性BGL 熱安定性 ◎ Glc耐性 × 変異導入ターゲット (10%エタノール存在下で活性が1/5に) 弱点を克服するために 変異導入による安定性の向上 両酵素の「いいとこ取り」 10 14/22 変異型MeBGL D2の機能評価 エタノール耐性 140 130 90 エタノール非添加 10%エタノール 80 120 110 70 100 60 90 糖化率(%) エタノール添加非添加時を 100%とした時の活性(%) バイオマス(稲わら)の酵素糖化 80 70 60 50 50 40 30 40 20 30 20 10 10 0 WT 変異A 変異B 変異A 変異A + + 変異B 変異B + 変異C 0 セルラーゼ WT 変異A 変異B変異A 変異A のみ + + 変異B 変異B + 変異C セルラーゼ+MeBglD2 変異MeBgl D2は有機溶媒耐性も高く、バイオマスの酵素糖化にもさらに効果を発揮 11 キシラナーゼ(Xyn III)の耐熱化 進化分子工学的手法 ーPCRによるランダム変異ー タフなXyn IIIをスクリーニング エラープローンPCR xyn III 活性測定 Xyn III遺伝子にランダム変異導入 形質転換 酵素粗抽出液を 熱処理 大腸菌を宿主とした変異酵素発現ライブラリー 液体培養 12 耐熱性Xyn IIIの評価(長時間での熱安定性) 150 140 WT Wt 130 120 変異酵素A PY 残存活性(%) 110 100 変異酵素B AY 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 0 hr 2 hr 4 hr 8 hr 24 hr 50℃ 熱処理時間 48 hr 72 hr 特願2015-092216:耐熱性を有するキシラナーゼ Matsuzawa et. al. Appl. Microbiol. Biotech. (2016) in press 96 hr 13 耐熱化Xyn IIIの糖化性能 アルカリ処理バガスをΔxyn I,II,III酵素製剤で糖化する際に、Wt or 変異Xyn IIIを添加 サンプル n ΔXyn I,II,III + Xyn III Wt + Xyn III mut. 還元糖量 反応n=3の 糖化率(%) (mg/mL) 平均 1 25.46 2 24.78 3 24.32 1 25.53 2 26.67 3 25.75 1 27.78 2 28.64 3 28.57 24.85 55.5 25.98 58.1 28.33 63.3 Xyn III耐熱化によって糖化効率が向上 糖化酵素製剤の機能向上に貢献 14 海外メーカーに負けない酵素を開発中 純国産技術によるバイオリファイナリーに貢献 NEDO:バイオ燃料事業化に向けた革新的糖化酵素工業生産菌の創製と糖化酵素の生産技術開発 (2013〜2017) 花王(株)、長岡技科大、JBA、産総研、NITE、大阪府大、京大、琉球大 15 JBAつくば研究室との連携 標準前処理物の調製 バイオマス原料 ハステロイ製オートクレーブ トリコデルマによる生産性の検討 高機能酵素の開発 エリアンサス ユーカリ (稲ワラ、スギ、バガス) ・NaOH処理 ・希硫酸処理 ・水熱処理 ・爆砕 活性測定法の標準化と市販酵素の性能評価 ・バイオマス糖化活性評価法 ・酵素活性測定法 ・タンパク質定量法 これらの各種標準法はNEDO HPで公開済 セルラーゼ成分酵素のプロテオーム解析 ハイスル―プット糖化活性測定法 HPLC イオン クロマト 生成物分析 96ウエルプレート シェーカー 2Dによる定量プロテオーム 16 (1)セルロース系バイオマスの糖化〜発酵 ・新規な糖化酵素の探索 ・糖化酵素の改良(安定性向上) ・エタノール発酵酵母の育種 (2)酵素変換によるオリゴ糖生産 ・キシログルカンオリゴ糖 ・糖転移反応や縮合反応を利用したオリゴ糖生産 17 エタノール発酵酵母の育種 キシロース代謝遺伝子の導入と自然突然変異株の取得 Introduction of genes for xylose metabolism (XM) XDH XR hex3 1-5 HEX1 2-2 キシリトール代謝向上変異株 NAM34-4C P HEX2 2-3 HEX1 2-9 XK キシロース代謝向上 (低濃度) 変異株 4 HEX mutants HEX mutants SCB 39 SCC 7 SCB 40 SCC 8 SCC 15 (崇城大学・赤松による) キシロース代謝向上 (⾼濃度) キシリトール代謝向上 parental 親株 18 従来の育種・分子育種の課題 合理的な代謝工学による代謝フローの改善 自然突然変異・変異源による変異体の取得 遺伝子組換えは可能 でも、正しく理解できることしかできない 変異体が取れるかどうかは条件次第 変異体そのものを使い続けなければならない 予期せぬ副作用→行き止まり 変異体の原因遺伝子・変異をすばやく特定できれば・・・ ü ü ü ü ü その変異だけを親株に導入 予期せぬ副作用を低減 次の育種へ開発した株を継続・再利用可能 得られた原因遺伝子・変異情報から、新規代謝改変の可能性 しかし、原因遺伝子を特定するのは、いうほど簡単なことではない 19 論理アルゴリズムによる原因遺伝子変異の絞込み NAM34-4C reference mapping WGS 12M HEX1-5 HEX2-2 HEX2-3 HEX2-9 SXM1 SXM2 diBayse SNPs list 1000-1200 in each S288c HEX1-5 HEX2-2 HEX2-3 HEX2-9 SXM1 SXM2 HEX1-5 HEX2-2 HEX2-3 HEX2-9 SXM1 SXM2 No. of candidates 2-20 Refinement No. of candidates < 10 HEX1-5 HEX2-2 HEX2-3 HEX2-9 SXM1 SXM2 20 原因遺伝子の絞り込みに成功 Strains HEX2-2 HEX2-3 HEX1-5 HEX2-9 SXM1 SXM2 Candidate 1 CDC19 JIP4 PHO13 CDC19 TIP20 ACO2 Candidate 2 MCT4 ECM30 TSR2 YDL173C BRE1 MTH1 GRR1 Candidate 3 SCJ1 GAS3 YAR010C HXT1 HXT4 SPB1 KAR4 Candidate 4 CAB1 KRE28 ILV5 TAL1 SPO23 ARO4 TKL1 Candidate 5 SMP3 SPP2 POL5 RPL12B PEX27 THI72 PDE2 Candidate 6 EPL1 PCS60 SCS7 URA10 YAR010C Candidate 7 GPT2 PUB1 PBI2 ECM10 Candidate 8 PHS1 THI120 Candidate 9 GRR1 PAU20 YOL166W-A *遺伝子名が1つのものはORF内の変異。2つのものは、隣り合う遺伝子間に変異があることを示している 【特開2015-33342:キシロースの発酵能が強化された酵母とその利用】 従来育種とインフォマティクスの融合により、新たな微生物育種手法を開発 21 (1)セルロース系バイオマスの糖化〜発酵 ・新規な糖化酵素の探索 ・糖化酵素の改良(安定性向上) ・エタノール発酵酵母の育種 (2)酵素変換によるオリゴ糖生産 ・キシログルカンオリゴ糖 ・糖転移反応や縮合反応を利用したオリゴ糖生産 22 酵素変換によるオリゴ糖生産 酵素分解、修飾 植物由来多糖 機能性評価 用途開発 様々な構造のオリゴ糖 酵素開発、生産技術開発 生理活性、物性評価 必要量 付加価値 用途:ファインケミカル、食品素材、飼料、化粧品、バイオプラスチック etc Fine Food Fiber Feed Fertilizer Fuel バイオマス利用の6F 23 (1)セルロース系バイオマスの糖化〜発酵 ・新規な糖化酵素の探索 ・糖化酵素の改良(安定性向上) ・エタノール発酵酵母の育種 (2)酵素変換によるオリゴ糖生産 ・キシログルカンオリゴ糖 ・糖転移反応や縮合反応を利用したオリゴ糖生産 24 キシログルカンについて 1964年に日本で工業化され、大日本住友製薬より「グリロイド」の商品名で販売 (用途:増粘安定剤、ゲル化剤、氷晶安定剤、澱粉製品の改良材など) タマリンド種子由来キシログルカンの構造 Gal β Gal 1 β 2 Xyl α Xyl 1 α 6 β Glc 14 Xyl 1 α 6 β Glc 14 Xyl 1 α 6 β Glc 14 Glc β 14 α 6 β Glc 14 Xyl 1 α 6 β Glc β 2 Xyl 1 Gal 1 14 Xyl 1 α 6 β Glc 14 Glc β 14 Xyl 1 α 6 β Glc 14 Xyl 1 α 6 β Glc 14 Xyl 1 α 6 β Glc 14 Glc 非還元末端 β 14 1 Glc 14 β 2 Xyl Xyl 1 α 6 β Glc 14 産総研特許実施例 1 2 α 6 β Gal 1 〜オリゴ糖試薬として販売〜 1 6 β Glc 14 Glc β 14 還元末端 グルコース主鎖が4つの繰り返し構造 生理機能 ・ラットに対する脂質代謝改善機能 ・乳酸菌が資化(プレバイオティクスへの可能性) ・マウスの免疫応答維持活性 ・紫外線に対する皮膚の免疫系の保護機能 ・抗ウイルス活性 ・ガン細胞増殖抑制 キシログルカン オリゴ糖鎖 / X yloglu ca n Ol igo sa ccharid e s N0695 No nas accharid e, G lc4Xyl 3G al 2 (XLL G ) � � N0693 No nas accharid e, G lc4Xyl 3G al 2 (XLL G ) � � H1041 Hep tas acc har ide, G lc4Xyl 3 (XX XG ) � � H1044 Hep tas acc har ide, G lc4Xyl 3 (XX XG ) � � >95% (HP L C) � >90% (HP L C) � >95% (HP L C) � >90% (HP L C) � 100mg 100mg 100mg 100mg 25 キシログルカン分解酵素を利用したオリゴ糖調整 Ga Ga X X X Ga X X X X X X Ga Ga Ga Ga X X X X X X Ga X X X X X X G G G G G G G G G G G G G G G G G G G G G G G G G G G G エンドグルカナーゼ Ga Ga Ga X X X X X X X G G G G, G G G G, X X G G G G, Ga X X X βガラクトシダーゼ G G G G 1964年に世界で初めて工業化され、大日本住友製薬より「 グリロイド」の商品名で販売 (用途:増粘安定剤、ゲル化剤、氷晶安定剤、澱粉製品の改良材など) X X X IPase G G G G OXG-RCBH αキシロシダーゼ X X X G G G G X X G G G G IPase Yaoi et.al., J. Appl. Glycosci. (2007) 54:91-94 Matsuzawa et.al., J. Biol. Chem. (2016) 291:5080-5087 特許5008067:新規なイソプリメベロース生成加水分解酵素 をコードする遺伝子、ならびに該酵素の製造方法 X X G G X G G OXG-RCBH Yaoi & Mitsuishi, J. Biol. Chem. (2002) 277:48276-48281 特許3837497:新規なキシログルカンオリゴ糖分解酵素、 それをコードする遺伝子、ならびに該酵素の製造方法 2種類のオリジナル酵素(IPase & OXG-RCBH)が必要不可欠 26 乳酸菌の資化能試験 単一炭素源として各種オリゴ糖(0.5%)を添加した培地を調合し、静置培養。 一定時間ごとのOD660を測定。 Cont Glc A B C D E F Glcだけでなく、オリゴ糖A(2糖)、B(4糖)、C(3糖)を資化して増殖 新たなプレバイオティクスの素材として期待 27 (1)セルロース系バイオマスの糖化〜発酵 ・新規な糖化酵素の探索 ・糖化酵素の改良(安定性向上) ・エタノール発酵酵母の育種 (2)酵素変換によるオリゴ糖生産 ・キシログルカンオリゴ糖 ・糖転移反応や縮合反応を利用したオリゴ糖生産 28 メタゲノム由来BGL(Td-2F2)の糖転移活性 0 5 10 生成物の濃度 Gentiobiose 1400 + 32.5 mM glucose No additive 15 Retention time (min) 20 Product concentration (µM) Glucose Laminaribiose Cellobiose Sophorose 生成物のクロマトグラム 1200 p-Nitrophenol 1000 800 Sophorose 600 400 Laminaribiose 200 25 0 0 500 1000 D-Glucose concentration (mM) ・ グルコース添加により、グルコース2糖が生成 ・ pNPGlc分解活性上昇に伴い、糖転移反応生成物も増大 特開2011-205992:グルコース存在下で活性を増加するβ-グルコシダーゼ Uchiyama et. al. (2013) J. Biol. Chem. (2013) 288:18325-18334 29 活性中心に変異を導入し転移活性を改変 反応組成:pNP-グルコース(基質)+グルコース(アクセプター) Wild-type 変異酵素A 変異酵素B Products Productivity (μmol/min/mg) pNP(加水分解活性) 22.4±0.6 Sophorose 9.04±1.37 Laminaribiose 1.39±0.33 Gentiobiose n.d. pNP(加水分解活性) 18.4±0.3 Sophorose 0.55±0.05 Laminaribiose n.d. Gentiobiose n.d. pNP(加水分解活性) 62.8±1.7 Sophorose 1.29±0.27 Laminaribiose 1.02±0.39 Gentiobiose 11.8±0.8 ソフォロースを 主に生成 糖転移反応が 劇的に低下 ゲンチオビオースを 主に生成 糖転移反応産物を変化させることが可能 Matsuzawa et al. (2016) FEBS J. in press 30 Td-2F2によるグルコースの脱水縮合反応 グルコース 65%Glc存在下で Td-2F2を反応 (60℃、24時間) ゲンチオビオース グルコースから2糖を生成→オリゴ糖生産に有用 31 連携について • • • • • 保有しているユニークな酵素の活用 新規な機能性オリゴ糖開発 酵素探索および改変技術の提供 従来育種とオミクス情報解析を融合した菌株創成 酵素糖化〜発酵まで総合的なバイオリファイナリー 技術とファシリティーの提供(JBAつくば研との連携) 32 お問い合わせ先 国立研究開発法人 産業技術総合研究所 生命工学領域研究戦略部 イノベーションコーディネータ 新間 陽一 TEL 029-862 - 6032 FAX 029-862 - 6048 e-mail [email protected] 33
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