Ⅳ 花き

Ⅳ
花き
実
況
1
キ
ク
秋 植 え 夏 ギ ク は 、奥 越 の 山 間 部 や 平 坦 部 で 芽 立 ち は 平 年 並 み か ら や や 良 好 と な っ て い る 。
草丈はノーピンチのもので10cmと昨年より生育が2週間ほど遅い。一部品種や融雪の
遅い山間地で芽立ち不良が見られた。
若狭の小菊では定植遅れや降雪の影響で、冬至芽数少なく草丈も低い。4月20日
現在で6月咲き草丈2.9(前年16.5)cm、7月咲き草丈5.6(前年19.
2)cm、となった。若狭の共同育苗では、苗の配布が4月14日から行われた。
春植え8月咲きギクは、福井では4月20日現在で60%が定植を終えている。
丹生では3・4月の天候不良により畦立てなどが遅れている。現在、定植作業は8月咲
きまで終了した。
二州では4月14∼19日にかけて定植された。
病害虫では、一部地域で白さび病やハモグリバエ類、アブラムシ類の発生が見られ
た。奥越のハモグリバエ類の初発は昨年より遅く4月20日頃であった。
2
ユ
リ
大野市の1月下旬播種のシンテッポウユリの苗は、昨年同様生育が良く、4月21日か
ら定植された。また、福井では、4月中旬・下旬に定植された。一部発芽不良。
園 芸 試 験 場 で 育 成 さ れ た ユ リ は 、 露 地 暮 植 え で 出 芽 率 98% 、 ハ ウ ス 栽 培 で 80% 、 草 丈
14∼ 15cm と な っ て い る 。
3
トルコギキョウ
坂 井 で は 、 二 度 切 り の 作 型 で 、 一 部 開 花 が 始 ま る ( 草 丈 4 0 ∼ 5 0 c m )。
奥越では、4月11∼12日に定植された。
二州では、3月中旬定植で草丈6cm前後となった。一部の圃場で灰色かび病が発
生した。
4
ストック
南 越 の ス プ レ ー 系 の カ ル テ ッ ト シ リ ー ズ は 、10 月 下 旬 定 植 で 4 月 中 旬 に 出 荷 を 終 了 し た 。
5
その他
福井の4月直播のヒマワリは、ストック跡の圃場で播種された。
坂 井 の ヒ マ ワ リ は 、 2 月 下 旬 定 植 で 草 丈 4 0 ∼ 6 0 cm と な り 、 蕾 が ふ く ら ん で き た 。
丹生のスイセンは、圃場全体で葉先が枯れ始めている。
対
策
1 夏秋ギクのエスレル処理による開花抑制
1)7月咲き輪ギク品種で実用性が高く、摘心後1∼2回のエスレル10処理することによ
り、開花の抑制と切り花品質を向上させることができる。品種により開花抑制の効果に差
異があるので注意する。
2)苗 が す で に 高 温 に 遭 遇 し て い た り 、 老 化 苗 な ど で は 幼 若 性 が 弱 ま っ て お り 、 効
果がなかったり、効果が低くなるので注意する。
3)エスレル10の散布方法は水道水で500倍に希釈する。
4)異常気象時(高低温、多雨、乾燥など)には効果が不安定なので注意する。
2 トルコギキョウの管理
1)定植後の灌水は活着を良好にし、初期生育を促進させるため根が張るまで十分
灌水する。
2)活着後の生育の状態を見ながら液肥を中心に追肥する。
3)定植後生育が停滞し、さらに葉が淡黄色になって枯れる場合がある。これは主に塩類濃
度1 . 0 m S 以 上 と 高い場合に発生するので、定植前に灌水による塩類の流亡または床
の表土を削り落とす。
4 ) 土壌酸度が低い時も同様な障害が発生する。p H 6 . 5 前 後 が よ く 、 酸 性 土 壌 で は
マンガン過剰の症状、上位葉先端や周縁部に黄白斑点、新芽の萎縮が見られる。
5)葉先枯れ対策には、日中に換気を十分行い、軟弱徒長気味の生育をさせない。
また、雨や曇天が続いたあとの好天で発生しやすいので、雨や曇天の日は、扇
風機や暖房機の通風運転で施設内の空気を常時動かすようにする。
3 シンテッポウユリの初期管理
1 ) 定植後50∼60日間は灌水と液肥施用(10日に1回程度)を積極的に行い、栄養生
長を旺盛にさせる。生育中期は茎の伸長、花芽分化・発達に水分を要求するので不足しな
いように与える。生育後期ではひかえめで管理する。梅雨期の前後は乾燥しやすいので注
意する。雨水の滞水で根腐れを起こすので排水対策も十分に行う。
2)定植後45∼60日間は茎立ちせずに葉数を増加する(20∼25枚)ようで
あれば、良品質の切り花が期待できる。
3)病害虫では葉枯病を重点的に防除する。
4)追肥は生育状況にもよるが定植30日後と出蕾期に10a当たり窒素、カリ各5kg程
度施す。
5)草丈が高くなるので、倒伏防止に丈夫な支柱を立てる。
4 促成スイセンの球根掘り取りと花芽分化促進処理
1 ) 掘 り 取 り 後 の 球 根 乾 燥 は 、 高温処理開始まで球根の表皮が親指の腹で簡単にむける程
度に十分球根を乾燥させる。
2)花芽分化処理は、6月初めより32℃で2週間+くん煙処理(モミガラを1日
2時間で3日間燃焼)とする。