平成 28 年度 国家一般職本試験(基礎能力試験) 講評 № 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 ※ 科目 出題内容 正解 正答率※ 講評 内容把握 1 A 【文章理解(現代文)】 内容把握4問,空欄補充1問,文章整序1問の構成は変わらない。内容把握については,読みやすい文章が3問,難解 内容把握 4 A な文章1問と,文章の長さや難易度も昨年と同様であった。内容把握の問題については,内容を正確にとっていくのが やや難しかったと思われる№3についても,高い正答率であったので,例年通り,現代文は全問正答が原則であろう。 内容把握 2 A ただし,空欄補充の正答率が低かった。空欄補充の問題は第1段落と第2段落の関係を読み誤っていると思われる。第 1段落と第2段落はともに第3段落を導くための例として挙げられており,両方ともに第3段落の「特別な知識に精通 内容把握 3 A することは,その意識が無意識化され,直感の基礎になるのだ」の具体例である。 【文章理解(英文) 】 空欄補充 1 A 内容把握3問,文章整序1問,空欄補充1問の構成は変わらない。英文の全体的な正答率は昨年よりも上がっているが, 問題文自体がやさしくなったというよりも,公務員試験が知能重視型になってきたのに伴い,英文の対策をきちんとと 文章整序 3 A っている人が増えていることが伺える。その中で,№9は上位者の正答率と平均正答率がかなり離れているが,正解肢 が英文の複数個所に該当しているためと思われる。肢に該当する英文を一箇所だけ限定し,照らし合わせて読んでいた 文章理解 内容把握 4 A 人が正答できなかったのであろう。文章整序は例年一番正答率が低いが,今年は特に低かった。エ→イの流れは確定で (英文) きたと思うが,冒頭にウがくるということは,きちんと読まないとわからない上,専門的な単語が多かったことも難し 内容把握 5 A かった要因の一つであろう。空欄補充は基本的な英文であったことから正答率も高かった。 【判断推理/数的推理】 内容把握 2 B 判断推理:判断推理は論理,対応関係,順序関係,位置関係,推理,平面図形の分割・構成,位相から8題が出題され た。難易度の高い問題や時間のかかる問題が含まれているため,素早く取捨選択の判断をする必要があった。4題から 文章整序 5 C 5題は正答しておきたい。№12 の論理式の問題は条件が少しかわっていたために戸惑ったかもしれない。問われている 空欄補充 5 A ことは対偶を三段論法でつなげただけで難しいものではなかった。№13 の対応関係,№14 の順序関係は典型的な問題 であり,どちらも正答率が高かった。№15 の位置関係はあまり見ない形ではあったが,条件を丁寧に当てはめていくこ 判断推理/ 論理(論理式) 1 B とができれば難しいものではない。№16 の対応関係は住んでいる場所とメールのやり取りの2つについて考える必要が 数的推理 あり,時間がかかる問題であった。このような問題は後回しにしてしまうのがよい。№17 の休憩を取った場所を推理す 対応関係 5 A る問題は,条件より確定しない者については,三つの地点のうち一つの地点だけが一致する場合を探すことになる。試 行錯誤が必要な問題であった。№18 は折り紙の問題である,折る回数が多く,複雑な形になるが,折れ線で対称となる 順序関係 4 A ことに注意して広げていけるようにしたい。№19 は正四面体を転がす問題であるが,Xで底面に模様がある状態から正 四面体を転がした場合の位相図を描いていけば難しくはない。 位置関係 4 B 数的推理:数的推理は確率,図形の計量,整数解,最大最小,比・割合から5題が出題された。難易度の高い問題が多 いことから,2題正答できていればよいだろう。№20 のパネルの確率の問題は,各パネルの点灯する場合の数を求め, 対応関係 2 B 各数値はそのうちの1通りであることからそれぞれの数値の確率を求めることになる。№21 の図形の計量は数的推理の 中では正答率が高かった。合同となる図形を見つけられたかどうかがポイントである。№22 は莢に入った豆の数を数え 推理 5 C る問題である。中サイズの莢によってAとBの取り得る数値の幅ができるので,Cの条件から合致するものを探してい くことになる。№23 は駅に着く最短の時間を考える問題であったが正答率は低かった。時間が足りなかったこともある 平面図形の分割・構成 5 B だろうが,各駅の出発時間が運行間隔となるので,時刻表を作ってあげれば考えやすい。№24 は割合の問題であるが, この問題も正答率が低かった。2週目の得票数を文字でおいて考えることになるが,どこから考えればよいか難しい問 位相 2 B 題であった。 【資料解釈】 確率 4 C 増加率と構成比のグラフ,実数と前年との増加率の表,実数と構成比からなる表とグラフの3題が出題された。№25 正解肢の内容は計算もいらず増加率からすぐにわかる易しい内容であ 図形の計量 3 B は増加率の棒グラフと構成比のグラフであるが, るにも関わらず,正答率が低かった。肢4を選択した受験者が多かったが,肢1と4は同じ考え方をするものであるた 整数解 1 C め,考え方が逆になっていないか確認をしておきたい。№26 は実数と昨年との比較の表である。10 地域のうちの1地 域のみが掲載されていることから,全国との差から確実にいえることといえないことを見極めていけるようにしたい。 最大最小 5 C 正解肢を考えるのは難しいと思われ,正答率は低かったが,他の肢が易しいことから消去法で正答を導けるようにした い。№27 は実数と構成比の表とグラフであるが,正解肢は考えやすかった。 比・割合 4 C 【時事】 教育政策,地方活性化,医療からの出題であった。いずれも国が重点を置いている政策分野で,正解肢は判別しやすい 資料解釈 グラフ(増加率・構成比) 1 C もので,正答率も高かった。教育政策は地方教育行政法の改正により,教育委員長と教育長を一本化した新しい教育長 制度は,国が取り組む教育改革の重要課題をおさえていれば正解肢の判別は容易である。地方活性化は,新幹線やふる 表 5 C さと納税など,日ごろからの新聞記事やニュース,LECの時事対策で十分対応できる内容である。医療は,日本人の ノーベル賞受賞者の業績,危険ドラッグなどの他の時事的な知識でも正解できる平易な問題である。3問全て正解する 表とグラフ(実数・構成比) 3 A ことが可能である。 【自然科学】 時事 我が国の教育政策等 2 A 物理から仕事,化学から化学物質の取り扱い,生物から遺伝の3題が出題された。例年と同じく,この3科目からの出 題となった。№31 の運動に必要な力を求める問題は,力の分解ができれば解けるものであったため,易しかったと思わ 地方活性化等 2 A れる。№32 の化学物質の取り扱いに関する問題は,肢3を選択した受験者が多かったが,リチウムのイオン化傾向は大 きいことに注意したい。№33 は遺伝に関する問題であるが用語を知らなくても,正解肢が簡単なものであったことから 我が国の医療等 1 A 易しかったであろう。 【人文科学】 自然科学 仕事 2 A 日本史:江戸の三大改革を中心とする政策を古い順に並べるという問題であった。江戸の三大改革は,昨年,国税専門 化学物質の取り扱い 1 C 官で出題されていたため,過去問を解いていれば容易に正答できたと思われるが,全体の正答率は半分を超える程度で あった。しかし,上位 25%では7割を超えているため,ここでの得点が1点の分かれ目であったかもしれない。 遺伝 2 A 世界史:16~17 世紀のヨーロッパに関する問題であったが,全体に解答がわかれた。従来の過去問とは正解肢であるイギリ ス革命の記述の仕方が異なっていたため,1を曇りなく○と選べなかったことが要因であろう。当初の予想では1と5で解答 人文科学 江戸の三大改革 5 B が分かれるかと思ったが,全体に解答がわれているところを見る限り,世界史を捨てていた人が多かったようだ。 地 理:大地形に関する問題で,選択肢の中には細かい事項も含まれていたと思うが,日本史よりも正答率が高く,日 16~17 世紀の西欧 1 C 本史と世界史を捨てて,地学と重なる地理で得点をとろうという戦略の方が多かったようだ。 思 想:思想は人文科学の中では効率のよい科目であるので,人文科学の中では一番正答率が高い。また,問題も容易 大地形 4 B であったと思う。 とるべきところできちんと得点をとる,という形ができていた人は,人文科学で3問はとれたであろう。 わが国の近代思想 1 A 【社会科学】 例年どおり3問で,法学から情報の管理・保護,経済から為替,政治から選挙制度が出題された。情報の管理・保護は, 社会科学 情報の管理・保護 1 C 個人情報保護法,情報公開法,特定秘密保護法,著作権法,商標法と代表的な法律が題材となっているが,一般的とは いえない領域であることもあり,正解率は低かった(一般常識で正解肢にたどりつくことも決して困難とはいえないレ 為替 2 A ベルではあるが)。為替と選挙制度は社会科学の知識で正解できる平易な問題である。特に今年は参議院選挙があり, 選挙権年齢が 18 歳に引き下げられるなど話題が豊富な年であるから,必ず得点源にしてほしい問題である。3問中2 我が国の選挙制度 2 B 問は正解しておきたい。 正答率(A:60%以上,B:40%以上 60%未満,C:40%未満)は,LEC公務員試験 受験生応援企画『本試験無料成績診断』のデータ(6/13 15:00 時点)に基づいて 文章理解 (現代文) 算出しています。本成績診断のご利用方法等の詳細は,LEC公務員Webサイトの専用ページ(http://www.lec-jp.com/koumuin/juken/seiseki/)にてご案内しています。 公務員試験対策 複写・頒布を禁じます
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