2014 年 東京都Ⅰ類B本試験(教養試験) 講評

2014 年 東京都Ⅰ類B本試験(教養試験) 講評
1 教養試験(行政「一般方式」
)
正解
正答率※
講評
文章整序
3
B
文章理解:問題番号の並び順に変化はあったが,内容把握2問,空欄補充1問,文章整序1問という,例年通りの構成
2
内容把握
4
A
である。内容把握は長文傾向が強いが,肢と本文との対照が明確で,肢の絞込みは比較的容易であったと思われる。空
3
内容把握
5
A
欄補充は設けられている肢の語意の差が微妙で,絞込みに悩んだ受験生も多かったと思われる。文章整序は指示語から
4
空欄補充
2
A
の絞込みが容易で,時間もそれほどかからなかっただろう。4問中3問は正解しておきたい問題である。
№
科目
1
文章理解
内容把握
4
A
英文理解:内容把握4問でいずれも小説・エッセイからの出題という,例年通りの構成である。今年は全ての問題で問
6
内容把握
3
A
題肢が2ページ目に設けられており,全体としての長文化傾向がうかがえる。固有名詞や数字を用いて本文との対応が
7
内容把握
3
A
特に容易な問題が2問,肢に特徴的な語句が見られる問題が1問あり,この3問は正解したい。残る1問はやや難易度
8
内容把握
5
A
が高かったが,全体で4問中3問の正解は狙えた問題である。
5
A
判断推理:推理と真偽からの出題であった。どちらも標準的な問題である。№9 の推理の問題は,与えられた条件から
真偽
4
A
外れたものと新たに加わったものの違いを考えることができれば解けたであろう。№10 の真偽の問題は矛盾している
11
確率
3
A
A,B,Dの発言に着目できればスムーズに解くことができる。
12
確率
5
B
数的推理:確率,整数解,記数法,約数・倍数,図形の計量からの出題であった。例年出題されていた集合に関する問
13
整数解
2
B
題の出題はなかった。№11 の確率,№12 の確率,№15 の記数法,№16 の約数・倍数については標準的な問題であった。
14
平面図形の計量
4
B
№13 の整数解の問題は途中で選択肢を使うことができれば易しかったであろう。№14 の図形の計量は大きな円の直径
15
記数法
5
A
と重なっている中の円の半径に着目して半径をうまく求められることができれば解ける。
16
約数・倍数
4
B
5
9
10
17
英文理解
出題内容
判断推理/ 推理
数的推理
実数(グラフ)
3
A
資料解釈:実数,構成比,増減率,グラフと表の複合問題の出題であった。№18 の増減率の問題は値の読み取りによっ
18
増減率(グラフ)
2
C
て微妙な判断となるため,消去法によって正解を導くことになる。他の問題は正解肢が素直であったため,正解がわか
19
構成比(グラフ)
2
B
りやすかったであろう。
20
複合(実数・増減率)
5
B
21
資料解釈
空間概念
空間概念:平面図形の分割・構成から2題,回転体から1題,円の回転数から1題の出題であった。№21 の折り紙の問
平面図形の分割・構成
1
B
22
平面図形の分割・構成
2
A
題は典型問題であり,丁寧に順をおって解いていけば難しくはない。№22 のパズル問題も典型問題で,面積から選択肢
23
回転体
5
C
を絞ることができることから解きやすかったであろう。
№23 の回転体は最初の回転によって底面が円になることに気が
24
円の回転数
1
C
つかないと解くことができない。№24 の円の回転数は典型問題であるが出題頻度が低いため,あまり対策をとっていな
かったかもしれない。それぞれの円が回転することによって,どのように配置されるかを考えれば難しい問題ではない。
25
日本史(明治政府の初期の政策)
4
A
人文科学:日本史,地理,思想のいずれも標準的な出題であった。日本史では「明治政府の初期の政策」が出題された。
26
地理(各国の品目別の食料自給率)
5
C
平成 27(2015)年度に政府が「明治日本の産業革命遺産」の世界遺産への登録を目指していることから,今回の本試験で
27
思想(古代ギリシアの思想家)
4
A
はそれに関連した時事的な要素の強いテーマが出題されたといえる。地理では「各国の品目別の食糧自給率」が出題さ
人文科学
れた。現在,日米間でTPP交渉が進められているが,その最大の焦点が農産物の自由化であることから,地理におい
ても昨今の時事的なテーマが出題されたといえる。最後に,思想では「古代ギリシアの思想家」が出題されたが,内容
は標準的であるため,正解肢に容易にたどり着けたことが予想される。
28
法学(憲法改正)
2
A
社会科学:法学,政治,経済から1 問ずつの出題であった。いずれも標準レベルの問題である。法学は憲法改正がテーマで,
29
政治(安全保障)
5
A
条文内容を熟知し,周辺知識をある程度カバーしておけばよい内容であった。政治は安全保障で,防衛費や自衛隊の海外協
30
経済(地域経済連携)
1
C
力などが問われたが,通常の社会科学に時事の知識を補えば対応可能であった。経済はEPAを含む地域経済連携で,AP
物理(熱容量)
2
C
自然科学:物理の熱容量,化学の中和滴定,生物の不完全優性,地学の恒星の進化から1題ずつの出題であった。熱容
社会科学
ECの由来を理解しておけばよい問題だが,この問題は正答率が低かった。いずれも例年と大きく変わったことはない。
31
自然科学
32
化学(中和滴定)
3
B
量の問題は高校で物理を学習していない受験生にとっては解くのは困難であっただろう。化学,生物,地学の問題は標
33
生物(遺伝(不完全優性))
4
A
準的な問題であった。中和滴定の問題は典型的な中和反応であり,反応式を書き反応する割合を見つけることで解いて
34
地学(恒星の進化)
1
A
いく。不完全優性は優性の法則に従わない遺伝の代表的な例であり,組合せは決まっているので覚えてしまうのもよい。
恒星の進化は恒星が最後にどうなるかということを知っていれば難しくはなかったであろう。
35
消費者白書
1
C
社会事情:例年と異なり,一般的な国際関係時事の出題があったため,迷った人が多かったように思われる。他は通常通り
36
国際情勢
5
C
の出題で,白書はマイナーな消費者白書,新法がマイナンバー法,判例が非嫡出子相続分差別に関する新判例,国際会議が
37
マイナンバー法
5
B
G20 首脳会議,残りの1 問がハーグ条約(国際的な子の奪取に関するハーグ条約)で,いずれも例年の出題パターンに準ず
38
非嫡出子相続分規定判決
3
A
るものであった。白書はその内容を知らなくても世間の情勢から判断すれば対応は可能であったが,正答率は低かった。
39
G20
4
A
40
ハーグ条約
2
A
社会事情
※ 正答率(A:60%以上,B:40%以上 60%未満,C:40%未満)は,LEC公務員試験 受験生応援企画『本試験無料成績診断』のデータ( 5/9 13:00 時点)に基づいて算出して
います。本成績診断のご利用方法等の詳細は,LEC公務員Web サイトの専用ページ(http://www.lec-jp.com/koumuin/juken/seiseki/)にてご案内しています。
公務員試験対策 複写・頒布を禁じます
2 教養試験(行政「新方式」
)
正解
正答率※
講評
内容把握
4
A
文章理解:4問が一般方式と重複しており,これに空欄補充が1問追加されている。空欄の前後の表現に着目できた
2
内容把握
5
A
か否かが,正解にたどりつけるか否かの分かれ目となったと思われる。どちらかといえば英文の追加問題の方が難易
3
空欄補充
2
B
度が低いため,英文が取れているのであれば5問中3問でも及第点であろう。
4
空欄補充
3
A
文章整序
3
B
内容把握
4
A
英文理解:4問が一般方式と重複しており,これに内容把握が1問追加されている。英字新聞からの出典という点も
7
内容把握
3
A
前年と同じ。固有名詞,数字を用いた表現が豊富で,肢と本文の照らし合わせはかなり容易であったと思われる。現
8
内容把握
3
A
代文よりも明らかに難易度は低く,5問中4問は正解しておきたい。
9
内容把握
5
A
10
内容把握
3
B
№
科目
1
文章理解
5
6
英文理解
出題内容※
11
判断推理/
推理
5
B
判断推理:推理から2題と真偽から1題の出題であった。どちらも標準的な問題である。№11 の推理の問題は,与え
12
数的推理
真偽
4
A
られた条件から外れたものと新たに加わったものの違いを考えることができれば解けたであろう。№12 の真偽の問題
13
確率
3
A
は矛盾しているA,B,Dの発言に着目できればスムーズに解くことができる。№15 の推理の問題は算数オリンピッ
14
確率
5
B
クでも出題された典型的な問題であるが,知らないとすぐには解くことができなかったであろう。
15
操作手順
4
C
数的推理:確率,整数解,記数法,約数・倍数,図形の計量,比・割合からの出題であった。例年出題されていた集
16
整数解
2
B
合に関する問題の出題はなかった。№13 の確率,№14 の確率,№18 の記数法,№19 の約数・倍数,№20 の比・割合
17
平面図形の計量
4
C
については標準的な問題であった。№16 の整数解の問題は途中で選択肢をつかうことができれば易しかったであろう。
18
記数法
5
A
№17 の図形の計量は大きな円の直径と重なっている中の円の半径に着目して半径をうまく求められることができれば
19
約数・倍数
4
B
解ける。
比・割合
1
B
実数(グラフ)
3
B
資料解釈:実数,構成比,増減率,グラフと表の複合問題,図から数値を読み取る問題からの出題であった。№22 の
22
増減率(グラフ)
2
C
増減率の問題は読み取る値によって微妙な判断となるため,消去法によって正解を導くことになる。№25 の図から数
23
構成比(グラフ)
2
C
値を読み取る問題は,見慣れない図であるために何が描かれているかを理解するのに時間がかかるかもしれないが,
24
複合(実数・増減率)
5
C
複雑な計算をしなくとも正解を導くことができる。他の問題は正解肢が素直であったため,正解がわかりやすかった
25
実数(図)
5
C
であろう。
20
21
資料解釈
平面図形の分割・構成
1
B
空間概念:平面図形の分割・構成から2題,回転体から1題,円の回転数から1題,立体図形の計量から1題の出題
27
平面図形の分割・構成
2
A
であった。№26 の折り紙の問題は典型問題であり,丁寧に順をおって解いていけば難しくはない。№27 のパズル問題
28
回転体
5
C
も典型問題で,面積から選択肢を絞ることができることから解きやすかったであろう。№28 の回転体は最初の回転に
29
円の回転数
1
C
よって底面が円になることに気がつかないと解くことができない。№29 の円の回転数は典型問題であるが出題頻度が
30
立体図形の計量
2
B
低いため,あまり対策をとっていなかったかもしれない。それぞれの円が回転することによって,どのように配置さ
26
空間概念
れるかを考えれば難しい問題ではない。№30 の立体図形の計量は,くりぬかれた図形がどのような形なのかをイメー
ジすることができれば計算はやさしい。
31
人文科学
地理(各国の品目別の食料自給率)
5
B
人文科学:今回は地理からの出題であった。テーマは「各国の品目別の食糧自給率」であり,一般方式の内容と同一
であった。現在,日米間でTPP交渉が進められているが,その最大の焦点が農産物の自由化であることから,今回
の本試験ではそれに関連した時事的なテーマが出題されたといえる。
32
社会科学
法学(憲法改正)
2
C
社会科学:法学が出題された。テーマは憲法改正で,公務員試験で考えれば標準レベルの問題であった。憲法96 条の条文
内容を熟知し,国民投票法などの周辺知識をある程度カバーしておけば対応できるものであったが,一般方式と比べると正
答率はかなり低かった。
化学(中和滴定)
3
C
自然科学:化学の中和滴定,地学の恒星の進化から1題ずつの出題であった。どちらも標準的な問題であり,得点し
地学(恒星の進化)
1
B
やすかったであろう。中和滴定の問題は典型的な中和反応であり,反応式を書き反応する割合を見つけることで解い
消費者白書
1
C
社会事情:例年と異なり,一般的な国際関係時事の出題があったため,迷った人が多かったように思われる。他は通常通り
36
国際情勢
5
C
の出題で,白書はマイナーな消費者白書,新法がマイナンバー法,判例が非嫡出子相続分差別に関する新判例,国際会議が
37
マイナンバー法
5
A
G20 首脳会議,残りの 1 問がハーグ条約(国際的な子の奪取に関するハーグ条約)で,いずれも例年の出題パターンに準
38
非嫡出子相続分規定判決
3
A
ずるものであった。白書はその内容を知らなくても世間の情勢から判断すれば対応は可能であったが,正答率は低かった。
39
G20
4
C
また,G20 首脳会議の問題はそれほど難しい内容ではなかったが,一般方式との差が極端に開いた。
40
ハーグ条約
2
A
33
自然科学
34
ていく。恒星の進化は恒星が最後にどうなるかということを知っていれば難しくはなかったであろう。
35
社会事情
※ 出題内容がゴシック字の問題は,行政「一般方式」と出題内容が重複したものです。
※ 正答率(A:60%以上,B:40%以上 60%未満,C:40%未満)は,LEC公務員試験 受験生応援企画『本試験無料成績診断』のデータ( 5/9 13:00 時点)に基づいて算出して
います。本成績診断のご利用方法等の詳細は,LEC公務員Web サイトの専用ページ(http://www.lec-jp.com/koumuin/juken/seiseki/)にてご案内しています。
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