埼玉労働局 Press Release 平成 28 年6月 14 日 埼玉労働局労働基準部監督課 監督課長 子安 成人 主任監察監督官 渡邉 佳子 電話番号 048-600-6204 労働基準監督署における行政文書の紛失について 埼玉労働局(局長 田畑一雄)は、さいたま労働基準監督署(署長 永堀昌一) 及び春日部労働基準監督署(署長 大芦誠)における個人情報を含む行政文書の 紛失について、下記のとおり、当該事案をそれぞれ確認の上、必要な措置を講 じましたので、概要をお知らせします。 なお、当該行政文書は誤廃棄したものと推定されるものであり、現在のとこ ろ、外部へ漏えいした事実は確認されておりません。 1 概要 さいたま労働基準監督署(以下「さいたま署」という。)及び春日部労働基準 監督署(以下「春日部署」という。)において、事業場の監督指導内容を記録す る復命書(以下「監督復命書」という。)を紛失する事案が発生した。 監督復命書には事業場に交付した是正勧告書及び指導票の控え、事業場から 提出された是正報告書が添付されており、当該書類の一部には、事業場の代表 者の職氏名、是正勧告書等受領者の職氏名、是正報告者の職氏名の個人情報が 含まれていた。 2 事案経過 (1)さいたま署について ア 平成 27 年4月3日、さいたま署の職員 A 及び職員 B は、C 事業場の臨 検監督を行い、4月 15 日さいたま署において、C 事業場の担当者 D(以下 「D さん」という。)に指導票を交付した。 その後、職員 A は C 事業場の監督復命書を作成し、指導票の控えを添 付してクリアホルダーに入れた上で、職員 A の執務机上のレターケース に保管した。 イ 同年5月 22 日、職員 A は、さいたま署において、C 事業場から指導事 項に対する是正報告書を受領したので、C 事業場の監督復命書に是正報告 書を添付した。なお、職員 A は、C 事業場の監督復命書を一時保管用レタ ーケース棚(※1)に入れたと申し立てているが、事実確認はできなかった。 ※1 行政文書ファイルに編綴する前の監督復命書を一時的に保存しておくためのもの。 5月下旬、職員 E は、一時保管用レターケース棚から一時保管されてい た複数の監督復命書を取り出し、職員 E の執務机で行政文書ファイルへの 編綴作業を行った。なお、当該行政文書ファイルの索引簿には、C 事業場 の監督復命書は記載されていない。 エ 平成 28 年5月 31 日、書類保管状況の一斉点検で C 事業場の監督復命書 1点が行政文書ファイルに編綴されていないことを把握し、職員 A、職員 B 及び職員 E の執務机周辺をはじめ、署内をくまなく捜索したが見つから なかったため、さいたま署では紛失したものと判断した。 オ 6月2日、副署長から C 事業場に電話連絡し、書類紛失の経緯説明と謝 罪を行うとともに、6月3日副署長、職員 F が C 事業場を訪問し、D さん に再度謝罪等を行って了承を得た。 カ 現在においても監督復命書は発見に至っていないが、職員 A は C 事業場 の関係書類をさいたま署外に持ち出しておらず、また、郵送届出書類の返 送作業は、職員 E 以外の職員が複数体制により定められたスペースで行っ ていることから郵送物への混入の可能性は低く、さらに、行政文書ファイ ルの索引簿には、C 事業場の監督復命書が記載されていないことから、職 員 A 又は職員 E の執務机周辺、又は一時保管用レターケース棚から漏れ落 ち、廃棄書類に紛れ込んだものと推定される。 (現在のところ、外部への漏 えいは確認されていない。) ウ (2)春日部署について ア 平成 27 年4月7日以降複数回にわたって、春日部署の職員 G は、H 事 業場ほか関連事業場2社(以下単に「H 事業場」という。)の臨検監督を行 い、4月 23 日 H 事業場において、H 事業場の担当者 I(以下「I さん」と いう。)に是正勧告書及び指導票を交付した。 職員 G は H 事業場の監督復命書3点を作成し、是正勧告書等の控えを添 付してクリアホルダーに入れた上で、職員 G の執務机上のレターケースに 保管した。 イ 平成 27 年5月以降の3か月間にわたり、職員 G は、H 事業場から是正 報告書を毎月受領した後、監督復命書3点と合わせてダブルクリップで まとめた。なお、職員 G は、遅くとも9月までに、H 事業場の監督復命 書を一時保管用レターケース棚(※2)に入れたと申し立てているが、事実 確認はできなかった。 ※2 行政文書ファイルに編綴する前の監督復命書を一時的に保存しておくためのもの。 職員 J は、一時保管用レターケース棚から一時保管されていた複数の監 督復命書を取り出し、職員 J の執務机で行政文書ファイルへの編綴作業を 行った。なお、当該行政文書ファイルの索引簿には、H 事業場の監督復命 書は記載されていない。 ウ さいたま署の書類紛失を契機として、平成 28 年6月3日から書類保管状 況の一斉点検を行ったところ、6月6日に H 事業場の監督復命書3点が行 政文書ファイルに編綴されていないことを把握した。 エ 職員 G、職員 J の執務机周辺をはじめ、署内をくまなく捜索したが見つ からなかったため、春日部署では紛失したものと判断した。 オ 6月9日、副署長から H 事業場の I さんに電話連絡し、書類紛失の経緯 説明と謝罪を行うとともに、6月 15 日に副署長及び職員 K が H 事業場を 訪問し、I さんに再度謝罪等を行う予定である。 カ 現在においても監督復命書は発見に至っていないが、職員 G は H 事業場 の関係書類を署外に持ち出しておらず、また、郵送届出書類の返送作業は、 職員 J 以外の職員が複数体制により定められたスペースで行っていること から郵送物への混入の可能性は低く、さらに、行政文書ファイルの索引簿 には、H 事業場の監督復命書が記載されていないことから、職員 G 又は職 員 J の執務机周辺、又は一時保管用レターケース棚から漏れ落ち、廃棄書 類に紛れ込んだものと推定される。 (現在のところ、外部への漏えいは確認 されていない。) 3 発生要因 (1)職員間で、監督復命書を直接手渡しする、又は書類一覧を添付するなど、 書類の引き継ぎが確実に行われていなかったこと。 (2)また、書類保管状況の定期的な確認・チェックが徹底されておらず、署と しての管理が不十分であったこと。 4 再発防止対策 (1)さいたま署においては6月3日に、また、春日部署においては6月8日に それぞれ緊急幹部会議を開催し、各署長から本事案の事実経過を説明すると ともに、幹部職員から全職員(非常勤職員含む)に対して、職員間の書類引 き継ぎを確実に行うこと、保有個人情報管理規程等に基づく手順の遵守と個 人情報の適正な管理について厳重・厳格に取り扱うよう指示した。 (2)埼玉労働局においては、6月3日管内すべての労働基準監督署に対して、 監督復命書等の保管状況の確認を指示し、上記のさいたま署及び春日部署以 外では平成 27 年度分の紛失がないことを確認している。なお、平成 25 年度、 平成 26 年度分については現在確認中である。 また、6月 14 日に緊急の労働基準監督署長会議を開催し、個人情報等を含 む書類に関して職員間の書類引き継ぎを確実に行うこと、一時保管方法の見 直しを行うよう指示する予定である。 (3)労働基準監督署の職員を対象とする緊急の個人情報漏えい防止等研修を6 月2日に開催し、保有個人情報管理規程等に基づく手順などの理解促進と再 発防止を図っている。
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