インドネシア:中部 Java 石炭火力発電事業 2020 年度運転開始目指す 2016 年 6 月 16 日掲載 6 月 7 日付けの地元報道によると、 合弁会社 Bhimasena Power Indonesia(BPI)は、 中部 Java 州 Batang 県で進める石炭火力発電事業(100 万 kw×2)で、 国際協力銀行(JBIC)など複数の金融機関と総額 34 億 USD の融資契約に締結した。今後は発電所の建設工事が開始され、工期は約 4 年の見込み、1 号機は 2020 年 6 月、2 号機は 2020 年 12 月の運転開始を目指す。 当石炭火力発電事業は、独立系発電事業者(IPP)事業としてはアジア最大規模で、2011 年 10 月に BPI は国営電力会社(PLN)と 25 年間の売電契約を締結した。しかし、建設用地の買収をめぐり一部住民らが反 対し、スケジュールに大幅な遅れが生じていたが、土地収用が完了したことから、ファイナンスクローズ (融資組成の完了)の実現に至った。 BPI との融資契約には、JBIC のほか三井住友銀行、三菱東京 UFJ 銀行、みずほ銀行、三井住友信託銀 行、三菱 UFJ 信託銀行、新生銀行、農林中央金庫、シンガポール DBS 銀行、華僑銀行(OCBC)が参加。JBIC は、民間金融機関の融資部分についてポリティカル・リスク(政治的リスク)に関する保証を提供する。 中部 Java 石炭火力発電事業では、発電燃料は亜瀝青炭、ボイラーは環境負荷が少ない超々臨界圧技術 を使った大型ボイラー。発電所は、周辺環境と調和するための適切な技術を用い、エネルギーを効率的に 活用する環境親和型高効率発電のモデルケースとなる。 BPI の出資比率は電源開発(J パワー)34%、Adaro Power34%、伊藤忠商事 32%。事業スキームは建設・ 所有・運営・譲渡(BOOT)で、BPI が保守運営を行う。 (石炭開発部 辻 誠) おことわり:本レポートの内容は、必ずしも独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構としての見解を示すものではありません。正確 な情報をお届けするよう最大限の努力を行ってはおりますが、本レポートの内容に誤りのある可能性もあります。本レポートに基づきとら れた行動の帰結につき、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構及びレポート執筆者は何らの責めを負いかねます。なお、本資料の 図表類等を引用等する場合には、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願 い申し上げます。
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