平成27年度 広島大学附属福山中学校・高等学校

平成27年度 学校関係者評価報告書 評価点 A
B
C
D
自己評価
高いレベルで達成できた
達成できた
一部達成できなかった
ほとんど達成できなかった
学校名:広島大学附属福山中・高等学校
分野
重点目標
(評価項目)
自己評価
具体的方策
成果指標・判断基準
① 広島大学大学院研究科高度化
プログラムと連携し、大学院博士課
程前期における中等学校教員を対
象にした現職教育のための附属学
校実習(アクションリサーチ)の研究
を進める。
広島大学教育学研究科
高度化プログラム附属学
校アクションリサーチ実習
を進め、特色ある教育内
容や研究開発と合わせ呼
応させて、その成果を目
指す。
【成果指標】現職教育の割合。これに対応した教育
課程・教材開発。
【判断基準】附属学校におけるアクションリサーチ
実習の満足度評価。
② 広島大学と連携し、教育実習の
総合的な質保証に取り組みながら、
よりよい教員養成のための指導計画
の研究を進め、そのための制度設計
についても提言する。
教育実習のあり方の追
究、教育実習指導案の再
整備の蓄積を発信する。
宿泊体験型教育実習の
実施とその有効性を証明
し、発信する。
【成果指標】各教科で討議を積み重ね、副校長と教
育実習係がその課題を確認・整理し、教科主任会
や全体研修会でも確認するとともに、指導案項目
の精選と改訂をかさね、新しい指導案事例集を編
集する。宿泊体験型教育実習が実習生にとって貴
重な体験であることも重要な点である。
【判断基準】現行教育実習の課題を共有し、これか
らの教育実習のあり方について討議し、これを記録
する。実習生を対象としたアンケートの実施分析を
踏まえて、よりよいあり方を考察する。宿泊しない学
生からのアンケート結果を基に、その満足度をも確
認しつつ、宿泊体験を嫌う傾向にある学生実態と、
今後の教師に望まれる協働性との関係から、宿泊
体験型教育実習の有用性について提言する。
経年的に実施し蓄積して
いるアンケートをあらため
て様々な角度から検討を
重ねてきた。その分析から
様々な特徴・傾向を抽出し
た。指導案事例集も発行
し、大方順調な運営ができ
ている。
広島大学で次年度に予定
されている4期制の実施に
伴う教育実習期間変更の
影響について検討を行
い,具体的な対応を計画
する。
【成果指標】これまでの海外視察報告を承けて、そ
究科と共同でおこなった の分析と検討を行う。
諸外国の教員養成・教育 【判断基準】その分析と検討の、現状への妥当性を
研究の実情調査をふま
見極めながら、制度改善の可能性を探る。
え、現行の教員養成制度
や研究システムの改善点
を探る。
社会のグローバル化に対
応した初等中等カリキュラ
ムの開発を行い、これまで
の研究内容に加えて、留
学生による講演や海外の
連携校との生徒交流など、
異文化理解・国際交流の
取り組みについて報告書
にまとめた。
④ 広島大学の国際交流方針、グ
ローバル化戦略との関係をはかりつ
つ、JICAの研修生などに対する授
業、あるいは授業研究の公開を行
い、東南アジアやアフリカ、あるいは
中米などの地域の中等学校教員を
対象にした大学院博士課程前期の
現職教育のための研究を進める。
主に広島大学教育学研
究科や国際教育研究科
における様々な国との交
流事業プロジェクトのもと
で、その協力体制を築き、
諸外国からの研究者の受
入を附属学校として行
い、その中で教員の知見
を深化させていく。
【成果指標】広島大学両研究科との綿密な調整が
必要となり、これが順調であれば成功に近づく。
【判断基準】受け入れの時期や規模など、その都度
調整を図ることとなる。その上で、附属学校としてカ
リキュラムや授業実践など、意味のある情報提供が
図れたのか。
スーパーグローバルハイス
クール(SGH)の指定を受
け、広島大学と連携した研
究をスタートさせた。オース
トラリア・タイへの海外研
修・実地調査、広島大学の
留学生との交流等を実施
し、合意形成を含むコミュ
ニケーションや課題研究を
試行した。新たな研究開発
テーマに基づく教育課程
を開発・試行し、成果の発
信にも努めた。
① 中高一貫教育において、確かな
生徒指導・進路指導を行い、教科教
育実践力と研究力を強化し、日本と
世界の将来を担いリードする優れた
生徒を育てる。
授業力を向上させ、それ
ぞれの指導目標におい
て、質の高い授業を実践・
提供する。生徒の学力・
能力を育て、生徒の学校
生活を充実感のあるもの
にする。教員それぞれ
が、担任や各校務分掌を
責任を持って遂行する。
【成果指標】週一回の教科会合。教育研究会。学
会。他校研究会への参加。生徒の学力・能力の長
期的な分析。バランスのとれた学級・学年経営をお
こない、それぞれの部署で責任を持って役割を遂
行する。
【判断基準】教科会合への積極的参加。教育研究
会での研究授業。他校との研究交流会への積極的
参加。授業実践記録(論文)。個々の生徒の学力・
能力の形成的把握。学年主任会合での報告レ
ポート。各部署の研修会での反省と課題レポート。
運営会議における各部報告。
大学との連携・
協力の強化に関
③ 広島大学における、大学院教育 主に広島大学教育学研
する方策
学研究科及び学部における教育実
習や現職教育の研究と改革に資す
るため、諸外国の教育や教員養成
の実情を研究する。
達成状況,改善策
広島大学教育学研究科高
度化プログラム附属学校ア
クションリサーチを確実に
実施し、本校の特色ある教
育内容や研究開発を活か
しながら、大きな成果をあ
げ、高い満足度を得ること
ができた。
各教科での授業研究や、
教員個人の研修を充実し、
学校として授業力向上を目
指した取り組みを実施し
た。
学年と教科・各部署の連携
のもと、一人ひとりの生徒
の特性・ニーズに応じたき
め細やかな指導を行い、
生徒が希望する進路を実
現するための取り組みをす
すめた。当校の実践が「中
等教育資料」に掲載される
など、高い評価を得ること
ができた。
学校関係者評価
評価
A
A
B
A
A
全国的に模範と ② 論理的思考力ならびに客観的・ 研究部を中心にした研究 【成果指標】思考力判断力を高めるクリティカルシ SGH指定初年度として、
なる教育を行う 科学的思考力や問題解決力を踏ま 開発計画に基づいて推進 ンキングの育成を基盤とし、その成果を発展させて 予定に沿って順調に研究
え、持続可能な社会の構築(ESD) し、その成果を問いなが SGHに取り組み、教材開発や実地調査を行う。
を進めた。テーマに沿った
ための方策
に向けた「クリティカルシンキング」の ら、附属学校としての存在 【判断基準】SGHにおけるクリティカルシンキングの 教員研修会や教員の海外
研究開発をさらに発展させ、スー
意義を発信する。
理念を再確認し、その開発結果を報告。年度末に 派遣・研修を実施し、SGH
パーグローバルハイスクールの実践
は成果発表会を実施し、当年度報告書作成。
に必要な教師力の向上を
として、教育界に提言を行う。
図った。
③ 広島大学の人材・施設も積極的 教育研究活動の活性化を 【成果指標】優秀な人材を確保し、もって教育研究 教育研究活動を活性化す
に活用した教育課程、行事を編成 図るための多様な人事。 活動の活性化を図る。
るため、多様な人事をすす
し,日本と世界の将来を担いリード
【判断基準】多様な人事であること。着任後、各教 めた。
する優れた生徒を育てるため、広範
科・各部署においてチームの一員として認められて
囲での人材活用を図り、人材育成に
いるか。また生徒保護者から評価されていること。
努める。
① 情報教育・環境教育・科学教育
の分野で、現在以上の成果をあげる
ためにICT教育環境の整備を進め、
その効果的な運用のあり方を探り、
高度で特色ある教育内容の充実を
図る。
情報ネットワーク整備の準
備。ICT機器の整備。情
報ネットワーク利用に伴う
教材開発の構想。
② 学事情報システム運用に関し、そ
の課題と成果を把握し、教育と情報
システム運用の課題についての研
究を進める。またそのためのシステ
ムの更新も進める。
教務システムの稼働。教
務システムの教育活用。
教育課程の改訂に対応し
た教務システムの更新。
学校運営改善、
教員研修、地域
連携に関する方
策
③ 地域公立学校の研究開発への
指導・助言を担うなどの地域連携を
深め、教育研究において日常的な
交流を進め、相互の教員研修を進
めていく。
地域の学校との研究会の
相互訪問などの活動を通
して、教育研究情報の交
流をすすめる。教育研究
会などへの地域の学校か
らの参加。地域の学校の
研究活動への参加・助
言。
【成果指標】情報ネットワーク整備計画。運営会議
での構想案審議。開発プロジェクトの設置。教科主
任会への提示。
【判断基準】情報ネットワーク整備計画の策定。開
発プロジェクト設置。各教科で構想。ネット教材の
検索と整備。
タブレットPCを24台加えて
計48台導入し、小グルー
プによる協働学習やプレゼ
ンテーションのためのツー
ルとしての有効な利用方法
について検討を行ってい
る。
【成果指標】目標や利点の明確化。企画書の作
成。教務データ管理の基本理念と、利用者の現実
的要望の集約。運用における各種サポート。稼働。
教務システムがすべての教員に利用可能であるこ
と。
【判断基準】教務システムが稼働し、成績表・通知
書の発行等の実務が円滑であること。生徒・保護者
にその有効性が認識されること。教務システムがす
べての教員に利用できるように、マニュアルが整備
される。保護生徒面談における、生徒・保護者から
の評価。さらには附属学校教員の労働負担への対
応策としても大きな意味を持つ。
全面稼働。全面的利用。
有効なる利用。システムの
更新。繁忙期における教
員の労働環境改善の一
助。
【成果指標】一つ一つの地域連携の蓄積。研究会
に参加の内実。研究提携校の研究会への指導助
言および一般参加による連携。
【判断基準】一つ一つの地域連携の営みをどのよう
に着実に積み重ねたのか。どのような連携が実現
できたか。報告書。参加者の中での地域占有率。
参加者の地域の多様化。参加者アンケート。地域
連携校への参加。またそこから自らの課題発見。出
張報告から。
広島県高等学校数学教育
研究会の分科会活動への
継続的貢献(数学)。研究
会における教科分科会を、
広島県教育研究会理科部
会の例会としても位置づけ
て研究授業を行った。「ふ
くやまサイエンスフェスティ
バル」へエコクラブの生徒
が出展。
附属学校共通校務システ
ムの導入に向けて、これま
での利用実績をもとに、そ
のシステムへの提言を行っ
た。
A
B
C
D
E
A
B
A
意見・理由
広島大学教育学研究
科高度化プログラム附
属学校アクションリサー
チを行うにあたり、本校
生徒の特性についての
理解を深め,活かして
いくべきである。
昨今の学生の特徴に鑑
み、その受け入れに伴
う諸問題にいかに対応
していくのか、多くの課
題があることも一方では
確認している。
次年度以降の教育実
習について、その期間
変更によって本校の教
育活動への支障がない
ように打ち合わせを重
ね,計画を策定してい
る。
カリキュラム開発や教育
実習の制度改革につい
て、国の実情、大学の
事情、各附属固有の課
題があり、これらを精査
しながら進めていかな
ければならない。
海外への訪問や実地
調査の実施、広島大学
への留学生との交流な
ど、異文化にふれる機
会が多くなり、生徒の意
識に変化が見られたこ
とは大いに評価できる。
確かな生徒把握をおこ
ない、そのもとで全国に
範となる優れた授業が
行われている。ベテラン
と若手教員が各世代の
自己責任を自覚しなが
ら学校のすべての業務
にあたっており、質の高
い教育が行われてい
る。今後もこれがより効
果的に進められるように
希望する。
広島大学教員の指導の
下、文部科学省の教育
施策に資するための先
進的な教育研究を行
い、成果をあげて全国
的にも注目を集めてい
る。次年度以降の研究
開発にも期待をしてい
る。
広島大学の密接な関係
の下で、附属学校の理
解がなされ、有効な人
事が進められ、組織の
活性化が図られるよう希
望する。
タブレット端末など、常
に新しい情報教育のあ
り方を探るとともに、家
庭や社会における情報
関連機器の利用モラル
についても学習を深
め、有効な利用方法を
考えさせてほしい。
評価
A
A
B
A
判定できない
学校関係者評価を
踏まえた改善策
附属学校教員のメンターと
しての関与のあり方と、そ
の質の保証・向上のため
の方策について検討を行
い、効率的な在り方も探ら
なければならない。
施設の収容能力の向上に
加え、情報活用のための
機器や機能の強化を図り、
学生のためのより充実した
実習環境空間の整備な
ど、施設面のさらなる改善
が必要である。
4期制の実施に伴う実習
期間の変更については、
生徒の学習環境や学校行
事・対外行事の実施時期
等について総合的に検討
し、定められた条件の下で
最大限の効果が期待でき
る方法を検討する。
国の実情、大学の事情、
各附属固有の課題、各教
科の性格を精査しながら
進めていかなければなら
ない。
これまで以上に広島大学
や地域との連携を強化し、
異文化体験の機会を増や
すとともに、福山や地域の
文化・産業を見つめ直す
場としたい。
A
A
A
世代を繋いでこれまでの
教育研究の実績や伝統を
継承していくために、いか
なる継承が望ましいのかの
議論や研修体制の整備も
必要である。
優れた指導内容の蓄積と
その継承のためには、安
定した人事計画が不可欠
である。
次年度以降も、継続して文
科省の研究開発である
スーパーグローバルハイス
クール事業を推進し、全国
の学校の範となる研究を
進めていきたい。
A
人事のあり方について絶
えず検証を行い、長期的
な展望を持った人事計画
に基づいて、有益な人事
を進めなければならない。
A
コンテンツ整備をさらに進
め、通常の授業のみでな
く、教育実習への利用に
ついても推進していきた
い。
新たな共通システムの
導入について、これま
でのデータが適正に引
き継がれ、混乱すること
なく新システムに移行
するように望んでいる。
A
学校関係者評価
とても適切である
概ね適切である
あまり適切でない
適切でない
新たな共通システム導入
の計画に向けて積極的に
協力すると共に、共通化の
問題点について指摘し、よ
り進化したシステムを導入
していきたい。
A
地域の教育の最先端、
あるいは中心を担う学
校として、講演会や指
導助言など、様々な研
究協力に応じており、そ
の連携関係が着実に継
続されている。
A
地域連携の成果をどのよう
に発信するか、またこれに
関わる教員の業務負荷が
課題ではある。さらには、
連携パートナーにおけるそ
の意義認識を如何にして
発信させるのかもひとつの
課題。