精神保健福祉援助実習の内容と特徴

精神保健福祉援助実習の内容と特徴
精神保健福祉援助実習は、精神保健福祉士の受験資格を得るために必要な科目の内容が現場でど
のように具体的に展開されているかを学ぶ科目である。さらに当事者の置かれている状況や当事者
の気持ちを理解し援助者との関係について把握し、精神保健福祉士という仕事を実践の現場で理解
していくことを目的としている。以下に精神保健福祉援助実習指導および精神保健福祉援助実習の
内容と特徴を記す。
目的と内容
「精神保健福祉援助実習指導」の目標
1
精神保健福祉士援助実習の意義について理解する。
2
精神障害者のおかれている現状を理解し、その生活の実態や生活上の困難について理解する。
3
精神保健福祉援助実習にかかる個別指導及び集団指導を通して、精神保健福祉援助にかかる知識
と技術について具体的かつ実際的に理解し実践的な技術などを体得する。
4
精神保健福祉士として求められる資質、技能、倫理、自己に求められる課題把握等、総合的に対
応できる能力を習得する。
5
具体的な体験や援助活動を、専門的知識および技術として概念化し理論化し体系立てていくこと
ができる能力を涵養する。
「精神保健福祉援助実習」の目標
1
精神保健福祉援助実習を通して、精神保健福祉援助並びに障害者等の相談援助に係る専門的知識
と技術について具体的かつ実際的に理解し実践的な技術等を体得する。
2
精神保健福祉援助実習を通して、精神障害者の置かれている現状を理解し、その生活実態や生活
上の課題について把握する。
3
精神保健福祉士として求められる資質、技能、倫理、自己に求められる課題把握等、総合的に対
応できる能力を習得する。
4
総合的かつ包括的な地域生活支援と関連分野の専門職との連携のあり方及びその具体的内容を
実践的に理解する。
(文部科学省・厚生労働省令第 3 号(平成 23 年 8 月)に基づく指針より)
精神保健福祉援助実習の特徴
精神科病院、精神科診療所、障害者福祉サービス事業所での実習前に事前学習として、精神科
病院、障害者福祉サービス事業所での見学実習(当事者交流含む)、鹿児島県精神保健福祉セン
ター、鹿児島保健所、鹿児島市精神保健福祉交流センター、鹿児島県立姶良病院で事前学習を行
う(精神保健福祉援助実習指導Ⅰに位置付け)。
実習開始前に、各実習施設の実習担当者と教員、学生を交え、事前協議会を実施し、毎年度、
援助実習に係る教育コンセプトの確認を行いつつ、実習指導者全体で統一した方向性での実習実
施が行えるように調整を行っている。
実習後には実習報告会並びに事後協議会を実施し、実習の振り返りと総括を指導者を交え行い、
実習中に確認された課題などを共有し、議論する場を設けている。
実習場所に巡回指導に行くと共に、大学において毎週スーパービジョンを行い、実習前後だけ
でなく、実習中も継続した指導を行い、学生の精神科ソーシャルワーカーとしてのスキルアップ
と学びの機会を支えている。